角館は、秋の風情も味がある。葦名に養子に出た弟の血統が絶えた後、佐竹の殿様は妹婿の公家を京都から迎えた。そして、その息子には公家の娘を迎え、嫁入りに垂れ桜の苗を持って来たと言う。そんな所以があるが為、角館の小京都には、風情と寂しさが同居している。弱々しい木漏れ日は、暖かくてもうじき来る冬を十分に感じさせるものだった。晩秋の秋田は天気は猫の目のように変わるのだ。でも一瞬の晴れ間はそれだけで景色が一変する。