先週の日曜日は、
京都の他の場所も綺麗だったみたいですね。
雪の時は頑丈ではないので自分は体調を
キープするのはちょっとしんどいので
混む場所は1,2か所で勘弁です。
雪はほんの数度で、その性質が大きく変わります。
空気が冷えると澄む傾向にあります。
そして粉のように舞います。
対して湿ってくるとちょっと雰囲気が異なってきます。
この繰り返しが蔵王で言えば
樹氷のお化けを作ります。
これは蔵王ではなく京都の山奥、ですけどね。
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さて、才媛、清少納言と言う人が平安の世に居ました。
色々毀誉褒貶がありますが…
ちょっと拝借いたしますと
白居易と言う人の漢詩で冬は有名ですね。
日本人の美感覚に
大きな影響を与えた、なんて言われています。
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香爐峰下、新卜山居、草堂初成、偶題東壁
(香爐峰下、新たに山居をぼくし、草堂はじめてなり、たまたま東壁に題す)
白居易
日高睡足猶慵起
小閣重衾不怕寒
遺愛寺鐘欹枕聽
香爐峰雪撥簾看
匡廬便是逃名地
司馬仍爲送老官
心泰身寧是歸處
故郷何獨在長安
(読み)
日高く睡り足るも、なお起くるにものうし
小閣にしとねを重ねて寒さをおそれず
遺愛寺の鐘は枕をそばだてて聴き
香爐峰の雪は簾をかかげてみる
匡廬(きょうろ)はすなわちこれ名を逃るるの地
司馬はなお老を送るの官たり
心やすく身やすきは是帰処
故郷何ぞ独り長安にのみ在らんや
(訳)
お日様は高く上がり、睡眠は十分とったのだが、まだ起きるのが億劫だ。
小さな家でふとんを重ねているので、寒さは気にならない。
遺愛寺の鐘は枕を傾けて聞き、香爐峰の雪はすだれをはね上げて眺める。
匡廬こそは、名誉をのがれる地。
司馬は、老後を送る官としては十分である。
心も身も安らかな所は、すなわち私が帰るべき場所である。
故郷が長安でなければならないわけはない。
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実はそれは隠居/左遷の歌。
「今を楽しみ、目の前の景色を愛す。」
そんな強い意志を感じる歌です。
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雪のいと高う降りたるを
例ならず御格子まゐりて
炭櫃(すびつ)に火おこして
物語などして集りさぶらふに
「少納言よ 香炉峰の雪いかならむ」と仰せらるれば
御格子上げさせて御簾(みす)を高く上げたれば 笑はせ給ふ。
今とは庭の趣も違ったでしょうが
あるいは、風が収まって日が差して
そこには一片の水墨画があったのかも
などと思ったのでした。
また後世からは高慢ちき、扱いですが
中宮定子とは
とても仲の良かった様子がうかがえます。
なおこの御逸話は時期がちょっと不明で
隠棲や(出家騒動が定子にはあります)
何処かに行きたい、という気持ちを
紛らわせたという所に意味があると思うのですが
確かめるすべがないのがちょっと残念かもしれません。
ちなみにこちらが、当日に載せた写真です。
また趣が違うので再掲してみました。
と言う訳で白居易の世界を
ふと思い出したという話です。
尚、雪月花という言葉も白居易が有名で、
いつか見てみたいなあと思っています。
(尚本来の意味は、花鳥風月の様に
綺麗なものと言う意味です。)
雪は花を想起させます。
2012年04月07日
【雪桜VS春桜】2つの桜【新潟VS東京】
雪は春を想起させるのは当然とも不思議、とも。
Posted at 2017/01/17 13:25:10 | |
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