社用車のLexus GS450hの点検のために代車が会社にあった。
一日のみの代車らしいが、「この機を逃すまい」と昼休みに試乗させて頂いた。
RX270。
ハリヤーの後継。
RXシリーズ内のベースグレード車。FF。
「RX・・」はマツダのスポーツカーではないのカネ?
■Lexus RX270 (AGL10W-AWTGK)
●エクステリア
正直良くわからない。SUVには疎いし、あまり興味がナイので。
個人的にカッコイイと思うSUVは
・レンジローバー・イヴォーク
・
スバル・B9トライベッカ
・初代VW・トゥアレグ
かな。
個人的に、コレはコレでレクサスらしいと思うが、RXになる前のハリヤーの方がオリジナリティ、アイデンティティはあると思う。
マツダ車などで良くみかける、タイヤハウス内へのフロントバンパー内からのルーバー。
フロントバンパー内にオイルクーラなどを増設した場合、こういった「抜き」が必要となる場合もあるが、RX270のコレは何のためなんだろう?
タイヤハウス内へのエア溜まりは空力的にNG・・・というのが最近の風潮なので、なんか違和感というか疑問に思った。
タイヤハウス内の空気抵抗・乱流のネガを犠牲にしてでも、バンパー内から何かを積極的に排出する必要があるのだろうか?(有識者の方、ご教示ください)
●インテリア
自分の趣味ではないが、オシャレだと思う。
クオリティも高いと思う。
オッサンよりも貴婦人向けだと思う。
日焼け予防で白い手袋して運転したい。
ステアリングの握り心地は良い。
ソフトで軽いタッチのHMI。
シフトレバー下、手前の四角い「ジョイスティック」というか「ジョイスクエア」みたいなものをグリグリすると、ナビ画面の操作ができる。
BMWが始めた「iDrive」みたいなもんか。
触ってみると意外と直感的に触れて、使いやすかった。
せっかくステキなBGMが流れていたが、試乗はいろいろエンジン音とかスキール音とか聴きたいので、オーディオはOFFに。
左足ブレーキもしやすいペダル・レイアウト。
ペダルタッチもソフトだが、「何踏んでんのかわからない」ほどインフォメーションに欠けるものではなく好ましい。
Audi A1、
アコード・ハイブリッドと同じく安っぽい。
もしかすると、意匠重視の金属を使ったペダルで雨の日の事故が多かったりして、ゴムペダルにするのがスタンダードになったりしているのかも。
それならとても歓迎すべきことだが、ゴムペダルにするならするで、もうちょっと高級感の表現の仕方はあると思う。
シートは立派な電動レザーシートだが、個人的にはちょっと苦手な感じ。
天井は307SWと同じようにグラストップにできるみたいだが、真夏日なのでやめといた。
S13シルビアみたいな、フロントガラスに車速と選択シフトを表示する機能はとても良かった。
運転しながらの視認性が素晴らしい。
●エンジン・ドライブトレイン
変なエンジンルーム。
より大きなエンジン、ハイブリッドシステムを搭載できるようにしているから広く作ってあるのだろうが、2.7L直4エンジンは、凹んだところにスッポリ収まっている。
なんで今回は蓋してないんだろう??
ベースグレードだから?
型式: 1AR-FE
種類: 直列4気筒DOHC
使用燃料: 無鉛レギュラーガソリン
総排気量: 2671[cc]
ボア×ストローク: 90.0×105.0
圧縮比: 10.0(低い)
最高出力: 138[kW] (188[ps]) @ 5800[rpm]
最大トルク: 252[Nm] (25.7[kgf・m]) @ 4200[rpm]
駆動方式: FF
トランスミッション: 6 Super ECT (スーパーインテリジェント6速オートマチック)
高負荷ではグォーン音に「ブロロロ」的な雑味が混ざり、車格にしては「やや」下品な音だと思う。
「高級SUV」ではなく「オフロード車」「クロカン」ならアリな類の音だと思うんだケド。
ちなみにパワーは不足はないが、車重(1820[kg])に対してはかなり非力な感じで、長い直線路で2速ホールドや3速ホールドでベタ踏みしても、回転上昇は非常にゆっくり。
てっきりFRだと思っていたので、ステアリングを切った状態で、停止状態からアクセルベタ踏みしてみた。
リアタイヤが軽くギャッ、ギャッ、ギャッと断続的に滑る程度で、「ありあまるパワー感」はナイなあ・・・と思ったのだが、そもそもFFだった。
フロントのホイールスピンなんかはなかった。
●ボディ、足回り、ハンドリング
足がやわらかく、ストロークたっぷりなのもあり、ボディ剛性については体感しにくい(※私のセンサも鈍い)。
すごくソフトな乗り心地なので、「やわらかい足」「重い車重(1820[kg])」という条件から、LS460より酷い動きを想像していたが、良い意味で期待を裏切られた。
急ブレーキを試すと、LS460では大きいピッチングの後、「船揺れ」が止まらず、酷いクルマ酔いを経験したが、RXでは車重が重くてサスのストロークが長いので当然大きくピッチングするものの、ダンパーの減衰が適切なのか、ゆっくり沈み、ピンチングは一回で収まるので酔わない。
ハードブレーキングに対してはシッカリ前荷重がかかった状態でフロントABSが「ガガガッ」と作動し、クルマの姿勢が乱れることなく、短い制動距離で停止する。
イケてる。
フロントへの荷重移動は比較的速く、戻りがゆっくりなので、
F縮み側: 減衰 低
F伸び側: 減衰 高
か
R縮み側: 減衰 高
R伸び側: 減衰 低
のどちらか(あるいは両方)っぽい。
いずれにしても、ゴツゴツせずソフトな乗り心地を確保しながら、フラフラ、ユラユラしないのは上手い足回りだと思う。
コーナリング時の横Gは車重ゆえにデカいが、案外不快なロールはない。自然だ。
速めのUターン、ヘアピンでは、ブレーキングで前荷重をかけずに進入すると、フロントが逃げてアンダーを誘発する傾向にある。
ブレーキングでフロント荷重してターンインしても、前荷重~横Gでの荷重移動での姿勢が結構スムースでキレイなので、安心して回れる。
ここでアクセルを早めに全開してもパワースライドなどあまり楽しい挙動は示さなかったが、そもそもFRだと勝手に思っていたワケで、FFなら当たり前の挙動だった。
タイヤはダンロップの「SP SPORT 270」?というタイヤ。
タイヤの横方向のグリップ←→スライドの移行がいまいちリニアじゃない。
ON/OFFのようにグリップとスライドを「ガッ」「ガッ」と行き来する。
こういう特性は苦手だ。もっと自然にグリップ←→スライドの行き来をして欲しい。
●総評
なんか想像していたものと違って、とてもナチュラルに運転しやすく、好印象。
エンジンの非力さが残念。
上位グレードのRX450h(ハイブリッド)、RX350などにも少しだけ乗ってみたい。
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