B4廃車が決定しても、沈んだり塞ぎこんだりしている余地がない。
B4は通勤用車両だったし、修理しないことが決定した現在、近藤エンジニアリングさんからの代車は一日も早く返却すべきだからだ。
GWが明ければ仕事も再び忙しくなるので、即時決める必要があるので、本日は休みを取って、ミニバン選びに出かけた。
私個人は
スバル・トラヴィック(オペルからのOEMのミニバン)を買うつもりだった。
「スバルだから」というのは全くなく、単純にミニバンにしてはカッコイイと思えるのと、乗った人の意見が総じて「しっかりした足回り」とか高評価だからだ。
玉数は少ないケド、不人気車なので安いし。
でも、トラヴィックの中古車ページを妻に見てもらったところ、「え”・・・・・」というリアクションだった。
女子には受けないデザインらしい。
で、別の安いミニバンを探す必要が生じ、いろいろ調べていたら、307SWにたどり着いた。
307は昔から知ってるが、SWがミニバンだとは全然知らんかった。
不人気車なのか、45~50万円程度で、ストリームやトラヴィックよりも年式・走行距離などコストパフォーマンスに優れるようだ。
で、実物を見に出かけた。
■Peugeot 307 SW(GH-3EHRFN)
●エクステリア
最初に訪問したお店ではオーロラグリーンの307SWに試乗。
長女(小5)はWEBで見たときからこの車両をいたくお気に入り。
個人的にはこういう「中庸な?」色(プリウス系に多用される色)は苦手なのだが、仏車には合ってる思うので、307SWとしてはアリだと思う。
2店舗目ではアルミナム・グレーの307SWを2台見せてもらった。
妻はグレー派。
私は・・・う~ん・・・正直どちらでもいいかな、と。
シルバーは凡庸過ぎる気もするが・・・・汚れ目立たなそうだし。
いっそ、青とかあるとプジョーっぽいし、真っ赤だと307WRカーを連想できてステキなんだケド、中古車市場にない色のことを言っても仕方ない(オールペンの予算なんてないし)。
サイドビュー(アルミナム・グレー)。
リアビュー(アルミナム・グレー)。
正直、307系のデザインに惹かれたことは今までに一度もない。(207とか407も含め「7」系はすべてピンとこない)
私が好きなプジョーのデザインはピニン色の強い306。206、106もステキだ。
そんな307SWなんだケド、「ミニバン」というジャンルに限定して見ると、とても魅力的なデザインだと思えてくる。
大好きなシトロエンC4ピカソも、内装や乗り味にはノックアウトされたが、エクステリアはそんなに好みじゃないのだ。
「ミニバン」に限定すると、エクステリアが好みなのは、トラヴィック、ルノー・アヴァンタイム、フィアット・ムルティプラ(初代)ぐらいかな。
アヴァンタイム、ムルティプラの変態系を除くと、307SWはかなり良いセンだと思う。
オーロラグリーンの車両はENKEIのアルミ(17インチ)を履いてる。
307SWに似あってるかは疑問(純正アルミの方がマッチングは取れていると思う)だが、鋳造の中では軽量な部類に入るエンケイのスポークアルミ自体は好ましい。
純正アルミは純正アルミで、一緒に納品可能とのこと(スタッドレスを履いた状態とのこと)。それは好条件。
そもそも、プジョーの4穴の107.95という変なPCDのため、社外アルミにはあんまし選択肢がなく、みんカラで観察してもおおよそエンケイかOZを履いてるようだ。
16インチ純正で高偏平タイヤよりも、17インチENKEIの低偏平タイヤの方が、タイヤハウスの隙間が妙に気になってしまうのが残念なところ。
ENKEIの方ならローダウンした方がバランスが取れると思う。
●インテリア
↑オーロラグリーン車両
↑アルミナム・グレー車両
想定していたより、遥かに高級感があり、クオリティが高かった。
インパネまわりとかコンソールとかはAudi A4系なんかに通ずる。
特にオーロラグリーンの車両は、内装の緑がとても良い感じ。
オーロラグリーン車両に関しては全体のトリム系やシート地など、ドイツ車ではない、プジョーならではの独自性も感じて、ステキだった。
対して、グレー車両の方はクオリティはともかく、デザインはちょっと凡庸な印象を受けた。
でも、グレー車両の方が傷みが少なく程度が良い。
ペダルレイアウトは悪くないのだが、フットレストがないのがNG。
私は2ペダルだと、ブレーキはほとんど左足になるのだが、フットレストがないと、左足の移動距離が大きくなり不自由。
フットレストは後付必至。お店に相談中。
純正ステアリングホイールが生で見ると結構高級感があり、グリップの感じもすこぶる良い。
左足ブレーキの都合で、私のシートポジションはかなり後ろ。このため、B4ではステアリングに100mmのスペーサをかませて、更にディープコーンのステアリングホイールとしていた。
307SWのステアリングにはテレスコ機能があるため、シートポジションを後ろめにしてもある程度は吸収できるが、更にもう少し手前にもってきたい。エアバッグ付の純正ステアで、ボスをかませる方法ってないんだろうか?
シートは良い感じ。適度な硬さとホールド感。腰のあたりもOK。
3列シートは良い感じ。
3列目は非常に狭く子ども用なのだが、我が家では臨時来客時にチビッ子たちを乗せる用途なので十分。実際に、次女と三女を三列目に座らせて試走したが、快適そうだった。
3列目を手軽に外すこともできるし、2列目も手軽に外せるらしい。(B4もこれぐらい容易に脱着できるとサーキットでのピット作業が楽だったのに・・・)
2列目の真ん中だけを外して、ウォークスルーレイアウトにもできる。
なかなか良く考えられている。
とりあえず、妻・子どもたちはご満悦。
「パノラミックルーフ」というガラス天井は、私個人的には興味をもてない。
アトレーターボを所有してたときもガラス天井だったが、ほとんど有効活用しなかったし。
天井に重いもんが付いているのはネガティブなことだと思うし。
そもそも、運転手にはほとんど無関係だし。
妻・子ども的にガラス天井が楽しいのであれば、ステキなことだと思うが、意外とリアクション薄だった。
●運転してみて
オーロラグリーン車両は運転できた。
アルミナム・グレーの方は保険の関係上、お店の方に運転して頂いた。
ステアリングがガシッと手応えのある重めのフィーリングで、このパワステの味付けはモロに好み。
なんとなく仏車は柔らかそうなイメージがあったが、重厚。
足回りも同様で、意外とドッシリとした感じ。
もっと「猫足」を想像していたが、ドイツ車ライクなフィーリングだった。
ホバークラフトのようにスーッと浮いたような感じでフラットライドなシトロエンC4なんかとはまた違うのだな。プラットフォームはC4と同じだったように思うが。
この剛性感、トラクション感のあるフィーリングは家族車としては好みの味付けなのだが、同時に鈍重でもある。
スゴく重いクルマに思えたが、車両重量は1430[kg]。ノーマルのレガシィB4 Spec.Bと全く同じ数字だ。
重く感じる理由は
a) 試乗時は家族全員(5人)+お店の大人1名・・・と、かなり大人数だったこと
b) エンジンが非力でパワーウエイトレシオがB4より遥かに悪いため
c) 私のB4は80kg~100kg程度の軽量化を実現していたため
d) B4よりもサスのバネレートが低いため。バネレートが低い=固有振動数が下がる=重量増と同じ効果
の複合要因だと思うが、とにかく鈍重に思える。
ただ、鈍重なんだけど、トヨタ、日産あたりのミニバンのケミカルな感じ、エフェクターなんかでインフォメーションをボカしたような感じはないので、そこは好評価。
鈍重なのもインフォメーションのひとつだ。
エンジン~ドライブトレインはフィーリングを評価するほど十分に試乗できなかった。
Sモードにするとそれなりに引っ張れるが、正直非力。加速しない。
最大出力 137[ps](100[kW])/6000[rpm]
最大トルク 19.4[kg・m](190[N・m])/4100[rpm]
欧州車はスペックがショボくても、実用域の中間加速は良いイメージだけど、307SWはそうでもないかな。2LでもNAだとこんなもんなのかな。
MPVなんかもNAはこれぐらい走らんかった気がする。
やっぱNAの直4はホンダが一番だよ。
まあ、このクルマの用途は家族車なのでそれで良い。
一人で乗ったらまた違うかもね。
●総評
通勤車両としては大きくてダルだが、予算内の家族車両としては、これ以上ないパーフェクトな選択だと思えた。
長年乗っても飽きなさそうだし。大事に乗れそうだ。
で、妻・長女とも協議の上、アルミナム・グレーの車両を買うことにした。
オーロラグリーン車両の緑の内装は魅力的だったが・・・
・アルミナム・グレーの方が走行距離が短く、年式も新しい
・アルミナム・グレーの方があきらかに傷みが少なく程度が良い
・アルミナム・グレーの取扱店(というより整備工場)の人(イケメン)に好感がもてた。整備工場としての理路整然っぷりと駆け引きのなさに信頼がもてた
などの理由でグレーに。
まあほとんど、車両の違いそのものよりも、やっぱり最後は人で選んだ。
グリーン車両のENKEIのアルミはまあいいや。
じっくりと整備・車検に時間をかけて頂くので、納車は一ヶ月後。
それまでの代車を用意して頂くので明日、もう一度工場に行く予定。
P.S. 家族・親戚一同には不人気だったB4だが、プジョー試乗後、次女に
「今日乗ったクルマとレガシィとどっちが好き?」
と訊いたら、どういうワケか「レガシィ」と言われた。
うっかり泣いてしまった。
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