例の爆発事故、テロだなんだ言われているけど、違うと思う。
多分熱交の細菅にピンホールが空いてたんじゃないかと思われる節があるんだ。
工場そのものと言っても、直接この工場に触れたことはないけど、半導体の話や、イレブンナインの話として以前に簡単に触れてるから今回は省略します。(多分かぶるはず)
で、まず何が爆発したのか、といえば熱交換器、シェル型って言われるもので冷媒の中をガスが通って冷やして液化させる装置だと考えれば分かりやすいかな?
その為には細い管が沢山通っていて、多分316系のサスだと思うけど、それ以上は分からない。
その血管みたいな細い管は曲りの部分で当然溶接されていて、そこは応力や鋭敏化の影響を受けやすい。つまりは、力がかかって電池腐食とか孔食が起きやすいし、温度差の伸縮による応力も当然発生する。
水素脆化はあんまり考慮はいらないんじゃないかな?
問題は溶接が少しでも悪いと経年劣化でピンホールが空きやすいこと。原発でも、熱交換器は使われていて、蒸気発生器も同じ仕組みだ。原発では肉厚を測ってリークテストをして、孔があれば塞栓する。
で冷却するときに、多分湯の花みたいに析出するから何らかの手段でその結晶を取り除くのが、今回の工事だったと、推測される。
確かシランガス系は、空気に触れると反応して偉いこっちゃになるから窒素置換が多く行われるはず
置換自体に問題はない、問題は溶接不良、というよりは、溶け込み不良がどこかにあってピンホールが空いていたんだと思う。
そうすると水素は軽く小さいから、水素はピンホールから漏れてどうもケースの蓋に溜まったんだ。
そして濃度は爆発限界を超えていたけど、窒素置換だから、濃くなっても爆発しない。
ところが蓋を開けた瞬間酸素が流れ込んだ、静電気でも或いは金属同士の火花でも、いいけど、とにかく爆発限界を超えていた、もしくはそれに近い水素は爆発を起こした、
運が悪かったのはボルトを抜いて、パッキンは張り付いていたとしてユニックかチェーンブロックか、ホイストかで、お客さん立ち会いで業者さんもカバー回りで、引き剥がした瞬間に爆発したから蓋が大砲のように飛んだんじゃないかって、思う。その条件なら蓋が上を向くから水素も貯まりやすい。
熱交換器のシェルは圧力容器でもあるから、それが直撃したらひととたまりもなかっただろうし、午後一番だからいい加減な会社じゃない分みんな立ち会ってしまった、と推測される。
新聞によれば、前にも小さい事故が起きてるから、逆に安全に気を付けたのが裏目に出たって予感がするよ。
起きてみれば、理由はこうやって考え付くけど、(横向きで上部に溜まってた可能性もあるけどね)なかなか難しい事件だよね。安全対策じゃなくて、溶接技術が下がってくると、細菅みたいなのは、確率的にピンホールが発生するから、相当の手練れじゃないとほぼ 100%の溶接は難しい。
しかも経年の中で発生するから、(しかも内面が腐食割れを起こす)作業前、検査前に発見するのは極めて難しい。
とはいっても、こんな話を書いてわかってくれる人は二人くらいしか思い浮かばないや。シェル側で引っ張りあげられる吊りプラグとか、万一のための上部ガス抜き弁があれば防げたと思うけど、そう言う危険予知をできる人も減っているように思うよ。
でも、今後もこういう事故は増えていくと思うよ。それだけ腕のいい職人さんも減ったし、今は値段ばかりで溶接の本当の品質を見ようとする人も減った。怖いのは、こういう経年劣化事故の発生が今後増えていくんじゃないのかな?
残念で痛ましいけど、それが現実で、この事故はいずれ起きた事故だったかもしれない。事故の被害に遭われた方々には、心よりお悔やみを申し上げます。
Posted at 2014/01/10 01:33:43 | |
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原発の将来 | 日記