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mistbahnのブログ一覧

2012年04月02日 イイね!

【試乗】Subaru BRZ (ZC6)

【試乗】Subaru BRZ (ZC6)家の近所のスバルのディーラー(B4時代にお世話になっていたお店)に、以前、2日間だけ店頭に「ライトニングレッド」(真っ赤)のBRZが飾ってあった。
Z34といい、CR-Zといい、基本的にターゲットがオッサンなので、オレンジメタリックとか渋めの色が多いのだが、この「ライトニングレッド」はスポーツカーのスポーツカーたる色で、非常にカッコ良かった。

ここ2週間ぐらい、東京モーターショーでも見た「サテンホワイト・パール」のBRZがディーラーにあるのは気づいていたが、静的には東モでじっくり見たワケだし、スルーしていた。

ところが、昨日、このクルマがナンバーをつけて走ってるのを見かけて、「試乗できるようになったんだ!!!」と、テンション高くお店を訪問した。
仲の良いスタッフは、本日は岡山国際で走行会で不在だった(笑)


■Subaru BRZ (ZC6)





試乗車はラッキーなことに6MT。
Sグレードなので、トルセンLSD、17インチ仕様。


●エクステリア

エクステリアのスタイリングについては、東京モーターショーのレポートでいろいろ感想を書いているのでここでは割愛。
カッコイイと思うが、フロントフェンダーのダミースリットだけがひたすら残念で台無し。


●インテリア



天井からピラーから黒で統一されており、硬派に良くまとまっている。
まとまり過ぎており、スポーツカーとしては個性に欠けて退屈と言えなくもないが、スバルにしては上出来だろう。

質感では先日乗ったRCZなどと較べるとかなり差を付けられているが、「スポーツカー」なんだから質感なんて糞くらえだとも思える。
気軽にフルバケ換装できるような内装が良いのだ。



ペダルレイアウトに少しクセがある。
アクセルペダルがブレーキペダルよりも随分奥にあり、ヒール・アンド・トゥがしにくい。わかってしまえば、そのペダルレイアウトに合わせてアンド・トゥしてやることは可能だったが、不自然だ。

左足ブレーキはしやすいのだが・・・。




F.S.260km/hのスピードメータがカッコイイ!!!・・・が、ハッキリ言って見にくい(笑)
だいたいが、200km/hオーバーまで引っ張れるんだろうか?
見難い分は、タコメータ内のデジタル表示があるのでOK。



●エンジン~ドライブトレイン

ボア×ストローク=86×86のスクエアなFA20エンジン!
トヨタのD4-S直噴付の水平対向。



吸気系の取り回しとかしげしげと観察。
斜めに「Vタワーバー」が配置されている。


まず、音がNAの4発っぽい音。

MAHLEの「サウンドクリエーター」というシステムにより、アクセル連動で吸気音がコックピットに伝わるそうな。
マイクで拾って拡声しているワケではないらしいが、原理は不明。

排気音が聞こえるワケではなく、かと言って「シュコーッ」って感じの吸気音が聞こえるワケではなく、エンジン音、メカニカルノイズがやたらと聞こえる。

安っぽい雑味・・・って感じの音では決してなく、それなりに男臭い、雰囲気のある音だが、F22C(S2000)やS14(E30 M3)やE07A(ウチのビート)ほど、アタックの強い音ではない。
ただし、マフラー1つで大きく化けそう。音源としてはイケてる。きっとマフラーでヤル気な音になるハズ!



・・・が、しかし、「イケてる4発NAっぽい音」を奏でて、本当にFA20はイケてるんだろうか?
そもそも、水平対向は4気筒でも振動を理論上キャンセルできるのがメリットであるハズ。
EJ20は極めてなめらかに静かに回るエンジンで、それゆえにエンジンのアタック音ではなく、吸排気の音が支配的だった。ターボによる排気のエネルギーを消費しているから、というだけでなく、NAモデルも本当に静かでキレイに回るエンジンだ。
ところが、このFA20の音は、水平対向の美点を無視し、直4NAの名エンジンを模倣したような特性だ。
これは、そう演出したかっただけなのか、まだ熟成不足ゆえなのか?
果たして・・・・。



空吹かししてみると、ヤル気な音がするが、レスポンスはそんなに良くない。
良くないというか、少し苦しそうに回転上昇する。
軽量フラホなんかで大きく改善できるのだろうが。



走ってみると、まあ、それなり。
2LNAとしては、ウチのプジョー307SWなんかよりもトルク感もあって実際に加速もするが、目の覚めるような何かはない。

フラットトルクなので、ターボ車やK20A(VTEC)のようなカタルシスはない。
オーバースクエアのEJ20や、ウチのビートのE07Aのように、高回転に吹け上がる快感もない。
音にある程度雰囲気があるので、ちょっとごまかされている気もする。
「音はややスポーティーだが、本当にこれはスポーツエンジンとしてイケてるのだろうか?」と。

ただ、潜在能力は感じる。ちょっとした吸排気の変更で面白くなりそうな・・・。


最近のスポーツ2LNAと比較すると、ロードスターのエンジンの方が緻密にカチリと組まれた感じでキレイに回るが線は細い。
F20C(S2000)は、雰囲気・パフォーマンスの両面でFA20より上だと思う。


6MTは普通に良い感じだった。




●ボディ~足回り~ほか

まず、ノーズが軽い。

そして、車体が軽い(このグレードは1230[kg])。
最近は、軽快感よりも「剛性感」を前に押し出しているモデルが多い(CR-Zとか)が、BRZは軽快さがナチュラルに伝わるフィーリング。

そして、エンジンの重心の低さと、フロントミッドシップ寄りにレイアウトされていることが本当にきちんと伝わってくる。
インプレッサ比で120mmの(!)もエンジンマウント位置が下がっているらしいが、モロに体感できた。

911の強烈なリアのトラクションや、ウチのビートのような「モロ、リア荷重」では決してなく、あくまでフロントミッドシップとしての重心位置だが、きちんとリアのトラクションを感じることができるのも好ましい。


エンジンルームを目視している分には、S2000やRX-8と較べて、「フロントミッドって言えるのか?」と思ってしまうが、乗ってみると、フロントミッドっぽいフィーリングだ。
この部分は、設計からしてイケてるんだろうが、非常に丁寧に作りこまれた感じで、変な演出もなく、本当に素直な動き、気持ちの良いコーナリングをする。




タイヤはいつものRE050(←私は苦手)ではなく、どういうワケか、ミシュランのプライマシーHP 215/45R17。
これも、これ見よがしなハイグリップラジアルのフィーリングじゃなく、ナチュラル指向っぽい。
自然なフィーリングで、かつ、キャパもある感じで、イケてるんじゃないかと思う。



●総評

エンジンに「心の琴線に触れる何か」がなかったのは残念。
頑張ってるのは伝わり好ましいのだが・・・・。スポーツエンジンは音だけじゃないと思うので。


でも、低重心と前後重量バランス、そこそこの軽量・・・・による素直なコーナリングがこのクルマの大きな価値だと思う。
エンジンの吸排気だとか、タイヤだとか、車高調だとか・・・・は後からどうにでもできるが、レイアウトは流石にどうしようもないので。


ベース車としては可能性、面白みを感じる。
価格も競合と較べてずっとリーズナブルだと思う。

ディーラーさん、ありがとうございました。






試乗記関連目次はこちら


Posted at 2012/04/02 00:17:44 | コメント(6) | トラックバック(2) | 試乗記 | クルマ
2012年02月02日 イイね!

【試乗】Peugeot RCZ (ABA-T7R5F02)

【試乗】Peugeot RCZ (ABA-T7R5F02)プジョーのディーラーでのオイル交換・・・・・はあっという間(15分間ぐらい)に終わったのだが、その間にRCZの試乗をさせて頂いた。
(ありがとうございましたm(u_u)m)







■Peugeot RCZ (ABA-T7R5F02)



6速AT(アイシンAW)
車両重量: 1350[kg]

1.6L 直4ツインスクロールターボ
最高出力: 156[ps]@6000[rpm]
最大トルク: 240[Nm]@1400~3500[rpm]
ボア×ストローク: 77.0×85.8
コモンレール式直噴
圧縮比:10.5

タイヤ: 235/45 R18 コンチネンタル製ContiSportContact 3


●エクステリア



発売前のコンセプトモデルの頃は写真を見て、
「うわ、モロにTTクーペのパクリ?バッタもん?」
とかなり嫌悪感を頂いた。

また、
「Audiとプジョーはルマンでもデッドヒートを繰り広げているケド、市販スポーツカーでもガチンコかあ・・・」
・・・・とか思ったりしたもんだ。

ところが、市販されて、ディーラーの前に置いてあるRCZを生で見かけるようになって、

「おお、カッコイイではないか!」
「確かにTTとカブるケド、テイストは違うなあ・・・」

・・・と、ちょっと好意的になった(随分前の話だが)。


なんともグラマラスではないか。
バブル期にはクルマは「よりグラマラス」な方向を模索していた(特にマツダあたり?)が、最近は一部の超高級車を除いてそういう傾向がないので、RCZの表現は新鮮。




サイドビューもレーシーでカッコイイと思う。
フロントオーバーハングの処理が少し微妙だと思うが、FF車のメカニズムからするとかなり頑張っているのではないだろうか。




お尻と、ルーフの凹型もグラマラス!

ただし、テールのデザインはレクサスSC430に酷似している。

SC430の場合、そのテールのデザインが少しジャガーっぽい英国車を連想させるのだが・・・・。

SC430のテールのデザイン自体、なかなかカッコイイと思うのだが、SC430を見るたびに思うのがデザイン上、タイヤハウスの処理で大損している点。
タイヤ・ホイールを強調したデザインなのに、タイヤが思いっきり「ツラ内」で車高も高いので、なんとも不格好なのだ。
このあたり、RCZは「ツライチ」とは言えないが、ノーマル市販車としては合格ラインだと思う。



凹形のルーフは、見た目だけでなく、車室内の居住性に貢献しているとのこと(確かに車室はゆったりしていた)。


また、ピラーのシルバー部は、以前から「プジョーお得意の剥げてくるシルバー塗装では??」と疑っていたのだが、きちんとアルミのヘアラインだった。
ここは重要。



●インテリア



プジョーらしいシンプルでセンスの良いデザイン。
天井からドアからダッシュボードから、質感も文句無し。

しかし・・・・プジョーとアウディの内装デザインはどんどん酷似していってる。
カタログのジャケ写真のグレースケールな処理なんかも酷似。
個人的にはプジョーがアウディを追いかけている印象だが・・・・(反論歓迎)。


レザーのシートは良い感じ。
ヒーター内蔵みたいで、お尻が温かい。
たぶんシートは重いので、フルバケに換装したらかなりの軽量化が実現できそう。


左足ブレーキは違和感なく行えるペダルレイアウト。



●エンジン



有名な、BMWとPSA共同開発の1.6L直噴ターボ。いわゆる典型的な「ダウンサイジング過給」。
「共同開発」って言っても、かなりBMW寄りなんだろうか?

営業さんは「ツインスクロールターボにより1400rpmから最大トルクを発揮」とおっしゃっていて、これに間違いもないと思うのだが、低速トルクがシッカリあるのはターボの設定だけでなく、77.0×85.8というロングストロークもかなり貢献しているんだろう。

「低速から締りのあるトルク感」だが、ダウンサイジング過給エンジンて、個人的にはそれと引き換えに「芯はあるケド、カリカリ感、線の細さ」が付属してくる印象なのだが、このエンジンは、「カリカリ感」がなかった。
悪い意味ではなく、あまり「芯」を感じなかったので、「線」も感じず、結果として「細さ」を感じなかった。
かと言って、「芯」がないから締りのないボケた感じかというと、そういうワケでもない。

うーん・・・・
説明は難しいのだが、とにかくスムースにキレイに回っていた。
直列4気筒の雑味も皆無で(これはターボだから・・・というのもあるのだろう)、そのクオリティの高さには感心した。

うん、Z4試乗で体験した直6直噴ツインターボのミニチュア版的なフィーリングかも。
さすがにトルクは全く比較にならないが。


アクセルをベタ踏みすると、加速するが、正直そんなに速いとは思わなかった。
「そこそこ」「必要十分」という感じ。
レッドゾーンまで回しても、VTECや、EJ20ターボなんかのカタルシスはない。
せっかくのターボだケド、空気をたくさん吸ってる感じはしない。

ものすごく良くできたエンジンだが、スポーツエンジンって感じはしないなあ。
小径タービンがどうの・・・というより、結局はロングストロークがダメなんだろう。




●ドライブトレイン

アイシンAW製の6速トルコンAT。

正直、「トルコンかぁ・・・・」とガッカリした。
イマドキの欧州のスポーツカーなので、MTじゃなくても、当然AMTだと思っていたので。

営業トークとしては

「アイシン製の6速ATだからかつてのプジョーのATとは違うんです!」

というアピールで、

「ええ、307SWのトルコンATはサイテーですよね」

と素直に答えてしまった(笑)。

営業さんのアピールするとおり、プジョーに搭載されているトルコンATとしてはそれはそれはクオリティアップしていた。

Dモードでもベタ踏みすればキッチリレッドゾーンまで引っ張る。(ここでキックダウンされて、ターボラグではなくキックダウン時のラグが生じるのがとても残念)

マニュアルモードで操作してみても、変速時に、307SWのように2テンポ遅れて激しいシフトショックが・・・なんてことはなく、レスポンスも良く、シフトショックも小さい。

営業さんは

「BMWやアイシンなど他社の技術の寄せ集め(・・・とちょっと恥ずかしそうに)ですが、そのぶん、信頼性はかなり向上しています」

と。
他社技術の寄せ集めはそんなに悪いことでも恥ずべきことでもないと思う。
トヨタみたいに、ほんの一部の車種以外は基本、他社に丸投げでバッジだけ付けてる会社だってあるワケだし。
ホンダみたいに社内開発比率がやたらと高い方がレアだと思う。



エンジン+ドライブトレイン合わせてのフィーリングとしては、初代TTの1.8Lターボと較べ、キレイに回って扱いやすいケド、特徴がなく、遅いし退屈だと思う。
昨夏に改めて乗った実家のTTクーペはローギヤードにより、街乗りでは本当に過激に速かった

RCZはスポ根ではなく爽やか系なのだ。


●ボディ・足回り

非常にバランスが取れている印象。

剛性感はあるケド、「重たい」感じはなく、適度に軽快感がある。
フワフワせず、シッカリとした足だが、CRZのような「ドッシリ過ぎ感」もない。
シッカリした足だが、ハーシュネスはなく、かと言ってインフォメーションが希薄過ぎるワケでもない。

高度にバランスが取れていて、それゆえ「薄味」とも言えるが、本当にクオリティが高い。
ここでもRCZはスポ根ではなく爽やか系なのだ。

さすがに試乗で、高速からのハードブレーキングとかは試せなかったのだが、強めのブレーキングでの前荷重移動は少しピッチングが大きすぎる気がした。



タイヤはコンチネンタル製ContiSportContact 3 。
235/45 R18。

詳しくないんだケド、S-Driveとかみたいな、スポーツとコンフォートの間ぐらいの設定なのかな?
ハイグリップラジアルのようなコンパウンドでのグリップ感はなかった。



非常にバランスが取れた足なので、タイヤをネオバとかに換えてしまうだけで、スプリングレートとかボディ剛性とか一気にバランスが崩れてしまいそうだ。
私はチューニングによってバランスが崩れてもそのプロセスによって学べることの多いとを重要視しているので、ノーマル厨が嫌いなのだが、このRCZのバランス感覚はノーマル厨の肩を持ちたくなる。


パワー的には18インチホイールを回しきれてない気もするが、このクルマのデザインの方向性からして、17インチへのインチダウンは全てが台無しになってしまうように思える。SC430のように。



●総評

全角度でクオリティ高かった。
全角度でバランスが取れていた。
全角度でスポ根ではなく爽やか系だった。(見た目は、「爽やか」というより、ちょっとクドくてエロいケド)

私はFFが苦手で、スポ根なクルマが好きなので、「1.6Lターボ~2.2L NA クーペ」というジャンルだったら、今まで乗った中ではS2000なんかの方に魅力を感じるが、

・メカヲタじゃない人
・スポ根じゃない人
・ファッションでクルマに乗りたいオシャレなオジサマ
・エロいデートカーが欲しい人
・600万円以上のクルマには抵抗のある人
・仕事のできる人風を演出したい人(ただしスーツ系のおしごと)
・TTクーペ2代目が街に溢れかえってるので見飽きてる人
・デブ禁止
・コンサル系イケメン(ヤな感じの人が多いが)

なんかには本当にオススメできるクルマだと思った。
・・・・なんかバカにしているように見える文章かもしれないケド、バカにしてないです。本当に良いクルマだと思うし、乗ってる人は本当にスマートでカッコイイと思う。



試乗記関連目次はこちら
Posted at 2012/02/02 23:30:39 | コメント(4) | トラックバック(0) | 試乗記 | クルマ
2011年12月26日 イイね!

【試乗】Toyota Corolla Rumion 1.8S (ZRE-152N)

【試乗】Toyota Corolla Rumion 1.8S (ZRE-152N)社用車のプロボックス(MT、イケてます)の車検~整備期間中の代車のカローラ・ルミオン。2007年仕様。

「どーせ、そこいらの中庸、凡庸なトヨタ車」・・・と思い興味が持てず、特に乗ってみるつもりもなかったのだが、たまたま客先訪問に使用する必要が生じ、運転してみたら意外と面白かった。




■Toyota Corolla Rumion 1.8S エアロツアラー (ZRE-152N)

Toyota Corolla Rumion 1.8S (ZRE-152N)

●エクステリア

スタイリングは「クルマ以外の何か」を連想させるが、何かが思い出せない。

ハッキリ言って発売当初の「四角いカローラ」というコンセプト自体が個人的にはダサい、不快だった。
bB(←自体もあまり好きじゃない。SMXは好きだったが)をベチャっと低くしたような見た目は、一時期流行った、エスクードのローダウン+ウーファー搭載車両を連想させる。
カローラ登録台数を増やしたいために、無理矢理カローラ・ファミリーに加えているあたりも不快。

GMあたりがデザインしていてもおかしくない風貌。


Toyota Corolla Rumion 1.8S (ZRE-152N) サイドビュー

サイドビューは、初期のフォレスター(SF)を連想させるが、フォレスターの方が洗練されていると思う。

正直、ルミオンのデザイン自体は徹底的に批判するほど酷いものではないのだろうと思うが、コンセプトや成り立ちに好感が持てないのでどうしようもない。



●インテリア

Toyota Corolla Rumion 1.8S (ZRE-152N) インテリア

私の好きなタイプのインテリアではないが、トヨタの「巧い」インテリア。
織物っぽい樹脂の表面処理とか、全体のコンポーネントのレイアウトとか、バランス良く、ソツなく、コストをかけずにそれなりに見せている。


Toyota Corolla Rumion 1.8S (ZRE-152N) メータ回り

メータ回りの工夫には特に好感が持てる。
慣れの問題があるので、ダッシュボードの最上部・中央位置のメータ配置が果たして本当に見やすいのか?・・・は、なんとも言えないが、

「こうしたら見やすいのではないか?」
「こうしたらカッコイイのではないか?」

・・・という努力・トライが感じられる。
シルバーの部分の質感が残念な感じだが、まあ、これはDIYでアルミでも貼れば・・・・。

今まで、スピードメータはデジタルの数値表示のみでも良いと思っていたが、やっぱり数字だけだとわかりにくいかも(笑)


Toyota Corolla Rumion 1.8S (ZRE-152N) パドルシフト

ステアリングホイールのクオリティは微妙。
決して悪くないのだが、グリップがイマイチ細いためか、なんかイマイチ。

トランスミッションはCVTだが、「7速スポーツシーケンシャルシフトマチック」というマニュアルモードによる段付け機能がある。
この機能についてのレビューは後に回すとして、このパドルシフトの使い心地だが・・・

最初、私は写真のオレンジの○で囲った「+」「-」の部分に一生懸命、指を伸ばして操作していた。
指が届きづらく、「なんて使いづらいんだ!」と思っていたが、緑の○の部分を操作するのが正解で、わかってからは使いやすくなった。


Toyota Corolla Rumion 1.8S (ZRE-152N) ペダル類

フットレストがしっかりあるのは好ましいが、ブレーキペダルがアクセルペダル寄りにオフセットされ過ぎていて、左足ブレーキには向かない。



シートの座面がやたらと分厚い感じがするのは、プロボックスなんかと同じで、好きになれないのだが、座面位置に対し、相対的にダッシュボードや窓枠の位置が高いので、着座位置が低く感じる。
囲まれ感があってちょっとイイ感じ。




●エンジン~ドライブトレイン

2ZR-FAEエンジン

エンジン型式: 2ZR-FAE
ボア×ストローク: 80.5×88.3
圧縮比: 10.0(イマドキにしては低い??VVT-iで有効圧縮比をコントロールするにはこれぐらいが扱いやすいのか?)
排気量: 1797[cc]
最高出力: 100[kW](136[ps])@6000[rpm]
最大トルク: 175[Nm](17.8[kgf・m])@4400[rpm]

トヨタのルミオンのエンジンのページを見ると、デュアルVVT-i(可変バルタイ)に加え、可変バルブリフトの「バルブマチック」搭載と書かれており、エンジンヘッドのカバーには誇らしげに「VALVE MATIC」のエンボスがある。

ところが、この代車のエンジンヘッドカバーには「DUAL VVT-i」としか書かれていない。
バルブマチックは2009年のマイチェンに搭載されたとのことで、この代車は2007年仕様なので、残念ながらバルタイのみ。(・・・もっとも、バルブマチックのクルマにも乗ったことがあるが、何も感じるところはなかったが・・・・)


凡庸な直4エンジンだった。
芯がなく、太くもなく、薄っぺらな感じ。
直4にありがちな安い雑味・・・・だが、クルマ総合で言うと、エンジン雑音よりも風切り音の方がデカくてエンジン音はあまり問題にならなかった。



予想外に感心したのはCVT。

マニュアルモードではなく、いわゆるATモードで使用したときのフィーリングがまず良い。
かつてのトヨタのCVTは、加速するためにアクセルペダルを踏んだときにエンジン回転数が一定のまま車速だけが上昇したり(変速比のコントロール)・・・・と、生理的に気持ちの悪い制御がなされていたが、このルミオンのCVTでは、加速時はきちんとエンジン回転数が5000~6000rpmまで上昇する。ナチュラルだ。

で、アクセルペダルをフッと離すと、エンジンブレーキが効かずに、エンジン回転数は瞬時に1000rpmあたりまでスッと落ち、でも車速は一定のまま巡航される。
ここはMTとは根本的に異なる動きなのだが、違和感のないキレイな制御だ。




で、パドルシフトによる段付きマニュアルモード。7速。
スバルR1なんかにもCVTにも段付きマニュアルモードが付いていたが、個人的には

「せっかくの無段階変速に何でワザワザ、段をつけるんだ??」

と思っていたが、操作してみたら、トルコンATのマニュアルモード(=ティプトロ)なんかと較べ、むしろずっとイケてた(笑)。

パドルで変速したときのレスポンスがとても良い。
レスポンスが良いが、「ガツン」とシフトショックがあったりするワケではない。
速い比例ゲインでの制御に対して、オーバーシュートや矩形波的な制御ではなく、CVTだからこそできる、素早く適切な「角を丸くする」制御が実現できている。

パドル操作が予想外に楽しく、気持よかった。



●足回り

ヨコハマ S70A 195/65R15

タイヤはヨコハマ S70A 195/65R15。

トヨタにしてはシッカリした足。
踏ん張る。
ドイツ足調。

かつてのトヨタの大きすぎるピッチング、収まらずに繰り返すピッチングはルミオンでは感じることができなかた。

踏ん張るケド、シャープな足ではない。
固有振動数では説明しにくいな。

実際の数値はわかんないが、ワイドトレッド感がある。
これもドッシリとした印象に貢献している。

「○○のステージで無類の気持ちよさ」みたいなサムシング・エルスはないが、まあ、嫌いじゃない足だった。

あえて言うと、前荷重状態からのブレーキリリースで、急に荷重が戻るので、フロントの伸び側の減衰はもっと高めだとイイと思う。
でも、これはウチの307SWも同じ問題を抱えているし、フロントヘビーなクルマの宿命なんだろうか。





試乗記関連目次はこちら
Posted at 2011/12/26 00:14:55 | コメント(3) | トラックバック(0) | 試乗記 | クルマ
2011年12月06日 イイね!

【試乗】Lancia Delta HF Integrale 16v (E-L31D5)

【試乗】Lancia Delta HF Integrale 16v (E-L31D5)今夜は積年の宿願がひとつ叶い、感無量。
「ここまで長かったなあ・・・・」「長いことクルマ好きやってて、みんカラやってて良かったなあ・・・・」と感慨に浸りまくっている。

今週前半はTMS2011~栃木~日立という出張なのだが、日立前泊に際し、長年のみん友であるおぬまさんにお会いし、mistbahnが長年憧れ続けたランチア・デルタ・インテグラーレ16vを運転させて頂いたのだ!!!!!

・・・ここんところ、出張にかこつけて遊んでばっかりだな、オレ。



■Lancia Delta HF Integrale 16v (E-L31D5)

Lancia Delta HF Integrale 16v Front

これまでしつこいほどにデルタ愛を本ブログで語ってきた私。
その系譜のリンクは以下。

・ブログカテゴリ「デルタに恋して」

「上がりのクルマ」 その15 Lancia Delta Integrale 前編

「上がりのクルマ」 その21 Lancia Delta Integrale 後編

・今年の1月にお邪魔した「新年デルタ中島オフ2011」


2006年に真剣にデルタ購入を検討し諦めたコンプレックスとデルタへの強い憧れは、B4(BL5A)購入後もしばらく持続したが、長年かけてB4を「自分好み」に徹底的にモディファイことで、時間をかけてデルタ・コンプレックスは収束した。
B4のモディファイには、スパルコのフルバケやステアリングホイール、OZのホイール・・・など、随所にデルタ・コンプレックスの跡が見られるのだ。


Lancia Delta HF Integrale 16v Side

デルタの何がそんなに魅力的か・・・・って、もう、とにかくスタイリングが好きなのだ。
WRCでの輝かしいレースヒストリーは確かにデルタの重要な「売り」なのだが、実のところ私は昔から、ストラダーレなデルタのルックスが大好きで、大学時代に学内に停まっていた赤い16vをマジマジと観察したり、ランチア本を次々買ったり・・・。

写真で見ると大きく見えるデルタなのだが、ストリートで実物を見ると本当に小さく、とにかく背が低い。いつもそのギャップに感動してきた。

結構車高が高くてもサマになるのはランチアのラリーカーのステキなところだ。

ドアの取っ手なんかのディテールも好き。

Lancia Delta HF Integrale 16v Rear

特にデルタに傾倒していたのは1996~1997年あたりと、2006年あたりかなあ?
当時はエヴォルツィオーネよりも、ちょっと控えめな16vの方が好みで、2006年にデルタ購入検討のため、門真のYAMASHOさんを訪問したときは、「16vが欲しいんです」と相談したものだ。

おぬまさんの愛車はその16v仕様のインテグラーレ。
今ではエボ1もエボ2も等しく好きだが、とても感慨深い。

ただし、おぬまさんの16vのバンパーは純粋な16vの形状ではない(・・・ですよね?)。(←※ノーマルとのこと。Google画像検索してみたところ、私の良く知る16vの姿は、バンパー中心の大きい穴を欧州仕様の横長ナンバープレートが覆い隠しているので、16vのバンパーには大穴がないと思っていた)



ちなみに、このデルタはガンメタなのだが、ガンメタ色のデルタって他では見たことが全くない。
デルタの中古車を検索していた期間は長かったが、黒はたくさん見かけるが、ガンメタが売りに出てるのは本当に見た覚えがない。
かなりの希少色。
おぬまさんのデルタのボンネットはカーボン!


Lancia Delta HF Integrale 16v インパネまわり

インパネまわり。

いわゆるスポーツカーのインパネではなく、ツーリングカーのインパネ。
なので「囲まれ感」「コックピット感」には欠けるが、このインパネの形は当時の欧州ラリーベース車に多かったレイアウトで、それはそれで雰囲気がある。

特にメータ部は個性あふれるクオリティの高いデザイン。
タコメータ(右端)は、3時が0rpmで、6時が3000rpm、9時が6000rpmで0時が9000rpm。
CW方向だが、6時位置や7時位置からのスタートではないのだ。
鬼カッコイイが、慣れるまではかなりわかりにくい(笑)


MOMOステ(Mod.07ですか?)は、「本日はコレを取り付けてきて頂いた」もので、おぬまさんのステアリングコレクションのほんの一つだ。


おぬまさんのDIYによるフットレストは良い感じ。
左足のフットレスト→左足ブレーキ移動はスムースに行える。(ただし、ブレーキペダル位置は少し右にオフセットされていて、モロに左足ブレーキ向けのレイアウトというワケではない)

ペダルタッチはアクセルもブレーキも気持ち柔らかく、もうちょっとカチッとしている方が好みだが、今回は私もTMS2011対策としてドライビングシューズではなくfaas 300を履いてきているので、faasのソールの柔らかさの影響も無視できない。


操作系にはE30 BMW M3との共通点がたくさん。
天井に埋められたデジタルメータとか、パワーウインドウのスイッチ位置とか。
当時の欧州スポーツ系ツーリングカーの流行りがよくわかる。


Lancia Delta HF Integrale 16v シート

シートは運転席がスパルコのフルバケREV、助手席がスパルコのセミバケ。
最近ビートに投入したのもスパルコREVなのだが、何故だかビートのREVの方がかなり腰回りが窮屈な気がする。着座位置の違いによる体感の違いか、ここ3日間ぐらいで私が激ヤセしたのか・・・?
着座位置はおそらく低いんだと思うが、激ローダウンしたビートに乗っている私には高く感じた。


ドアの内張りもおぬまさんのDIYなのだが、クオリティが高すぎてビックリした。
このまま売り物にできそうだ。カッコ良すぎ。
ビートのドアトリムもぼちぼちやっていかないとなあ・・・・。



●高速道路での試乗

まずは高速道路での試乗。

先日のE30 BMW M3での峠走行で、久々の左ハンドルのMT車にオロオロした上にスピンしかけた後なので、あんまし自信なかったが、デルタはイメージと違って拍子抜けするぐらい運転しやすかった。

M3はちょっとクセのあるシフトと、レーシング時の超絶レスポンスの針の動きに、かなりトリッキーで素早いシフトワークを要求されるが、デルタは落ち着いて普通に操作すれば普通にシフトワークが可能だった。(ホッとした)

おぬまさんのデルタは社外クイックシフト、軽量フラホが投入された仕様とのこと。

シフトワークが楽チンなのは、パワートレイン・ドライブトレインがトルクフルで扱い易く、ズボラ運転ができるから、というのもある。

加速Gはかなりのものだ。速い!
グオーッ!!という強烈なGなので、エンジンパワーだけでなく、かなりローギヤードなのかな?と思った。
今調べてみたところ、ファイナルは3.111と、全くローギヤードではないのだが、各ギアの変速比は

1速: 3.50:1
2速: 2.176:1
3速: 1.523:1
4速: 1.156:1
5速: 0.916:1

・・・と、こちらの特に2~3速がローギヤードなのか。


Lancia Delta HF Integrale 16v エンジン

古いターボ車なので、てっきりドッカンターボを想像していたのだが、ターボラグはほとんど感じなかった。かなりのレスポンス。
低中速のトルクが太く、ただし上に伸びるタイプではなさそうなのは、84×90というボア×ストローク比も絡んでそうだが、タービンの特性にも依存するのかな?(ギャレットのT3というタービンがどういう諸元か知らないのだが)


高速道路のストレートでは、フロントエンジンにも関わらず、リアのトラクションを強く感じ、対してフロントのトラクションはやや希薄に思えた。
もっとも重量バランスよりも、センターデフによるリア寄りのトルク配分やリアデフ(純正)の特性か、或いはおぬまさんの車高調のセッティングの特性か。


風切り音がかなり大きいのは、Cd値0.415というスペックと照合すると納得が行く。


4速ホールドや5速ホールドで、ダル運転をしてみると、風切り音以外は非常に静かで、きちんとクルージングができるツーリングカーだった。



●峠での試乗

日立近郊の、アップダウンが多く、Rのかなり大きい高速ヘアピンなどで構成される、バンク傾斜などを含めて、とてもモダンな設計を感じる、とてもステキなワインディングでの試乗をさせて頂いた。

デルタの中低速のぶっといトルクがかなりマッチしており、上りでも余裕でグイグイと登っていく。
非力なビートでは上り坂はレブまで回し続けても遅いので、この試乗路はまさにビートではなく「ハイパワー4WD」向けなステージ。


デルタに関して偏見だらけだった私は「昔の4WDだし、曲がらないクルマ」を想像していたのだが、ここでも良い意味で先入観を裏切られた。
グイグイ曲がる!!!!!

ノーマルのデルタがどんなんかわからないが、おぬまさんの車高調のセッティングは柔らかめの足でしなやかにシッカリとストロークさせてトラクションを稼ぐ方向っぽい。

ブレーキはペダルインフォメーションがイマイチで(要マスターシリンダーストッパー?)、リニアに効いているのか効いていないのかがわかりづらかったが、ブレーキング時にフロントへの荷重移動が非常にゆっくりなのはわかった。
これも、高速道路でのフロントのトラクションがやや希薄に感じた一因だろう。
車高調の減衰設定はフロント柔らかめ、リアが硬めとのことなので、リアの伸び側が影響しているのか。
もっとタイトなコーナーが連続するようなステージだと減衰設定はマッチしないのかな??

サスの特徴もあり、下りは吸い付くようにグイグイ曲がるが、上りでは私的にはアンダー気味というか、扱いが難しかった。
・・・・というか、ビートでも307SWでも上りでのフロントへのトラクションのかけ方に難儀しているので、私は駆動方式に因らず、上りの運転の仕方が全くわかってないらしい。(B4のとき問題にならなかったのは何故だろう???)
どなたか、レクチャーしてくださいm(u_u)m


峠では「トラクションは常時感じるが、グリップは感じない」という一見矛盾したようなフィーリングだった。
タイヤはネオバAD07だが、溝はかなり少なめで年季を感じる見た目なので、感じ方はたぶん間違ってないんだろう。


ボディに関しては先入観どうり、剛性が低い印象。
特にリア。
ハーシュネスがボディをイジメてる感じが常時するし、コーナリング時もボディがたわんでる感じがする。
ロールケージ入れたデルタ像もまた体験したいもんだ。




●まとめ

デルタは速かった。文句無しに。
そしてデルタは扱い易かった。

「きっと見た目のステキさとは裏腹に、乗りにくく、今となっては遅いクルマだろう」
という私の勝手なイメージは見事に良い意味で崩れ去った。

デルタ、今でも全然現役で、きっちり整備してシッカリ乗りこなせば、インプレッサやランエボなんかと普通に勝負できそうだ。



今はビートというコンパクトMRに心酔・没頭中なので、当面、911やNSXも含めて他のクルマを所有したいとは思わない(維持費の問題もあるし)。

ハイパワーターボ×4WDというジャンルはB4で十分に楽しんだので、もういいかな、とも思ったりしている。
でも、また、そのジャンルで走ることになるなら、やっぱりデルタ欲しいな。
見た目のカッコ良さと引き換えに、「壊れやすさ」「部品の手に入りにくさ」などと付き合うハメになる上に、「速さ」も引き換えにする必要があるかと思っていたが、「速さ」はきちんと付属してくるのだ!



おぬまさん、積年の夢を叶えて頂き、本当にありがとうございましたm(u_u)m
しばらく余韻にふけっておきます!



試乗記関連目次はこちら
Posted at 2011/12/06 00:19:29 | コメント(7) | トラックバック(0) | 試乗記 | クルマ
2011年11月19日 イイね!

【試乗】Honda Accord Euro R (CL7)

【試乗】Honda Accord Euro R (CL7)今日は現場が残業禁止だったので、夜遊びしてみた。
栃木の友人にお願いして、以前からスゴく乗ってみたかった先代アコードのユーロRを運転させて頂いた。

日中~仕事終わりまでは酷い土砂降りで、「試乗日和じゃないよなあ・・・・」と残念に思っていたが、ちょうど夜、迎えに来て頂いたタイミングで雨が止んだ!!!!

友人は女子なのだが、6MTのユーロRに乗っている。しかも黒。
車歴、バイク歴が男前過ぎて、話を聞いていて悶絶した。

イニDで有名な日光・いろは坂まで案内して頂き、3時間ぐらい?に渡って存分にドライブさせて頂いた。
本当にありがとうございましたm(u_u)m


■Honda Accord Euro R (CL7)

Honda Accord Euro R (CL7)

私の乗っていたBL5レガシィと同時期・同世代のライバル車にあたるユーロR。


●エクステリア

以前から幾度も書いてきたことだが、私は昔からホンダのデザインが好きで、このCL7も例外ではない。
BL5には思い入れが強いので、今となっては比較が難しいのだが、B4購入当初はデザインだけで言えばCL7の方が好みだった。(FFが苦手なので遠巻きに見ていたが)



特に好きなのがリアビュー。

全体に「潔い」デザインだと思う。
流線型なデザインとか、面の美しいデザインも好きだが、こういう直線とド平面で構成されたデザインも昔から大好きなのだ(だからこそのデルタ・コンプレックスだったりする)。

「腰高」なレイアウトが好みの分かれるトコロだと思うが、私は好きだ。

アコードは歴代、カッコイイと思う。現行のCUも(デカいケド)ライバル車たちよりもカッコイイと思う。


そうそう、CL7は2008年の岡山国際でのWTCC観戦時に出走していたのもあって、思い入れがあるんよね。。





●インテリア




過去のいろんなホンダ車のレビュー
で書いてきたように、ホンダのインパネまわりはかなりオリジナリティがあってアヴァンギャルドなのだが、残念ながらその先鋭性がシトロエンのような洗練されたテクノ感ではなく、子どもっぽい戦隊物っぽい感じなのだが、CL7のインテリアは、ホンダ車では例外的に、オーソドックスで硬派で高品質な感じだった。
ちなみに現行アコードのCU2も子どもっぽくはない

シンプルでスポーツセダンらしいセンスの良い内装で、質感はBL5A~Cのプラスチッキーな感じよりもずっと上質に感じたが、単に暗くて良くわからなかったのかもしれない。明るいところでまた見る機会が欲しいトコロ。

写真は取り忘れたが、レカロのセミバケ?が純正装備。
見た目もカッコイイし、適度な硬さとホールド感が素晴らしく、長時間乗っても疲れないのは流石のレカロなのだが、着座位置が妙に高いのが残念だった。
・・・・って、毎回、どのクルマのレビューでも書いてる気がする。着座位置が低いクルマって少ないんだよな。

ステアリングのレザーグリップもとても良い感じ。

ペダルレイアウトが私には残念な仕様。
ブレーキペダルがアクセルペダル寄りにオフセットされていて、左足ブレーキには向かない。



●エンジン~ドライブトレイン



昔から興味がありながら、なかなかFD2やCL7の試乗車を置いているディーラーがなく、今まで自分で運転する機会のなかった、「日本の名エンジン」のひとつ、K20A!

排気量: 1998[cc]
圧縮比: 11.5
最高出力: 162[kW](220[ps])/8000[rpm]
最大トルク: 206[N・m](21.0[kg・m])/6000[rpm]

ボア×ストロークは86.0×86.0の完全なスクエア。
K20Aって高回転型なので、オーバースクエアかと思っていたので、少し意外。
でもビートのE07Aもオーバースクエアとは言え66.0×64.0と、ホンダのエンジンってEJ20なんかほど極端なオーバースクエアではないんだよな。


トランスミッションは6MT。
S2000しかり、MTしか設定のないホンダの男気、商売っ気のなさが大好きだ。
スバルのディーラーさんの話では、現行インプレッサSTIも売れるのはAT仕様のA-Lineばかりだと言うのに・・・・。

ファイナルは4.764とローギヤード。


クラッチペダルは「ノーマル車」としては重めの設定(すぐに慣れたケド)。
最近はチューンドでもクラッチ軽いからちょっと意外。そして好み。
シフトは本当にスコスコ決まって気持ち良い。



昔、S2000(AP2)を試乗したとき、F22Cが「悪い意味での雑味のある直4」ではなく、「ガツンとくるパンチのある直4」だと思った。
今、私が乗ってるビートのE07Aも同様に「パンチのある直3」だ。

ホンダのディーラーメカの知人からは、F22CよりもK20Aの方が「血沸き肉踊るド根性系」だと聞いていたので、そういう先入観があったのだが、意外にも「躾の良いエンジン」という印象だった。
K20Aにもいろいろチューニング違いでの方言があるのかもしれないが。



乗り始めは「低回転域から意外とトルクがあって乗りやすい」という印象。K20Aの特性だけでなく、6MTのファイナルも寄与していると思うが。
で、VTECの可変回転数(5700[rpm]?)まではスゴくフラットトルクな印象。

ただ、良かれ悪しかれNAらしいエンジンで、「VTEC可変域までの」フラットなトルクにはすぐ慣れて、線が細く感じてくる。
2LNAを2Lターボと較べるのはハンデが大きいと思うが、低中回転域に限定すると、夏に友人に試乗させて頂いたAudi A4 2.0TFSI quattro (B8) なんかと較べるとやはり遅い。
最近のあの手のターボはドッカンターボのカタルシスを捨てて、低中回転域に狙いを絞ってきてるので尚更、差が出るのだろう。
EJ20ターボと較べるのは最早難しいなあ。ノーマルのEJ20のフィーリングをすっかり忘れてしまった。


直4NAとしては現在はホンダが世界最強だと思うが、過去にいろいろ乗ってみた直4の「ド根性系フィーリング」「レスポンス」ではBMW M3のS14エンジンがやっぱり最強かなあ。
もっとも、あまりに古いクルマなので、どこまでノーマルなのか・・・は良くわからないが。



さて、中低速域はともかくとして、K20AのVTEC可変域(5700?)から上の急加速はものスゴいカタルシスがある。泣ける。
ここからがK20Aの本領発揮!
ああ、コレは昔ながらの「回してナンボ」なホンダエンジンなんだ!!!!と感動できる。

最近のホンダエンジンが低中回転重視なのを非常に寂しく感じているので、久々にかつてのホンダらしいエンジンに出会った気持ち。

結局、K20Aは高回転を維持しながら、シフトチェンジして繋いでいくのが、きっと正しい楽しみ方なんだろう・・・と強く思ったが、

ローギヤードなのもあり、VTECが効いてしまうとあまりに速すぎて・・・
友人のクルマで遠慮気味だったのと・・・
路面ウエットだったのと・・・

・・・で、今回の試乗、私のスキルでは高回転を維持して繋ぐ・・・というK20Aをきちんと堪能する操作ができなかった。

サーキットで回したらさぞ楽しかろう。




●ボディ、足回り、ステアリングなど

なんかホンダ車のレビューのたびに書いてるような気がするが、昔のホンダ車からは想像できないぐらいドッシリとした剛性感がある。

走行距離5万kmぐらいの個体だが、ヤレてない。
ショックも抜けてない。

ステアリングはタイトでやや重め。
足もタイトで硬めだが、ハーシュネスはきちんと往なしている。
ドッシリ感はあるが、鈍重な感じはしない。かと言って軽薄な感じもしない。

この「スポーツセダン」としての絶妙な味付けは500万円以下のDセグのスポーツセダンの中ではズバ抜けていると思う。

たぶん、世代的なもんもあるのだろう。
CL7は車重が1390[kg]しかない。
この手の「イマドキのDセグセダン」としてはかなり軽い方なのだ。
バランスが良い。
最近の、衝突安全の絡みでどんどん重くなっているクルマにはないバランス感覚だ。



・・・でも、残念ながら「いろは坂」では、クルマの出来の良さとは裏腹に、自分がやはりFFの挙動が苦手だなあ・・・・と思った。
特に上り坂でのタイトコーナーの連続・・・・は、後輪の駆動での姿勢制御ができないのがなんとももどかしかった。
下りはそんなに気にならなかったが。


私のクルマのサイズ的・・・と、自分のFF下手的に、「いろは坂」でもタイトコーナーの連続するところはちょっと苦しい感じだったが、前後の直線とRの大きいコーナーでは本当に気持ちの良い走りをするなあ・・・と。



タイヤは例によってBSのRE-050だった。

レガシィと言い、こないだのAudi A4(B8)といい、997カレラといい、RE-050のOEMのシェアって本当にデカいんだな・・・・。

今回の試乗ではウェット路面のワインディングと言っても、無茶はしていないので、良くわからなかったが、B4時代にRE-050にはあまり良い印象をもっていない(グリップ→スライド、スライド→グリップの移行が唐突過ぎて危ない)ので、ユーロRもAD08なんかに換えたらまただいぶと印象が変わるのかな。




左足ブレーキしにくいことは上述済みだが、ブレーキペダルはリニアでコントローラブルなんだケド、タッチがやわらかすぎてダイレクト感に欠けると思った。
ステアリングやクラッチペダルなど、他がタイトで重めなので、ブレーキペダルだけがソフトなのが余計に目立った。
たぶん、パッドを換えるとか、マスターシリンダーストッパーを付加する・・・とか簡単なことでフィーリングは変わるんだろうが。



●いろは坂

マンガではおなじみだが、スゴいテクニカルコースだった。

上り(「第二いろは坂」?)のタイトコーナーの連続もリズムが掴みにくくて難しいし・・・

下り(「第一いろは坂」?)は、延々と続く、かなりキツい下りとヘアピンの連続。
裏六甲の一部の難所が、いろは坂ではずっと繰り返される・・・という印象。

特に下りは、ストレートが十分にない状態でヘアピンが現れるので、ターボよりNAが有利に思えるし、何より車重が軽いこと、タイトに良く曲がることが重要なコースだと思えた。
マンガのせいで、ランエボなイメージが強かったが、実際に走ってみたらシビックだとかの方がイメージしやすかった。

そんなこんなで、ビートで走ったら、どんだけ面白いことだろう・・・・と。
特に下り(「第一いろは坂」?)。
エンジンパワーのハンデはないし、フロント荷重かけられるし、軽いのでブレーキには優しいし・・・・。



ちなみに、日光ドライブでは何匹もの鹿(←かなりかわいかった)に遭遇したり、テン?イタチ?にも遭遇した。



●おしまい

楽しすぎるドライブだった。
食事までごちそうになり、本当にありがとうございましたm(u_u)m






試乗記関連目次はこちら
Posted at 2011/11/20 01:45:07 | コメント(8) | トラックバック(2) | 試乗記 | クルマ

プロフィール

「HAOC 鈴鹿ツイン。
ベストは1枠目の1分11秒141。

自己ベストはコンマ3秒更新できたケド、絶好のコンディションにも関わらず、目標の1分10秒を叩き出せず残念感炸裂😩

3枠目、4枠目と走りのアジャストは進むのにタイムは11秒5、11秒8とズルズル下がった😓」
何シテル?   11/24 17:43
ビート(PP1)、アコード・ユーロR(CL7)、三菱アイに乗っています。 ビートでのサーキット走行(タイムアタック)とチューニングを続けています。 鈴鹿...
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ホンダ アコード ユーロR ホンダ アコード ユーロR
過去に何回かサーキットで撮影して「カッコイイ!」と思っていたCL7を譲って頂いた。 ア ...
ホンダ シビックタイプR ホンダ シビックタイプR
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