■2つの機関からセシウムの沈着量の推定がほぼ分かりました。
まあ、焦ることはない。と思います。
2011年08月25日
沈着放射線量の発表で触れたとおり、
国立環境研究所がは発表を行っており
セシウム137は22%程度(そのほかにセシウム134もあるわけですが)沈着したとされています。
ちなみに表現を鵜呑みにすると・・・
甲状腺蓄積は、意外と茨城地区で犠牲が出る可能性がありますね。
早期発見が命なので親御さんは念のため注意を
(確率なので、ならないだろうけどとしかいえないんですよね)
モデル収支解析(表1)から、福島第一原発で放出された
ヨウ素131の13%、セシウム137の22%が日本の陸地に沈着して、残りは海洋に沈着するか、モデル計算領域外に輸送されると推計された。主にガス態で存在するヨウ素131は、大気から地表面へ直接沈着する乾性沈着が主要であるのに対して、粒子態として存在するセシウム137は雨や雲へ取り込まれた後の湿性沈着が支配的と推計された。
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さて、一方の保安院の発表を見てみましょう。
原爆と比較「コメント困難」=「セシウム168倍」試算で-東電
福島第1原発事故により放出された放射性物質のうちセシウム137の量は、広島に投下された原子爆弾の168倍との試算を経済産業省原子力安全・保安院が国会議員の要求に応じ公表したことについて、東京電力の松本純一原子力・立地本部長代理は27日の記者会見で、「兵器との比較であり、会社としてのコメントは難しい」と述べた。
松本代理は「事故の当事者として、福島県をはじめとする多くの方々にご迷惑をお掛けしていることをおわびしたい」と改めて謝罪した上で、「原子爆弾は人の殺傷、建物の破壊が目的の兵器であり、短時間で放射線、熱、爆風を発生させる。事故で放射性物質が1週間で出てきたこととは成り立ちが違う」と話した。(2011/08/27-12:51)
■これは即ち何を指し示すでしょう。
国立環境研究所は、3月の沈着量を問うていますので一概には言えませんが・・・
168*0.22=約37 ということで
約37個分が 沈着したと言えます。
その地域は、福島、山形東部、宮城、岩手南部、栃木、茨城、群馬、千葉、埼玉、東京
この10都道府県が主な中心ですので、
全体としては広島原爆に比べて、
汚染が大規模だが密度が必ずしも濃い訳ではないと思われる。
と言う裏腹の事実が言えると思います。
またストロンチウムの漏出が予想以上に少ないともいえるでしょう。
これは、格納容器が致命的に割れたりしなかった、と言うことで
ガンダーセン教授のプール爆発についての一つの補強材料となるでしょう。
水溶性かつ反応性の高い
セシウムが特化して、漏出したであろうと言う事で、
わたしたち日本人にとって悪いことではありません。
意外にも朗報です。
■実はその辺りのことについて、ちょうどガンダーセン博士が触れています。
日本に対する苦言含みです。
まず、ポイントは4点あります。
1)塩素に中性子が当たることによって生ずる硫黄35が検出されている。
(これは
海水に対して、割と強力な臨界があったと言う事を指し示します)
2)次に、NRCがプルトニウムは、炉から放出した(飛び散った破片を含めて)と、
質問に対して返答した、
この点についてはガンダーセン教授は、
プールの爆発が正しいと考えており証拠も裏付けている。
もしNRCの見解が正しければ・・・格納容器外殻を含めて崩壊があると言うことで
BWRの致命的欠陥を意味しているのではないか?と疑問を投げかけています。
実はここには、燃料処理が滞っていると言う世界的な原子力の闇がやはりあるのです。
日本だけではなく、世界的にも燃料の再処理には非常に困っています。
ワンススルーをするにしてもその手間もまたかかります。
3)建屋にかけるカバーは、(窒素パージと同じく)、排気によって核物質を
ばら撒くことであると言う意味がある、と言う指摘です。
つまり日本式除染は、
結局は日本ではなく、世界に核物質をばら撒いているだけではないか?
と言う不信がガンダーセン教授の中に生まれつつあると言うことになります。
4)そして、廃棄物の焼却です。
日本は8000ベクレル「平均」であれば、何でも燃やせるようにするとしています。
それは汚染の再飛散を招くと言う、武田教授にも通じる意見です。
この点は、今社会的合意形成が進められていて、東京のゴミも汚れているので
被災地のゴミを、関東で燃やそうと言うそういう動きが出てきています。
要するに
ゴミ処理場の周囲は、
今よりはるかに強力な
高度汚染地区=ホットスポットに確実になるでしょう。
下水処理場も同様です。
更にフィルターを抜けた部分は再飛散し、雨が降ると再び落下します。
要するにベクレル集積を喜ばない日本人は、
ベクレルをばら撒いているわけです。
集積したベクレルを管理し、
保管するのが正しい放射性物質管理なのですが
日本は無視しているわけです
そしてそれは
2つの事実を指し示します。
1つは・・・水を用いた日本式除染は、川、海を通じて
世界に汚染をばら撒くことである。
(罪悪感はありません、恐縮ですが、私はずっと以前からこの論者です)
2つ目は・・・
いくつもの放射性物質トラップを儲けた瓦礫処理設備を作らない限り
瓦礫処理は国内外への放射性物質の飛散促進にしかならない。
この2つ目が大きな問題です。
仮にアジアのほかの国で、小規模にしろ同じ問題が生じた時に
やはり日本は汚染の可能性が高まります。
低レベル放射性廃棄物ですら、ドラム缶に入れていた国が
高レベル放射性廃棄物を、焼却炉で燃やしだそうとしているのです
(実際は燃やしていますが、瓦礫まではまだ燃やしていない)。
よって、安易に燃やしてはいけないと思います。たとえ、フィルターがあろうとなかろうと。
あるならその事を実証できるように注意する必要があるでしょう。
結局は瓦礫処理の為に、焼却型バイオマス発電所を作るのが一番合理的でしょう。
但し、しっかりとした瓦礫ヤードを儲けないと、悪臭もそうですし、
放射性物質の漏出には対応できません。
■今の状況は大分落ち着いてきています。
それだけに
日本の現在の放射性物質に対する対応は
甘く見ていたらずに乗りやがっていい加減にしろよ!!
と言う不満が蓄積しているように思います。
日本人は日本人のことしか考えてないじゃないかよ?
と言われない様な行動が必要だと思います。
極端に言えば、脱原発だろうがそうでなかろうが、
法的裏づけはありませんが
国際的コンセンサスを形成するよう「配慮」の必要があると思われます。