予定外に二日連続でAudiネタ。
たまたまAudiディーラーの前を通ったので、せっかくなので、デビューしたばかりの4代目A4(いわゆるB8 A4)を試乗しに寄らして頂いた。
■Audi A4 3.2 FSI quattro (B8)
型式:ABA-8KCALF
エンジン型式:CAL
3.2L、V6DOHC
265[ps]/6600[rpm]
33.7[kgm]/3000~5000[rpm]
quattro!
6AT(ティプトロ)
過去のブログ
「Audi A4 2001~2004」
「Audi A4 (B7)」
にも書いたので繰返しになるが、私は2代目A4(B6)のデザインがとてもとても好き。
B4購入時も、B6 A4は気になったが、A4の日本仕様は全てATだったし、S4になると中古も550万円ぐらいしていたので諦めた。
B4購入時、最後の最後まで候補で残っていたのは
黄色のB5 S4 6MT 左ハンドルの中古だったが、あまりの燃費の悪さに諦めた。
で、B4に落ち着いたわけだが、結果オーライ。B4溺愛 and 誇りをもっている。
●デザインについての主観
B5 A4になると、もうちょっと旧車色が強すぎて(DTMが盛り上がっていた頃への憧憬もあり)、他世代との比較をしにくいが、
B6>>B7>>B8
の順で、B6(2代目)のデザインがとにかく好きである。
モデルチェンジする前に先代A4(B7)に乗ってみたかったのだが、間に合わなかった。残念。
B8(新型)のデザインがカッコイイとはあまり思えないのだけど、B7 A4も時間とともに見慣れたので、B8もひょっとすると数年後には好きになってるかもね。
↓ただ、斜め後方から実車を見てみると、

BMW3(E90)に近いなあ・・・という印象が強いし、BMWとともに、年々イタリアン・テイストを強めて、装飾を増やしているA4には疑問を覚える。
顔も、フォルムも、BMW3、Audi A4、BL・BPレガシィ(特にビッグマイチェン以降のD・E型)、シトロエンの新C5、フォード・モンデオ・・・と、まるでひとつの収束点に向かっているように似てきているのがなんとも・・・・。
で、その文法から外れるメルセデスCやAlfa159に好感が持てる。
フロントバンパーのデザインは、BP・BLレガシィのD・E型のSpec.Bともそっくりだし、レクサス IS-Fともそっくりだけど、アウディRS4の方が先だったので、これはAudi、パクられて気の毒。
●試乗
「1.8直噴ターボ(FF)、3.2 FSI クワトロ、両方試乗できますが、どうされますか?」
と聞かれた。
1.8は419万円、3.2は645万円である。
B4との比較なら、1.8Tの方が遥かに現実的なのだが、直噴でない1.8Tは実家の
TTクーペや、Golf GTIで体験済だし、直噴の2.0ターボも
現行のTTクーペの試乗でだいたいイメージをつかめている。
そして、私は小学生の頃から名前を知っているAudiの「quattro」を未体験なので、畏れ多くも、3.2のクワトロを試乗させて頂いた。
座ってみて、

う~ん・・・・内装デザインはあまり好きじゃないな。
TTクーペの内装デザインがあまりに素晴らしいので、もっと期待していたが、オッサン臭かった。
しかし、そのクオリティは絶賛できるもので、
こないだ試乗したメルセデスのCクラスと比較しても全くの互角といったところか。
内装ではBMWと較べてかなり差をつけてるよな、アウディ。
操作感、シートの座り心地は文句無しのクオリティだ。
さてさて、走り出してみて・・・・
・・・・アレ?なんか私の知ってる最近のAudiと違う??
A3 Sportsback 2.0 FSI 試乗、
現行Audi TTクーペ試乗などの印象では、Audiは
「とにかく精密・緻密な機械感」
「高剛性なのに、剛性感を押し付けず、むしろ軽快」
「シャープ」
という印象だったのだが、このA4 3.2は違う。
まず、静かなのは、A3も静かだったのだが、静かさのレベルが違う。
試乗に出るときにクルマのすぐ近くで「いってらっしゃいませ!」と言う営業さんの声が遥かに遠い。
A3はエンジン・排気音の静かさ故にロードノイズがやたらと大きく感じたが、それも皆無だ。
次に、トルコンATのせいか、まったりしている。
Audi特有の緻密な機械感、精度感が感じられないのは、直4でなくV6だからなのか、あるいはトルコンのせいなのか?
無機質ながらも機械精度に感動できたA3、TTのそれはA4にはなく、無機質ではなく、無味無臭である。
動力系に話を移すと、踏んでも加速しない。
NAだし、3.2Lだし、中低回転域のトルクはもっとゴツいのかと思っていたが、全く反応薄。
感じるのは車重ばかりである。
正直、ちょっと失望してしまった。
ただ、A4にBMW3やレガシィ、ISのような「スポーティー・セダン」を期待していたから失望したのだが、どうもA4はもう「スポーティー・セダン」を脱却し、ワンクラス上の「高・級・車」を目指したように思える。このクラスのセダンがこぞって「スポーティー・セダン」化しているのを横目に「一抜け」したようだ。
内装の圧倒的なクオリティ、徹底した電子制御、そしてレクサスが個性的に思えるほどの無味無臭っぷり。
高級車としては、文句のつけようのない完成度なのだ。
乗り心地はすこぶる良いが、レクサス GSには存在する大きなピッチングは皆無である(これはレイアウト変更によりオーバーハングを切り詰めた結果だそうだ)。
剛性感は、現行TTやA3と違って、再び前面に強調したものとなっているが、BMW3(E90)ほど顕著ではない。
剛性「感」では
BMW3>>ランエボX>Audi A4>レクサス>RX-8>メルセデスC=新車のAlfa159>>レガシィ>>>数ヶ月経過後のAlfa159
ってとこかなあ?
さて、初体験のクワトロ。
正直、街乗りで、その何かを感じることは厳しかった。
4輪にトラクションがかかっていることはわかるが、ランエボのように、
「見たか!これがトラクションだ!」
という過剰演出もない。
スバルのAWDほどサラリともしていないが、自然なフィーリングで好感がもてた。
ちなみに今回から(というか先代のRS4から)、前後50:50から、40:60に変更したそうだ。
走行性能のためではなく、FRであるBMW3、メルセデスCに対向するための「演出」だそうな。面白いね。
ちなみに4WDでは定評のないアルファロメオのQ4だが、ブレラのQ4は、4WDというよりは後輪駆動に近いフィーリングで、個人的にはツボった。
総合的には、
「高級車としては文句のないクオリティ」
「無味無臭すぎて印象に残りにくい」
「動力性能に不満」
「2L~3.5Lの他車セダンよりも明らかにワン・グレード上の設定なので、比較が無意味ぽい」
という感想。
ちなみに、1.8TFSIの方は。Audi独自のチェーン式のCVTを使っている(初耳。全く知らんかった)から、またフィーリングが違うそうな。
A4にDSGが搭載されていないのは、縦置きエンジン用のDSGがまだ開発されていないからであって、いずれは出てくるとのこと。
個人的にはA4は、2.0TFSI+quattro+DSG(いずれはラインナップされる見込み)が理想的な組み合わせなので、それの登場を楽しみに待つとしよう。
ちなみに、オプションによっては、ステアリングの重さ、ラック and ピニオンのロック to ロックの値、サスの硬さなど諸々を電子制御で切替できるそうな。
凄いね、現代の電子制御。
DSGがもともとポルシェ962CのPDKを引き継いだ技術であることを営業さんはご存知でした。
自分よりもクルマに疎い営業さんが多くて興醒めすることが多いけど、こないだのC200のヤナセの営業さんといい、今回のAudiの営業さんといい、詳しい方なので、話をしていて楽しかった。
●試乗を終えて
昨日すれ違ったAudi A2の話をしてみたところ、Wikiの情報と一緒なのだが
・アルミボディなどAudiの意欲作
・メルセデスAより売れる可能性があったので、取扱できず悔しかった
・ガソリンエンジン仕様にMTしかなかったため
・また、アルミボディの修理をできる工場が限られていることもネック
だったとのことだ。
堺市には青系のA2オーナーが一人いらっしゃるということで、いずれ遭遇できたらなあ・・・と思う。
メルセデスAが、フィット、ヴィッツにモロに影響を与えたように、A2も日本導入されていたら、多大な影響を国産コンパクトカーに与えたんだろうなあ・・・・。残念。
ディーラー前にはA5、TTが並んで停まっていた。

A4はイマイチだけど、A5はカッコイイね。写真で見るよりずっと美しかった。
アウディのイタリアン・デザイン取り込み路線は、A4ではやや失敗しているが、A5ではかなりの完成度に思える。
クラシカルなピニン・ルックだと個人的には感じた。
スポーツカーではなく、スペシャリティ・カー的位置づけ(昔のソアラ、レパード、レジェンド2ドア、ユーノス・コスモ)なので、ターゲットはゴルフ好きの初老かなあ?
実家の買い替え時にA5が発売されていたら、TTではなくA5に落ち着いた気がする。
ディーラー駐車場には、B6型のS4グリルのA4、B7型のS4(セダン・アバントともに)など、萌え車がたくさん停まっていた。
写真撮りまくりたかったけど、お客様車輌っぽかったので、遠慮した。
・・・ああ、また試乗ネタは超長文になってしまった。
稚拙な主観インプレをここまで読んでくださった方々、ありがとうございます。
●試乗記関連目次はこちら