・・・そもそも、私には、「電動ウエイストゲート」が、ソレノイドバルブ方式よりも、正確なブースト制御に貢献するのは理解できるが、どうレスポンスアップするのか、正直理解できていない。
アクセル踏んでから2テンポ遅れてからドカンと来る。
イマドキのターボ車で、こんだけラグのあるクルマ、ハジメテかも。(そういう意味ではバブル期のターボ車を知らない世代には新鮮かも?)
本当にイマドキのターボエンジンっぽくなく、美味しいところは4500rpm以上か5000rpm以上の高回転域。
もっとも、FK8はスポーツモデルなんだし、
「1500rpmから、即応答でブーストかかります♪」
というダウンサイジングターボみたいな仕様より、こっちの方が面白いケドね。
コンピュータでのセッティングのし甲斐もあるし。
圧縮比9.8も、イマドキのターボエンジンにしては低めだケド、ブーストアップの余地がありそうで、結構なことだと思う。
私の認識が間違っていなければ、K20Cは、剛性確保のために、2L系のシリンダブロックを使わずに、K24相当の大きめのシリンダブロックのハズなので、そういった観点からもブーストアップの余地は十分にありそう。
・・・つーか、ボアアップの余地も十分にあるワケか。楽しみだな。
↑ノーマルのマフラー。
直4とは言え、ターボなので、排気音は大人しい。
3000rpmぐらいまではほぼ無音。
4000rpmぐらいから直4特有の雑味が遠くで聞こえる。
「直4特有の雑味」とは言っても、ありがちな安っぽい掃除機音ではなく、音の表現としては不適切だが
「なんか丁寧な音」
という印象。
そうは言っても、直4ならではの雑味があるので、
・BMW Z4後期型の直6ツインターボ
あたりと較べると、やっぱり安い印象。
まあ、気筒数も違うし、排気量も違うし、思想も違うケドね~
で、やっぱりターボなので、K20AやF20C、F22Cのようなパンチの効いた音はしない。

→ 高解像度画像(リンク先のPHOTOHITOで更に写真をクリックするとフル解像度写真に)
まとめると、
・古典的なターボエンジンらしく、爆発的な加速力を有すが、ターボラグがデカい。
・音の良さとか、味といえるような特徴はナイ。あまり印象に残らないエンジン。
・でも、ポテンシャルの高さ、余裕は感じるので、チューニングされた姿が楽しみ。
・・・と言った印象で、良くも悪くも、
K型、B型、D型、ZC、E07Aなどのホンダの直4NAのファン層には全く受け容れられない特性だと感じた。
でも、まあ、「ホンダのスポーツエンジンとは」みたいな固定観念を捨てれば、チューニング次第で面白いエンジンになるんじゃないかなあ・・・。
私はFK2(750台限定)の抽選に外れて、最終型K20Aを積んだFD2を営業車として会社に支給されたクチだが、改めて、「最終型K20Aを日々、堪能できて幸せ♪」 と思えた。
トランスミッションは
ファイナルが 4.111。
減速比×変速比の計算、比較はしていないが・・・
FD2のファイナルは 5.062 と過激にローギヤードでノーマルでも異様にクロスなので、普段FD2に乗っていると、
FK8のギアは異様に離れているように感じる。
ターボでパワーもあるので、シフトチェンジせずに同じギアをホールドでも、それなりに走れてしまうのだが、せっかくスコスコとキモチ良くシフトチェンジできるトランスミッションなのに、なんかもったいない。
どんなギア設定でも、合わないステージ、コーナーはあるケド、ストリート、ワインディングなどを走っていて、FK8は特にタイトコーナーの多いワインディングでは
「2速だけでシフトチェンジしなくてもそれなりに走れるし、3速だけでもそれなりなんだケド、どちらもちょっと違う。」
という場面が良くあり、
もちょっとクロスさせてくれないと、現代ではすっかり希少種となった貴重な6MTを楽しめない・・・・と思うゾ。
サーキット走行でも、このギア比がマッチするコースってかなり限定される気がする。
■足回りとかボディとか

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↑サスペンションは、ASLAN×SPIRIT車高調 に換装されているので、FK8の純正サスの評価はできない。
(ASLANさんは「FK8は純正サスが本当にイケてる」と絶賛していた)
私が借りたときの仕様は、ASLAN×SPIRIT車高調の試作2つ目。
ひとつ目の試作で納得できず、1回、仕様変更されて再装着されたもの。
ASLANさんは、この二作目も「イマイチ」と言われていて、
私がレンタルした後で、倒立式→正立式に大規模仕様変更されている。
でも、
私には、この二作目も十分にイケていると思えた。
このFK8のレンタル中に mistbahn FD2 に投入した ASLAN×SPIRIT車高調 も同じ方向性なのだが、ASLAN×SPIRIT車高調 は減衰を低めに設定すると、
本当に「スイスイ」走る。
めっちゃ気持ち良い。
ボディ剛性が高いのはわかるが、BMWやポルシェのようなドッシリ感のある足じゃなく、スイスイ、しなやかな方向性に振ってあるのも、メルセデスっぽいんだケド、車高調が換装されているため、ノーマルのFK8がどういうテイストなのかは不明。

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・・・で、方向性は同じなのだが、
FK8+ASLAN×SPIRIT車高調(未完成)
の方が、
FD2+ASLAN×SPIRIT車高調(完成)
より、
個人的にはだいぶ好みだった。
乗り心地もFK8の方が遥かに上だし、ステア操作に対する路面追従性も上。
同じワインディングを、FD2の70~80%ぐらいの気分でリラックスして流して、スピードはFD2と同じぐらい・・・という印象。
「グイグイ」ではなく「スイスイ」という
FD2+ASLAN×SPIRIT車高調 と同じ方向性を感じるが、
FK8の方が、余裕と懐の深さを感じる。
電動パワステの軽さもあり、本当に
「小手先」で曲げることができる。
ただ、
part.3 HMI編で書いたように、
ステアリングからのタイヤ、路面のインフォメーション、フィードバックが希薄なので、ここは好みの分かれるところで、まだ熟成の余地もあるように思う。
車高調の差というよりは、
・FD2 がフロント: マクファーソン・ストラット、リア: ダブルウイッシュボーン
・FK8 はフロント: デュアルアクシス・ストラット、リア: マルチリンク
だったり・・・
・FD2 のトレッドが フロント:1505mm、リア: 1515mm
・FK2 のトレッドが フロント:1600mm、リア: 1595mm
だったり・・・
(流石に、100近いトレッド差は効くよ!!!!)、
・FD2 のタイヤが 225/40R18
・FK8 ASLAN のタイヤは フロント:275/35R18 (!)(純正は245/30ZR20)、リアは忘れた
だったり・・・
(純正245→275と、2インチダウンはステキなセレクト!!!)
など、たくさんの違いがあるので、体感上も明らかにそちらの差だと思う。
↑ダンロップ・ディレッツァ Z3 275/35R18。
ストリートでこのグリップを使い切ることは私にはできない。

→ 高解像度画像(リンク先のPHOTOHITOで更に写真をクリックするとフル解像度写真に)
FD2 よりも FK8の方が、
体感上は随分と重心が低く感じた。
実際に重心が低いのかもしれないし、私の経験では同じような重心でも、トレッドが拡がると体感上は低重心感が増すので、その差かもしれない。
発売当初から「デカい」「デカい」「こんなのシビックじゃない」と言われ続けているFK8だケド、乗ってみると、やっぱり
ワイドであることには必然性があると思える。
車庫入れは本当にドキドキ、ハラハラするんだケド・・・。
FD2では、運転していて、デカイ直4エンジンが目の前にドーンと横置きされていて、重心高となっているのが、イメージできるのだが・・
FK8では、そういうネガは感じなかった。
FK8のK20Cは、前述のように、私の認識が正しければK24相当の大きめのブロックを使っていて、補機類も含めて、FD2のK20Aよりもだいぶと重いハズなので、うまくローマウントしているのか、単に私の体感が腐っているのかは不明。
ああ、でも
FK8 はアルミボンネットなので、それだけでも FD2 に対してアドバンテージがあるのか・・・。
Part.3 HMI編でも書いたが、
FK8はブレーキがイケていた。
制動力はもちろんだケド、
ペダル操作に対して、スゴくリニアに制動力が変化し、今まで乗ったクルマの中で、もっともコントローラブルなブレーキだった。素晴らしい。
■まとめ

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K20Aまでのホンダの高回転型NAのフィーリングに対し、K20Cのターボエンジンをどう評価するか?
・・・・というか好きになれるかなれないか?が、このFK8 を好きになれるかなれないかの重要なポイントではあるものの・・・
私には、エンジンの好き嫌い以外のパラメータ
・スタイリングがFD2より好み
・着座位置がFD2より低い
・サスペンション、ステアリングがイケてる。コーナリング性能が高い
・ブレーキがイケてる
・・・などに、
本当に感銘を受けた。

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いろんな車種の試乗機会を得てきて、それぞれに良いし、好きなところはあるんだケド、いつも、「これ、めっちゃ欲しい」とはならない。
でも、
この FK8 は「このクルマ欲しい!」「返すの残念・・・」と思えた。
比較対象が普段乗っているFD2と同じシビック・タイプRなので、特にわかりやすかったから、というのはあるのだろう。
ASLANさん、二日間レンタルでの貴重な試乗機会、誠にありがとうございました m(u_u)m
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