ブログ「
【書籍】タミヤRC30年間の全記録―タミヤRCカー30年の歩み(Part1)」の続き。
バギー編。
■【書籍】タミヤRC30年間の全記録―タミヤRCカー30年の歩み

(GAKKEN MOOK)
小5の終わりぐらいから小6の間、仲間うちでの趣味と言えば、バギー系のオフロードRCカーだった。
バッテリーの充電が切れるまでレースし、その後でファミコンというパターン。
クルマの構成要素なんかも、ほとんどRCカーで覚えた。
「シャシー」、「ダブルウイッシュボーン」「ラック・アンド・ピニオン」「ピニオンギア」「デファレンシャル・ギア」「オイルダンパー」「FRP」「ジュラルミン」「ABS樹脂」「モリブデン・グリス」「トーイン」「トーアウト」「スタビライザー」「モノコック」「ボールベアリング」etc...
●マイティ・フロッグ(1983年)

"タミヤ第2世代レーシングバギーの筆頭"だそうだ。
それでも、私がオフロードRCを始めた1996年には老舗バギーという感じで、マイティ・フロッグを操ってる人を見ると、ちょっと渋いっちゅうか、ベテランっぽく見えたもんだ。
●グラスホッパー(1984年)

入門用の廉価バギー。
グラスホッパーのオーナーは、ホーネットにコンプレックスを持ち、ホーネットのオーナーはFOXにコンプレックスを持っていたように思う。
でも、グラスホッパーをベースに、フルチューンという楽しみ方もあったハズだ。
●ホーネット(1984年)

グラスホッパーのプラットフォームに、あれこれとわかりやすいワンランク上のパーツを使ったモデル。
でも1万円を切っていたので、これも入門モデルとして多くの友人が持っていた。
●ホットショット4WD(1985年)

タミヤ初の4WDレーシングバギーで、ちょうど私がRCを始めた頃にホットなモデルだった。
よって、ホットショットを選択した友人も多かった。ちょっと高価だったけど(21,800円)。
ホットショットの造形は、バギーらしくてカッコイイと思う。
●ワイルドワン(1985年)

アタックバギーというミリタリー系バギーモデルをベースにしたレーシングバギー。
バギーらしい形状で、アンチ4WDだった私は、結構コレが欲しかったのだが、先に友人に買われたので買わなかった。
●フォックス(1985年)

HOT SHOTと並んで、当時最もアツかったモデル。
実際、カッコ良くて速かった。
小学生だった我々にも、
「安定して操作しやすい4WDよりも、ドラテクは必要だけど軽量な2WDで速いヤツがカッコイイ」
みたいなイメージがあり、そういう観点からもFOXはヒーローだった。
経済力があり(17,800円)、2駆派の友人はFOXだった。
●スーパーショット4WD(1986年)

ホットショットのプラットフォームを4独サスにし、フルボールベアリング化した、正しく「スーパー」なモデル。
これをもってた友人もいた。
でも、なんか、バギーらしくないデザインと、ちょっと戦隊モノっぽい子どもっぽさが、個人的には気に入らなかった。
最初から至れり尽くせりで、チューニングする楽しみも他モデルよりも希薄だと思えて・・・・・。
・・・・そんな時代の中、私が選んだのは時代遅れのファイティング・バギーだった。
●ファイティング・バギー(1982年)

海外名"SUPER CHAMP"。
人とカブらないモデルが欲しかったのと、デザインが好きだったのでファイティング・バギーを選んだ。
既に絶版モデルで、デッドストックで置いている店を随分遠くまで探して回ったものだ。
メカの凝った、歴史的名モデルらしいが、明らかに古いプラットフォームで、上述のモデルたちとは全く異なり、随分と苦労した。
まず、何より重い。
シャシーはFRPで軽いのだが、サスペンション、ギアボックス、ダンパーなどの各パーツが、後のバギーがABS樹脂となっているのに対し、いちいち金属だったりセラミックだったりして、とにかく重かった。
で、セラミックパーツが重い癖に脆くて、クラッシュする度に割れて、部品を注文しなくてはならなかった。
友人たちがサードパーティー製のジュラルミンのウイングや、ダンパーを購入したり、ボールベアリング化するのを横目で見ながら、私は何度も壊れた純正部品を再注文していた。
ボディも、後のモデルがポリカーボネートなのに対し、プラスチックで重かった。
バギーらしくて好きなデザインだったが、軽量化のために、ハマりそうなポリカーボネートのボディを捜し、結局、コロコロコミックで買うことのできるスーパードラゴン(ホーネット用の代替エアロ)をちょっと加工して使っていた(形状は好きになれなかったが)。
そんなこんなで、重く、遅い上に私のドラテクも下手だったので、レースでは負けっぱなしだった。
が、他のモデルがサードパーティーの部品への交換でチューンできるのに対し、ファイティング・バギーではDIYでの様々な加工が必要で、イイ勉強になった。
その後登場したモデルとしては、
●ビッグウイッグ4WD(1986年)

タミヤRC10周年記念のハイエンド・モンスター・カー。
なんと由良拓也のデザイン。
初の8.4Vバッテリー標準仕様なんかも話題だった。
グラスホッパーな友人がこれに買い換えてたっけ。
私には、バギー離れしてSFっぽくなってしまったデザインにどうも抵抗があった。
●ポルシェ959 パリ・ダカール・ラリー優勝車(1986年)

バギーじゃないんだけど、オンロード・オフロード兼用のセンセーショナルなモデル。
機構のカッコ良さもあって、コレは欲しかったなあ・・・。
●アバンテ4WD(1988年)

スーパーショット以降、バギー離れしたモデルや、バギーっぽいけどコンセプトの不明瞭な中途半端な位置づけのモデルのリリースが続いたが、1988年のアバンテの登場はインパクトがあった。
私は既にオフロードをやめてオンロードに転向してたけど。
我々RCキッズの中では
タミヤ:入門。キッズ。
京商:マニア。上級者。
ヨコモ:ホンマモン。大人。
というイメージがあったが、アバンテの登場で、タミヤからも通好みというか、上級者向けのコアなモデルが出たなあ・・・と。
ただ、そのスタイリングがカッコ良いのだが、京商のオプティマに結構似てるのは少し残念だった。
ちなみに私は、タイレルP34シックスホイーラー同様に、オプティマの兄弟車「京商 ジャベリン」もゴミ捨て場で拾って所有していた。
チェーン駆動の4WDで、かなり硬派なモデルだった。
本書籍を読んでいて感じたのは、タミヤのバギーはこの時期(1983~1988)が全盛期だったようで、その後、パッとしたモデルが出ていない。
その後のモデルはボディも子どものオモチャのRCのようなダサさだったりするし、機構もビッグウイッグやアバンテ以降の革新が感じられない。
で、結局、最近マイティフロッグやホーネットを復刻でリリースしているのが、それを顕著に証明している。
この書籍で、直に触れてきた懐かしいRCカー達を眺めて、当時のアツさを思いだして、盛り上がれた。
●自動車 書籍レビュー関連目次はこちら