■コメントありがとうございます。
ちょっと面白いページがありましたので、ご紹介します。
日経ビジネスの「
見逃されている原発事故の本質」です。
ここでは、原発発生直後の情況分析が行われています。
■こればかりは、プラントに精通している人間の協力がなければ到底出来ないこと。
まずはちょっとグラフを拝借しましょう。

「3月15日と4月12日の首相官邸の資料および4月4日の原子力安全・保安院の公表データに基づいて、原子炉の水位と格納容器内の圧力の経時変化を求め直したのが、図2」
とありますから、基本的には私が用いているデータと同質の物でグラフ化されているものです。
■1,2,3号機が、同時に制御不能にならなかったのはいいことでした。
限られた人員での対応は本当に大変だった事でしょう。
確か、最初に吉田所長は、残るも、逃げるも許したはずです。
そうして逃げたい人を逃がしてあげたと言う話が当初流れていました。(事実確認未)
逆に言えば、士気は高いが人は不足していたはずです。
その前に同じく冷却系のフロー図を借用しましょう
■この図の隔離時復水器(IC)と言われる物が「最後の砦」だそうです。
表現を借りましょう。
【引用】
だが、万が一停電してCSポンプもHPCIポンプも止まってしまい、ECCSが働かなかったらどうするのか。1号機の場合、その「最後の砦」が「隔離時復水器」(IC、Isolation Condenser)だ。このICは、電力を必要としないパッシブな自然冷却システムであって、無電源で8時間作動するように設計されている。
2、3号機では、この隔離時復水器(IC)の進化した「原子炉隔離時冷却系」(RCIC、Reactor Core Isolation Cooling System)と呼ばれるシステムが「最後の砦」として設置されている。これは、すべての電源が喪失した後も、炉心の発熱による蒸気で回る専用タービンによって一定時間、ポンプを駆動するシステムであってICよりも長時間作動する。
【引用終】
個人的意見
※多分「外部電源」を必要としないシステムなのだと思います。
全くの無動力ではなくて、バッテリー電力による制御は必要だと思います。
■要するにパッシブ(受動的)な最終冷却システムが作動していて
1号機は、初回版のため予定通り早め(8時間)に終了した
2号機は、特別よく作動したが、14日に力尽きた
3号機は、32時間で停止した。
■それぞれ引用しよう。以下は引用部
★0時00分から0時30分のあいだに隔離時復水器(IC)が作動を終えたと考えられる。1号機の隔離時復水器(IC)は、16時36分から翌日の0時00分-0時30分の間まで約8時間、ほぼ設計通り作動して炉心を冷やし続けたということだ
★3号機の原子炉隔離時冷却系(RCIC)は12日の23時から24時の間に停止したと考えられる。従って、この3号機の「最後の砦」は、約32時間動作して炉心を冷やし続けたということになる(図2(c)の青い時間領域)。
★2号機については、図2(b)に示すように水位データと圧力データが明瞭なので、原子炉内で何が起きたかは容易に推測できる。2号機の原子炉隔離時冷却系(RCIC)が停止したのは、原子炉の水位が下がり始める直前の14日8時ころ。2号機の「最後の砦」は、11日16時36分に作動を開始して約63時間動いたことになる(図2(b)の青い時間領域)。そして海水注入を始めたのが、14日16時34分。2号機が「制御不能」の事態に陥って約8時間半後のことだった。
■記事は後追いなので、この猶予期間の間に水や、海水を毎時25トン入れれば大丈夫だったはずだと結論付けている。
■しかし、
実際はそんな単純な物ではない。
これは、原子力発電に突きつけられた、
物凄く大きな課題なのだ。
そして大きな光明でもある。
■「全電源喪失」してしまうと、最後の砦は余熱による蒸気を循環させると言う、
もう一つの「予備ラジエータ」を動かす。と言う事になる。
そしてそれは蒸気圧で行われる。
■つまり動いているうちは冷やしてはいけないのだ。
冷やすと蒸気の力が弱って、
止まる可能性が出るからだ。
逆に言えば、「独立電力系」を持つICやRCICがあり、
それが何らかの弱い電力で、
パッシブであろうと制御ができたならば、
時間稼ぎがより可能で
後は、そういった場合の電源回復の為の
外部電源のつなぎこみの訓練をしていれば、
今後は防げるはずだ
■ならば、
原発にエコを組み込めばいい。風力、太陽光、波力、
地震の時にどれかが生き残れば機能するよう考えればいい。
発電所の中にバックアップすると共に
発電所の近隣にエコ発電所を設ければいいはずだ。
または原子力発電所を高台に設け、
海岸ダムとして深夜電力で揚水発電をしてもいい
■既存の原発についても、ちょっとオーバースペックの
揚水発電所を作ればいい。
もちろん、ポンプを使えば、揚水発電の水も二次冷却水に使えるようにして。
山側にも真水の揚水発電所を作る。
これによって非常用の冷却水の保持も可能になるだろう。
■要するに
今回の地震も激しく揺れたが、津波が起きた地震だから、海岸部では震度7クラスではなかった。
激しい揺れ(震度7クラス)→津波は小さくなる
津波→震度は小さくなる
確かに今回も、激しい揺れと津波はあったわけだが、
太陽と、風力と、波力及び揚水、これらをハイブリッドさせれば、何処かで電力は供給できる。
■配管の破断等を考えると耐震技術の向上はこれ以上は難しい。
しかし、原発をゴミにしてしまえば、CO2で身動きが取れない日本は
終了してしまう。少なくともちょっとの工夫で、
今回の事故は避けえたと言う事は、悔しいが大きな前進だ
■「原発とエコを共生させる」ことで
安全を高める事は出来ないだろうか・
時間はかかるが、今なら日本人は節電にも従うし
これをチャンスとしてもいいと思う。
浜岡なんて砂丘だらけだし、太陽光と風力に向いているはずだ。
■今回の件は、黙っていても誰かが誰かを血祭りに上げるだろう。
今敗戦処理の中で、その下準備が進んでいる。
■でも大事なのは、将来に向かうこと、
もちろん周囲の除染をしながら、一方で未来志向であることが大事だと思います。
■目の前の対策もしていかなくてはいけませんけどね。
少なくとも口をあけて政府を頼ってたら、
確実じゃあないけれど・・・死ぬよ。と心配になる次第です。