■四日市の爆発関係は、とりあえずこれで、打ち止めるかもね。
理由は大体の流れが分かったから。
原因やシステム的にはもう少し踏み込めそうな気もするけど
それは今回自分がすべき事じゃない気がする。
うーん、自分は『仕方ない』立場で見ようかと思ったんだけど
仕方ないじゃ済まないかも。
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■気になってたのが、シェルのカバーの中、がと言う話と
シェルの細管の中の話、が混じってた事。
いやね、ピンホールなら仕方ない、
溶接技術の腕が落ちたねで済むんだ。
ピンホールじゃなかったら…
『やり方がまずい』と言う話になるんじゃないかな?
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■気になったのはこれ。
シェルの細管では無くてカバーが吹っ飛ぶ事例は…無い訳じゃあないって事。
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■構造で解説するね。
当然ネットから拾ったグーグルの図面で解説する。
今回の対象は恐らくシェル&チューブの熱交換器
色んなタイプがあって、物凄く冷やす場合は1回の伝熱面積を増やす為に
ずーっと迷路の様に細管内を流す。
圧力にもよるけど両側にカバーがついて外れる様になってる。
■今回の事故も両側カバーって言うからそこは想像がついた。
で、片側フランジのタイプもある。
一般的にはこんな感じ。
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■こちらは量を優先するタイプ、
曲がりが1か所で、何個も並列する。
その場合、細管側と、シェルへの戻り型が出てくる。
大抵は曲がり側にカバーはない。
鞘になってるタイプ、と言う訳。
実はこっちの方が、よくあるタイプなんだけどね。
■で、これが今日見たニュース。
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■自分はね…蓋が剥がれなくって、引っぺがす為に蓋を上に向けて
吊上げをかましてドカンと言ったんだと思ってた。
それならば、作業員は当然カバーの近くにいる事になる。
でもどうも
蓋が、横に飛んだくさい、
そうなると自分の想定は違ってくる。
多分そのカバーの方向にいた事は、
今となっては皆が何故?ではないかと考える。
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■となると、自分が最有力視してた
細管の漏れが仮説としてはやや否定方向に働く。
■つまりはさや管の中とカバーの中は
同じ流体があったというフロー仮定にするとつじつまが合う。
グーグルの図面で言えばこっちの感じ。
パンチングメタル側がカバーに接続しているって奴なんだよね。
これも両側パンチングメタルなら(この図面はそうだよね)
片側は空いているから爆発は起こり得ない。
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■つまりは片側は溶接配管(自分が漏れを想定したモノ)
もう片側がパンチングメタル型で、
今回はそちらが爆発したと考えると、これまた「つじつま」が合う。
一言でいえば、仮説は間違いで、うーん
作業に問題があったって言う可能性も…否めないんだけど
今は何も言うまい。
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■さて、横向きで蓋自体は落ちない様にレッカーで釣ってた訳だけど
つまりは爆発で振り子状に吹っ飛んだようだ。
吊ってあったせいで全てが加速に向かった物と考えられる。
ちなみにそのワイヤーは引きちぎられた訳だけど…
もう一つポイントがあって、加湿窒素だと言う事だ。
つまりはシラン系ガスに、
空気を足すと水分で反応して水素が湧くのは
報道されている通りなんだけど
■細管を洗うついでに。加湿窒素で中の
副生成物を分解すると言うのが、恐らく今回のメンテナンスの肝だ。
クジラさん型の熱交で言えば
右側のカバーを取り外して、細管の外側を洗っていたと言う事になる。
その一方で『加湿窒素』、ここが今回自分が間違えた肝だけど
ドライ窒素なら反応防止だけど、加湿窒素は反応促進だってことで
水素は発生するんだよね。
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■時間が足りなかったのか何なのか知らないけど
とにかくこの、左側カバーには水素がたまっていて
後はチッソは爆発限界を超えても、水素の爆発を防ぐから
水と水素と、そしてふたを開いた瞬間に酸素が入る。
これが爆発事象における主たる原因である事は分かっている。
チェッキ弁、リリース弁と言うよりただの手動バルブをかまして、
陽圧にしてちょっとずつ水素を出してしまえばよかったと
個人的には思うんだけど、
そしてその機構はあった筈なんだけど、抜けなかった…のかな?
そもそも加湿窒素があるのが工場内だったから多分場内で
作業していたのかなあと思う。
その辺は関係者じゃないから分からない。
ちなみにカバーは多分、
半円形のキャップにフランジがついたタイプだと思う。
何故ならそのタイプが一番、爆発力が上がると思うから。
(且つガスが上向きならたまりやすい)、と思うから。です
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■しかしこれもまだ、推測にすぎない。
言えるのは一部間違えているのだが
(窒素は爆発防止のためだが加湿は水素を生成する)。
何らかの原因で、Uチューブの一本が、詰まっていれば
パンチングメタルと、チューブ冷却が並列になっているタイプの場合
並列であるから圧力抵抗が高い方には流れにくい
という致命的な状況が発生する。
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■つまりその方向で確定すれば・・・。
過去における、メンテのやり方自体が、問われてしまう、のかも。
1管詰まりによって、副生成物は除去されない
2.管を外部洗浄
(右側カバーを開けて外から洗浄)
振動で、内部副生成物が、脱落等する、
3つまりは取れるが加湿窒素によって、急速に水素生成
(作業側は既に副生成物は分解された
=チッソによって水素は微弱と勘違いしている)
4、爆発
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おまけ、
もちろんつまりが発生しやすいのは、溶接個所のウラナミだと思うのだけど
現状における推定はこのような現状だ。
当ろうが外れようが、自身の想定と突き合わせる、
外れれば己の読みを反省し、当れば他のケースを考える。
言いたいのは100%の化学が起きない、起こせない事は
皮肉なことに「経験や想像や、勘」と言うのが大事だと言う事だ。
やり方が間違っていたと言うのは簡単だけど
限られた情報から可能性を網羅し
危険性を考えてリスク回避をしていくのは
凄く大事なことだと思う。
ただ、それが通用するのは、あくまで「プロ」だけだ。
『素人』には余計な事を言うのは極めて危険で
却って余計な被害を発生させる。
そのさじ加減が難しいんだよね。
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■さらにおまけ
ちなみに匿名である「ちょこば」は全てにおいて素人、のつもり。
どんなに確率が高くても
無責任に『放言』する為には素人である事が欠かせないし、
嘘じゃない『フェイク』を作るのって意外と大変(笑)
だって多芸多才(ホントは非才なんです^^;)に見せる為に
レベルを上げたり下げたり、イコライザーしてるんだけど
下げるのは簡単だけど、上げると「ぼろ」が出やすいんだ。
でも本当に危険なのは「下げる時」かな
下げるのも適当に下げると、「あ、そうだねえ」みたいな
変な表現をしていたりする。
■今の世の中は民主主義だから、プロが判断する事を
大勢の素人が判断しなくちゃいけない。
あんまり単純化すると、統計的な話にせざるを得ないし(何でも安全になっちゃう)
今度あまり突き詰めると何でも危険になる(苦笑)
危険を感じつつ、安心を叫び
危機感を失わず、リラックスさせて平常を演出する
でも緊張感はなくさせない
何よりも勘所=ポイントをガッツリ抑える
この辺りをを維持するのって実は凄く難しいんだなあと
思う今日この頃です。
■次は車の話かな?
みんからだしね。