■今回臨時冷却の重要な任務を負ったスプレーノズル。
GEの特許を通じて、その機能を明らかにします。
■引用部1
0001】
本発明は、総括的には原子炉に関し、より具体的には、修理の際に炉心スプレー管路組立体をそのような原子炉内部に結合するための組立体及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
沸騰水型原子炉(BWR)の原子炉圧力容器(RPV)は一般的に、ほぼ円筒形状を有し、その両端部において、例えば底部ヘッド及び取外し可能な上部ヘッドによって閉じられる。
炉心シュラウド又はシュラウドは一般的に、炉心を囲み、シュラウド支持構造体によって支持される。
【0003】
沸騰水型原子炉は、多数の配管系を有し、そのような配管系は、例えばRPV全体にわたって水を移送するために使用することができる。例えば、
炉心スプレー配管を使用して、RPV外部からRPV内部の炉心スパージャに水を送給して炉心を冷却することができる。炉心スプレー配管は、RPVノズル安全端部内に摺動嵌合することができるサーマルスリーブに連結することができる。
【0004】
応力腐食割れ(SCC)は、高温水に曝される構造部材、配管、締結具及び溶接部のような原子炉構成部品内に発生する公知の現象である。原子炉構成部品は、様々な応力を受ける可能性がある。これらの応力は、例えば熱膨張の差、原子炉冷却水の閉じ込めに必要な作動圧力、並びに溶接、低温加工及びその他の不均一な金属処理による残留応力のようなその他の応力源に関連することになる。さらに、水の化学的性質、溶接、熱処理及び放射線が、構成部品内の金属のSCCに対する感受性に影響を与える可能性がある。
【0005】
サーマルスリーブ及び炉心スプレー管路のような原子炉内部配管は、SCCに起因する故障の結果として時々交換を必要とすることになる。炉心スプレー配管を交換することは一般的に、RPVノズル安全端部から炉心サーマルスリーブを取外すことを含むことになる。安全端部が交換を必要とする場合には、原子炉は保守のために停止され、安全端部の高さ以下の高さまで水抜きされなければならない。次に、安全端部を取外して、交換用安全端部がRPVノズルに溶接される。その後、交換用炉心スプレー管路(原子炉外部の)を、その交換用安全端部に溶接することができる。安全端部を交換することは一般的に、
そのような交換が通常数日から一週間又はそれ以上の長期にわたる原子炉停止を必要とするので、時間がかかりかつ費用がかかる。
【特許文献1】特開2002-311181号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
原子炉圧力容器安全端部を取外さずに炉心スプレー管路を交換するのを可能にする組立体を提供することは、望ましいと言える。簡単に取外されかつ溶接を必要とせずに取付けられるような組立体を提供することもまた、望ましいと言える。
■大事な事
■炉心はシュラウドに囲まれているので、うまく水を飛ばさないと冷却効率が悪い。
(炉心に水が不足しているならなおさら)
■「炉心スパージャ」に水を走給して冷却できるが
そんな機能が残っているわけもない。
■溶接、高温、放射能による応力腐食割れにさらされるスプレーは消耗品である。
■平常時でも交換は大変
■3号機では不調をきたしたかも・・・
【一言】
→3号機の不調は、再臨界(熱量問題)ではなく
スプレーという冷却手段の問題の可能性があるので、
もしそうだとすると何気に深刻である。
福島第1原発:3号機注水配管を「給水系」に変更(毎日jp)
***********************************
【おまけ】弘(2型)さんありがとうございます。
教えて頂いた図面を使います。
同じくコメントを引用します。
原子炉本体の説明図
http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/02/02030301/03.gif
これをみると、ノズルは幾つかありますが、震災後からしばらくは
炉心スプレーノズルから注水していたと思われます。
(5月に入ってから本来の給水ノズルに変更してますね。)
ブログ一覧 |
注水機構を調べよう | 日記
Posted at
2011/05/13 20:31:12