
帰国しました。
■FORD FOCUS 1.0 ECOBOOST
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Typ / Variante / Version: DYB M1DD16 5CGAMC
レンタカー屋の窓口で
「フォーカス」と聞いたときは、先代のフォーカス・・・
(WRCを席捲したRSのベース車。ポスト・VWゴルフとして世界中で評価され、FIATはフォーカス対向車としてスティーロの開発に注力した)
・・・を思い浮かべて、少し心が踊ったのだが、残念(?)ながらモデルチェンジ後の現行モデル(2012~)だった。
この現行フォーカス(2012~)は
”2012年上半期に、単一車種として世界で一番売れた自動車”
だそうだ。
●エクステリア
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ソツないケド退屈。
最近のフォードのデザインは、ヒュンダイ(と起亜。でもかなりヒュンダイ寄りかな)に近似している印象で、「韓国車コンプレックスでもあるのか?」と以前から思っていた。
●インテリア
硬めで長時間移動でも疲れないシートはとても良くできていた。
あえて言うと、もう少しだけ着座位置を下げたかった。
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内装デザインもありがちで面白みは無いケド、良くまとまったデザインで、使いやすいと思う。
「イイね!」と思ったのはこのドリンクホルダー。
缶・ペットボトル・瓶のサイズに合わせて、スライドできる。
ウチのプジョー307SWのドリンクホルダーでモンスター缶(=細い)を良く、倒してしまう私には羨ましい仕様。
ただし、このドリンクホルダーに500mLペットボトルを立てると、シフト操作時に腕に干渉しまくるので、結局このドリンクホルダーは使わず、ペットボトルはドアポケットに転がしていた。
●パワートレイン(エンジン)
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排気量:999cc
タイプ:直列3気筒 DOHC 直噴ターボ
燃料:ガソリン
ボア×ストローク: 71.9×82
圧縮比:10:1
最高出力: 125ps (92kW) @ 6000rpm
最大トルク:200Nm@1400~4500rpm
1Lエンジンには3気筒って熱効率的にはイイんだよね。1気筒あたり333ccで。
一生懸命覗き見たケド、ターボチャージャーのメーカはわからなかった。
普通に走ってる分には加速性能にそれほど不満はナイんだケド・・・
高速安定性は高いが、
アウトバーンをぶっ飛ばすには少しパワー不足。
160km/h: 巡航。スピード感ナシ。
180km/h: 少しスピード出してる感じ。不安感ナシ。
190km/h: 車速頭打ち。
下り坂では200~205km/h程度まで至る。
アウトバーンでは日本と逆で左車線がオーバーテイクレーン。(左ハンドル、右側通行なので)
190km/hで走行していて、左からオーバーテイクしていくのは、おおよそメルセデスのSやEクラス、BMWの5以上、AudiのA6以上、ポルシェなど。
「高級車=多気筒、ハイパワー」という価値観はオカシイという話もあったし、実際、特に日本の道路事情では高級車に絶対的なパワーは必要ナイと私も思う。
日本以上に欧州ではここ数年、高級車のダウンサイジングターボ化が進んでいるが・・・
・・・
アウトバーンを思いっきり走ると、やっぱり「馬力=正義」なのだな、と痛感する。
高いお金出して買ったクルマが、格下のクルマを悠々と追い越し、置き去りに出来ないのって、富裕層にはストレスだと思う。
「Time is money.」。
排気音は小さい。
グオーンとか、グロロロとか、低い唸り声系(いかにも小排気量のダウンサイジングターボ系)。
3気筒のネガは余り感じなかった。
空力が見た目以上に良くないので、排気音が小さい分、
高速域では風切り音が非常にデカい。
(フォーカスと交換して夕方乗った
オペル・インシグニア

は高速域でも風切り音うるさくなかった)
停車中の空ぶかしは4000rpmでレブ・リミッターがかかる設定。
吹け上がり、針落ちは極めて遅いので、イナーシャの大きいフライホイールでの安定指向。
(だから、まあ、発進時のクラッチワークが難しいとかそういうことは一切ナイ)
最大トルク:200Nm@1400~4500rpm
という諸元だケド、私は運転していて4500rpm~がパワーバンドに感じた。
●ドライブトレイン(トランスミッション)
FF。6MT。
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シフト操作はストレスなく行える。シフトレバーのストロークはやや大きめ。
フットレストの位置が奥過ぎて、左足ブレーキを行うには、一旦、「よっこいしょ」とクラッチペダルを避ける必要があるので、
左足ブレーキ向けではナイ。
6MTのギア比の設定は微妙だケド、こう設定するしかないのかな?
街乗りでは、ほとんど1速、2速しか使わない。
1速も2速もあんまりローギヤードじゃないので、幅広いレンジで使えるが、加速が鈍い。
なので、街乗りしていると、「6速もあるんだからファイナル(=0.61)もっと高めに設定しろよ」と思うんだケド・・・
でも、アウトバーンで190km/hで走っていると、やっぱり6速まで使う。
厳密には5速高回転でも190km/hはたぶんカバーしているケド、燃費を考えるとやっぱり6速で、この変速比・最終減速比の設定になるのかな。
●ボディとか足回りとかステアリングとか
イマドキのクルマはみんなそうだケド、剛性感はシッカリある。
足は、固有振動数の低い感じ。
車重に対しては比較的、バネレートが低いような・・・。
昔のゴルフ3あたりのように、ドッシリした足なんだケド、ハーシュネスはキレイに往なすし、ブレーキング時の初期の荷重移動、コーナリング時の初期の横G発生に対しては、かなり柔らかさを感じる。
「落ち着きが無い」というほどではナイのだが、ハードブレーキングには適さない足で、あまり好みではナイ。
(夕方乗り換えた
オペル・インシグニア

の方が遥かに好みの足だった)
非線形バネなのかな?
初期応答に対して柔らかめのバネを、ダンパーの減衰でゆっくり動かしてる感じ。
(合ってるかわからないケド)
パワステは軽い。もっと重めの方が好み(夕方から乗り換えた
インシグニアのパワステはイケてた)。
ステアリングマシンではない。
結構なアンダーステア。ベタベタにFF特性。
アウトバーンの合流や脱出で、80km/h~100km/hで、
少しでもステアリングを切ると、もうフロントからスライド音が聞こえる。
タイヤがプアなのもあると思う。
タイヤはグッドイヤーのVector 4Seasonsという、夏タイヤとスタッドレスの間ぐらいの特性で、グリップ力は低そうだし、ブロック横剛性も低そうだ。
205/55R16。
で、
先のブログエントリで報告したように、
右リアタイヤがバーストした。
翌日は取引先さんのレンタカーも似たようなバーストをして、こちらは縁石とは言えないような低い縁石に接触したときにバーストしたそうなので、私も気付かずにそういったシチュエーションで小傷が付いていたのかも。
ドイツには低い縁石が多いんだケド、タクシーなんかを見ていると結構乗り上げているので、なんだか考えこんでしまう。
ニュルンベルクのレンタカー屋でクルマを交換するときに、「良くあることだ」と言われたのが、単に「気にしないで」という意味なのか、本当に良くあるのかは不明。
●総評
中庸。
悪いクルマじゃないんだケド(少なくともトヨタなんかのこのクラスのクルマよりは好き)、夕方乗り換えた
インシグニア 
があまりに足回り・ハンドリング・加速性能ともに優れていたので、フォーカスの印象は一気に霞んでしまった。
世界の自動車メーカに強く意識された先々代フォーカス、先代フォーカスと乗り比べてみたい。
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試乗記 | クルマ
Posted at
2015/12/18 18:15:58