
ブログエントリ:「
【試乗】BMW i3 (I01) 前編」
の続き。
「運転してみて」編。
■BMW i3 (I01) 後編
●パワートレイン
↑パワートレインはi-MiEVのようにリアに配置されているのだが、全く見る/写真を撮ることができなかった。
リアのハッチバックを開けて、フロアをめくっても、見えるようになっていない。
地面に寝そべって、リアバンパー底からのぞけば、ひょっとすると見えるのかも知れないケド、夜で暗かったし、コンビニの駐車場だったのでヤメといた。
↑Click!
↑haji.家で充電中の図。
AC200Vがあれば、特に追加施工をしなくとも、借りた充電器を取付/充電できるらしい。
↑外出先での急速充電用には、右後部座席の後ろに、モロ「給油口」的な充電ポートがあった。
●モータの特性
(BMW公式サイトから引用)
型式: P250
種類: 交流同期電動機(IPMね)
定格出力: 75.0(←????)
最高出力: 125[kW](170[ps])@5200[rpm]
最大トルク: 250[Nm]@100~4800[rpm]
↑ i3のモータのトルク・出力特性図。
「定トルクモータ」のトルクカーブ、出力カーブってだいたいこういう形なのだが、ちょっと良くわからない点がいくつか・・・。
基本的に「定トルクモータ」って基底回転数(※ここでは4800[rpm])以上は、「定出力領域」なので、出力[kW]は、4800~8000[rpm]で横一文字となるのだが・・・
この図では4800[rpm]から上は垂れ下がっている。
4800~8000[rpm]が定出力領域だと「仮定」すると、4800→8000[rpm]間は、回転数に反比例してトルクは垂れ下がるのだが、
定出力=75[kW]で計算すると、トルクは89.6[Nm]@8000[rpm]。
定出力=125[kW]で計算すると、トルクは149.2[Nm]@8000[rpm]。
でも、トルク・出力特性図からは約125[Nm]@8000[rpm] ぐらいの感じなので、75[kW]も125[kW]も不正解。
線図どうり、105[kW]@8000[rpm]で計算すると、確かに125[Nm]@8000[rpm] なので、やっぱり4800~8000[rpm]は線図どうり、出力が垂れ下がるんだろう。
珍しい特性だなあ・・・。
イマイチがわからんのが「定格出力:75」。
単位も書き忘れてあるが、おそらく75[kW]なんだろう。
定格が75[kW]とすると、149.3[Nm]@4800[rpm]、137.8[Nm]@5200[rpm]なので、線図や「最高出力」「最大トルク」とは全く異なる値となる。
・・・ということは、
最高出力: 125[kW](170[ps])@5200[rpm]
最大トルク: 250[Nm]@100~4800[rpm]
線図
は、過負荷の特性か。
過負荷は連続運転時間に限度があるので、そう記載すべきなのだが、産業用モータと違って、自動車では加減速が頻繁にあって、最高速トライでもしない限り、最大出力や最大トルクを連続させないから良いのかな?
●加速
モータの特性上、低速回転から最大トルクを発揮するので、
発進時(極低速)からの加速はスゴい!
クルマも
比較的軽い(1260[kg])し、
リアエンジンの後輪駆動でリアにトラクションがかかるので、かなりパンチの効いた加速が可能。
●減速
※メカブレーキとの絡みがあるから後述。
●足回りとかボディとか
155/70R19!
ホイールは5J。
大径ホイールに、極細タイヤ。
二輪車のようだ。
「転がり抵抗軽減」と、あとは「パワートレインのダウンスピーディング」なのかな?
↑フロントサス。(リアはカメラを挿入する隙間がなく撮影できず。暗かったし)
・・・
ダンパーが車高調に見えるのだが???
諸元表によると、
フロントがマクファーソンストラット。
リアはマルチリンクらしい。
フワフワしない硬めの足なのだが、いわゆるBMW的な味付けとは少し異なる。
BMWって、歴代3シリーズなどでも、とにかく剛性感を強く打ち出して、
「ドーンと重いケドガッシリしたボディを、硬い足でシッカリ支える」
という味付けがなされている・・・と思っているのだが、
i3はもっと、軽快というか、レスポンスの良いキビキビした気持ちのよいステアリングを楽しめる。
(・・・いや、
3シリーズ

なんかも運転していてかなり楽しいのだが)
仮に、3シリーズあたりと同じ固有振動数(共振周波数)を狙ったとしても、車重が70%ぐらいなので、バネレートも70%ぐらいに下げられる。
ステアリングのシャープさって、サスペンションの理論本では固有振動数で語られることが多いケド、さすがに同じ固有振動数だとしても、車重もバネレートも70%だと、乗り味は変わるだろうなあ。
i3も
S660

なんかと同じく、
EPS(電動パワステ)に全く違和感がナイ。
適度に重く、タイトに動く。キモチ良い。
最近の「マジメに作ったクルマ」のEPSは本当に良くなったと思う。
運転してみる前は、i3も背の高いクルマなので、先日の
アルト・ターボRS

試乗のような、「重心高」による怖さを感じるのかな?
・・・と少し心配していた。(三菱iなんかも、とにかく重心高によりコケそうで怖かった)
しかし、全く問題なかった。
むしろ低重心感があるぐらい。
そもそも、
ルーフはカーボンだし、バッテリーは床下だし、パワートレインの搭載位置も極めて低いので、一見、背が高いケド、かなり低重心。
そして、「そこらへんの軽自動車」や「そこらへんのコンパクトハッチ」と違って、足が硬めでシッカリしているので、ロールが小さい。
更に、シートのホールド製も良いし、着座位置も低めだから・・・・
・・・本当に、i3、とても良くできていて運転が楽しい。
↑フロント・ブレーキ。
↑リア・ブレーキ。
フロントブレーキはベンチレーテッド・ディスク。
リアもBMW公式サイトの諸元では
「主ブレーキ形式(前/後): ベンチレーテッド・ディスク」
と書かれているのだが、そうは見えないなあ・・・・。
そもそも、回生での制動比率高いし、ベンチレーテッドディスクって必要なのかなあ?(メカブレーキの放熱の必要性?)
少しでもバネ下を軽くする方がベターにも思えるんだケド、素人考えなんだろうなあ。
プリウスなんかも「フロントは」ベンチレーテッドディスクだからなあ。
いや、ちょっと待て。
BMW公式サイトの諸元表の
主ブレーキ形式(前/後): ベンチレーテッド・ディスク
って、
前:ベンチレーテッド
後:ディスク
って意味?
いや、それだと
主ブレーキ形式(前/後): ベンチレーテッド・ディスク/ディスク
と書くべきだよな。
アクセルオフ時の回生制動は結構ガツンと効く。(でも変な違和感はなく、すぐ慣れる)
・・・で、
減速時に回生音が「キュルキュル」言う。
トヨタはハイブリッド車で、徹底的にこの回生音を消すよう努力していたが、BMWはそのあたり大らかなのだな。
個人的にはそんなに不快な音だとも思わないし、テクノな感じでOKだと思う。
どこまでが回生で、どこまでがメカブレーキによる制動か、全くわからない、上等な協調制御だという印象。
ガツンとハードブレーキングしてみると、前荷重となる。
パワートレイン、後ろにあるし、もっと後ろが沈んだり、4輪で制動して車体がまっすぐに下に沈むかな?・・・と期待したのだが、残念ながら前荷重。
でも、沈み方が、
(↑↓) →進行方向
ではなく、
(→↘) →進行方向
(※わかりにくい表現だが、フロントサスが、下に沈む感じではなく、制動時に慣性により車両全体の重量が、進行方向にドーンと前方向にかかるイメージ)
フェンダー内補強を追加したりして、前後方向の剛性が上がったクルマの動き。
i3はBMW特有のドーンとしたボディ剛性感をゴリ押しした演出ではナイが、キチンと剛性があることを感じられる。
ちなみに加速時はある程度リアが沈む。
BMWは「後輪駆動感の演出」のために、ほとんどのモデルで意図的にリアの沈みこみを大きくしてると思われるが、i3もその方向性。
でもリアにモータがあるにも関わらず、他のBMWほど過剰演出ではナイかも。
●まとめ
↑Click!
「前編」にも書いたように、このi3はhaji.が「モニター試乗」してる車両で、haji.がオーナーってワケじゃないから、そんなに遠慮せずにレビューできるんよね。
でも、
見た目も好みだし、運転していてもとても楽しいクルマだった。
かなり気に入った。
できればワインディングなんかも試乗してみたいと思えた。
最近は日本のメーカ、日本の産業を応援しているので、海外製品がこんなにイケてると困るのだが・・・。
haji.くん、そしてhaji.くんにi3貸してるBMWジャパンさん、ありがとうございましたm(u_u)m
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