■ハイパーレスキューが何のために動員されたか、と言う話。
3号機プールの爆発は想定外だったんだろうと思います。
逃げたい人は逃げればいい、戦う人も必要
と言い切れたことをちょこっと誇りに思いたいです。
「原発事故の最悪シナリオが避けられたのは“幸運”に恵まれたからです」
首都圏三千万人避難の可能性もあった
メモの中では、「首都圏三千万人の避難」という言葉は直接には使われていませんが、「170km以遠」「250km以遠」ということは、端的に言えば「首都圏三千万人の避難」にも結びつく可能性があったということを示しています。
―― その深刻な「最悪の事態」は、直ちに起こる可能性があったのでしょうか?
田坂:いえ、その「最悪の事態」は、あの時点においても、直ちに起こる可能性はありませんでした。原子力委員会のメモにも書かれているように、「最悪シナリオ」とは、次のようなものです。
まず、1号機の格納容器や圧力容器で水素爆発が起こり、容器外への大量の放射能の放出が生じる。これに伴ってサイト内の被曝線量が急激に増大し、作業員はサイトからの退避を余儀なくされる。その結果、すべての原子炉と使用済み燃料プールの注水と冷却が困難になり、時間の経過とともに、原子炉と燃料プールがドライアウトを始め、まず、4号機プールに保管してある使用済み燃料が溶融崩壊を起こし、コンクリートとの相互作用により、大量の放射能の環境への放出が始まる。そして、それに続いて、他の原子炉や燃料プール内の燃料も溶融崩壊を始め、さらに大量の放射能の環境への放出が起こる。
これが、「最悪シナリオ」と想定されたものです。
従って、このシナリオが起こるためには、「水素爆発が起こる」「サイト内放射線量が急激に増大する」「作業員が退避を余儀なくされる」「原子炉と燃料プールの注水と冷却が不可能になる」「原子炉と燃料プールの核燃料の溶融崩壊が起こる」といった事象が連鎖的に生起することが前提となるわけです。
そして、原子力委員会のメモによれば、この「最悪シナリオ」が起こっても、最も早く放射能の放出が始まる4号機の燃料プールでも、最初の放射能の放出が始まるのが「6日後」であり、本格的な放出が始まるのが「14日後」という試算結果となっています。
従って、この「最悪シナリオ」は、「直ちに」起こるものではありません。
もし、深刻な水素爆発が起こっても、「最悪シナリオ」に向かって、最低でも1週間近くの時間的余裕は存在する状況でした。
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■つまり3月19日頃がタイムリミットだったんですね。
ハイパーレスキュー導入は4号プール溶解崩壊の前に
人を入れる目的で行われたことがわかります。
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―― お話を伺うと、それは、かなり「最悪」の事態を想定したシナリオかと思いますが、田坂さんは、なぜ、そのシナリオが起こり得ると、懸念をされたのでしょうか?
田坂:まだ、あの時点では、「何が起こってもおかしくない状況」だったからです。
例えば、この「最悪シナリオ」の引き金を引くのは「新たな水素爆発」ですが、これは、いつ、どこで起こってもおかしくない状況でした。そもそも、炉内に燃料の存在しない4号機の建屋でも水素爆発が起こったわけですが、現場では、どうしてそこで水素爆発が起こったかが分からなかった。隣の3号機からつながっている配管から水素が漏れてきたのではないかなど、様々な推測をしましたが、あたかもミステリーのように、現在もその正確な原因は分かっていないのです。
すなわち、我々は、あの時点において、事故の状況を正確に把握できておらず、「何が起こっているかが分からない状況」だったのです。そして、「何が起こっているかが分からない状況」というのは、「何が起こってもおかしくない状況」を意味していたわけです。
実は、この「何が起こっているかが分からない状況」というのは、現在も同じです。先日、ようやく炉内にファイバースコープを挿入して水位の確認ができましたが、予想に反して、水位が大幅に低下していたわけです。「事故の収束宣言」がなされた現時点においても、事故の状況が正確に把握できていないという問題は、全く変わっていないのです。
もう一つの最悪シナリオ
―― 田坂さんが懸念された「最悪シナリオ」は、「水素爆発」だけだったのでしょうか?
田坂:いや、もう一つ懸念した「最悪シナリオ」がありました。
原子力委員会のメモでは語られていませんが、もう一つの「最悪シナリオ」は、大規模な地震と津波が再び原発サイトを襲い、4号機燃料プールの構造体が崩壊し、冷却水の喪失が起こり、プール内燃料のドライアウトと溶融崩壊が起こることでした。
これも、3月11日以降、日本列島全体が「地震列島」の様相を呈しており、各地で余震が頻発していましたので、起こってもおかしくない出来事でした。
特に、あの当時は、原子炉と燃料プールの安定冷却機能が全く回復していない状況でもあり、もし、「新たな水素爆発」や「地震と津波の再来襲」が起こった場合には、事態は、「最悪シナリオ」に向かって進展していく可能性があったのです。
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■こちらの方はしのぎきったのかどうか?
いずれにしても当時に比べれば燃料プールの熱量は大幅に下がっており
当面の危機は脱したことが分かります。
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・結果論ですが、ブログ当初の予想、現状解析は
ある程度(本人的には「かなり」と言いたいです^^;)
当たっていたわけで
その理由はプラントパラメータの
生の数字が公開されていたからです。
・ある意味究極の情報公開がなされていました(苦笑)
今回の事故の面白いところはそこで
政府は必死に隠蔽していましたが、
一方で現状をわかる人には分かる材料として公開があった
そこは、組織統制上は問題ありと見る面もありますが
非常にいい所であったと思います。
・逆に言えば同様の事故が発生した場合、
今度こそ、情報は隠蔽され統制されます。
今回は運がよく最悪の事態を切り抜けた。
その見解は同じであり、
ゴミの話も
所詮は最悪の事態を切り抜けた後の遊戯に過ぎません。
(比較対象が悪いって事です)。
・逆に読んで頂ければ分かる通り
原発を停止したとしても、
燃料プールに異常が起きた時点で
最悪のシナリオは全国どの原発でも発生しえますし、
設計上、爆発に弱い点(爆発時にわざと壊す部分)は
何処か建て屋にありますので
・原発の存在自体は国家安全保障か知りませんが、
原発そのものは「ただの火薬庫」です
しかも火薬庫を処分する方法が見つからない
と言う最悪の物です・・・
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・
国家安全保障につながる原発は、
数個あれば足りることは北朝鮮やイランが指し示しています。
車輪の回らない自転車は唯のケリンコです。
「原発を全廃せよ」とは言いませんが
「原発を全廃する」位の気持ちで、
ちょうどいい数の原発が残るのかもしれませんね。
それ位原発を整理するのは骨が折れるということです。
そういった意味で今は原発全廃に反対はしませんが
原発全停止は一番経費のかかる方法ですので
ぜひ地元の補助金を含め反対派の方の懐から
出して頂ければありがたいなあと思います。
電気代のアップ分ももちろんです。
節電した分電気代を上げればいいかと(苦笑)
(計算上そうなりますから・・・)
イデオロギーに勝利はないことを、
ソ連崩壊で学ばなかったのかなあ。
Posted at 2012/02/08 14:20:45 | |
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最悪シナリオ | 日記