■日本の冶金の技術を向上させたのは、
実は原発をはじめとする発電産業です(苦笑)
原発の運転条件と言うのは、どうしようもなく厳しいので
そして故障したと言って止める訳にも行かない。
増してや故障の修理でも被曝するので(原発)
とにかく材料の品質を上げて、そして日本の金属業界の技術を
工場レベルであげていく、
そして何よりもそれを加工できる職人を育て、加工職人の
仕事量を確保する、
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■だから、当時の職人さん達は寝食を惜しんで、腕を磨き
溶接で目を傷めつつも神技を磨いていった。
それは一つの神話なのかもしれませんし、
何と言うのか、自分は団塊世代を揶揄する事もありますけど、
揶揄するだけじゃ駄目なんです。
今日紹介する合金たちも、固いわ、高いわ、
ひとくせもふたくせもある奴らばっかりです。
そして今その世界は馬鹿にしている中国に抜き去られようとしていたりします。
産業を育てるって言う事を日本はもう少し
まじめに考えないといけないと思います。
賢い人の割合は、人口にほぼ比例する訳で
『賢い人』が馬鹿を馬鹿にしつつ支配するなんて事をしたら
日本は確実に負けてしまいます。
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■大体中学や高校で子供を作るのを「馬鹿だ」って
みんな思いますし、自分もどうかと思うんですが
生殖戦略的には正解だったりする。
学んで適応したモノになる女性は独身でそのままだったりする。
価値観は一つじゃないから面白いのであって、
自分は色んな価値観があっていいと思います。
但し色々な価値観を認めるには、「自分はこう思う」と言う意思も
必要なんじゃないかと思います。
自分が一つの意志を持ち、人の意志をも「尊重」する。
日本人はそれをする能力も、教育も受けてきていると
私は思っています。
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■何故こんな反れた話をするかと言うと
人は高いからいいんだ、安いから駄目なんだとか、
容易に偏見を持ちます。
合金はその点面白くって、適材適所、特定条件だと安い金属の方が持つ
なんてことはよくあるんです。
なーんだ鉄で十分じゃん、304でも腐れ代があればOKだわ
うーんここは、グラスライニングにしとくか、
そういう経験は賢い頭脳を超えた所にあります。
お客様を立てつつ提案をし、何よりも妥協しない。
人を馬鹿にしつつ交渉を失敗する、
責任を押し付けられるというのは、どんなに一生懸命でも
自分の住む世界では愚の骨頂であると思います。
もちろん住む世界が違えば、その世界は一変します。
それは人の自由であって、
生きている世界とそれの捉え方の問題だと思います。
幸せの基準や満足の基準は人それぞれで違う、
恐らくそれだけの事かと思います。
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■ところでこの中で同じものが二つ紛れてます。
アロイ≒ハステロイ(商標)なんですよね。
アロイ、モネル、インコネルこれらはニッケルを基盤とする合金です。
ステンレスも鉄ベースのニッケル合金なので
ニッケルは世界において非常に重要な物質、になっています。
■中国も悪かと言えばそうとも言えず
中国が貪欲にこういった資源を使いこむので(笑)
資源価格は暴落しません。
全てはバランスであって、もしも「共存共栄できる」のであれば
中国は、パートナーたりえたと思います。
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■
アロイやステンレスのレシピを見ていきましょう。
レシピ通りに作るのがまた難しくて、
それゆえその辺りの製法は秘中の秘です。
たとえば『相当品』が本当に相当なのかは試してみないと分かりません。
熱のかけ方、冷やし方、圧延の仕方、
こういった物で性質が変わってくる事もあります。
当然金属ですので公差もありますし、伸縮もあります。
反りもあります。
こういう物は、残念ながら?(残念じゃないけど)
一部はまだ
加工屋さんの腕に頼っているのですが
多くの人は『日本だから』で済ませてしまいます。
いや呪文唱えてる場合じゃないって。
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■つまりは…日本だからって今自分が声を上げられるのは
声を上げる最後のチャンスだから、です。
間もなくそんなチャンスは消えていきます。
その先にはアジア圏、特に中国も含めた
『チーム』の世界が広がっていて、
ちょっと悔しさや、未練があるから、自分は日本だからを
やっぱり言わずにはいられないのですが…
所詮は未練ではあるんですよね。
でも今は職人さんは分からなくても教えを請えばポイントを教えてくれます。
昔は盗まないといけなかったのに、それはもう自分達が絶えていくと
何処かで知っているのかもしれませんね。
もちろん生き残ってチームが組める人とは
日本でチーム組みましょうよ^^ね
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■インコネルやモネルはもう専門の世界
タービンの羽根とか、1000度を超える世界で出現しますが
めったに出会う事はありません、あとは環境の厳しい、原子力関係では
意外と用いられる事も多いのですが、モネルの溶接のうまい人なんかは
もうほとんどいないんじゃないかと思います。
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■これらの特徴はステンレス及びニッケル系の合金と言う事で
これらは日本の産業を下支えしてきました。
でも今、その地位を中国が粗悪品が多いながらも侵しつつあります。
いつの間にか鉄は国家なりを超えてステンレスは国家なり
になりつつあるという事です。
■特に日本を支える車や輸送機械に最近は多く使われてもいます。
それこそマフラーとか、エキパイとか。
■ちなみに
ステンレスの歴史はまだたったの100年

18-8ステンレスの発明はまさに世界を変えるものだった、と思います。
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■ステンレスを中心とした合金の世界いかがですか?
自分は奥深さと深遠さを感じます。
ちなみに自分は使う側であって、実際にはドライな立場です。
極端に言えば保証期間問題無ければ、それで構わない。
実際応力腐食割れはともかく
孔食なんかは品質管理できるものじゃないし確率的です。
それは最終ユーザが責任を持って管理するべきもので
その為に職員がいい給料で雇われてます。

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■当然、
ステンレスを始めとする合金系には
スーパーステンを始めまだ成長の余地がある
と言う事は、裏返せば…
「色々な問題点や未熟もあったし」
合金は用途と性質を分からないと、確率的な危険を感知してメンテができないと
使いこなせない、と言う事でもあります。
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■要するに
ユーザーや運転する人、そこまでも含めて本当は
品質でありブランドである、と理解しないと
『あいつは馬鹿だから駄目なんだ』「そーだそーだ」
みたいな話「だけ」では、実はこれからの世界を切り開く事は出来ません。
それで切り開けるなら別にそれはそれで(いい事なので)いいんですけどね。
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■その現実を理解した上で、それでも中韓に伍して行く
と言う意味を考えた上で、日本の誇りを訴えるのかどうか、
いつまでも、「ニホンガー」と都合が悪くなるという方とは仕事はできないんです。
「差別が-」と言って、くすぶっている人達と同様
肝心な所でグズるのはリスクですからね。
だから対等なチームを生む事が出来る人を
求めてビジネスマンは動きだしているかと思います。
ただ、モノづくりの基礎を分からずに、丸投げにしていたら
いつしか全てを奪われて直受される、と思います。
そうしてユーザーが馬鹿になれば後は生殺与奪を握られます。
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■もっと逆を言いましょう、中国の経済が崩壊したらどうなるか?
間違いなく大恐慌になります。なのでアメリカ実は弱腰なんですよね。
こういう生産量を見ると愕然とします。
通貨の安い国がシェアを握るとそれは世界を支配する事が出来るからです。
バブル前後の日本がそうでしたよね?
中国を如何に抑えるか、と言う事はとても大事で
力は臨界点をそらす為にあります。
中韓の一部がおかしい、
中韓に対する態度がおかしい事を騒ぐのが目的であって
中韓自体を真剣に憎めば、それは呑まれた事になるんです。
幸い自分は立場も楽だし、友達も少ないし
放言するのでファンの入れ替わりもあるのかな?
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■どんなに技術があっても、同等なら
高いものをわざわざ買うのは、一般消費者だけです。
だって本当の価格を知らないからです。
デフレの中でモノづくりの意味も知らず、こんなの○○円じゃんが
全てになってしまっているから、
だからTPPを怖がらずに受け入れる事が出来るんですが
切り口によっては、自分(原発容認派で、TPPはやむを得ない派)でも
そういう視点を持つのは大事だと思っています。
その視点から、
また、ステンレスの特性と弱点、そしてクラッド鋼との関りから
今度は原発に視点を移しましょう。
推進派と言われる人達も、
その辺りには十分関心を払うべきだと思うのですが^^;
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■そしてその辺りを紐解くと、反対したい為だけに反対している人と
実際の現場を見て、「ほんまに安全って言いきれるんか?」
と言う「一見似ていて別の観点」が見えてきます。
反対派をまとめて葬り去るのはいいんですが、
反対派じゃなしに『心配派』が別にいる訳で
心配派のフリをする反対派が面倒なだけで、
心配派を消し去るとえらいこっちゃになるのではという
危惧は微妙に堪えません。
ちょうど電気代駄々上がりが見えてきて、
みんな原発を動かしたくなってくるこれからの季節
今一度そういうのを考えるのにはいいんじゃないの?って思います。
政治家はそんなの考えてないから、いっせい再稼働だなーんて
訳の分からない事を言っちゃったりして
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■個人的には原発がいいとか悪いとかじゃなしに、
今のこれからの人材でどう安全性を高めた原発をリプレースするのか
結局は「技術と人材を残していくのか」、
それをもっと考えなきゃいけないと思います。
多くの人はもう興味もないと思います。^^;
でも、それは凄く大事な話なんです。
だから自己満足なのは知りつつも
そこは曲げる気はないんです。
『今』しか言えない話題ですからね。