■モンテカルロさんの最新エントリーより
2011年11月27日日曜日
長崎の内部被曝調査を中止した件
>長崎に落とされたプルトニウム型原子爆弾のせいで、内部被曝してしまった人々の健康調査が、なぜか1989年に中止されてしまった「事件」についての報道だ。1989年といえば、原爆投下の1945年から数えて44年分のデータに相当する。
調査は長崎の爆心地から東に2〜4キロほど離れた西山地区にて行われていた。この地区は、山によって爆心地から遮られているので、熱線や爆風といった原爆の力学的な破壊の影響はまったく受けていない。しかし、「黒い雨」だけが降ったという。ということは、純粋に放射能物質の拡散による「内部被曝」の影響だけを調査できる場所だったといえる。
この調査によると、1945−47年には全住民の白血球が増加(一時的だったそうだが)。1969年には、周辺の地域で黒い雨など原爆の影響を受けていない地域に比べ、二倍ほどの放射性セシウムが体内から検出される。原爆投下から、なんと24年後のことだ!
1987年には、西山地区の人々が甲状腺癌などの癌にかかる確率が、普通の人たち(たとえば東京の人たち)と比べて4倍以上に達していた。セシウム137は半減期30年だから、30年経てば安心か、というとそうではないことがこれでハッキリわかる。(同じようにヨウ素131も半減期が8日だから、一週間も経てば安心だ、とは言えないはずだ。半減期というのは、1/2になるまでの時間だということを忘れてはならない。)むしろ、20年後とか30年後あたりから健康被害は始まるのだと思う。そして、50年後あたりで問題が顕在化してくることが、この長崎の調査によって示されているように思う。
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そんな簡単に黒い雨だけで晩発影響が出るのだろうか
・モンテカルロさんに限ってそんな罠にはまるだろうか?
何か裏があるに違いない・・・
・・・怪しい・・・と、言うわけで、
探査すると・・・出てきましたよ。
西山高部水源地(旧)
こんな物が戦前からあったのだ。
そして古いダムは壊さずに新しいダムが作られた。
新聞記事もあった
泥から「黒い雨」の痕跡
2011年05月31日
そして、論文も出た。
西山水源地に残された黒い雨

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■紛れもなく、水源汚染がそこにはあった。
放射性物質の金属イオンは
泥などに結びついて、沈殿すると言う体質があきらめて明らかになった。
■そして
西山水源地は長崎の水がめであった!!!
■これは朗報であり、悲報であり、未来予想図である。
■堆積した汚染物は水を通じて、晩発性の癌の影響を高める
(長期安定供給による取り込みの害)
■堆積した汚染物は堆積によって、放射性物質を閉じ込める
(泥との結びつきが強いから、砂防ダム的なもので、流れ出しを抑える事ができる)
■水源汚染は、微量放射性被曝を起こし
その害は30年後、40年後に現れる。
ただしその死亡率は、増加を認める物の、(統計有意も怪しい)
社会集団を崩壊させるような物ではない
論文中では
セシウムの残存は90ベクレル、
即ち・・・60年前は360ベクレル(たいした事ない?)
でもだまされてはいけない、グラフはよく見ると300ベクレル/kgを超えている
つまり1200ベクレルの泥が
原爆当時あったというわけではあるまいが
多分その数倍(薄まったり溶けたりしたろうから)、で
最大想定を1500としよう。
そして、
㎡辺り65倍の法則を使えば
低く見て20000bq、
高く見て100000bqの汚染があったということになる。
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■
喜べ!!といっていいのだろうか?
薄青(30k-)青い地域(-100kbq)は・・・
恐らく最大、
長崎原爆の黒い雨「だけ」程度の汚染である・・・
飲料水によっては、
>1945−47年には全住民の白血球が増加(一時的だったそうだが)。1969年には、周辺の地域で黒い雨など原爆の影響を受けていない地域に比べ、二倍ほどの放射性セシウムが体内から検出される。原爆投下から、なんと24年後のことだ!
1987年には、西山地区の人々が甲状腺癌などの癌にかかる確率が、普通の人たち(たとえば東京の人たち)と比べて4倍以上に達していた。
西山地区の人たちの飲み水は水源地だったろうし(調査がいるが)
もちろん、水源地の水で農業をしたはずだ。
何より汚泥は、付近の土が黒い雨で汚染された事を示す。
程度の被害が最大値で分かってきた
とりあえず・・・祝うべきだ、
原爆と違って今回は割りと核種も少なく、
セシウム134を防護すれば3年で半分だ。
しかも、長崎では、無防備に地物野菜を食べただろうし、
水源池の水で暮らしただろうし
井戸水も使っただろう。
(短期的には大丈夫だが長期的には汚染されただろう)
ヨウ素を大量に取り込んだ人が
甲状腺がんにかかったのかもしれない。
(一方で甲状腺がんにセシウムが溜まると言う話も
若干ある、しかし真偽不明)
青ではなく水色=福島市大波地区(10万ー30万bq/㎡)は、
どうもそこを一歩超えるラインである・・・
である。

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■
被害は出るが、まあ大分これで安心できる。
貴重なヒントを下さったモンテカルロさんには感謝したい。
ただし、この被害は私が
セシウムの毒性の盲点、で訴えている
セシウムの害による心不全死を含まない。
そして水源汚染は30年は続くと言う事の確固たる証でもある
■山系の汚染はダムの汚泥である程度収まりそうではある。
ただ、閉じ込めてしまえば、その分よいことは明らかである。
勝負の時は今、である。
そして浄水技術が高まっている今
農業用水を抑えれば、
健康被害は大幅に軽減が可能だ。
【追記】
■ちなみに大雨の後のダムの水は土砂のせいで
セシウムが濃いようだ(沈殿状況より)
やはり鍵は沈砂技術であることは間違いなさそうである。
その沈砂技術は江戸時代、成富兵庫の時代から
私たちは有している。
2 2011年10月25日
【過去に学ぶ】足りなかったのは「まずやるか」【除染・・・後の祭り】
■チェルノブイリと比較する事は大事である。
しかし20年以上前の、チェルノブイリの物まねは
世界に恥をさらしているだけだ。
この辺りの分析を控えているわけがちょっと分からない。
■雨と山と広葉樹と水田が多い日本はやはり
違うアプローチによる復興があると考えてもいいと思う。
「黒い雨」程度、過去の日本人は既に経験済みなのだ。
(それ以上でも、それ以下でもないけれど・・・)
【追記終】
Posted at 2011/11/28 16:14:28 | |
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除染ダムと言う発想 | 日記