
今日は現場が残業禁止だったので、夜遊びしてみた。
栃木の友人にお願いして、以前からスゴく乗ってみたかった先代アコードのユーロRを運転させて頂いた。
日中~仕事終わりまでは酷い土砂降りで、「試乗日和じゃないよなあ・・・・」と残念に思っていたが、ちょうど夜、迎えに来て頂いたタイミングで雨が止んだ!!!!
友人は女子なのだが、6MTのユーロRに乗っている。しかも黒。
車歴、バイク歴が男前過ぎて、話を聞いていて悶絶した。
イニDで有名な日光・いろは坂まで案内して頂き、3時間ぐらい?に渡って存分にドライブさせて頂いた。
本当にありがとうございましたm(u_u)m
■Honda Accord Euro R (CL7)
私の乗っていたBL5レガシィと同時期・同世代のライバル車にあたるユーロR。
●エクステリア
以前から幾度も書いてきたことだが、私は昔からホンダのデザインが好きで、このCL7も例外ではない。
BL5には思い入れが強いので、今となっては比較が難しいのだが、B4購入当初はデザインだけで言えばCL7の方が好みだった。(FFが苦手なので遠巻きに見ていたが)
特に好きなのがリアビュー。
全体に「潔い」デザインだと思う。
流線型なデザインとか、面の美しいデザインも好きだが、こういう直線とド平面で構成されたデザインも昔から大好きなのだ(だからこそのデルタ・コンプレックスだったりする)。
「腰高」なレイアウトが好みの分かれるトコロだと思うが、私は好きだ。
アコードは歴代、カッコイイと思う。
現行のCUも(デカいケド)ライバル車たちよりもカッコイイと思う。
そうそう、
CL7は2008年の岡山国際でのWTCC観戦時に出走していたのもあって、思い入れがあるんよね。。
●インテリア
過去のいろんなホンダ車のレビューで書いてきたように、ホンダのインパネまわりはかなりオリジナリティがあってアヴァンギャルドなのだが、残念ながらその先鋭性がシトロエンのような洗練されたテクノ感ではなく、子どもっぽい戦隊物っぽい感じなのだが、CL7のインテリアは、ホンダ車では例外的に、オーソドックスで硬派で高品質な感じだった。
ちなみに
現行アコードのCU2も子どもっぽくはない。
シンプルでスポーツセダンらしいセンスの良い内装で、質感はBL5A~Cのプラスチッキーな感じよりもずっと上質に感じたが、単に暗くて良くわからなかったのかもしれない。明るいところでまた見る機会が欲しいトコロ。
写真は取り忘れたが、レカロのセミバケ?が純正装備。
見た目もカッコイイし、適度な硬さとホールド感が素晴らしく、長時間乗っても疲れないのは流石のレカロなのだが、着座位置が妙に高いのが残念だった。
・・・・って、毎回、どのクルマのレビューでも書いてる気がする。着座位置が低いクルマって少ないんだよな。
ステアリングのレザーグリップもとても良い感じ。
ペダルレイアウトが私には残念な仕様。
ブレーキペダルがアクセルペダル寄りにオフセットされていて、左足ブレーキには向かない。
●エンジン~ドライブトレイン
昔から興味がありながら、なかなかFD2やCL7の試乗車を置いているディーラーがなく、今まで自分で運転する機会のなかった、「日本の名エンジン」のひとつ、K20A!
排気量: 1998[cc]
圧縮比: 11.5
最高出力: 162[kW](220[ps])/8000[rpm]
最大トルク: 206[N・m](21.0[kg・m])/6000[rpm]
ボア×ストロークは86.0×86.0の完全なスクエア。
K20Aって高回転型なので、オーバースクエアかと思っていたので、少し意外。
でもビートのE07Aもオーバースクエアとは言え66.0×64.0と、ホンダのエンジンってEJ20なんかほど極端なオーバースクエアではないんだよな。
トランスミッションは6MT。
S2000しかり、MTしか設定のないホンダの男気、商売っ気のなさが大好きだ。
スバルのディーラーさんの話では、現行インプレッサSTIも売れるのはAT仕様のA-Lineばかりだと言うのに・・・・。
ファイナルは4.764とローギヤード。
クラッチペダルは「ノーマル車」としては重めの設定(すぐに慣れたケド)。
最近はチューンドでもクラッチ軽いからちょっと意外。そして好み。
シフトは本当にスコスコ決まって気持ち良い。
昔、S2000(AP2)を試乗したとき、F22Cが「悪い意味での雑味のある直4」ではなく、「ガツンとくるパンチのある直4」だと思った。
今、私が乗ってる
ビートのE07Aも同様に「パンチのある直3」だ。
ホンダのディーラーメカの知人からは、F22CよりもK20Aの方が「血沸き肉踊るド根性系」だと聞いていたので、そういう先入観があったのだが、意外にも「躾の良いエンジン」という印象だった。
K20Aにもいろいろチューニング違いでの方言があるのかもしれないが。
乗り始めは「低回転域から意外とトルクがあって乗りやすい」という印象。K20Aの特性だけでなく、6MTのファイナルも寄与していると思うが。
で、VTECの可変回転数(5700[rpm]?)まではスゴくフラットトルクな印象。
ただ、良かれ悪しかれNAらしいエンジンで、「
VTEC可変域までの」フラットなトルクにはすぐ慣れて、線が細く感じてくる。
2LNAを2Lターボと較べるのはハンデが大きいと思うが、低中回転域に限定すると、夏に友人に試乗させて頂いた
Audi A4 2.0TFSI quattro (B8) なんかと較べるとやはり遅い。
最近のあの手のターボはドッカンターボのカタルシスを捨てて、低中回転域に狙いを絞ってきてるので尚更、差が出るのだろう。
EJ20ターボと較べるのは最早難しいなあ。ノーマルのEJ20のフィーリングをすっかり忘れてしまった。
直4NAとしては現在はホンダが世界最強だと思うが、過去にいろいろ乗ってみた直4の「ド根性系フィーリング」「レスポンス」では
BMW M3のS14エンジンがやっぱり最強かなあ。
もっとも、あまりに古いクルマなので、どこまでノーマルなのか・・・は良くわからないが。
さて、中低速域はともかくとして、
K20AのVTEC可変域(5700?)から上の急加速はものスゴいカタルシスがある。泣ける。
ここからがK20Aの本領発揮!
ああ、コレは昔ながらの「回してナンボ」なホンダエンジンなんだ!!!!と感動できる。
最近のホンダエンジンが低中回転重視なのを非常に寂しく感じているので、久々にかつてのホンダらしいエンジンに出会った気持ち。
結局、
K20Aは高回転を維持しながら、シフトチェンジして繋いでいくのが、きっと正しい楽しみ方なんだろう・・・と強く思ったが、
ローギヤードなのもあり、VTECが効いてしまうとあまりに速すぎて・・・
友人のクルマで遠慮気味だったのと・・・
路面ウエットだったのと・・・
・・・で、今回の試乗、私のスキルでは高回転を維持して繋ぐ・・・というK20Aをきちんと堪能する操作ができなかった。
サーキットで回したらさぞ楽しかろう。
●ボディ、足回り、ステアリングなど
なんかホンダ車のレビューのたびに書いてるような気がするが、昔のホンダ車からは想像できないぐらいドッシリとした剛性感がある。
走行距離5万kmぐらいの個体だが、ヤレてない。
ショックも抜けてない。
ステアリングはタイトでやや重め。
足もタイトで硬めだが、ハーシュネスはきちんと往なしている。
ドッシリ感はあるが、鈍重な感じはしない。かと言って軽薄な感じもしない。
この「スポーツセダン」としての絶妙な味付けは500万円以下のDセグのスポーツセダンの中ではズバ抜けていると思う。
たぶん、世代的なもんもあるのだろう。
CL7は車重が1390[kg]しかない。
この手の「イマドキのDセグセダン」としてはかなり軽い方なのだ。
バランスが良い。
最近の、衝突安全の絡みでどんどん重くなっているクルマにはないバランス感覚だ。
・・・でも、残念ながら「いろは坂」では、クルマの出来の良さとは裏腹に、自分がやはりFFの挙動が苦手だなあ・・・・と思った。
特に上り坂でのタイトコーナーの連続・・・・は、後輪の駆動での姿勢制御ができないのがなんとももどかしかった。
下りはそんなに気にならなかったが。
私のクルマのサイズ的・・・と、自分のFF下手的に、「いろは坂」でもタイトコーナーの連続するところはちょっと苦しい感じだったが、前後の直線とRの大きいコーナーでは本当に気持ちの良い走りをするなあ・・・と。
タイヤは例によってBSのRE-050だった。
レガシィと言い、こないだの
Audi A4(B8)といい、
997カレラといい、RE-050のOEMのシェアって本当にデカいんだな・・・・。
今回の試乗ではウェット路面のワインディングと言っても、無茶はしていないので、良くわからなかったが、B4時代にRE-050にはあまり良い印象をもっていない(グリップ→スライド、スライド→グリップの移行が唐突過ぎて危ない)ので、ユーロRもAD08なんかに換えたらまただいぶと印象が変わるのかな。
左足ブレーキしにくいことは上述済みだが、ブレーキペダルはリニアでコントローラブルなんだケド、タッチがやわらかすぎてダイレクト感に欠けると思った。
ステアリングやクラッチペダルなど、他がタイトで重めなので、ブレーキペダルだけがソフトなのが余計に目立った。
たぶん、パッドを換えるとか、マスターシリンダーストッパーを付加する・・・とか簡単なことでフィーリングは変わるんだろうが。
●いろは坂
マンガではおなじみだが、スゴいテクニカルコースだった。
上り(「第二いろは坂」?)のタイトコーナーの連続もリズムが掴みにくくて難しいし・・・
下り(「第一いろは坂」?)は、延々と続く、かなりキツい下りとヘアピンの連続。
裏六甲の一部の難所が、いろは坂ではずっと繰り返される・・・という印象。
特に下りは、ストレートが十分にない状態でヘアピンが現れるので、ターボよりNAが有利に思えるし、何より車重が軽いこと、タイトに良く曲がることが重要なコースだと思えた。
マンガのせいで、ランエボなイメージが強かったが、実際に走ってみたらシビックだとかの方がイメージしやすかった。
そんなこんなで、ビートで走ったら、どんだけ面白いことだろう・・・・と。
特に下り(「第一いろは坂」?)。
エンジンパワーのハンデはないし、フロント荷重かけられるし、軽いのでブレーキには優しいし・・・・。
ちなみに、日光ドライブでは何匹もの鹿(←かなりかわいかった)に遭遇したり、テン?イタチ?にも遭遇した。
●おしまい
楽しすぎるドライブだった。
食事までごちそうになり、本当にありがとうございましたm(u_u)m
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