
2013/2が終わった。
自分の意思で覚悟の上で受注した最重要プロジェクトに取り組んでいたので、モチベーションは高く、非常に楽しく充実した仕事だったが、流石に残業200時間オーバーは肉体的ダメージが半端なく・・・。
今朝、装置が出荷されたので午後から半休取って爆睡した。
短期間でビートの車検準備をしないといけないのでちょっと焦ってたり。
やっぱり「
Motor Fan illustrated vol.71~ル・マン24時間~」のレビューが終わってないのだが・・・(もう終わらないかも)、別誌のレビューを。
■auto sport(オートスポーツ) 2013/2/15号(No.1349)
出版: 三栄書房(2013/2)
オートスポーツ誌のデザインがリニューアルされた。
私が好きな三栄書房の雑誌だが、稀にパラパラ立ち読みしたり、総集編的な特集号を買うだけで、あまり縁のない雑誌だが、
「【特集】スポーツドライビング」
にグッときたので買ってみた。
ドラテク専門誌としては同じ三栄書房の「
REV SPEED」が人気誌で、私も1.5~2年間は毎号購読していたが、1年間も買うと同じ特集が繰り返されるし、案外内容の薄い雑誌なので最近は全く買わなくなった。
本auto sportの「スポーツドライビング特集」は、REV SPEEDのドラテク論とは全く異なる切り口、異なるスタイルのドラテクを紹介されており、非常に貴重なドラテク資料。
●ドライビングコーチ
日本の走行会なんかでもプロドライバーによる同乗走行や逆同乗走行などがあるが、本誌ではヨーロッパではF1ドライバーもドライビングコーチに指導を受けることが多く、市販車で練習していることを紹介されている。
●ドラテクスクール施設?
ジョナサン・パーマー率いるMSV社による「パーマースポーツ/ベッドフォード・アウトドローモ」という施設の紹介。
十分過ぎるエスケープのあるコースで、
・アリエル・アトム
・ケータハム7スーパーライト
・カート
・パーマー・ジャガーJP-LM
・フォーミュラ・ジャガー
・BMW M3(E92)
などのシッカリ整備されたレーシングカー、スポーツカーが用意され、ドラテク講習を受けられる施設。
「1日体験」(7:45~17:30のカリキュラム)があるのがなんとも魅力的だ。
体験車両がズラリと並んだ巨大なガレージ?の写真が立派過ぎた。
●最新シミュレータ
イギリスのGP2チーム「iSport」のシミュレータと、「iZone Driver Perfomance」というシミュレータの紹介。
もちろん、上級者の運転パターンとの比較・指導が入るのだが、視線追跡システムによる視線指導だったり、脳は、心拍数、体温まで最近はモニタリングされているらしい。
「REV SPEED」では決して特集されない記事だよなあ(笑)
●エゲレスについて(※本誌から脱線)
・・・ドライビングコーチ、ドライビングスクール施設、シミュレータ。
モータースポーツという分野において、やっぱり英国が進んでいることが悔しい。
過去にも本ブログで語ってきたが、
・他国からの借り物のエンジン(例:ロータス・エリーゼとか)
・タタなどインドメーカや他国メーカ傘下の各イギリス自動車メーカ
・完全にBMWブランド・BMW開発モデルの製造工場と化したMINI(BMW MINIにユニオンジャックをペイントしているクルマは激ダサだと思う)
・・・など、イギリスのカーメーカー事情はダサい。
なんだかんだ言って、エンジンを作れない自動車メーカは個人的にはダサいと思っているのだが、イギリスのクルマ趣味人や評論家は、日本を含めアジアのクルマを「文化的でない」と嘲笑する傾向にある。
mistbahnはそんな英国のクルマ「文化人」とか評論家をゴミだと思っているのだが、レーシングチーム・コンストラクターの数、モータースポーツが文化として根付いている背景などは、やっぱり本当に進んでいることは認めざるを得ないので、なんだか情けないやら悔しいやら・・・。
●欧州式コーナリング、バランススロットル
この記事こそが一番印象に残った。
日本式: ブレーキを残してコーナー進入(曲がるためのブレーキ)
欧州式: バランススロットル
とのこと。
「バランススロットル」とは、コーナー進入前にブレーキングを終わらせて、コーナリング中は、加速も減速もしていない状態で、タイヤのグリップを縦に使わずに横方向だけにフルに集中させる・・・という思想。
単純にブレーキペダルもアクセルペダルもOFFの状態だと、クルマは減速していくワケで、コーナー進入後は加減速しないよう、微妙なアクセル操作を行うことから「バランススロットル」らしい。
私は元々、「曲がるためのブレーキ」が怖くてできなかったクチで、コーナー進入前までにブレーキングを終わらせ、コーナリング中はリアのグリップと相談しながらアクセル操作するスタイルだった。
ところが、REV SPEEDなんかでは、「曲がるためのブレーキ」ゴリ押しだったため、サーキットを走るようになってから、サーキット派のみん友の皆さんにも相談しながら「曲がるためのブレーキ」を練習するようになったのだが、練習量とセンスが足りないこともあり、実際にはタイムは悪くなった。
カートでは思い切って練習できることもあり、「曲がるためのブレーキ」も使えるようになったが、最近はブレーキリリースポイントはどんどん手前になっており、タイムアップしている。
この「欧州式」の「バランススロットル」は1993年~2009年ぐらいまでの自分のスタイルに近く、自然なスタイルで、「ひょっとしてこっちに戻した方が良いのかなあ?」と
考えさせられた。
日本のサーキット特性(フラットでグリップが高い。また、ハイグリップタイヤが主流)には、突っ込み重視の日本式の方が好タイムを叩き出しやすいらしいが、年齢や長年のスタイル、十分な練習時間・走行回数を重ねられない現状、自分にとって自然なスタイルに戻した方がひょっとしたらベターなのかもしれない。
ビートは特にフロントが軽く、フロントタイヤに仕事をさせることが困難なため、
「ブレーキロックさせない程度にブレーキングによる前荷重をかける」
ことが命題のように考えてきたが・・・
谷口信輝によると、911GT3のようなRR車でも欧州式が有効だそうな。
うーむ。。。
正直、何が正解かワカラナイし、そもそも私の場合、スタイルがどうこう以前の基本から・・・なのだが、この記事は本当に考えさせられるもので、この記事を読んでからはプジョー307SWでも社用車でも、法定速度・制限速度の範囲内で「バランススロットル」を練習してみている。
マンガ「オーバーレブ」4巻でも
「一定速度をキープして走る練習」
というのが登場する。ここでは
「交通の流れにのったまま上り/下り坂ではアクセルの踏み込み量を調整して、常に一定の速度を保つ練習です」
と書かれており、ときどきコレは練習してたんだケド、本誌(auto sport)を読んでからは似たような練習でも、練習の意図・着眼点をガラリと換えた。
直線区間でもコーナリング区間でも一定速を保ってみているのだが、スピードメータは確認のためにときどきチラ見するだけで、「一定速度を保てているか?」はメータを見ずにGで感じるようにし、コーナリングでもバランススロットルにより左右Gのみとするよう心がけた練習。
車種、車速を問わずにできるので、結構オモシロイ。
●ほか
今までなんか雑然とした雑誌・・・という印象で、あんまし読んでなかったのだが、世界のいろんなカテゴリのモータースポーツを紹介している本誌の存在は貴重だと思うし、1カテゴリを掘り下げていなくてもコンセプチュアルだと思う。
可夢偉のいない2013年のF1は私にとってやや退屈なシーズンなので、ときどきオートスポーツを買って、他カテゴリのことも勉強しよう。
●書籍レビュー関連目次はこちら
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書籍 | クルマ
Posted at
2013/02/28 23:24:35