■ここしばらくとりつかれた様に探求している、ラジウムホットスポットと複合被曝メカニズム、
前回のエントリーでもがいていたら、ちょっと凄い可能性が出てきました。
↓岡山大学のプレゼン
何かというと、
フェリチンとラジウムホットスポットは
私達の体を癌から守るための防衛機構である
可能性です。逆転の答えが引きずり出されています。
■「ラジウム泉が癌に効く」
そんな俗説が伝えられてきました。
例えば秋田の玉川温泉には癌の患者さんが湯治にやってきます。
毎分9000Lが湧く、その谷底には膨大な地熱による天然のオンドルがあり、
うろついていると藁をもすがる思いの人々の目を見ることが出来ます。
■そのキーワードとなるのが鉄に関するたんぱく質
「フェリチン」
■2008年に京大、名大、スプリング8がその金属の吸い込む謎を原始レベルで解明しました。
直径12ナノのタンパク質かご分子: フェリチンが金属を吸込む謎を原子レベルで解明
一部引用しましょう。
本研究では、異なる量の金属を集積させたフェリチンの結晶構造解析を行い、
金属取込みの際に生じるかご分子内部の構造変化をスナップショットとしてとらえることに成功しました。これらの結果から、かご分子に金属が取込まれると、人が二本の手だけで大きなボールをたくさん抱え込んでいくように、
金属と結合するアミノ酸側鎖が構造を変えながら、たくさんの金属と結合していく事がわかりました。これはタンパク質に金属イオンが集積する際に生じるアミノ酸残基の構造変化を捉えた最初の実験的証拠であり、骨や真珠の形成反応への基礎的知見だけではなく、最近、世界で注目を集めている、タンパク質を用いた半導体や磁性材料等の新規無機材料の開発に対しても興味深い示唆を与えるものです。
■上記のページの
用語解説殻も一部引用します。
フェリチン
フェリチンは24個の単量体から構成される外径12nmの球状タンパク質であり、分子量は約480kDaである。生物学的には鉄貯蔵の機能を有する。直径8nmの内部空間で数千もの鉄イオンをFeIIからFeIIIへ酸化し、酸化鉄ミネラルの状態で堆積する。鉄以外にも数種類の金属イオンや有機小分子を内部空間に集積できることがわかっている。
バイオミネラリゼーション
生物によって無機化合物が作られる反応の総称。珪藻が作るシリカ被殻、真珠や貝殻を構成する炭酸カルシウムの結晶や磁性細菌が作り出す磁性微粒子が知られている。
異常分散効果
原子に固有のX 線吸収波長の付近で吸収が不連続的に大きく変化する現象。原子によってX線吸収波長が異なる事を利用して、各原子の位相の区別や絶対構造の決定に大きな威力を発揮する。
多核構造
複数の金属イオンが寄り集まって一つの構造体を形成する事の総称。
■さて岡山大学のプレゼンに戻りましょう。

セシウム、ウランも、バリウムも、鉛も、基本は放射性物質の同位体を持つものですし
ラジウムはもちろん放射性物質です。
私にはフェリチンがイオン化した金属の一部として、放射性物質も溜め込むというのはまぎれもない事態だと思われます。
■視点を変えます。
最後に、
腫瘍マーカー がん胎児性抗原と言うページの引用です。
代表格が、
CEAですが、AFP(アルファ・フェト・プロテイン)も、フェリチンも
名前にフェトとか、フェリとかあるように、フェラス、つまり鉄に関係する蛋白
です。急成長する組織は大量の鉄分を必要とするので、鉄を蓄える蛋白質を
沢山用意するのです。
すべての癌ではありませんが、
がん細胞は急成長するために大量の鉄分を必要とするので、
(酸性)フェリチンを溜め込むのです。
詳細は前エントリー
鉄と貧血【血清フェリチン探求続き】 に書きましたが、
ある程度の割合の、
がん細胞はフェリチンを溜め込みます。
■すなわち、
平常時においてはがん細胞が溜め込んだフェリチンに、
ラジウムを始めとする放射性物質が集中し、
がん細胞自身を焼いてしまうという事が起きるのです。
(正常細胞はフェリチンを必要以上に溜め込みません)
■
ラジウム泉が癌に効くとは、
ラジウムホットスポットをがん細胞に向けて発生させる事が
仮説としては成り立ちます。
■この生態が持つ防御機構が、
鉄を沈着したアスベスト及び、マクロファージが分泌したフェリチンからなる
アスベスト小体の場合は真逆に働いてしまい
正常細胞に対してホットスポットが形成され、中皮腫や肺がんとなる
とすると、防御機構が身を傷つけたと捉えられるわけです。
■この発想は
複合被曝仮説に一つの前進を与えるものです。
人間はフェリチンを用いて、癌を退治していたといえるからです。
同時に、
癌がある人間にとっては、放射性物質の取込は
癌の撲滅に繋がる可能性があります。
もちろん、数十年後の発ガンの可能性と引換えに・・・
(但し、フェリチンを余り持たない癌であった場合は効果がないでしょう)
■ですから、
乳幼児や、子供ほど、がん細胞がある確率は低くなりますので
放射線を浴び、放射性物質を取り込む事によるリスクは高くなります。
逆に数十年後の発ガンの可能性ははるかに高くなるでしょう。
免疫機構のバランス次第では、発ガンの勢いが勝る可能性が高まります。
■また、
胎盤や胎児の細胞は、
当然フェリチンを溜め込みやすいことは言うまでもありません。
胎盤のフェリチンは、酸性フェリチンであり、がん細胞の持つフェリチンと同じものです。
胎児が、セシウムなどで奇形を起こす確率が飛躍的に増す事
そのほか放射性物質が、成長の微妙な狂いを与え、双頭の生き物などを生み出しかねないこと
これも説明がつく事になります。
■複合被曝仮説は誰にでも発ガンのリスクを増やすものではなく、
むしろ発ガンのピークを時限爆弾のように
ある程度先(10年後以降)にするものと思われます。
高齢の人間については、癌の種類にもよりますが、高フェリチンの癌の場合は
癌を殺す方向に動く確率も高まるかと思います。
一方弱齢者の場合は、中年以降の癌の発生のピークが、非常に大きくなります
その中に悪性度の高いものがあれば、致死率ははるかに上回るでしょうし
免疫系の負荷も高くなると考えられます。
但し、これは癌における話であって、それ以外の重金属の毒性や
健康被害(脱力感)などには役に立つ話ではありません。
また低フェリチンの癌があった場合は、むしろ癌の促進に繋がるでしょう
(あるかどうか知りませんが)
■
まさかこんな方向に転がるとは思っていませんでした。^^;
なにごともバランス、過ぎたるは及ばざるが如しかもしれません。
福島の場合は過ぎてしまってますが・・・
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複合被曝【内部被曝メカニズム】 | 日記
Posted at
2011/06/23 00:55:54