■世にセシウム133は安全とされています。
例えば1000PPMの
塩化セシウム133のMSDSを除いてみると

大丈夫に見えます。
そりゃあね。
***********************
■と言うわけでセシウム133は安全なのでしょうか?
違うと思います。
厳密には安全だから「危ない」のです。
そして生物的な毒ではなく
電気的な、そして細胞の電位に関わるから危ないのです。
そこの違いを理解できていないと、
セシウム133は危なくないで終わってしまいます。
表立って毒なら心配は要らないと思います。
そここそが盲点で、私が機序にこだわった理由です。
現時点での理由をご説明します。
*********************
■まず
なぜならセシウム133は本当に希少な金属だからです。
セシウムは地殻中に平均およそ3 ppmの濃度で存在していると見積もられており、比較的珍しい元素である[96]。これは、全ての元素の中で45番目の存在量であり、全ての金属の中では36番目である。それでもセシウムは、アンチモンやカドミウム、スズ、タングステンのような元素よりは豊富であり、水銀や銀よりは2桁多く存在するが、セシウムと化学的に密接に関連するルビジウムはさらに30倍ほど多い。
■そして繰り返し飲むことは無いからです。
一度血中濃度が上がって取り込まれたとしても、
1回で終わります。
そしてホメオスタシスによって尿からも排出されます。
■3番目にカリウムのホメオスタシスです。
大量に飲んだ場合、主には尿中から排出されます。
カリウムとして血中では処理されるから当たり前の事です。
だからセシウムは無害とされてきましたし、
無害だと思われていましたし、
私も放射性で無ければ
無害だと思っていました。
例)従来のセシウム137についての影響取りまとめ(案)
どこかの機関の下書き?
************************
■一見無害に見えるセシウムは、厳密に言えば
「化学的な細胞毒」ではありません。
「生化学的な、電位阻害毒」なのです。
要は筋肉が死ぬわけではなく、
電気パルスをおかしくして心臓を止めるのです。
神経細胞を殺すのではなく、
神経回路を破壊するのです
■
医療の世界で言えば
強心剤=化学的器質を持って
心臓を動かす
カウンターショック=電気的刺激を持って
心臓を動かす。
この違いです。
いわば、心臓で言えば逆カウンターショックであるわけで
ブラブラ病の場合は疲労物質なだけで(細胞外カリウムとの誤認)
筋力低下を招くだけで
死ぬわけではないという部分です。
参考:ウィキ(NIELSENの研究)
カリウムイオンが疲労物質(ウィキ)筋肉疲労との関わり [編集]カエルの筋肉を使った研究に基づき 1929年に Hill らが提唱して以来[2]、乳酸は筋肉疲労の原因物質として考えられてきた。これは、乳酸の蓄積によるアシドーシスにより収縮タンパクの機能が阻害されたためと理解された[3]。しかし後の研究において、アシドーシスを筋肉疲労の原因とする説に対して反証が報告されてきた[3]。そして2001年に Nielsen らによって、細胞外に蓄積したカリウムイオン K+ が筋肉疲労の鍵物質であることが報告された。Nielsen らの系では、K+ の添加により弱められた筋標本について乳酸などの酸を添加すると、従来の説とは逆に回復がみられた[4]。2004年の Pedersen らの報告でも、pH が小さいときに塩化物イオンの細胞透過性が落ちることが示され、アシドーシスに筋肉疲労を防ぐ作用があることが示唆された[5]。
*************************
■何故東北大学の、牛の解剖でここまで明らかに結果が出たのでしょうか?
一つは食物繊維やイネ科のわらなどに移行したからと推測されます。
つまり牛は非常にセシウムの影響を受けやすい生き物といえるでしょう。
■また化学的器質としては一緒に思えますがこのような違いもあります(ウィキより)
植物 [編集]植物の種類および核種により移行係数は異なる。イネ、ジャガイモ、キャベツを試料とした研究によれば、安定同位体のセシウム133と比較すると放射性のセシウム137は植物に移行しやすい。イネでは移行したセシウム元素の大部分が非可食部であるわらなどに含まれ、キャベツでは非可食部である外縁部のセシウムおよびストロンチウムの濃度が高くなることが報告されている
■また、
プルシアンブルー(セシウムイオン交換薬)
では、基本的にはセシウム133は人間の体内ではセシウム137と
同じ動きをするとみなされています。
************************
■では、もう一度セシウム族の何がいけないのか、おさらいをしていきます。
1)最初の吸収過程では、セシウムはカリウムとほぼ同じ形態の吸収機構を経るが
カリウムチャネルの問題で透過スピードは遅い(15%~25%)
ただし、小腸にはほぼすべて吸収される。
一部は触媒として働き小腸に蓄積する。(エビデンス、プルシアンブルー)
<この時点では放射線以外無害>
******************
2)
血液の中での動きはカリウムに準拠する。
強力なホメオスタシスが働いており、腎臓などに障害が無い限りは
カリウムの量を一定にするべく、余計なカリウム、セシウムは
速やかに尿中から排出される。
【無害の根拠】
****************
3)
この時点でのセシウムは無害、
血液中のセシウムはカリウムと同じ動態を取り、
必須元素として組織に吸収される。
一部は肝臓に蓄積される。
しかし解糖系のインシュリンと共に、筋肉、心筋へ向かう。
(必須元素として)
<この時点では放射線以外無害>
********************
4)内向き整流性カリウムの存在する細胞
内向き整流製カリウムチャネルの構造と機能
内向きチャネルはそもそも、
心筋、骨格筋(横紋筋)、神経、グリア、血球、上皮(膀胱、腸管上皮など)
にあります、濃縮部位ドンピシャです><
部位以外でもすい臓のインシュリンに関わっています。糖尿に関わります><
*************************
5)セシウムの濃縮部位
■珠玉の関係者のツイート(抜粋)
核種ごとに内部被曝のリスクが異なるという説明中。化学的性質、物理学的性質、生物学的性質、の3つのファクターが重要。しかし最後の臓器への影響が軽視されがち。
さっきの野生家畜のスライド。セシウムは横紋筋に最も蓄積、血液の20倍程度、これはかなり相関はきれい。次が心臓、ただしこれはバラツキが非常に多い。血液の10倍くらいか?次が肝臓、血液の10倍弱。甲状腺は地を這っているのでよーわからん。
肝心の、野性化した家畜の各臓器へのCs137の蓄積具合の違いですが、ちょっと大事な点をしてきしておくと、血中濃度が30Bq/kg以下の領域では、かなり相関悪いです。血中濃度が10Bq/kg以下、10-40Bq/kg、40Bq/kg以上でグループ分けしてるけど、この説明なかったな。
■まず、血液の汚染が最初にあって(30ベクレルが一つの区切り)
比較的その濃度に追随する筋肉(20倍、相関くっきり)
噂されていた心臓(10倍、相関ぼんやり)
沈黙の排出系臓器肝臓(10倍弱)
*************************
6)カリウムチャネル(外向き)の存在と透過性
続良く分かる心電図より
カリウムチャネルを透過するセシウムは約15%といわれている。
ちなみに細胞内に入った場合、やや緩慢ではあるが、
ナトリウムカリウムポンプでも使えるようだ。
そのあたりの代謝については新しく入手したので、貼り付けておく

このデータによると、カリウムチャネルなどの障壁を越えるのは
同量において25%位のセシウムということになる
尚、細胞内に入ったセシウムは殆ど出てこない0.2~0.02
あくまで私の俗説ではあるが、細胞内で鉄蛋白にして金属蛋白
フェリチンに捕獲されているものと解釈している。
<この時点でもセシウムはほぼ無害>
**************************
7)セシウムの行う害(心臓編)
セシウムはカリウムの25%程度の透過性しかない。
つまりカリウムを優先的に細胞は取り入れる。
その為細胞外液における
セシウムは過密状態が予測される。
尚、「内向きチャネル」が存在する場合、セシウムは静電位にブロックを与えます
該当PDF(論文)特徴を羅列しましょう
1)内向きチャネルは貫通部位が少ない
2)カリウムの平衡電位以下のものしか通さない
(細胞内マグネシウムがゲートの開け閉めに関係、
膜電位センサーではなく外向電流のブロックによる、あとポリミアンブロックもあるそうで)
3)細胞外のセシウムイオンによる特徴的な静電位依存性のブロックを受ける。
その結果起こされるのが
、「遅延性カリウム電流の延長」である。
その方法は
バッチクランプ法として確立された方法であり
その方法をエビデンスとする。
■典型的な心臓疾患に関わる推測をなす
QT延長症のプレゼン資料
要は医薬品によるQT延長症による心臓停止と同様の害をなす可能性が高い。
今回着目するのはいわゆる電解質異常であるが
遅延性カリウム電流の延長がメインターゲットである。

遅延性カリウム電流は大きな役割を心電図においてなしている

QT延長の原因の一つに
、「遅延性カリウム電流の延長」が列記されている。

***********************
8)
セシウムはこのように内向きカリウムチャネルを持つ細胞に害をなします。
その影響は遅延性カリウム電流の延長がメインターゲットです。
(また内向きチャネルはそもそも、
心筋、骨格筋(横紋筋)、神経、グリア、血球、上皮(膀胱、腸管上皮など)
にあります、濃縮部位ドンピシャです><)
これらの細胞は、大量のグリコーゲンを必要とする細胞であり
カリウム輸送はこの部分の細胞に対しては「インシュリン」を伴います。
なお
メルクマニュアルにもインシュリンとカリウムのかかわり
については記載されています。
*************************
■今回私が言いたいのはセシウムはいわゆる「毒」じゃないのです
カリウム代替として、大量にカリウムを必要とする
内向きカリウムチャネルを持つ細胞に対し、
細胞外に蓄積して、遅延性カリウム電流の延長
を起こします。
それらのターゲットの細胞は
心筋、骨格筋(横紋筋)、神経、グリア、血球、上皮(膀胱、腸管上皮など)
です。
またおまけ機能として、
ベータ崩壊による放射線の害もあります。
ただ、血中30ベクレル以上は、
食生活によっては容易に満たす条件であり
その積み重ねが、セシウムによる心臓麻痺を招くという
チェルノブイリの病態と矛盾するものではありません。
また、神経、グリアにも影響を及ぼしますが
その結果が精神障害や、脳の機能障害になる可能性が
チェルノブイリの病態と矛盾するものではありません。
■
あからさまな毒ではないからこそ、全身に運ばれ
ただし、細胞にとっては不要なものであるからこそ
細胞外に集積し
結果として電流的な障害を与える危険性について
指摘すると共に、
本エントリーを締めくくりたいと思います。