マクロは、
はそ@GDB-C specCさんの影響で、実走ログデータの整理に私も覚えたいなあ・・・と思っていたのだが、たまたま仕事で覚える必要があったので、1/14に本を買ってきて覚えた。
条件付書式による色つけの自動化だとかは、プログラムの知識がなくても作れてしまうんですね。素晴らしい。
プログラムもVB素人の私にも簡単だった。
マクロには、
・ヘッダ文字列の90度回転
・各項目の条件付書式による色分け
・Engine Speed Difference (rpm)の列挿入・計算→値入力
・Engine Speed Acceleration (rpm/msec)の列挿入・計算→値入力
・Engine Speed Acceleration Avr (rpm/sec)の列挿入(これは計算は手で)
・Throttle Opening Angle Difference (%)の列挿入・計算→値入力
・Real Vehicle Speed (kph)の列挿入・計算→値入力
※
タイヤサイズ変更に伴う、メータ読みの97.9%補正
・列幅の補正
などを基本機能として実装している。
これらは、今まで時系列でログを見ながら手作業で行っていたので、ショートカットキー一発で自動処理されるようになり、涙ちょちょぎれ。
↓マクロにより整列された様子
で、以下、更に魅惑の機能を実装。
fileNiceでダウンロードした「Log file Interpolation ver3p6L」というExcelマクロに、
実走ログからトルク・出力を演算する機能があったので、解析し、自分でもマクロを組んでみた。
どうもUK人が作ったっぽく、単位系をSIやJISに直すのが大変だった。
図はマクロ処理したExcelから該当箇所のみを抽出したサンプル。
「Log file Interpolation ver3p6L」のアルゴリズムが信頼できるものかは定かではないが、解析した結果、およそ以下の演算を行っている。
・Time:測定値
・Engine Speed [rpm]:測定値
・Throttle Opening Angle [%]
これは「Log file Interpolation ver3p6L」にはないが、スロットル全開のときのみ計算したいので、目安として
・Vehicle Speed [kph]:測定値
・Real Vehicle Speed [kph]
タイヤサイズ変更に伴う、メータ読みの97.9%補正
・Real Vehicle Speed [mph]
「Log file Interpolation ver3p6L」は単位を[mph]で計算しているので、[kph]→[mph]変換。
mph = kph ÷ 1.61
・Real Vehicle Speed Acceleration [kph/msec]
加速度算出
現在行をyとすると
(Real Vehicle Speed[ y ] - Real Vehicle Speed[ y-1 ]) ÷ (Time[y] - Time[y-1])
・Rough Acceleration [Gs]
[Gs]という単位が何なのか、まだ調べてないが、加速度の単位。[G・sec]なんだろか?
Mph Acceleration = Real Vehicle Speed Acceleration ÷ 1.61
Rough Acceleration [Gs] = Mph Acceleration * 45.5486542443
・Smoothed Acceleration [Gs]
ロガーのサンプリングレートの遅さもあり、値にガタツキが生じてしまう。
例えば、前行で大きめの加速度を記録したら次行では小さかったり。
で、スムージング処理。
ExcelのTREND関数を使っている。
画像の例だと、
Smoothed Acceleration [Gs] (I8) = TREND(H8:H11,A8:A11,A8)
のように、4行での加速度変化の傾向を計算し、フィードバック。
※元ネタの「Log file Interpolation ver3p6L」では6~8行と長めのスムージングをされてた
で、いよいよトルク計算だが、その前に、計算条件として以下のパラメータが存在する。
・Weight [lbs]
「Log file Interpolation ver3p6L」では、
Legacy 2006:3400[lbs]
Delta Weght:360[lbs]
となっている。
考えるのが面倒だったので、私もこのままの値を使っている。
ちなみに、Delta Weightには、タンク内ガソリン重量や、人・荷の体重を
代入する。
1[lbs] = 0.453593[kg]なので、デフォルト値を[kg]換算してみると、
Legacy 2006:1542[kg]
Delta Weght:163[kg]
計:1705[kg]
となっている。
私のBL5A(2003)は1460[kg]で、私のB4はトミーカイラのFRPバンパーで
だいぶ軽量化しているが、新生児用のチャイルドシートと幼児用のチャ
イルドシートを積載しているので・・・・うーん、どうなんだろう。
タンク内ガソリン量を考慮しても1705[kg]ほど重いとも思いにくいので、
1705[kg]で計算しているトルク・出力値は少し高めに計算されていると
思う
→1705[kg]は車両総重量だった(諸元より)。よってこのままの計算でほぼOK。
・C1(補正値)
Inertia Calibration Constant
「Log file Interpolation ver3p6L」では、Legacy 2006で0.2とされている。
wheel dia [inch]、ギア減速比などから算出されているようだが、その算出
式がわからないのが気持ち悪い。
ころがり抵抗なんかも入ってるのかな?
一応、ギア減速比は1.296と、BL5Aの3速の減速比で計算されているみたいな
ので、C1=0.2は、BL5Aでも割と信用できそう。
・C2(補正値)
aerodynamic calibration constant
「Log file Interpolation ver3p6L」では、Legacy 2006で0.012とされている。
これも補正値の算出式が不明なのが気持ち悪い。
おそらく前面投影面積と関係する値と思われる。
・Cd(空気抵抗)
「Log file Interpolation ver3p6L」では、Legacy 2006で0.29とされている
が、B4は0.28なので、私は0.28で計算。
スポイラーなどを追加している場合は適当に補正が必要。
で、ようやくトルク計算・出力計算
■Torque
※「Log file Interpolation ver3p6L」には単位が書かれていないので、[N・m]だと思っていたが、[lbf・ft]だったorz....
だいぶと苦労したぞ
Torque[lbf・ft] = (C1 × weight[lbs] × Smoothed Acceleration [Gs])
+ (C2 × Cd × Real Vehicle Speed [mph] ^ 2)
Torque[N・m] = Torque[lbf・ft] × 1.3558
Torque[kgf・m] = Torque[N・m] ÷ 9.80665
■Power
Power[kW] = Torque[N・m] × Engine Speed[rpm] × 2 × 3.14 ÷ 60000
Power[ps] = Power[kW] ÷ 0.7355
↓こんな感じになる
3速800[rpm]あたりからスロットル全開での実装ログ。
ECUセッティングは以下のもの
[MOE_027a] 整備手帳:
【【ECU】排気系純正での最終ECU(その1)
[MOE_027b] 整備手帳:
【ECU】排気系純正での最終ECU(その2)
[MOE_027c] 整備手帳:
【ECU】排気系純正での最終ECU(その3)
で、得られたトルク・出力をグラフ化するとこんな感じ。
絶対値はともかく、トルクの谷などを探すにはもってこいっすな。
シャシダイも絶対値を測定できるものではないと聞くし。
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