
レガシィ時代からお付き合いして頂いている方々は良くご存知のように、レガシィでは酷くECU(OpenECU)に没頭していて、毎日のようにROM UPDATEしては、仕事帰りにUPDATEしたROMを流し込んでテストラン→ロギング→解析していた。
(金かからないしね)
参考まとめサイト:
mistbahn Legacy B4 ECU / OpenECU
レガシィからビートに乗り換えても、まだサーキット出走準備(ロールケージとか)ができていなかった時期には、ほんの少しECUに取り組んだが、すぐに放置してしまった。
【1】パラメータが少なくてツマラナイ
ターボ・・・・それも、レガシィ(BL5)純正のDENSOのECUには、実に様々なパラメータがあった。
燃調をストイキから出力空燃比方向に振るのは、トルク増だけでなくノッキングマージンも稼げた(※ただし燃費はもちろん悪化)・・・・・・が、様々なパラメータは基本的にトレードオフの関係にあった。
ブーストアップと点火時期進角はどちらもトルクUPだが、どちらもノッキングマージンを削る方向なのでトレードオフ。
燃調も、スバルの過激な燃料冷却(A/F=8~9とか)を、トルクの出る出力空燃比に近づくよう、リーン寄りに移行するのもノッキングマージンを削る方向。
そういった、トレードオフの関係にあるパラメータを禅問答のように「ああでもないこうでもない」とエンドレスにセッティングを探るのが楽しかった。
燃費とはトレードオフとなるが、中間加速にもっとも効いたのはバルブタイミングで、そこを弄ることができるのも素晴らしかった。
ハイブースト部分を、バルタイで有効圧縮比を下げることでノッキングマージンを稼いでみたり・・・ということにチャレンジしたりも。
・・・そんな、膨大なパラメータをもつスバル×DENSOのターボ用ECUと較べて、
・リミッターカット
・点火時期
・燃調
ぐらいしか弄ることができない(解析され尽くしてないだけで、他にもあるのかもしれないが)、ビートの旧電子技研(現:ケーヒンに吸収)のECUがとても退屈に思えた。
【2】ノックセンサがナイので追い込めない
ビートにはノックセンサがナイので、点火時期を進角させるのに、追い込むことができない。
結果、無難なところまでしか進角できない。。
コレが没頭できなかった一番の理由。
レガシィB4(BL5A)のノックセンサNTK KNE26をEJ20Yから外して、ちゃんと使えそうか検証してみたこともあった。
ちゃんと使えることはわかったが、
結局、E07Aにコレを取り付けるのに適切な位置にタップ孔を見つけることができず、なんとなく面倒臭くなってやめてしまった。
【3】ECUからのデータ取得ができないので追い込めない
レガシィのときは純正センサの計測値なんかのかなりの情報をECUからロギングできた。
・・・が、ビートでは困難。
なんとか、ノーマルで付属している、回転数、車速、インマニ圧、スロットル開度、吸気温度、ブレーキスイッチなどを、純正ECUから通信で取得してロギングしたかった。
純正ECUには一応、メンテナンス用途でシリアル通信でステータスを取得できる、隠しコネクタが付いている(EIポストヘッダー)↓・・・
・・・ので、いろいろ有識者に知識を借りたり、力を借りたりしながら、通信プログラムを組んでみた(コレは私の担当)。
通信してなんかしらの値を取得できたが、取得できる値の物理値変換が良くわからず挫折した。
【4】NAエンジンのECUでそれほど速くなると思ってなかった
ちょっとブーストアップという安易な手段をもつターボエンジンと違って、NAエンジンで点火時期と燃調を追い込んだところで、たかが知れてるだろう・・・
・・・という残念な偏見をもっていた。
今回の一連のROM UPDATEで、純正ROMの点火時期と燃調でもガツンと変わることがわかって反省なう。
【5】ECUのROMチューンがサーキットのラップタイム短縮に貢献しなかった実績
レガシィのときにあんだけやりこんだECUだが、
ROMのUPDATEが、サーキットでのラップタイム短縮には全く貢献しなかった。
レガシィでは半年おきに5回岡山国際サーキットに走りにいったが、自己ベストは2回目の走行会で。それ以降は更新できず。
もっとも、その後はECU UPDATEだけでなく、車高調投入、LSD投入、軽量化・・・などいろいろ手を尽くしたが、タイム短縮できないまま、レガシィはお星様になった。
原因は
・2回目の走行会は新品ネオバAD08で、それ以降はタイヤが劣化(ビートと違って通勤/家族車両だったし)
・今と違って、一度スピンしたりハーフスピンしたコーナーは攻めきれなくなった
・ドラテク本に振り回されて、ドライビングスタイルが迷走
・・・が支配的で、同じドライビングやタイヤコンディションならECUでタイム短縮できたかもしれないが、結果論的にタイム短縮に貢献しなかった。
ROMチューンでは、中間加速を素晴らしく向上させることは容易だが、高負荷時のエンジン性能は結局のところ、吸排気やタービンなどハードウェアの性能が支配的なのかな・・・というのがレガシィを終えての感想。
「ほとんどWOT(=スロットル全開)しか使わないサーキットでは、ROMチューンよりハードウェアが重要なのではないか?」
という考えと、更に
「エンジンよりタイヤと足回りの方が・・・」
「車重の軽いビートではエンジンのパワーアップよりも軽量化の方がてっとり早くパワーウエイトレシオを向上できるし、コーナリングスピードも向上できる」
という考えにとらわれ、ビートでは早い段階からROMのUPDATEを放棄。
先月の鈴鹿フルコースのログを見て、他のビートと較べてあまりにストレートスピードが伸びない事実を知って愕然とするまでは。
【6】どうせやるならフルコンで、と
【1】【2】【3】とリンクするのだが、いろいろと情報不足で不自由な純正ECUにあんまし時間をかけても仕方ないのかなあ・・・と。
どうせやるなら、きちんとあれこれセンサを付けて、フルコン入れて、きっちりロギング→解析したいな・・・と。
でも、一式揃えるのはとてもお金がかかるし、【4】【5】の理由から費用対効果が低いと考えていたため、
「他に優先すべきUPDATEがいろいろあるので、何年も先にまだビートを失ってなければね」
と考えていた。
==
以上、「私がビートのROMチューンをサボってた6の理由」。
ここ一連のROM UPDATEで、ビックリするぐらい変わったので、NA/純正ECUのROMチューンをナメてたなあ・・・と反省。
でも、まあ、ここから先はやっぱりノックセンサやA/Fセンサがないと煮詰めていけない。
ノックセンサ、A/Fセンサを購入取付
↓
純正ECUのROM UPDATE
↓
お金が貯まったらフルコン導入
という流れかなあ?
・・・と思うのだが、
・今回の5速ギア変更とエキマニ交換で借金がある
・借金が消えたら3月の車検に向けて貯金。メタル触媒も投入する必要があるし
・そろそろタイヤを新調したい
・タイミングべルトの状態なんかも気になる
・カーボンかFRPのボンネットが欲しい
・Sタイヤだって履いてみたいし、それに伴いバネレートも変更が必要
・・・・と物欲まみれなので、どの順番、どのタイミングで何をするかは要検討。
今年はたくさんのメジャーUPDATEをして、ちょっと疲弊しているので、
本当はしばらく「開発凍結」して、タイヤと油脂類のみの交換で、走る方に専念したいんだケド・・・・。
●ビート(PP1) ECU関連目次はこちら
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Posted at
2014/11/12 22:02:20