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2014年12月10日

【書籍】F1機械工学大全

【書籍】F1機械工学大全 いわき出張、4日目。まだしばらく続きます。
なかなか洗濯が終わらない。。。


■F1機械工学大全

出版: 三栄書房(2014/10)
著: 世良耕太


発売されてすぐ購入して、読みやすいので、すぐ読み終わったんだケド、バタバタしていてレビューする時間がなかった。



●世良耕太氏

Motor Fan illustratedなんかでもモータースポーツ寄りの記事は世良氏が書かれてたりするし、世良氏のブログも面白いので良く見てる。

あんまし掘り下げないんだケド、私のように駄文・長文にならず、使う写真素材なんかも

「ああ、そこそこ!そこが見たかった!」

と思える、ツボを押えてスッキリと読みやすい記事を書くヒト・・・という印象。




●キャッチコピー

本著の内容に入る前に・・・


内容の前に、帯のキャッチコピーがイケてないというか、なんか不快。
世良氏が考えたワケではなく、コピーライターによるものかもしれない。

内容的には2014年に抜本的に変更されたレギュレーションに基づく技術紹介と、ここ数年のF1技術のトレンド紹介なのだが・・・

"ホンダのいない6年間に、F1はこんなに進化した"

と、いうキャッチコピーは本著の内容の本質から外れ、第三期ホンダが撤退したことを無意味にDisっているような文章だ。このコピー、何のメリットがある?
ホンダの撤退は残念だったが、それはそれで大人の事情があるのだよ。

帯の裏にまでダメ押しで

"ホンダがF1を撤退し、2015年に復帰するまでにF1テクノロジーがどこまで進化したか一目瞭然"

と書かれているので、このコピーを書いたヒトはひょっとすると

 「ホンダの撤退=日本のF1ファンのF1離れ」
 「ホンダの復帰=日本のF1ファンのカムバック」

だと思ってるのかも知れないが・・・
それはそれで勘違いだと思う。



"世界最高の技術開発競争の舞台で何が起きているか?"

というキャッチコピーも本著の内容と矛盾する。
F1は「世界最高の技術開発競争の舞台」だと思うが、レギュレーションが厳しすぎて、量産車両と較べてハイテク規制によりローテク化しているものも結構多く、本著書の中でもそれは記載されている。

キャッチコピー書いてる人は、中身読んでないのか、読んでも理解できないの?






●概要

「グランプリ特集」の特集記事のまとめ本らしいケド、私は余程か特別なGP(例: 2012年日本GP、現地観戦して可夢偉の表彰台に感動したGP)ぐらいしか「グランプリ特集」は買っていない。
(「グランプリ特集」は「F1速報」に較べて、GPからのタイムラグが大き過ぎて、発売される頃にはネタが新鮮じゃないので・・・)


・・・なので、

「ああ、『グラ特』の再編か」

という印象はナイが、常々、F1の技術ネタ系の記事は雑誌(「F1速報」「F1速報PLUS」「auto sport」「Motor Fan illustrated」・・・・)なんかで読んでるし、特に2014年の大規模レギュレーション改革については、2012年や2013年の頃から、各誌でクドいぐらいに特集されてきて、いちいち買ってたので、そういう意味では、「知ってることの再確認」といった感じ。

でも、クドくなく、シンプルに読みやすくまとめてあるので、再確認にも良かったし、F1技術ネタに疎く、コレから知ろうという方には良いのではないかと思う。



やたらと多くの写真を使っての「チーム別マシン比較」・・・・的な表現手法ではなく、最低限の写真と、わかりやすく簡潔なイラスト、グラフでまとめられており、とても見やすい。

やたらと多くの写真を使っての「チーム別マシン比較」・・・的な記事は大好きなのだが、それは本著とは趣旨が違って、レースレポートであったり、テストレポートであったりするので、本著には不要で正解だと思う。



個人的には「帯」以外は良著だと思う。
1~2年もすると「過去の情報」になってしまう難しい位置づけの本だケド。





●SOC



「SOC(State Of Charge)」=バッテリーの充電状態[%]という言葉は、私はF1に関係なく以前から知っていたが・・・・

F1中継で川井ちゃんが、説明無しで「ソックが・・・」と言うのは良くないと思う。
・・・っていうか、何年もやってるのに、川井ちゃんの解説はいつもイケてないと思う。

ERS用のリチウムイオン電池をサイクル寿命のためにF1でもSOCを使いきらずに20~80%や30~70%で使ってる・・・とか、性能と寿命のためにF1でも温度管理をきちんとしている・・・といった情報は知らなかったので、ちょっと興味深かった。





●V8 シングルプレーンとクロスプレーン



以前に「Motor Fan illustrated vol.89 ~V型エンジン 最善の妥協~」で読んだことのある、V8エンジンのシングルプレーンとクロスプレーンの解説が本著にも載ってた。

すっかり忘れてたので、おさらいになった。

MFiでは「フラットプレーンとクロスプレーン」という呼び方だったが、「フラットプレーン」を「シングルプレーン」と呼んだりもするのかあ。

本著によると、市販車ではフェラーリのV8モデルに限ってはシングルプレーンだそうな。






●CoP



SOCに引き続き、3文字の専門略語。

CoP=Center of Pressure。空力中心。前後空力バランス。

こないだ「用語説明」した「WOT」みたいに、現場で多用されているであろう(?)、略語っていろいろあるよね。

「CoP」って略語はそんなに目にしないケド、良く雑誌なんかのF1技術特集記事のウイング写真なんかと合わせて、直接的でナイにせよ、CoPの重要性が書かれているのを目にする。

最近だと、2014最終戦に、マクラーレンがレッドブルそっくりのフロントウイングを投入したが、リアの空力にこだわり過ぎて、フロントウイングの解説が遅れた・・・的な。







●ドラッグ



F1のテクノロジーを、そのまま自分のビートに流用するのはなかなか難しいのだが、それでも、F1やモータースポーツ誌の技術ネタを見るときは、何か流用できるネタはないのか?という目で見てしまう。


DRS(Drag Reduction System)の解説章に

"車両全体に占めるドラッグの割合"

"車速とドラッグの関係は非線形にしたい"


というグラフがあった。


先日、ビートのGTミラー化での空気抵抗(ドラッグ)の計算をしてみたり(突起物では考え方が異なるとご指摘を頂いたが・・・。ありがとうございました)・・・

鈴鹿フルコースのストレートスピードが伸びないことに悩み、過去の走行データをいろいろ解析していて、幌を閉めてる/開けてるで、メインストレート・エンドの最高速が5km/h異なることに気づいたり・・・

と、最近もビートの空力についてはあれこれ考えたりしてたので、興味深く読めた。






●FRIC



FRIC = Front to Rear Inter Connected(略語多い・・・)。
前後連結ダンパー。

2014シーズン、エンジンのみならず、FRICがメルセデスの優位性と見なされていたが、シーズン途中でFRIC禁止になっても、やっぱりメルセデスが強かった。

FRICは理に適った機構だと思うので、市販車にも有効そうだなあ・・・と思っていたんだケド、

"前後のダンパーを連結する仕組みは、F1に限っても1990年代前半から散発的に試されている。乗用車でも一般的な技術だ。開発にあたる当事者からすれば、「何をそんなに大騒ぎしているの?」という感じを受けるようだ。"

と書かれている。へー。
市販車(?)の例として、マクラーレン MP4-12Cが紹介されている。






●ブレーキ、BBW



F1のブレーキディスクが小径で、そもそもキャリパのピストン数が少ないのは、レギュレーションの規制もあるが、そもそもホイールが13インチだから大きく作れないからだそうだ。なるほど。



一番、「へー」と思ったのが、BBW(Brake By Wire、略語多い!)の回生ブレーキの制御について。



ハイブリッド車の協調制御と違って、F1では、単純に油圧ブレーキの制動力に、回生ブレーキの制動力を「単純に上乗せ」しているだけだそうな。

"なんともプリミティブ"と書かれているが、個人的にはこちらの方があるべき姿だと思える。


会社のレクサス GS450hで、回生ブレーキが壊れたことがあって・・・

ブレーキペダルを踏んでも全くブレーキが効かず、ある程度の踏力に到達したら、途端にメカブレーキがガツンと効く・・・・という、とんでもなく怖い状態に陥ったことがある。

そんな「イケてない協調制御(・・・ちゅうか、協調できていないよね、コレ)」よりは、プリミティブな方が直感的だし安全側だと思う。

・・・でも、2014シーズン頭に、可夢偉はBBWのトラブルでマッサに突っ込んでるし、ビアンキの鈴鹿での大事故にもBBWが絡んでるのでは?という疑惑があるよね。。。。






●ステアリングホイール



ザウバーC32(2013年)のステアリングホイールの各機能紹介の章。

「デフのプリロード調整ダイアル」とか「コーナー進入時のデフの利き具合を調整するダイアル」とかはドライバー向けだな、と思う(※両者の違いはワカランけど・・・)が、

「タイヤ径補正ダイアル」とか「空燃比調整ダイアル」とか、そんなんまであるんだな・・・。
無線指示がナイと、流石に調整しにくいだろうなあ・・・。





●自動車 書籍レビュー関連目次はこちら
●F1関連目次はこちら
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Posted at 2014/12/11 00:25:07

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この記事へのコメント

2014/12/11 01:03:38
買うの忘れてた。本屋に行かなくっちゃ。
コメントへの返答
2014/12/11 01:08:38
入荷冊数が少なく、売り切れてる書店が多い印象です。(そこそこ大きめの本屋さんで)

「(※実績に基いて)このテは売れないだろう」という前提での発注なんでしょうね。。。
2014/12/11 04:25:07
期待してみたけどそれほどでもなかった
ような気がします。
買おうかと思って立ち読みしたらそれで
すんでしまいました。

WEC関係の本のほうが情報が面白いですね。

クルマ雑誌も買わないと、どんどん廃刊に
なるので今後は買っていこうと思います。

コメントへの返答
2014/12/11 07:24:28
初心者向けに、「広く・浅く」書かれているので、Garage Kさんには物足りないと思います(^_^;)

そういう観点では、MFiのモータースポーツ系の特集、F1速報PLUSの技術特集号の方が掘り下げていて面白いと思います。
(F1速報PLUSはやさしく書かれているのですが、テーマを絞っている分、若干掘り下がっている?)

WECの方がレギュレーションが緩いので、技術バリエーション豊かですよね。

「自分のクルマを改造する上でのアイディア」という意味ではWECの方がイメージしやすいです(^_^)
http://minkara.carview.co.jp/userid/242406/blog/33742965/

2014/12/11 08:30:04
F1での川井ちゃんの解説は暴走してますねw

無線の内容を聞き取れない実況アナを貶める様な発言大杉の気がしますww
いちいち他人の発言を「鼻で押さえる」し・・・

タイヤの「バンカー」等の用語も解らないと面白くないのに。
まあ何時の間にか「F1の大御所」になったんでしょうねw
コメントへの返答
2014/12/11 10:33:49
「頭聞き逃しました」
「全部聞き逃しました」

ですからね(笑)

おそらく10~20%ぐらいしか聞けてないという・・・・。


基本的に、自分がしゃべりたいことをダラダラと話している感じで、視聴者のことは何も考えてないと思います。

森脇さんとか、ゲストの次生選手などの方がきちんとしてる(当たり前か・・・)。
2014/12/11 11:55:22
こんにちは。
出張お疲れ様です。
機械工学というワードが、機械工学科の大学生である自分を煽ってきましたが、結局なんとなく買いませんでした(汗)

mistbahnさんが丁寧なレビューしてくれたので、読んでみようかな?という気になりました。

ちなみに、2012年の鈴鹿は僕も神奈川から車で行きました(^^)
コメントへの返答
2014/12/11 12:21:20
ああ、中身は全然「機械工学」ではないですね(笑)

そういう意味では帯だけでなく、本のタイトルも良くないと思います。
「現代F1技術紹介」(←売れそうにないタイトル)とか、そんな感じです。


私も機械工学科の出身なので、材力、熱、基礎動力学、流体なんかはやりました。(流体はサッパリわからないまま卒業してしまいましたが・・・)

2012鈴鹿はシケインの可夢偉応援席で観ました。号泣しました。
神奈川→鈴鹿はどうってことないと思うんですが、鈴鹿で疲労困憊されてからの鈴鹿(渋滞)→神奈川のクルマ移動はツラそうですね。。。
鈴鹿→大阪ですらシンドかったです。
2014/12/11 22:54:06
mistさんも機械工学科でしたか。
私も同じ出身です。

風洞実験もした事があり、先日のCd値のブログは興味深く拝見させて頂きました。
NACAの翼形でしたり、ミラーの抗力とモーメントも昔を思い出しました(笑)

最近ではM4のミラー形状が、ボディ近傍の穴が開くような形状を
純正採用しているので、効果の程が気になります。

川井ちゃんのナレーションは、深夜の地上波放送とセットで風物詩!?として復活して欲しいです。

コメントへの返答
2014/12/11 23:10:52
写真ブログがあまりにアートなので、シュガートさんは文系かと思ってました(^_^;)

風洞実験、スゴいですね。
自分の大学ではなく、他所の大学でかなり古い風洞は見せてもらったことがあります。

先日のCd値のブログは・・・
・・・素人色全開でちょっと恥ずかしいです(笑)

M4、へー。
思わずググって観察してしまいました。
かなり凝った形状ですね!


川井ちゃんのトークは、ネタとしては面白いんですが、ゲスト解説者の解説を遮ってまでしゃべってしまうあたりが完全にNGです。。
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