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2014年11月23日 イイね!

【PP1】【技術】ビート純正ミラーとGTミラーの空気抵抗比較

【PP1】【技術】ビート純正ミラーとGTミラーの空気抵抗比較先日換装したS,S,I製カーボンミラー(以下、一般的な言い方として「GTミラー」)と、ビート純正ミラーの空気抵抗の違い、空気抵抗に伴う必要馬力の差を計算してみた。

※空気力学強くナイので、間違いがあったら御指摘ください。

↓御指摘頂きました 笑(※コメント欄参照)

「車体のような大きいものの脇の小物の空力はそれ自体、また前方の形状によっても全く変わるので正直こういう計算に向かない」

とのことですので、以下、「車体表面の凹凸」としてのミラーの計算としては不適切なモノと思われますが、せっかく計算したので、ミラー単体の計算式として参考までにご覧ください。






■空気密度ρ

標準大気圧: 1013.25[hPa]
気温: 16[℃]
として、
空気密度ρ: 1.211[kg/m3]

※こういう計算では25[℃]を使うことが多いが、先日11/19の鈴鹿フルコース走行時の気温を適用。
※気温が低いほど空気密度は大きくなるので、エンジンには有利になる(同じ体積流量に対し質量流量UP)が、空気抵抗は大きくなってしまう理屈かな。




■抵抗係数 Cd 参考資料






■純正ミラー



ミラー片側の前面投影面積: 約 26497[mm2]
●ミラー左右の前面投影面積合計 A: 約 52994[mm2] = 0.052994[m2]

抵抗係数 Cd: 0.60とする。
※半球(0.34)というほど良い形状でもないし、円錐(頂角60°で0.51だが、このミラーを円錐とみなすと頂角は60°よりずっと大きい)でもないし、かと言って立方体(1.02)ほど悪いとも思えない。ちょうど良いモデルがなく、0.60は「やや甘め」と思うが0.60に設定。


●空気抵抗 D および Dに対して必要な出力

空気抵抗D [N] = 抵抗係数Cd × 空気密度ρ[kg/m3] × 車速の二乗[(m/s)2] × 0.5
必要な出力[W] = 空気抵抗D [N] × 車速[m/s]

車速 空気抵抗 空気抵抗 必要出力 必要出力 必要出力
[km/h] N kgf W kW ps
40 2.396 0.244 26.628 0.027 0.036
50 3.745 0.382 52.007 0.052 0.071
60 5.392 0.550 89.868 0.090 0.122
70 7.339 0.748 142.707 0.143 0.194
80 9.586 0.977 213.021 0.213 0.290
90 12.132 1.237 303.305 0.303 0.412
100 14.978 1.527 416.056 0.416 0.566
110 18.123 1.848 553.771 0.554 0.753
120 21.568 2.199 718.945 0.719 0.977
130 25.313 2.581 914.075 0.914 1.243
140 29.357 2.994 1141.658 1.142 1.552
150 33.701 3.436 1404.190 1.404 1.909
160 38.344 3.910 1704.166 1.704 2.317
170 43.286 4.414 2044.084 2.044 2.779
180 48.529 4.949 2426.440 2.426 3.299
190 54.071 5.514 2853.729 2.854 3.880
200 59.912 6.109 3328.449 3.328 4.525



■GTミラー



ミラー片側の前面投影面積: 約 11600[mm2]
●ミラー左右の前面投影面積合計 A: 約 23200[mm2] = 0.0232[m2]

抵抗係数 Cd: 0.60とする。
※純正ミラーよりも、半球(0.34)に近く、横から見ても上から見ても楔状なので、円錐にも近い。
ただし円錐としても、真横から見ると頂角60°(0.51)より優秀そうだが、上から見るともっと頂角は大きいので・・・・。純正ミラーよりもCd値は優秀に思えるが、ここは辛めのパラメータ設定で純正と同じ0.60に。


●空気抵抗 D および Dに対して必要な出力

空気抵抗D [N] = 抵抗係数Cd × 空気密度ρ[kg/m3] × 車速の二乗[(m/s)2] × 0.5
必要な出力[W] = 空気抵抗D [N] × 車速[m/s]

車速 空気抵抗 空気抵抗 必要出力 必要出力 必要出力
[km/h] N kgf W kW ps
40 1.049 0.107 11.657 0.012 0.016
50 1.639 0.167 22.768 0.023 0.031
60 2.361 0.241 39.343 0.039 0.053
70 3.213 0.328 62.475 0.062 0.085
80 4.197 0.428 93.257 0.093 0.127
90 5.311 0.542 132.782 0.133 0.181
100 6.557 0.669 182.143 0.182 0.248
110 7.934 0.809 242.433 0.242 0.330
120 9.442 0.963 314.744 0.315 0.428
130 11.082 1.130 400.169 0.400 0.544
140 12.852 1.311 499.801 0.500 0.680
150 14.754 1.504 614.734 0.615 0.836
160 16.786 1.712 746.059 0.746 1.014
170 18.950 1.932 894.870 0.895 1.217
180 21.245 2.166 1062.260 1.062 1.444
190 23.671 2.414 1249.321 1.249 1.699
200 26.229 2.675 1457.147 1.457 1.981




■GTミラーの純正ミラーに対する比

●空気抵抗 D および Dに対して必要な出力

車速 空気抵抗 空気抵抗 必要出力 必要出力 必要出力
[km/h] N kgf W kW ps
40 -1.347 -0.137 -14.970 -0.015 -0.020
50 -2.105 -0.215 -29.239 -0.029 -0.040
60 -3.032 -0.309 -50.525 -0.051 -0.069
70 -4.126 -0.421 -80.232 -0.080 -0.109
80 -5.389 -0.550 -119.763 -0.120 -0.163
90 -6.821 -0.696 -170.522 -0.171 -0.232
100 -8.421 -0.859 -233.913 -0.234 -0.318
110 -10.189 -1.039 -311.338 -0.311 -0.423
120 -12.126 -1.237 -404.201 -0.404 -0.550
130 -14.231 -1.451 -513.907 -0.514 -0.699
140 -16.505 -1.683 -641.857 -0.642 -0.873
150 -18.947 -1.932 -789.456 -0.789 -1.073
160 -21.557 -2.198 -958.107 -0.958 -1.303
170 -24.336 -2.482 -1149.214 -1.149 -1.562
180 -27.284 -2.782 -1364.180 -1.364 -1.855
190 -30.399 -3.100 -1604.408 -1.604 -2.181
200 -33.683 -3.435 -1871.303 -1.871 -2.544



※タツゥさん: こういう計算だと確かに、空気抵抗に対抗する出力をそのままエンジン出力とできるので、確かに「出力[kW]または[ps]」は便利ですね。



純正ミラー、GTミラーそれぞれのCd値がテキトーなので、計算結果もいいかげん、という前提だケド・・・・

空気抵抗だけで評価すると、GTミラーは純正ミラーに対し、

・120[km/h]: エンジン出力換算で 0.550[ps]分のアドバンテージ
・140[km/h]: エンジン出力換算で 0.873[ps]分のアドバンテージ
・150[km/h]: エンジン出力換算で 1.073[ps]分のアドバンテージ
・160[km/h]: エンジン出力換算で 1.303[ps]分のアドバンテージ
・170[km/h]: エンジン出力換算で 1.562[ps]分のアドバンテージ

があると考えられるワケかな?



空気抵抗は車速の二乗で大きくなるので、そもそもそんなに車速の出ないビートでは、影響量は小さいケド、「対出力」で考えると最高出力 カタログ値 64[ps]というプアパワーに対しては、上記の数字はかなり大きいな・・・。
ミニサーキットなんかではほとんど影響なさそうだが。



※もっとも、純正ミラー、GTミラーそれぞれのCd値をどう設定するかで、露骨に値が変わってしまうので、あくまで参考値。
※ただし、Cd=0.60は甘め設定(小さめに見積もってる)なので、Cd値が大きくなると、より空気抵抗差と必要出力差は大きくなる。




2014/11/19の鈴鹿フルコース走行では、10/12のストレートスピード伸び悩み問題が解決した

・メインストレート車速↓




・スプーン2つ目~裏ストレート車速↓



桃: のり☆たまさん
緑: mistbahn(1ヶ月前)
紫: mistbahn(今回)


・・・が、コレにミラーの違いはほんの僅か程度には効いているんだろうか?





今回、ミラーの空気抵抗計算をするにあたって、何冊かの本やWEBソースを読んで、


「ボッシュ 自動車ハンドブック 日本語 第3版」

には「ボディ形状における空気抵抗係数と必要な出力」として

 例)
  コンバーチブル:
    Cd = 0.33~0.50
    160km/h時の空気抵抗に対しての必要出力 = 42[kW]
  ノッチバックセダン:
    Cd = 0.26~0.35
    160km/h時の空気抵抗に対しての必要出力 = 31[kW]


と書かれているし、


「自動車の走行性能と試験法」
 出版: 東京電機大学出版局


には「空気抵抗の成分比率」として

 ・形状抵抗: 60%
 ・車体表面の凹凸による抵抗: 15%
 ・冷却空気抵抗: 10%
 ・表面摩擦抵抗: 7%
 ・誘導抵抗: 8%


と書かれているので、幌を閉めたのは幌レスよりもかなりアドバンテージありそうだと感じた。

先日の鈴鹿フルコースでは幌は閉めたものの、エンジン冷却と後方視界確保のために、のり☆たまさんに倣って、また、赤い~のん?さんを参考に、幌の後ろだけ外してメンテナンスリッド蓋を外して走った↓



のだが、空気抵抗で言うと後ろも閉めていう方が圧倒的に有利。

そういう観点からは、鈴鹿フルコースや岡国だと、ハードトップ欲しい・・・(幌より軽いし・・重心位置的にも・・・)





・・・更に、カーボンミラーは、純正ミラーに対して、左右合計で1.6[kg]軽いので、

●ころがり抵抗 Rr
 Rr = 車両総重量W[kg] × ころがり抵抗係数μ

●勾配抵抗 Re
 Re = 車両総重量W[kg] × sinθ
 ※θは登坂時の坂路勾配

●加速抵抗 Rc
 Rc = 加速度b[m/s2]
     ÷ ( 9.80665× (車両総重量W[kg] + 駆動機構の回転部分の慣性相当重量△W[kg] ) )

などに効いてくるワケか。


こっちはミニサーキットでも効いてくるんだろう。




後は、純正ミラーに対して、GTミラーは細いロッドで車体から少し離れた位置にあるのも、車体側の整流なんかに関係しているんだろうと思うが(レーシングカーも皆そうなので)、あんまし定量的なソースを見つけることができなかった。

書籍 「自動車の走行性能と試験法」 出版: 東京電機大学出版局

に書かれている

"干渉抵抗: 車体表面の凹凸による気流の乱れで発生するもの."

が該当し、純正ミラーとGTミラーに違いがあるのはわかるが計算用の材料は見つけることができなかった。





総合すると、2014/11/19の鈴鹿フルコースでのストレートスピード問題解決には、多少なりとも、カーボンミラーも影響しており、「幌を閉める」はもっと影響しているので、自己ベスト7秒更新や3分切りには、マシンUPDATEが大きく寄与していると考えられる。




さて、本日は「勤労感謝の日」だが、この3連休は昨日も今日も休日出勤。(水曜に鈴鹿に走りに行ったので当たり前)
今からマジメに仕事します。



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Posted at 2014/11/23 08:19:23 | コメント(4) | トラックバック(0) | 技術論 | クルマ
2014年11月14日 イイね!

【用語説明】WOTとは

私が良く使う「WOT」という言葉ですが、

Wide-Open Throttle の略です。

スロットル全開、フルスロットル・・・・などと同義なんですが、エンジン系の技術書とか論文で良く使わる表現です。
(※私は学会にも参加してないですし、論文とか書きませんが・・・)


惰性で使ってましたが、わかりにかったですね。スミマセン。。。(汗

昔は「WOT」でググると、すぐに説明が出てきたんですが、今は「World Of Tanks」というのばかりがヒットしてしまうので、ググってもわからない用語になってました。。。




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Posted at 2014/11/14 12:19:43 | コメント(2) | トラックバック(0) | 技術論 | クルマ
2014年03月25日 イイね!

【技術】【空力】プリウス(3代目、ZVW30)のエアストレーキ(エアスパッツ)観察

【技術】【空力】プリウス(3代目、ZVW30)のエアストレーキ(エアスパッツ)観察先日のブログエントリ 「【技術】【空力】フロントストレーキ考」 の続き。

同僚の3代目プリウス(ZVW30)のストレーキが、ちょっと凝った造形だったので観察させて頂いた。

トヨタでは「エアストレーキ」よりも「エアスパッツ」と呼ぶのかな?



フロントが興味深いのは、ブレーキ冷却用の穴が開いていること。



かなり気の効いた処理だが、プリウスってハイブリッドなので、回生ブレーキによる制動比率が高いため、非ハイブリッド車に較べてブレーキパッド・ロータ・キャリパーへの負荷は小さいと思うのだが?


同じくハイブリッド車両のGS450hには以前、本ブログで紹介したように、バンパーのエアインテークダクトからタイヤハウス内へと、ブレーキ冷却ダクトが標準装備されている↓。



金のかかり方はプリウスとは段違いだが思想は同じだね。

GS450hの場合、回生ブレーキでの制動比率が大きいとは言え、車重がとんでもなく重いので、ブレーキ冷却も必要に思える。



↑良く見る、パナメーラのボトム処理の絵。






前側はタテにリブが付いているので、底をのぞきこんだときは、「ボルテックスジェネレータ?」「整流板?」とか思ったが、改めて写真を見ると、ただの補強リブに思える。

整流だとしたら、この形状だと空気が左右に逃げずに、下に逃げて、結局タイヤに巻き込まれてしまうので、エアストレーキとしての役目を阻害する方向に思えるし。

ボルテックスジェネレータだったら、もっと手前に付けるべきだし、ストレーキの役割を考えると、空気を剥離させない方向・・・・よりも、むしろ積極的にタイヤから遠ざけたいハズだし。

どうなんでしょう、空力に強い方?



単に補強だとしても、他のクルマのストレーキにはほとんどリブは入っていないので、プリウスには何故、リブが付いているのか?という疑問は残る。
製造コストはたぶんあんまし変わらないと思うが。



ちなみに、このプリウスのエアスパッツの底縁が傷だらけなところを見ると、このパーツはやっぱりカーボンやFRPではなく、ウレタンやABSであるべきなのだな・・・と。




リアのエアスパッツのリブがもっと不可解。



ここまでシッカリとした補強リブが必要とも思えないので、整流なんだろうか?

整流だとすると、やっぱりセンター付近の空気は底にしか逃げ場がないのだが・・・・






後ろから見ると、車体外側に整流するような形状になっていて微笑ましい。

また、後ろから見ると、タイヤハウスのかなり上の方でも、ブラケット固定していることがわかり、他の車種と較べて異様にシッカリと固定されているのが、ナゾだ。

空力部品なので、本当はこれぐらい補強・シッカリ固定が必要なのかな?




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Posted at 2014/03/25 19:28:44 | コメント(3) | トラックバック(0) | 技術論 | クルマ
2014年03月22日 イイね!

【技術】【空力】フロントストレーキ考

【技術】【空力】フロントストレーキ考ビートのサーキット走行写真を見て、フロントバンパー底の地上高がとても高いので

「こりゃ、フロントストレーキとか付けないと・・・」

と気になっていたので注文した。





フロントストレーキの形状について以前から疑問に思っていたので、まとめてみる。


ストレーキ形状A)



良くあるフロントストレーキの形状。
S2000がストレーキのハシリで、S2000用のストレーキが他車にも良く流用された。

バンパー底面への留め方ではなく、フロントタイヤハウスのタイヤハウス内側前端にぶら下げるような取り付け方が多い。

タイヤに当たる空気はブロックできるケド、フラットな分、ドラッグにはなるよね。



ストレーキ形状B)



たまにこういうのもある。
プロボックスなど。

直進時に前方からの風はモロにタイヤに当たるのだが、役に立ってるんだろうか??



ストレーキ形状C)



フラット型(A、B)の次にベーシックなのはコレかな。

インサイトとか。



ストレーキ形状D)



Cとの合わせ技系。

確かCR-Zとか新型アコードとか、こんなんだった気がする。

フロア下への空気もブロックする思想かな。



ストレーキ形状E)



コンパクトカーや軽自動車に多い。
フィットとかデミオとか。

たぶん、後付部品じゃなく、バンパーとウレタン一体成型でコストダウンを計っているのではないかと思う。

DはEに対してどういうメリットがあるんだろうか?



ストレーキ形状F)



変則タイプ。

新型オデッセイとか。セレナも確かこんな形だった気がする。

コーナリング時に前方側面からモロに空気がタイヤハウスに入るケド、いいんだろうか?

あと、ストレーキにより集められた空気は車体中心底面を通るのだが、フラットボトムとリアディフューザーによってグラウンドエフェクトでも狙っているんだろうか?

謎。



ストレーキ形状G)



市販車では見たことがナイのだが、F1のフロントウイングの整流板を観察していると、Cよりも、こうあるべきなのでは???と以前から疑問に思っていた。

Cよりも低ドラッグにしやすいし。

でも、市販車にこういうストレーキを見たことがナイので、コレがNGな理由がきっとあるハズ。



Gのデメリットを考えてみた。



コーナリング時に、斜め前方から空気が飛び込んでくると、「むしろ積極的に」外輪側のタイヤに空気を巻き込んでしまう。

Cだってコーナリング時には車体前方側面からの空気が、内輪側タイヤの前面に当たるが、

・コーナリング時に荷重がかかる外輪への空気巻き込み(=G)の方がマズい。

・コーナリング時、Cでは「積極的に」タイヤに空気が当たるワケではないが、Gでは「積極的に」巻き込んでしまう。

・・・というあたりだろうか??


==

空力にお詳しい方、ご教示くださいm(u_u)m

同じメーカでも車種によってバラエティに富み過ぎていて、「なんなんだろうか?」と思う。

10数年経って、未だに試行錯誤なのかもしれないが・・



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Posted at 2014/03/22 22:01:32 | コメント(4) | トラックバック(2) | 技術論 | クルマ
2013年09月06日 イイね!

【PP1】【技術】フロントタイヤのサイズ変更に伴うバネ下重量、イナーシャ検討

【PP1】【技術】フロントタイヤのサイズ変更に伴うバネ下重量、イナーシャ検討ビートの前荷重不足により、「強いブレーキングでフロントがロックする問題対策」の一環として、先日のブレーキパッド銘柄変更の続編として、明日、仕事を一時抜けしてタイヤ交換の予定。




現状は、

ヨコハマ・アドバン・ネオバAD07
F: 165/55R14
R: 175/60R14



※今は↑より更に少し減ってる。特にリアはもっと・・・

で使っているが、投入して2年が経過するし、ジムカーナの練習などでちょっと酷使したこともあり、溝も減っているので。(まあ、まだ十分使えるといえば使えるのだが)



で、注文しているのが

ダンロップ・ディレッツァZII(Z2)
F: 175/60R14
R: 175/60R14



ATRとか、海外製のタイヤの性能を否定しませんが、最近、国産メーカを支持しないとヤバいなあ・・・と痛感している(結果として自分にも回ってくる)こともあり、日本製で。プジョーに乗ってるし、Lenovo使ってるケド、ここ最近は海外製品不買運動中です。

ずっとヨコハマのファンだったケド、軽自動車向けにAD08やAD08Sをリリースしないし、ZIIの評判がとても良いので、プジョー307SWのLM704に引き続き、ビートもダンロップで。


フロントタイヤを

165/55R14
 ↓
175/60R14


とサイズ変更
するのは、単純にフロントタイヤをワイド化してグリップを稼ぎたいから。

今もモロにツライチなので、タイヤハウスに収まるかは、現物を履かせてみないとわからないが・・・。

175で14インチの扁平率が60しか選べないのは残念。

※フロント175/60R14がイマイチだったら、リアの予備として、フロントには165/55R14のZIIを手配して履かせることもできるし。



で、サイズ変更によりグリップが上がるのは良しとして、デメリットも一応頭に入れておく。



■バネ下重量



タイヤサイズの違いで、一番問題視されがちなのはバネ下重量。

住友ゴム工業さんからのZIIの重量の御回答。
(※日曜に問い合わせフォームで問い合わせすると、月曜のAM7時台に御回答頂けます。スゴいです!)

165/55R14 72V: 約6.9kg
175/60R14 79H: 約7.7kg


ホイールはどちらのタイヤを履かせてもWEDS TC-005 14inch 6J共通なので、タイヤの重量差だけで語る。


バネ下重量が変わると、乗り心地や運動性能が変わると良く言われる。


サスペンションの専門書には、

固有振動数(共振周波数)が高い: スポーティー。乗り心地悪い。
固有振動数(共振周波数)が低い: スポーティーではない。乗り心地良い。


と書かれているのを昔読んだ。


「ナゼ固有振動数が高いとスポーツ性が高いのか?」

についてはきちんとした説明がなく、その後も他ソースでも見た覚えがないので、理屈として理解できていないが、どうもそういうものらしい。

固有振動数が高い → 荷重移動や外乱に対しての応答速度が速い

という解釈かな?・・・と思うが、サスの動くスピードは、粘性であるダンパーの仕事のハズで、だとすると、

固有振動数=応答速度=スポーツ性

・・・という理論が崩れる。
うーむ。。。


ググると、

バネ下重量軽い → 慣性が小さい → 路面の凹凸(外乱)に対しての追従性が良くなるのでグリップを発揮できる。

逆に

バネ下重量重い → 慣性が大きい → 路面の凹凸(外乱)×慣性の影響でタイヤが路面から離れる時間が多くなる → グリップ発揮できない。

的な説明がチラホラみられ、なるほど、それは納得のいく説明かなあ・・・と。


さて、

165/55R14 72V: 約6.9kg
175/60R14 79H: 約7.7kg


の違い。


固有振動数[Hz]は

√(バネ定数/重さ)

で決まるので、重量が重くなると、固有振動数が低くなる。


なので、175/60R14は165/55R14より「スポーティーじゃない」ことになる。

WEBソースの「慣性」のことを考えると、路面の凹凸への追従性も悪くなる・・・と言える。

結果、「運動性能が低下する」と言えるんだろう。

ただ、バネ下の「全体重量」がわからないため、この1輪あたり0.8kgの差が、何Hzに影響するとか、何%に影響するとか、そういう定量的な話ができないのが残念。。。。




なので、「固有振動数」だけに着目すれば、バネ下が重くなればその分、スプリングレートを上げれば固有振動数のバランスは崩れないのだが、「慣性」で語られるとスプリングレートでは解決しない。。。




■イナーシャ



以前のブログエントリ

【PP1】【軽量化】【技術】軽量ホイールナットの効果を考える

のように、回転慣性モーメントの違いがラップタイムに与える影響を考える。


住友ゴム工業さんからのZIIのイナーシャの御回答。
(※日曜に問い合わせフォームで問い合わせすると、月曜のAM7時台に御回答頂けます。スゴいです)

165/55R14 72V: 約499[kgf・m・s^2] → 0.4894[kg・m2]
175/60R14 79H: 約617[kgf・m・s2] → 0.6051[kg・m2]

(※変換合ってる??)



ちなみに、ヨコハマタイヤにも同じ質問をしたのだが、こちらは半日遅れで、

"お問合せのイナーシャ(回転慣性モーメント)に関するデータは保有しておりません。
ご期待に沿えず、誠に申し訳ございません。
どうぞご理解の程宜しくお願い申し上げます。"


という残念なご回答。
挙句、このご質問とご回答についての『ヨコハマタイヤについてのお客様満足度アンケート』が郵送されてきた。

いや、今回のご対応についての顧客満足度は本当に低いんですケド・・・(ネオバは好きだケド)。





岡山国際サーキットの走行ログより、アトウッドからの立ち上がりの3速ギアでのWOT加速時の車速変化: 70[km/h]→90[km/h]を8[sec]
(遅い・・・)


私のビートの後輪は175/60R14なので、タイヤ外周: 1776.984[mm] = 0.001776984[km]

前輪は

165/55R14: タイヤ外周 1686.494[mm] = 0.001689494[km]
175/60R14: タイヤ外周 1776.984[mm] = 0.001776984[km]


車速70[km/h]
リアタイヤ回転数: 39392.59[rph] = 656.54[rpm]
(※参考)エンジン回転数: 5912[rpm]
フロントタイヤ165/55R14回転数: 41432.52[rph] = 690.54[rpm]
フロントタイヤ175/60R14回転数: 39392.59[rph] = 656.54[rpm]

車速90[km/h]
リアタイヤ回転数: 50647.62[rph] = 844.12[rpm]
(※参考)エンジン回転数: 7602[rpm]
フロントタイヤ165/55R14回転数: 53270.39[rph] = 887.84[rpm]
フロントタイヤ175/60R14回転数: 50676.13[rph] = 844.60[rpm]


●前輪2輪が165/55R14の場合
2輪分の回転慣性モーメント: 0.9788[kg・m2]
0.9788[kg・m2]を、8[sec]で690.54[rpm]→887.84[rpm]加速するのに必要な車軸トルク: 2.526617[Nm]

ビートの最終減速比: 5.714
ビートの3速ギア変速比: 1.576
なので、

車軸トルク:2.526617[Nm]をエンジントルクに換算: 0.28057[Nm]


●前輪2輪が175/60R14の場合
2輪分の回転慣性モーメント: 1.2102[kg・m2]
1.2102[kg・m2]を、8[sec]で656.54[rpm]→844.60[rpm]加速するのに必要な車軸トルク: 2.977639[Nm]

ビートの最終減速比: 5.714
ビートの3速ギア変速比: 1.576
なので、

車軸トルク:2.526617[Nm]をエンジントルクに換算: 0.33066[Nm]



●比較

「前輪2輪を」70[km/h]→90[km/h]加速するのに必要なエンジントルク
前輪2輪が165/55R14の場合: 0.28057[Nm]
前輪2輪が170/60R14の場合: 0.33066[Nm]
差: 0.050009[Nm]


ビートのE07Aのカタログスペックの最大トルク: 59.820565[Nm]

従って、

フロントタイヤ2輪を165/55R14→170/60R14変更した場合、イナーシャに限って言うと、8[sec]で車速70[km/h]→90[km/h]加速するのに必要なトルク差の、E07A最大トルクに占める割合:
( 0.050009 ÷59.820565 ) × 100 = 0.08373[%]の差
(※175/60R14の方がエンジンのトルクを「食う」形)


上図の岡山国際サーキットの走行データのように、サーキットでは一定速度での巡航はなく、常にフルで加減速を行なっている。
全部が3速ギアというワケではなく、2速~5速まで使っているが、上記計算を代表値というか平均的な値として、1LAP全体(※減速も含む)に適用すると、

ラップタイム 2'20"756 = 140.756[sec]

140.756 × ( 1-0.0008373 ) = 140.638[sec]

グリップを無視し(=空転状態とも言える)てのイナーシャのみに着眼した場合、フロントタイヤ2輪を165/55R14→170/60R14に変更すると、ラップタイム、0.118秒遅くなる計算。



もっとも、これらのデメリットに対して、グリップが上がることのメリットが大きいと判断してのタイヤサイズ選定。(まあ、試してみないとわからないのだが)

正直、今はタイムよりも、「フロントのグリップのなさへの不安なく楽しく走れる」ことが一番重要なので。



●自動車技術関連関連目次はこちら
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Posted at 2013/09/06 23:13:30 | コメント(18) | トラックバック(2) | 技術論 | クルマ

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「HAOC 鈴鹿ツイン。
ベストは1枠目の1分11秒141。

自己ベストはコンマ3秒更新できたケド、絶好のコンディションにも関わらず、目標の1分10秒を叩き出せず残念感炸裂😩

3枠目、4枠目と走りのアジャストは進むのにタイムは11秒5、11秒8とズルズル下がった😓」
何シテル?   11/24 17:43
ビート(PP1)、アコード・ユーロR(CL7)、三菱アイに乗っています。 ビートでのサーキット走行(タイムアタック)とチューニングを続けています。 鈴鹿...
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