
ブログエントリ:「
【試乗】Renault Megane RS (ABA-DZF4R) 前編」 の続き。
メガーヌ・ルノー・スポールを
・ストリート
・高速道路
・箱根ターンパイク!
でガッツリ、テストドライブ!編。
注意)
かなり好き勝手書いており、ちょっと辛口批評に見えますが、
・メガーヌRSがハイパフォーマンスで楽しいクルマという前提条件で気になったこと
・この個体がサーキットを走ってるクルマ
・↑ノーマルのメガーヌRSではなく、主に「ほっしゃん。号」の少しいじってある部分の感想。
・今回の試乗が他の試乗記と異なり、ガッツリ走れる試乗コースで、かなりシッカリ体感できた
という背景があります。
■Renault Megane RS (ABA-DZF4R) 後編
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●エンジン
エンジン型式: F4R
最高出力: 265[ps](195[kW])@5500[rpm]
最大トルク: 36.7[kgm](360[Nm])@3000[rpm]
種類: 直列4気筒DOHC16バルブターボ
総排気量: 1998[cc]
ボア×ストローク: 82.7×93.0(※案外ロングストロークなのだ)
圧縮比: 8.6(イマドキのターボ車にしては低め)
燃料供給装置: 電子制御式マルチポイントインジェクション(MPI)
↑吸気ダクトはECUの横、ヒューズボックス(?)の下に隠れてる。
比較的エンジン熱を吸いにくい位置だが、簡単なパーテーションでも作れば良いのに、と思う。
ストリートで走っている分にはいわゆる2L、直4ターボというフィーリング。
低回転域からアクセルを踏むと、少しターボラグを伴いながら、グオッ!!!と加速する。
以前乗っていた、BL5AレガシィB4 2.0GT Spec.Bを思い出す。
直4特有の雑味はあるが、チープな感じでもないし、かと言って血湧き肉踊るパンチのある音というワケではない。そのあたりはターボだなあ・・・と。
スバルのEJ20ターボも水平対向だけど、性能だけでなく、音・フィーリング的にも近いモノを感じた。
排気系はノーマル。
クルマ自体の遮音性が結構高いのと、そもそもターボなので、そこそこにしか排気音は飛び込んでこない。
5000rpmぐらいから回転数に比例し、特に6000rpm以上でターボ車らしくないNAライクな、甲高めな「エエ音」になる。
↑
MAHLEのサウンドクリエータ(←繰り返しになるがくだらないネーミング)らしきものを見た(※写真右方の「RENAULTの刻印の入った黒い配管)ので、ほっしゃん。に聞いたところ、正に同じ意図のモノらしい。
(※ほっしゃん。は音響屋)
ググってみると、
"エンジン音をドライバーに伝える音響効果を持つ「サウンドパイプ」"
という名称のようだ。
サプライヤはマーレなのかな?もちょっとじっくり観察しておけば良かった。
BRZで聴いたようなサウンドクリエータ特有の
「チューブの中を通したような音」は車内に飛び込んでこなかった。
「サウンドパイプの存在を消し去るほど自然に効果を発揮!」
なのか
「単純に何の効果もナイ」
のかは不明。
いずれにしても個人的には、余計なオモチャだと思う。
ストリート~高速道路を走ってるときは、中速域のトルクは大きいケド、上に抜けない感じなのかな?・・・とも思ったが、箱根ターンパイクでギンギンに回してみたら、印象が変わった。
ドガンと加速するのは2500~4000rpmの低中速域なのだが、
気持ちが良いのは5000rpmより上、5000rpm~7000rpmあたりで、
線は細くなるのだが、極めて軽い回り方をする。
高回転側NAのようなフィーリング。スゴく気持ち良い。
気持ちが良いので、もっと上まで回したくなるのだが、レッドゾーンに突入するので歯痒い。
レッドゾーン、もう1000rpm高く設定して欲しいところ。
体感的にはもう1000rpmぐらいは回せそう・・・というか、エンジンは回りたがっている印象。
中速トルクが半端なく太いので、高回転を維持せず、あまりギアチェンジせずに走ることも可能なのだが、高回転域のフィーリングがとても良いので、箱根を走っているときは基本的に5000~7000rpmをキープ。
諸元上は5500rpmがピークパワーなので、そこから降下してどこまでがパワーバンドと言えるかはわからないが・・・。
箱根の帰り道の下道や高速でも、往路のストリート~高速道路とは異なり、高回転側っぽいフィーリングが維持されたので、エンジン油温上昇でフィーリングが変わるのかも?
※エンジンオイルはOMEGAのものを使われているとのこと。
ググってみたところ、
「軽量フライホイール」が装備されている そうだが、
空吹かしの吹け上がり、特に針落ちは極めて遅い。
フライホイールのイナーシャはかなり大きい印象で、どこが「軽量フラホイール」なのかは疑問。
フラホのイナーシャが大きいおかげで、発進操作(低回転でのクラッチ操作)は極めて容易なのだが、低慣性フライホイールに交換したら、更に楽しいクルマになるんだろう。
ちなみにECUはコンチネンタル製だった。
メガサプライヤ。
●ブレーキ
純正ブレンボのキャリパに、
パッドは交換してありENDLESS RSM F(特注Megane R.S. III 専用だそうだ)。
そこまでガツンとブレーキングしていないのだが(※アンダーステアやオーバーステアがあるので。後述)、
メタル系のようにガリッとかガツンと効くタイプではなく、コントローラブルな印象。
ノンアス系なんだろうな?ENDLESSだからType Rあたりに近いのかな?
・・・と思って運転していた。
ホテルに戻って、
ほっしゃん。のパーツレビュー見たら、箱にはやっぱり「NON ASBESTOS」と書いてあった。
●ステアリング、ボディ、サスペンションなど
サスペンションはノーマルのダンパーに、ENDLESSのX Coilsのスプリング(※私のビートの車高調にも今年投入したもの)を組み合わせてローダウンされているとのこと。
ボディからはかなり剛性「感」を感じる。特にフロント回り。
硬めの足が入っているし、↑フロントにはタワーバーなども入っていないが、
ハーシュネスも少なく、制動Gに対しても、横Gに対しても、フロントは「踏ん張る」。
対して、リアはユルい印象。
リアタワーバーが入っていない状態だと低速時に段差をまたぐときもリアだけやたらとハーシュネスが大きい感じだし、落ち着きがナイ。
コーナリングで追い込んでみると、入口でアンダーステア、コーナー中腹~立ち上がりでオーバー傾向。
これは怖くて立ち上がりで踏めない。
一旦下山し、外してあったリアタワーバーを追加してから乗ってみると、
低速で段差をまたぐときのフロントとリアのハーシュネスが同程度となる。
コーナリングで追い込んでみると、タワーバーのない状態よりもリアの挙動はマシになるが、入口でアンダーステア、立ち上がりでオーバーステアとアンダーステアが同時に出る傾向。
コーナーからの立ち上がりで、リアはリアでズルッと流れてイン巻きしようとするし、フロントはトラクション不十分でトルクに負けてズルッと逃げる。
4輪ドリフトとは異なり、フロントとリアがそれぞれバラバラにスライドに移行する。
うーむ。。。
タイトコーナーを速く旋回すると、前荷重を残したまま旋回しても、弱アンダーが出続ける。
これはこれで、まあ、扱い難くはナイのでアリなのか・・・・な?
これも後からググってみると、
GKN製の機械式LSDが装備されているらしい・・・・が、
トルクにタイヤが負けているので立ち上がりでアンダーが出る(フロントがズルッと泳ぐ)ので、あまりLSDの恩恵を受けている印象はなかった。
・・・が、
単にタイヤがクルマのパフォーマンスに負けていて、タイヤを換えれば済むことなのかも。
加速時に、結構リアが沈む(フロントにトラクションが十分にかからない・・・・
にも関わらず鬼加速!)こともあることので、
・・・実際のところはわからないが、私なりの見解として、
・フロントに対してリアのバネレートが相対的に低すぎる。
・かと言って、リアのボディ剛性もフロントより低い印象なので、リアのバネレートを上げるとともにリアの剛性UPをしたい。
・タイヤはもう少しハイグリップなものに換えたい。
(少しヌルッとした印象。サイドウォールの剛性感、タテ剛性感もイマイチ?)
・・・という感じ(間違っているかも)。
あんまし「フロントヘビー感」はなかったのだが、これもフロントは踏ん張る足・ボディで、制動時のノーズダイブは激しくナイのに対し、加速時にリアが沈む傾向から感じたことかも。
好みで話をすると、もっと軽量化したい。
メガーヌRSの車両重量諸元:1430kg
私の乗っていたBL5Aレガシィ(同じく2Lターボ)も全く同じ1430kg。80kgぐらい軽量化していたから1350kgぐらいかな。
ウチのプジョー307SW(ミニバン)も全く同じ1430kg。
レガシィは軽量化を徹底していたから、実際、ノーマルのBL5と乗り比べるとかなり軽快感があった。(車高調を入れたのもあり、動きはかなりシャープだった)
メガーヌRSは見た目もガッチリしているし、剛性感は十分にあるのだが、
「やや重たいクルマ感」がある。何だろう?
制動時のノーズダイブが大きいワケでもなく、コーナリング時のロールが大きいワケでもナイ。
加速はもっさりしているどころか過激に速いし。
決して「鈍重」なワケではナイ。
単に、剛性感があってドッシリしていること、遮音性に優れて結構静か(ドンガラだったレガシィやウチのビートと違って)だから、「重い」と錯覚しているのかな?
でも、昔の私はこの錯覚に陥りやすかったケド、今は「軽いケド剛性が高いであろうクルマ」というのもどういうものかある程度わかってきた「つもり」なのだが・・・。
それもこれもバネレートかも。
車重大→固有振動数低下
バネレート低→固有振動数低下
人間は頭で「固有振動数」による動きの違いを認識していなくても体感としては案外わかっている・・・と思っている。
バネレートが低くて固有振動数が低い・・・・を「重い」と体・頭が誤解する場合もあるという経験則。
もっとも、車重とバネレートはトータルで考えるべきなので、クルマが軽くなればリアのバネは今のレートでも良いのかもしれないし。
でも、まあ、これは
通常の試乗とは異なり、かなりシッカリと走らせて頂いて(=追い込んでみて)、
更にサーキットも走るクルマだという前提での感想。
(
ほっしゃん。の愛車プロフィールの属性は「買い物」「通勤」となっているが・・・)
パワーのあるエンジン、剛性感のあるボディで、グイグイととても楽しく走れる。
あー、それから、サーキットを走れるクルマだケド、ボディ剛性が高いこともあるしシートがレカロなこともあり、
乗り心地は良い。
攻めこむとインフォメーションは得られるケド、ストリートだと比較的ソフトでまったりも走れるのはこのクルマの良いところ・・・というかフランス車らしいところなのかな?
確かに長距離移動とかラクだし、スピード感がナイのでスピード違反しないように注意が必要(^_^;)
●総評
走りのクルマとしての直接のライバルは、VWゴルフGTI/アウディTT/VWシロッコ、今度出るホンダ・シビック・タイプRターボ、駆動方式は異なるが
スバルWRX STIあたりなんだろうね。
ゴルフは2006年にゴルフVのGTIに試乗して以来、GTI系は乗っていないので比較が困難だが・・・
走りに関してのみで言うと、長い地味進化の歴史のある
WRX STI(VAB)の方が熟成されていると個人的には感じた。
でも、まあ、異種格闘戦をするワケでもナイし、
ここまでくると好きなクルマを買って、自分好みに熟成させれば良いのだと思う。
高い買い物だし。
「命を乗せて走る」ワケだし 笑。
エクステリアが文句ナシにカッコ良く、ノーマルでもハイパフォーマンスだが、まだまだ潜在能力を秘めてる感じのするメガーヌRSはステキだと思う。
ほっしゃん。、これだけシッカリとした試乗をさせて頂き、本当にありがとう!
好き勝手なレビュー、ゴメンナサイm(u_u)m
大阪に来たら私のビートにもガッツリ乗ってみてください。
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