
栃木出張5日目。ぼちぼちホームシック。
ブログエントリ:「
【試乗】Lexus LS600hL ( DAA-UVF46-AEXQH(O) ) part.1」 の続き。
「運転してみて」編。
■Lexus LS600hL ( DAA-UVF46-AEXQH(O) ) "EXECUTIVE package"
●パワートレイン
↑例によって見ても何が何だかわからない、ボンネット中。
LS600hLのオーナー系の方々が、あんましボンネット開けて中を見ることもないだろうから、こんなに化粧する意味がナイと思うのだが・・・。
化粧と言うよりは「とにかく触って欲しくない」という思いが強いのかもしれないが。
エンジン
型式: 2UR-FSE
種類: V8
総排気量: 4968[cc]
ボア×ストローク: 94.0×89.5
(意外とオーバースクエア♪)
圧縮比: 11.8
最高出力[NET]: 290[ps] (394[kW]) @6400[rpm]
最大トルク[NET]: 520[N・m] (53.0[kgf・m]) @ 4000[rpm]
燃料供給装置: 筒内直接+ポート燃料噴射装置 (D-4S)
モーター
型式: 1KM
種類: 交流同期電動機
最高出力: 165[kW] (224[ps])
最大トルク: 300[N・m] (30.6[kgf・m])
先代LS600hに乗ったことがある方から「鬼のように速い」と聞いていたし、繰り返し試乗レビューをしている、
先代GS450h 
が、爆発的な加速をするので、GS450hの「排気量UP版」的な位置付けのLS600hLは「さぞかし速いんだろう」と予想していた。
・・・・が、実際に運転してみて、
「あれ?あんまし加速しない?」
という印象。(オーナー様、ゴメンナサイ。。。)
モードは「S+(ダンパー減衰高め、パワートレインのマッピングも加速重視?)」に切り替えた状態で、ベタ踏みしても、あんまし加速「感」がナイ。
「あれ?」と思い、今度は
2速ホールド(・・・とは言っても、THSは一種のCVTなので実際のところトータルでの減速比がホールドされているかわからないが)で、ベタ踏みしてみる。
やっぱり加速「感」がない。
タコメータの針を見ていても、上昇がゆっくりだ。
・・・とは言っても、タコメータが何を表しているのかが良くわからない(わからないことだらけ)。
タコメータがエンジン回転数を表していても、THSは一種のCVTなので・・・
かと言って、車速メータを見てもそんなに加速しているようには見えない。
うーむ。。。
※ちなみにインパネは↑こんな感じ。
トヨタのハイブリッド車はタコメータの代わりに、写真のように「POWER/ECO/CHARGE」メータが付いているのだが、表示切替が可能らしく、走行中はタコメータになっていた。
巨躯、
車両重量2380[kg](!)に加え、
大人3名乗車という条件が不利だからなのか?
あるいは、静粛性が高いのと、後述する後輪駆動感の演出が希薄だから「加速してる感」が希薄なのか?
いやいや、車速メータもあまり上昇しているようには見えなかったので、実際に加速していないのかもしれないが・・・
・・・
・・・
単に、フルスケール280km/hのメータなので、針の進みがゆっくりだったのかもしれない。
中の人の話では、
"先代GS450h
のハイブリッド(※FRとしては世界初のハイブリッド)を、パワー重視にし過ぎて、燃費が悪かったのがユーザ層に不評だったので、その後のレクサスのTHSはかなり燃費方向に振った"
と聞いている。
個人的には
初代GS450h 
の「KERS」としてのモータアシスト、暴力的な加速が面白かったので、「燃費重視」への移行とは何事か!と思うのだが、
確かに2代目GS450hは初代よりもいろんな意味で退屈なクルマになっている。
なので、LS600hLもひょっとしたら、制御でかなり制限をかけているのかもしれない。
・・・とは言っても、モード切替は「S+」にしており、せっかくの
エンジン
最高出力[NET]: 290[ps] (394[kW]) @6400[rpm]
最大トルク[NET]: 520[N・m] (53.0[kgf・m]) @ 4000[rpm]
モーター
最高出力: 165[kW] (224[ps])
最大トルク: 300[N・m] (30.6[kgf・m])
という性能を抑える理由がわからない(↑NET値だしね)ので、
私が知らない「制限解除」の操作方法が何かあるのかもしれない。
そもそもモード「S+」の解釈が違う可能性もある。
次回、運転させて頂く機会があったら、いろいろ操作してみよう+本当に加速していないのか、単に体感なのかをじっくり検証してみよう。
ちなみに、エンジン音に関しては、注意していなかったので、大きさや、音色がわからない。
「あまりに静かだったから気付かなかったのかな?」とも思ったが、いやいや、車内BGMが Guns N' Roses だったので評価できなかったんだろう。。。
そういえば、
先代LS460
は、停車時からステアリングを切って、アクセルベタ踏みしたら、ホイールスピン→スピンターンができたが、この2代目 LS600hL ではできなかった。
パワートレインの制御の問題(←いや問題じゃなく、
横滑り防止装置が正しく機能しているのか)かもしれないし、
AWDだからかもしれないし、ロングホイールベースだからかもしれない。
●足回りとかステアリングとかボディとか
「パワートレイン」のレビューに書いたが、このLS600hLには、
先代GS450h 
やBMWのような「後輪駆動感」の演出がナイ。
先代GS450h 
やBMWは、おそらくワザと加速時にリアが沈みこむようにして、駆動輪にトラクションを与えるとともに、「どうじゃ、後輪駆動だぞ!」という強い演出をしている。
で、LS600hL。
LS600hLは、そもそも、後輪駆動じゃなくてAWDだから・・・。
足回りの味付けは、先代から、同じレクサスでも、LSとGS+ISの間には大きな違いがあり、
初代
GS・
IS:
BMWや、かつてのAudiのような硬めの足。ドッシリとした剛性感。
初代
LS:
クラウン系のフワフワ感。
ピッチング、ロールが大きく、かつ減衰しない(揺動が収まらない)→船酔いする。
でも、SPORTモードにすると一気に揺動が収まる足に切り替わる。
という特徴があった。
二世代目になって、GSがやや薄味になったことで、
二代目
IS: BMW系ドッシリ、ガッシリ
二代目
GS: ドッシリベースだが、やや薄味化
二代目LS: ソフト
というのが個人的な所感。
二代目LS600hLなのだが、ピッチングやロールは大きいものの、特にピッチングは、減衰ノーマル設定でも、先代のLS460
ほど、悪酔いするような大きいモノではない。
足のセッティングを変えてきたのかもしれないし、
ロングホイールベースに因るものかもしれない。
「S+」に設定を切替ても、先代のLS460
ほど劇的には変わってくれないように感じた。
「意識すれば」、凹凸の多い道で、ハーシュネスがやや増えた(S+)、減った(ノーマル)と感じることはできるが、急にドッシリとした足にはならないのが、今度のLS600hLという個人的な感想。
もっとも、それもホイールベースに依存している部分はあるのかも。
ロング・ホイールベースと言えば、先日、試乗させて頂いた
テスラ MODEL S 85 
は、ストローク量が少ないのに、しっとり足で、本当に良くできたクルマだった。
乗り心地は日本のフラッグシップ LS600hL より上だったかも。
もっとも、LS600hLは比較的悪路での試乗、テスラは悪路じゃなかったので、単純比較は難しいか。
↑タイヤのことは良くわからなかった。ダンロップ。
高速コーナリング時は、S+設定でも、大きくロールしながらキレイに曲がっていく感じ。
ロール量は大きいが、ISやGSが「重い車体だからロールするケド、硬めの足で、踏ん張ってまっせ!」って感じなのに対し、LSはあんまし「踏ん張り感」はナイ。
だからと言って、アカン感じでもなく、悪酔いしない程度にゆったりとロールする感じ。
まあ、でも、後部座席に2人乗せていて、それなりに抑えての走りだったので、もっと気合入れたら、このロール量は怖いのかも。
ああ、それから、
サイドブレーキがナイ。
サイトレバーもなければ、ペダル式のサイドブレーキもナイ。
パーキングブレーキは、エンジンをかけて走りだすときに勝手に解除されるらしい。
慣れないと戸惑う。なんか不安感がある。
で、
サイドブレーキがないので、「サイドターン」はできない!
●総評
・運転席に座ったときの気分(「偉くなった錯覚」の希薄さ)
・パワートレインの加速感のなさ
・後輪駆動感のなさ(※そもそもAWD)
・ホイールスピン~スピンターンができない
・S+モードでも踏ん張り感の強くナイ足
・サイドターンができない
・・・など、いずれのパラメータからも、
思想に一貫性があると感じた。
「外観は悪いヒトっぽいクルマだケド、運転手はDQNにはなるなよ?オラオラ系の運転するなよ?」
「信号ゼロヨンとかするなよ。ドリフトも禁止!」
「走りのクルマじゃねーんだヨ。後部座席の乗員をもてなして大人しく運転してろヨ」
・・・・そういうメッセージ性を強く感じた。
後部座席の人のことは気にせず、好き勝手運転したい私向けではないが、そういう
メッセージ性がハッキリしているクルマは好きである。
もう一度運転する機会があったら、パワートレインのナゾをもう少しじっくり探究してみたい。
あと、「後部座席」のレビューもしてみたいところ(
mistbhnの過去99回の試乗レビューで一度も助手席や後部座席の評価はナイ)。
オーナー様、貴重な機会を頂き、ありがとうございましたm(u_u)m
好き勝手書いて申し訳ありませんm(u_u)m
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