児玉教授の熱弁から2週間が過ぎました。
私のブログでも一度取り上げましたが覚えておいででしょうか。
残念ながらマスコミの無視は続きます。
といいますか、報道ステーション辺りは社会派を自認している割には
余りにもお粗末でしょう・・・
社民党なんぞしかこの方を呼ばなかったので、この方の学者生命は絶たれたも同然です。
しかし、その覚悟を持ってお話になった内容は
実は私を大いに元気付ける物でした。
こういう話のときには右も左もありません。
基地外(のように私には見える)が呼んだとて、呼んだ人間がそうとは限りません。
↑社民党がどうも好きになれないだけです。
児玉教授の考えには深く共鳴します。
震える声からその覚悟を察して頂ければと存じます。
実は
複合被曝の話にも絡む事なので、再び取り上げました。
複合被曝は、金属蛋白に注目していますが
(フェリチンやメタロチオネイン)
それは臓器に対する局所偏在性ということでもあります。
そして生化学に関る部分です。
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つまり
何らかの機序をもって放射性物質が体の特定部位に取り込まれ
取込まれた場所が特定部位ゆえに、体内でホットスポットを形成し
長い時間で癌を引き起こす。
場合によってはがん細胞自体が取込む事によって、
がん細胞自体が消滅する事もある。基本はそういった考え方です。
その言葉に関することが児玉教授の言葉の端々から示唆されています。
またその内容のまとまりは秀逸で私のブログなど及ぶ所ではありません。
重要なポイントを紹介していきたいと思います。
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まとめ自体は
院長先生のブログから引用しましょう。
(書きおこしをまとめてくださっています)
1)現状放射線の認識
※下記の内容はもう大幅に知られています。しかし東海の線量は一つの示唆であります。※
私は東京大学アイソトープセンター長の児玉ですが
3月15日に大変に驚愕いたしました
私ども東京大学には27か所のアイソトープセンターがあり
放射線の防護とその除染の責任を負っております
それで、私自身は内科の医者でして放射線施設の放射線の除染などに
ずっと、数十年かかわっております
3月15日に、ここの図にちょっと書いてあるんですが
我々最初に午前9時ごろ東海村で5μシーベルトという線量を経験しまして
それを第10条通報という文科省に直ちに通報いたしました
その後東京で0,5μシーベルトを超える線量が検出されました
これは一過性に下がりまして
次は3月22日に東京で雨が降り、0,2μシーベルト等の線量が降下し
これが今日に至るまで高い線量の原因になっていると思っています
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2)総量の問題
※総量が明らかになっていないんですよね。実はここは大きな謎でもあります。
そして減り方が遅い事を指摘していますが、即ち核種の偏りを意味しています※
この時は総量はあまり問題ではなくて、個々の濃度が問題になります
ところが今回の福島原発の事故というのは
100キロメートル圏で5μシーベルト
200キロメートル圏で0,5μシーベルト
さらにそれを超えて足柄から静岡のお茶にまで及んでいる事は
今日みなさん全てがご存じのとおりであります
我々が放射線障害を診る時には、総量をみます
それでは
東京電力と政府は一体今回の福島原発の総量がどれくらいであるか
はっきりした報告は全くされておりません
そこで私どもはアイソトープセンターのいろいろな知識を基に計算してみますと
まず、熱量からの計算では広島原爆の29,6個分に相当するものが漏出しております
ウラン換算では20個分の物が漏出していると換算されます
さらに恐るべきことにはこれまでの知見 で
原爆による放射線の残存量と原発から放出された者の放射線の残存量は
一年に至って原爆が1000分の一程度に低下するのに対して
原発からの放射線汚染物は10分の一程度にしかならない
つまり、今回の福島原発の問題はチェルノブイリと同様
原爆数10個分に相当する量と原爆汚染よりもずっと多量の残存物を放出したという事が
まず考える前提になります
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3)流体力学の問題
※微粒子の流体力学は非常に難しく、
プラントエンジニアリングでも難関とされており、実測値でこなしているような段階です。
とは言え、群大の汚染地図を見ますと、ほぼ稲わら汚染には一致していますから
「稲わらは非常に吸収性が高い」ということが分かると思います。
土地ではなく、稲わら汚染で実は汚染の分布が分かるのです※
そうしますと、我々システム生物学というシステム論的にものを見るやり方でやっているんですが
現行の総量が少ない場合にはある人にかかる濃度だけを見ればいいのです
しかしながら、総量が非常に膨大にありますと
これは粒子です
粒子の拡散は非線形という科学になりまして
我々の流体力学の計算でも最も難しいことになりますが
核燃料というのは要するに砂粒みたいなものが合成樹脂みたいな物の中に埋め込まれています
これがメルトダウンして放出するとなると
細かい粒子が沢山放出されるようになりますそうしたものが出てまいりますと、どういうようなことが起こるかが
今回の稲藁の問題です
たとえば、岩手のふじわら町では稲藁57000ベクレル/kg
宮城県のおおさき17000ベクレル/kg
南相馬市10万6千ベクレル/kg
白河市97000ベクレル/kg
岩手64000ベクレル/kg
ということで、この数字というのは決して同心円上にはいかない
どこでどういうふうに落ちているかは
その時の天候、それから、その物質がたとえば水を吸い上げたかどうか
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4)PET(医療機器)を転用せよ
※CTやPETは日本が世界最先端です。使わないのはもったいないと仰りたい様ですが
お金はしっかりかかります※
そして先程から食品検査と言われていますが
ゲルマニウムカウンターというものではなしに
今日ではもっと、イメージングベースの測定器というのが遥かに沢山、半導体で開発されています
何故政府はそれを全面的に応用してやろうとして全国に作るためにお金を使わないのか
3か月経ってそのような事が全く行われていない事に
私は満身の怒りを表明します
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5)アイソトープの内部被曝における臓器特異性、及び細胞特異性
※生化学の分野ですが、特定の細胞は特定の元素を取込みます。
私はその中でフェリチンやメタロチオネインといったような金属蛋白に注目していますが、
そのような限られた種類が問題ではありません。
もちろん抗体医療に関してはより厳密な特異性を持った元素を用いますので
上記の代表的な金属元素を持つことはありえません。(特異性に不足がある)
1本鎖DNAになった時の塩基に不安定性が出るということは、
指摘の通り、細胞分裂時に弱点が露呈する事であり、
細胞分裂の激しい細胞が損傷を受けることです。
ホールボディカウンタはその量が重要ではありません。
むしろ、その核種が重要です。しかも時間が経つと、臓器に内部に移動しますので
それは内部被曝が取込まれる第2段階に移行したということでもあります。
要するに体内ホットスポットが形成されたのです。
ホールボディで検出されたが、量には問題がないというのは
内部被曝第二段階ですという宣告です。※
第2番目です
私の専門は
小渕総理の時から内閣府の抗体医薬品の責任者でして
今日では最先端研究支援というので30億円をかけて抗体医薬品にアイソトープを付けて癌の治療にやる
すなわち人間の体の中にアイソトープを打ち込むという仕事が私の仕事ですから
内部被曝問題に関して一番必死に研究しております
そこで内部被曝がどのように起きるかという問題を説明させていただきます
内部被曝というものの一番大きな問題は癌です
癌がなぜ起こるかというとDNAの切断を行います
ただし、ご存じのとおりDNAというのは二重らせんですから
二重らせんの時は非常に安定的です
これが、細胞分裂をする時には二重らせんが一本になって、2倍になり4本になります
この過程のところがものすごく危険です
そのために、妊婦の胎児、それから幼い子ども、成長期の増殖が盛んな細胞に対しては
放射線障害は非常な危険をもちます
さらに大人においても増殖が盛んな細胞
たとえば放射性物質を与えると髪の毛
それから貧血、それから腸管上皮の
これらはいずれも増殖分裂が盛んな細胞でして
そういうところが放射線障害のイロハになりますそれで私どもが内部に与えた場合に具体的に起こるので知っている事例を上げます
これは実際には一つの遺伝子の変異では癌は起こりません
最初の放射線のヒットが起こった後にもう1個の別の要因で癌の変異が起こるという事
これはドライバーミューテーションとかパッセンジャーミューテーションとか細かい事になりますが
それは参考の文献を後ろに付けてありますので
それを後で、チェルノブイリの場合やセシウムの場合を挙げてありますので
それを見ていただきますが
まず一番有名なのはα―線ですプルトニウムを飲んでも大丈夫という東大教授がいるというのを聞いて、私はびっくりしましたが
α―線はもっとも危険な物質であります
それは
トロトラスト肝障害というので私ども肝臓医はすごくよく知っております
ようするに内部被曝というのは先程から一般的に何ミリシーベルトという形で言われていますが
そういうものは全く意味がありませんI131は甲状腺に集まります
トロトラストは肝臓に集まります
セシウムは尿管上皮、膀胱に集まります
これらの体内の集積点をみなければ
全身をいくらホールボディースキャンやっても全く意味がありません
トロトラストの場合の、このちょっと小さい数字なんで大きい方は後で見て欲しいんですが
これは実際に、
トロトラストというのは造影剤でして
1890年からドイツで用いられ1930年ごろからは日本でも用いられましたが
その後20~30年経つと肝臓がんが25%から30%に起こるという事がわかってまいりました
最初のが出てくるまで20年というのは何故かというと
最初にこのトロトラスト、α―線核種なんですが
α―線は近隣の細胞を傷害します
その時に一番やられるのはP53という遺伝子です我々は今ゲノム科学というので、人の遺伝子、全部配列を知っていますが
一人の人間と別の人間は大体300万箇所違います
ですから人間同じとしてやるような処理は今日では全く意味がありません
いわゆるパーソナルライフメディスンというやり方で
放射線の内部障害をみる時も
どの遺伝子がやられて、どういう風な変化が起こっているかという事をみるということが
原則的な考え方として大事です
トロトラストの場合は
第一段階ではP53の遺伝子がやられて
それに次ぐ第二第三の変異が起こるのが20~30年後かかり
そこで肝臓がんや白血病が起こってくるという事が証明されております
次にヨウ素131
これヨウ素はみなさんご存じのとおり甲状腺に集まりますが
甲状腺への集積は成長期の甲状腺形成期が最も特徴的であり小児におこります
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6)統計有意性の罠
※統計有意性が出るまでには非常に長い時間がかかります。
正常期のデータも必要です。
そして全部の事例が終わるまで証明できません。
そこに、私が山下教授がデータを持つことによって
勝者であると断言する要素があります。
子供は結果がどうあれ、
もう福島ではモルモットなのです。※
しかしながら
1991年に最初ウクライナの学者が「甲状腺がんが多発している」というときに
日本やアメリカの研究者はネイチャーに「これは因果関係が分からない」ということを投稿しております
何故そんな事を言ったかというと1986年以前のデータがないから
統計学的に有意 だという事を言えないということです
しかし、
統計学的に有意 だという事がわかったのは
先程も長瀧先生からお話しがありましたが20年後です
20年後に何がわかったかというと
86年から起こったピークが消えたために
これは過去のデータが無くても因果関係がある
という事がエビデンス(evidence 証拠・根拠)になった
ですから、疫学的証明というのは非常に難しくて
全部の事例が終わるまで大体証明できないです
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7)泌尿器科が鍵を握る
※前立線肥大は泌尿器科の範囲となります。
将来において泌尿器科が、被曝研究の最前線となるということです。
ちなみにP53はアポトーシスを携える遺伝子です。
何度も言いますが尿に微量の放射性物質があるという話は
その多くは体に取込まれているという事です。
生物的半減期が迅速な場合は、もっと早くに体は出してしまいます。
何ヶ月もたって、体から微量に出ているということは、
体はしっかりと、その放射性物質を、体のどこかに生化学的に取込んでいる可能性が
きわめて高いのです※
ですから今 我々に求められている
「子どもを守る」という観点からは全く違った方法が求められます
そこで今行われているのは
ここには国立のバイオアッセイ研究センターという化学物質の効果をみる福島昭治先生という方が
ずっとチェルノブイリの尿路系に集まる物を検討されていまして
福島先生たちがウクライナの医師と相談、集めて
500例以上の、前立腺肥大の時に手術をしますと、膀胱もとれてきます
これをみまして検索したところ
高濃度汚染地区、尿中に6ベクレル/ℓという微量ですが
その地域ではP53の変異が非常に増えていて
しかも、増殖性の前癌状態
我々からみますとP38というMAPキナーゼと
NF-κB(エヌエフ・カッパー・ビー)というシグナルが活性化されているんですが
それによる増殖性の膀胱炎というのが必発でありまして
かなりの率に上皮内のがんができているという事が報告されております
それで、この量に愕然といたしましたのは
福島の母親の母乳から2~13ベクレル
7名で検出されているという事が既に報告されている事であります
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8)ホットスポットはきわめて不均等に分布している
※このことはもう認識されていると思います。
但し、補償をする気が基本的にないので、それが問題です。※
我々アイソトープ総合センターでは
現在まで毎週700キロメートル、
大体一回4人づつの所員を派遣しまして南相馬市の除染に協力しております
南相馬でも起こっている事は全くそうでして
20K30Kという分け方が全然意味がなくて
その幼稚園ごとに細かく測っていかないと 全然ダメです
いま、
その一番の障害になっているのは、強制避難でないと保証しない
参議院のこの前の委員会で当時の東電の清水社長と海江田経済産業大臣がそういう答弁を行っていますが
これは分けて下さい
保障問題とこの線引きの問題と子どもの問題は
直ちに分けて下さい
子どもを守るために全力を尽くすことをぜひお願いします
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9)そろそろ恒久的除染を
※私や猛走峠さんの申上げている除染(打ち水、掃除等)は、緊急避難的除染です。
逆に川内村で、弘(2型)さんの悩まれている物は恒久的除染、といえるでしょう。
問題は恒久的除染についての手法が確立していないのです。
私が勝手に提案をして、悩みになったのもそこです、一体いくらお金をかけるのか
果たして対策としてはどの程度の有効性が有るのか、
廃屋を中心に除染実験を開始すべきと存じます。
それからもう一つは
現地でやっていますと除染というものの
緊急避難的除染と恒久的除染をはっきり分けて考えていただきたい
緊急避難的除染を我々もかなりやっております
たとえばここの図表に出ておりますこの滑り台の下
滑り台の下は小さい子が手をつくところです
が、この滑り台に雨水がザーッと流れてきますと
毎回濃縮します
右側と左側とズレがあって、片側に集まっていますと
平均線量1μのところだと10μ以上の線量が出てきます
それで、こういうところの除染は緊急にどんどんやらなくてはいけません
それからさまざまな苔が生えているような雨どいの下
ここも実際に子どもが手をついたりしているところなのですが
そういうところは、たとえば高圧洗浄機を持って行って苔を払うと
2μシーベルトが0,5μシーベルトまでになります
だけれども、
0,5μシーベルト以下にするのは非常に難しいです
それは、建物すべて、樹木すべて、地域すべてが汚染されていますと
空間線量として1か所だけ洗っても全体をやる事は非常に難しいです
ですから、除染を本当にやるという時に
いったいどれだけの問題がありどれ位のコストがかかるかという事を、イタイイタイ病の一例で挙げますと
カドミウム汚染地域、だいたい3000ヘクタールなんですが
そのうち1500ヘクタールまで現在除染の国費が8000億円投入されております
もし、この1000倍という事になれば、いったいどのくらいの国費の投入が必要になるのか
ですから私は4つの事を緊急に提案したいと思います
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10)4つの提案
※除染については反論があります。
メーカーの知る除染と今回の福島の除染は全く違います。
使うべきは廃屋と、外構業者です。実験をすべきなのです。
バリアフリーとセットで外構を行なうことで、
除染もなされるはずです。
住民にメリットを儲ける事も重要です。
これらはさすがにお医者様の東大教授に要求するのは酷です
私たち現場側の人間からの提案が必要でしょう※
第1に
国策として、食品、土壌、水を、日本が持っている最新鋭のイメージングなどを用いた機器を用いて
もう、半導体のイメージかは簡単です
イメージ化にして流れ作業にしてシャットしていってやるということの最新鋭の機器を投入して
抜本的に改善して下さい
これは今の日本の科学技術力で全く可能です
2番目
緊急に子どもの被ばくを減少させるために新しい法律を制定して下さい
私のやっている、現在やっているのはすべて法律違反です
現在の障害防止法では各施設で扱える放射線量、核種等は決められています
東大の27のいろんなセンターを動員して現在南相馬の支援を行っていますが
多くの施設はセシウムの使用権限など得ておりません
車で運搬するのも違反です
しかしながら、お母さんや先生方に高線量の物を渡してくる訳にもいきませんから
今の東大の除染ではすべてのものをドラム缶に詰めて東京に持って帰ってきております
受け入れも法律違反
全て法律違反です
このような状態を放置しているのは国会の責任であります
全国には
例えば国立大学のアイソトープセンターは
ゲルマニウムをはじめ最新鋭の機種を持っているところは沢山あります
そういうところが手足を縛られたままでどうやって
国民の総力を挙げて子どもが守れるのでしょうか
これは国会の完全なる怠慢であります
第3番目
国策として土壌汚染を除染する技術を民間の力を結集して下さい
これは、たとえば
東レだとかクリタだとかさまざまな化学メーカー
千代田テクノとかアトックスというような放射線除去メーカー
それから竹中工務店とか様々なところは、放射線の除染などに対してさまざまなノウハウを持っていますこういうものを結集して現地に直ちに除染研究センターを作って
実際に何10兆円という国費がかかるのを
いまだと利権がらみの公共事業になりかねない危惧を私はすごく持っております国の財政事情を考えたらそんな余裕は一瞬もありません
どうやって除染を本当にやるか
7万人の人が自宅を離れてさまよっている時に 国会は一体何をやっているのですか
以上です
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質疑応答編
11)放射線の損傷
※放射線による線量は確率論であり、統計的有意を要求される。
事後に、有意は立証される物であり、
その犠牲者はいけにえである。※
(児玉氏)
放射線が人間の遺伝子を傷害します。その時に人間には2万5000の遺伝子がありますが、一定の数のDNA修復に関係する遺伝子、DNAの保護に関わる遺伝子があります。ふつうはこれがやられないと、低線量のものはたいてい問題なく修復されるということがわかった。
だけれども先ほど、
たとえばアルファ線でやられてるP53だとか、それから我々最近、ガンゲノムシークエンスということで、肝臓がんやさまざまなものを遺伝子配列全体を決定して、いわゆるドライバーミューテーションという、最初にがんを作っていく方向に起こってしまう変異が、何で起こるかというのを研究しておりますと、たとえばP53のような、最初のDNAを守っていったり、そういうところに関わる遺伝子を壊すと、がんになるということがわかった。
そうしますと、実際には2万5000のの遺伝子のなかで、どこがやられるかということは、極めて確率論的になってきます。ですから一般にわかるのは、
統計学的に非常にたくさんの人を集めて、たとえばあとでチェルノブイリの時の甲状腺のように、最初はですね、たぶん長滝先生なんかご存知だと思いますが、笹川財団で調べたときに、5万人までしらべたときに有意な差がないといわれた。ところがですね、それが今になってコンセンサスとして、6000人の甲状腺がんと15人の死亡例が生まれているという風に変わってきています。私もともとですね、こういう問題に興味を持ちましたのは、自分はコレステロールの方が専門でして、コレステロールの薬を作る時にも、たくさんの論争がありました。
それで私は医学者として、今一番感じておりますのは、このどこの線量が安全かっていう議論と、国の政治的な関わり方を分けていただいて、国は、ようするにコレステロール論争の時に一番大事だったのは、コレステロールを下げる薬をやって心筋梗塞が減るかどうかという問題、それで今日の厚生委員会でも考えていただきたいのは、学問論争に対して厚生委員会で結論を出したり考える必要は私はないと思っています。
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12)猿橋先生(この人米麦汚染の研究もしていました)とセシウム137
※セシウム137はベータ核種です。ガンマカウンターでも映りますが
ガンマ線源ではないと言う事に注目する必要があります※
国民の健康を守るためにどういう事ができるかという時に、まずセシウム137というのは、自然界には1947年以前に存在していないものです。原発と原爆で生まれて、それが1960年代の初めに水爆実験によってピークになったものであります。
その時に、
猿橋勝子さんという女性研究者が、海水のセシウム濃度が100倍になっているということを微量線量計で確認して、これでアメリカに行って公開実験というのをホルサム博士とやって、これが大気圏内の核実験禁止の大きな学問的根拠になりました。その後セシウムはずっと減ってきていたのが、またそれをはるかに倍する量に今、上がろうとしている時であります。
そうしますとその線量議論の問題を言うよりも、
元来自然界にないセシウム137というのが膨大に巻かれて、ガンマカウンターで簡単にわかるような量に散らばっている。しかもそれが広島原爆の20倍の量撒かれている事態に対して、国土を守る立場から、ぜひ積極的な対応をお願いしたいというのが基本的なお願いです。
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13)除染における問題点
※ぶっちゃけアルファ線が見えないということでしょう
技術がなくては、本当に安全かが見えないのです。
極々当たり前の話です※
(児玉氏)
私が一番申し上げたいのはですね、住民が戻る気になるのは、行政なりなんなりが一生懸命測定して、除染している地域です。
ですから測定も除染もなければ、安全だ不安だといわれても、信頼できるところがありません。ですからこの数値が安全、この数値がどうということではなしに、行政の仕組みが一生懸命測定をして、その測定に最新鋭の機械を投じて、除染に最新鋭の技術を持って、そのために全力でやってく自治体が、いちばん戻るのに安心だと思います。
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14)金属蛋白、トランスポーター
※鉄におけるフェリチンというよりは、トランスフェリンのような物です。
要するに機序をきちんと見ないと話しにならないということです。※
(児玉氏)
ええと入口のほうで基準を決めてても、非常に厳しいと思ってます。
生物学的濃縮というのは、さまざまな元素が体に入るとトランスポーターとか結合タンパクというので、極めて特殊な集積の仕方をしますので、ですからやっぱり出てきた農産物をきちんと見るというしくみを徹底的に作っていかなくてはならないと思います。
そうするとですね、やっぱりラインのようなかっこうで、どんどんイメージとして、その農産物が量がチェックできるようなしくみ、実際にはあるんですが、まだほとんどこういうのの測定に使われていませんので、そういうものを全国の産地に緊急に整備していかないと、今回の稲わらのように、想定外の場所での濃縮事件というのは、自然界では山ほど起こります。
ですからやっぱり出口の、食物の出ていくところでのチェックというのを緊急にものすごく良くするというのが、大事になってきます。
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15)現地に足を運べ
※当たり前のこと※
(児玉氏)
信頼感っていうのは、言葉で説明を聞いて生まれるんではないと思います。私も毎週、南相馬に行っているんですが、南相馬のたとえば方たちが本当に汚染してる学校やなんかを案内してくれるのは、やっぱり一回目じゃないんですよね。
だから支援に来てる人がただ一回だけ来て帰って行ってしまうみたいのは、かえってすごく問題をひどくするだけで、やっぱり本当に持続的にやって行こうとすると、一緒に測って一緒に考えて除染していく、避難されたい方は避難を応援する、そういうのがすごく、大事ではないかと思っています。
それで南相馬に行って私どもが最初に言われたのは、やっぱりさっき言ったその、線量の低いところから高いところへスクールバスで子どもが千人を超え移動させられているということで、それで実際に地域を見てもひとつの学校を見ても、さっきから何ミリシーベルトだったら安全ですかという議論は、わたくし現実味がないと思うのは、
例えば2マイクロシーベルトの学校を測っていても一か所に行くと33マイクロシーベルトなんです。
ですからそういう時にいったい何ミリシーベルトの土地とするかという問題が出てきてしまいますから、やっぱり高いところがあったら必ず刈り取って行きますよと。測って一緒にやっていきますよと。不安があったら相談に乗りますよと。農産物があったら最新鋭の科学機器を集めて最高の検査メーカーが来てやりますよというような体制がない限り、安心できないというのが当たり前ではないかと。
ですからいま求められているのは、最高の施策が福島県民に与えられるように、国会でぜひ考えていただきたいということであります。
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16)法律が突然関係なくなった
※武田教授と同じ事を言ってますね※
(児玉氏)
私、放射線取扱者に1977年になりまして、1995年から放射線取扱主任として、除染と規制に関わっております。それで今まで、科学技術庁告示平成12年から、我々がやらされていたこと一つだけご報告します。
それは、たとえば妊娠可能の女子については、第5条4項で、内部被ばくを1ミリシーベルト以下にする、それから第6条第3項、妊娠中である女子の腹部表面については前項第4号に規定する期間につき2ミリシーベルト。これを規制されてその規制を守るべく、30年やってまいりました。
ところが、福島原発の事故で、広島原爆の20個分の放射線がまき散らされたとたんに、このような基準がすべて反故にされている!さきほど福島県の議員から、どのようにしたら安心かというご質問がありました。
私は、
安全に関しては基準を決めたら、危機になったらそれを変えていく格好ではだめだと思います。いま今年できないかもしれないけども、来年までにその基準に持って行く、再来年までにはこうするということがなければ、住民が安心できるわけがないではありませんか!
そのためには、最初から申し上げている通り、
広島原爆20個分の天然にはないセシウムを撒き散らした東電と政府の施策を反省し、これを減らすために全力を上げる以外に、安心できる解決などありえないです。そのことを抜きにして、どこが安全だという議論をいくらやっても、国民は絶対信用しません!
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17)御老体に聴いても新しい技術は出てこない
※医療機器を応用せよ、センサー自体はあるはずだ※
(児玉氏)
今おそらくやられている[↑]のは、かなり旧式なやり方なんですが、ゲルマニウム半導体というので、周囲を6cmぐらいの鉛で遮蔽した中にものを置いてやられています。
それで今日は半導体の検知器というのはかなり多数の種類が改良されておりまして、
私が最先端研究支援でやっておりますのはPETという、機械でやってるんですが、PETで検出するときには内視鏡の先でも検出できるくらいの感度の高いものを開発しております。
それでそういうのを集めて行って、今やられているのはむしろイメージングに変えている。
ですから、ゲルマニウムの半導体というのはスペクトラムを出して、長いスペクトラムを全部見るんですが、たとえばセシウムに絞って、この線量を見るんであれば、半導体検知器の検出感度がいまずっと良くなってますから、画像型にすることが簡単にできています。
それで、たとえばその一つの画像型のイメージみたいなのは、米軍から供与されてヘリコプタに乗って、地上の汚染をやるのに、今いろんなところで、今日あたりは茨城県をやってると思いますが、検知器で地上を映すようなものがやられております。
それで農産物をたくさんやろうとする場合には、ライン化したところで多数のものをできる仕組みをやらなくてはなりませんから、イメージングの技術を基礎にして半導体を集めたようなもののセンターをたくさん作って、流れ作業的にたくさんやれるようにして、その中でハネるものを、どんどんイメージで、画像上で、これが高いと出たらハネていくような仕組みを、これは既存の技術ですぐ出来ますものですから、それを全力を上げてやっていただきたいと思っております。これを生産地にかなりのところで作る必要があると思っています。
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18)廃棄物ちゃんと決めなよ
※全く困った物です※
今も
汚泥問題、その他すべて問題になっているのはそこであります。それで、しかしながら現在の全国のアイソトープ総合センターなんかは、旧来の法的規制のまんまでなんらのこれらの組織、たとえばゲルマニウムの機械が足りないというお話がありましたが、そんなものは全国にたくさんあります。
ところがそこへの持ち込み、持ち込んだ廃棄物の引き取り、こういうのが法律的にまったくない。だから今も東大のアイソトープセンターでやってんのは全部違法行為だと申し上げました。この場合にはセンター長である私と、専任教官と事務主任の上で審査委員会を設けて、内部でチェックして超法規行為を勝手にやってるっていうのが現状であります。
それで、
そういう法律を一刻も早く変えて、測定と除染というのに(語気荒く)ぜひ立ち上がっていただきたい。それなくして親の安心もないし、しかも先ほどから長滝先生たちが仰っている、原爆型の放射能の常識というのは、これは原発型の場合には全く違います!
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19)がん細胞を殺すということは
※がん細胞には分裂が激しい為に、特異性のある、放射性物質で狙い撃ちが可能です。
(イットリウムによる、体内ホットスポットの作成です)。
普通の人にすれば普通の細胞が障害を受けます。
放射性物質はこれくらい人によっての影響が異なります。※
それから先ほど仰いました、長滝先生のおっしゃった、一過性に核医学で治療をやるというのも、これも形式が違います。
われわれたとえば抗体にイットリウムをくっつけておくと、(振り返って長瀧氏を見て)ゼラリンという医薬がありますが、あれは一過性にもかなりの傷害を起こしますが、それでもがん細胞をやっつけるためにいいからやってるということであって、正常者にこれをやることはとても許されない、無理なものであります。
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20)二次汚染
※除染をするということは放射性物質がなくなるわけではなく流す事です
福島では、阿武隈川と海が最終的に汚染されます。※
それで、ですから私が申し上げたいのは、
放射線総量の全体量をいかに減らすか、
これはようするに数十兆円かかるものであり、世界最新鋭の測定技術と最新鋭の除染技術をただちに始めないと、国の政策としてまったくおかしなことになるんです。
いま我々がやってるたとえば幼稚園で除染します。除染して、高圧洗浄液でやりますと、側溝に入ります。側溝をきれいにしています。
しかしその側溝の水はどこへ行くかというと、下流の農業用水になっています。それで、イタイイタイ病の時の経験は、カドミウムの除染を下手にやりますと、二次被害を引き起こす。ですから国の政策として国民の健康を守るためには、総量の問題をまず考えてください。緊急避難と、ひとつ、総量の問題、ふたつ。これをぜひ議論をよろしくお願いします。