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2012年10月28日 イイね!

先日試乗のBMW528iは直4(XG28)ではなく直6(FR30)でした

先日試乗のBMW528iは直4(XG28)ではなく直6(FR30)でした先日、試乗記を掲載したBMW 528iは、試乗後の調査で、2L直4ダウンサイジング直噴過給(XG28)だと思ってブログ本文を書きましたが、コメント欄でのご指摘により、マイチェン前の3L直6NA(FR30)であることがわかりました。
※ご指摘ありがとうございます。お恥ずかしい限りです。


ブログエントリ: 「【試乗】BMW 528i(XG28→FR30)

↑訂正文だらけで読みにくいエントリとなってしまいましたが、良ければご確認ください。


エンジンの雑味=振動について、かなり酷評しておりましたが、直4ではなく直6だとすると、もっと救いようがない・・・・ということになるのですが、まずは、直4BMWオーナーの方々への失礼をお詫び申し上げます。




試乗記関連目次はこちら
Posted at 2012/10/28 12:45:35 | コメント(0) | トラックバック(0) | 試乗記 | クルマ
2012年10月19日 イイね!

【試乗】BMW 528i(FR30)

【試乗】BMW 528i(FR30)会社の会長がつい最近購入した黒いBMW Z4がオカマを掘られた。(相手ドライバーは女性)

新車で買ったばかりのZ4をぶつけられた会長もとても気の毒だが、「ビカビカの黒いBMWのクーペ」にぶつけた女子にも同情するなあ・・・・。
おまけに、その事故現場にたまたまレジアスエースで通りがかったのが、ウチの会社でも最もコワモテのスキンヘッド+ヒゲのスタッフで・・・。(私も坊主+ヒゲだが、そんなにコワモテじゃない)



で、板金修理の間の代車としてBMW 528i(XG28、現行型)が届いた。
代車はいつまでもあるワケではないので、急いで試乗させて頂いた。(ありがとうございます)


■BMW 528i(XG28FR30



●エクステリア

デザインは賛否あると思うが、先代のバングル色の強いエグいデザインも悪そうで良かった。

現行のこのデザインは、発売当初は「なんかカッコ悪くなった」と思っていたが、最近は見慣れた。
個人的にBMWのクルマはほとんど、発売当初はカッコ悪く見え、だいぶ経ってから(場合によっては10年ぐらい経ってから)カッコ良く見えてくるので、私の感性が常に遅れてるんだろう。

ただ、デザインも、あんまし高級車っぽい「押しの強さ」には欠ける気がする。



先日も何かのブログエントリで書いたような気がするが、現行フーガのデザインは、中国市場を強く意識したものだそうだ。
先代のフーガが中国でヒットしたので、「現在もっとも高級車の売れる」中国市場、中国人の好きなデザインにしたそうだ。

先日レビューしたレクサスGSも、初代→2代目のデザイン変更のテイスト変化はフーガに酷似している。

つい先日発表された新アテンザにも当てはまる。
追記: 2012.08に初公開された新型のUSDMアコード(日本で言うインスパイア)もモロにコレにあたるね。

追記: そういえばVWパサートも現行は先代に較べ同様の傾向だ。


この話を上司にしたら、「フェラーリ430→458イタリアも該当するのでは?」と言われた。確かに。

どうも、中国市場で受ける高級車デザインというのは、

 ・流線型
 ・ただしエッジは効かす
 ・デブはイヤ(ボリューム感不要)


なんじゃないかと思う。

そういう視点からこの現行BMW5のエクステリアデザインを見ると、なんか合点がいく。
きっと中国人ウケを狙ったんじゃなかろうか?

先代のバングル色全開の5シリーズも、ある意味エキゾチックで、なんか中華なイメージもあるのだが、ボリューム感があり過ぎなんだろう。


R35 GT-Rが中国で人気あるらしいケド、GT-Rは「流線型」でもないし「デブ」なので、上記基準には全く当てはまらないので矛盾が生じるが、「高級セダン枠」じゃないのでまた違うのかもしれない。


・・・もっとも、私は最近はあんましカーデザインに詳しくないので、以上の話は話半分で。




リアビューはなんだかんだでBMWらしくてカッコイイと思うのだが、なんか3シリーズとの見分けがつきにくくなった。
エンジンは「ダウンサイジング」しても、ステータスやオーラまで「ダウンサイジング」しなくても良いと思うのだが・・・。


「バングル・ブット」はヤメたのか、それとも目立たないほど全体デザインに溶け込ます方向にシフトしたのか?
空力的なメリットがあるので、おそらく後者なのだろう。実際、トランクリッドの位置は高いし。



●インテリア



相変わらずのBMWの洗練されていないインテリア。
インテリアデザインと、質感・仕上げのクオリティではメルセデス、Audiに圧倒的に負けてる。

「BMWが金をかけているのはそういう部分ではないですカラ」・・・なのだが、この528iはメカ的にもイマイチだと思う。(※後述)




先日のレクサスGS450hと同じく電動のチルト・テレスコのステアリング。
この電動テレスコのストローク範囲がスゴく長くて、これには感動した。
私は左足ブレーキの関係からシートポジションがかなり後ろなのだが、このストロークの長いテレスコ・ステアのおかげで、ステアリングが適正位置で使える!これははじめての体験。




問題はこのテクノなシフトレバー周辺。
全く直感的に使えない。

「Pの解除は?」
「どうしたらDに入れられるのか?」
「今はどの状態?」
「パーキングブレーキの解除は?」

・・・イチイチ、考えて、いろいろ試してみて「ああ、こうか・・・」といった始末。

HMIの進化のためにはどこかで「過去の慣習」を棄てて乗り越える必要があるのだが、このシフトレバー周辺に関しては、単にわかりづらいだけであまりメリットを感じなかった。
(見た目はすっきりしてて良いケドね)


ティプトロのマニュアルモードは、「押し」がシフトダウンで、「引き」がシフトアップ。
これについてはいろんな意見があって、こっちの動きの肯定派もいるケド、個人的には「押し」がシフトアップで「引き」がシフトダウンのクルマの方が世の中には圧倒的に多い(ウチの307SWも)ので、どうなのかなあ・・・と。(※実際私は誤操作しまくりだった)




ABペダルは普通のレイアウトなのだが、オルガンタイプのアクセルペダルのストロークがすごく小さい。
エンジン~ドライブトレインの章で後述するが、ストロークが短くて遊びがない上に、低速トルク重視なので、パーシャルコントロールがしにくく、非常に危険。
ペダルタッチは悪くないのだが・・・。





●エンジン



↑最近、デフォルトでタワーバーが入ってるクルマも多いケド、ドイツ車では特に、デフォルトでこの斜めの補強バーが入ってるクルマが多いネ。
私のビートにもオクヤマのタワーバーを斜めの補強バー付で投入しているのでウレシクなってしまうではないか↓。





※以下、試乗後に528iの諸元を調べて「ダウンサイジング2L直4直噴ターボ」なのか・・・と思い、一旦インプレを書きましたが、コメント欄で直6とご指摘を頂きました。
調べてみると、マイチェン前は3L直6NAでした。

黄色文字+打ち消し線: 訂正前(直4との誤解時の文章)
水色文字: 訂正後(直6と理解してから)
です。


さて、528iのエンジン。

エンジン型式: N20B20A
直列4気筒DOHC直噴ターボ
排気量: 1997[cc]
圧縮比: 10.0(←最新のターボにしてはまだ低い?)
ボア×ストローク: 84×90.1[mm]
最高出力: 180[kW](245[ps])/5000[rpm]
最大トルク: 350[N・m](35.7[kg・m])/1250~4800[rpm]

8AT


 ↓訂正

エンジン型式: N52B30A
直列6気筒DOHC
排気量: 2996[cc]
圧縮比: 10.7NA(←イマドキのNAにしては低い?)
ボア×ストローク: 85×88.0[mm]
最高出力: 189.8[kW](258[ps])/6600[rpm]
最大トルク: 309.7[N・m](31.6[kg・m])/2600~3000[rpm]
8AT




エンジンは意外と雑味が多かった!とにかく雑味が多かった!!!!


文句ナシに「高級車」(715万円!)なのに雑い。

てっきり勝手に「シルキーシックス」だと思って乗っていたので、「直4みたいな雑味だな」と思ったら、後で調べてみたら直4だった。
5シリーズまでしっかり「ダウンサイジング」だったのね。

「高級車」のエンジンの排気量にこだわる馬鹿はアメリカ人と日本人だけ・・・・と何かの本で読んだケド、個人的には、排気量は小さくても良いが(軽いし)、雑で振動の多い直4はダメだと思う




ダウンサイジング2L直4は、もちろん直噴、ターボ。バルブトロニック(無段階可変バルブ・リフト)!ダブル VANOS(吸排気無段階可変バルブ・タイミング)!

まあ最近のダウンサイジングの直噴ターボらしく、ターボ臭さは皆無なので、予備知識ナシで乗ると、やたらめったら低速域で加速力のある、切れ味の鋭いNAにしか思えないフィーリング。

→ 「切れ味の鋭いNA」でした(笑)
バルブトロニック(無段階可変バルブ・リフト)!ダブル VANOS(吸排気無段階可変バルブ・タイミング)であることはマイチェン前のN52B30Aも同じらしい。


「トルクフル」ってテイストじゃないケド、シャープだ。
このあたりは秀逸なのだが・・・



シャープだケド、雑味が多いのが個人的にはやっぱり違和感。
スバルのEJ20ターボは4気筒ながら水平対向なので、やっぱり振動が少なく、同じようにシャープに加速しても、滑らか。

ゴルフGTIやTTクーペの2.0TFSIだってもっと素性の良さを感じる。

EJ20や2.0TFSIはエコ過給じゃなくスポーツエンジンなので、その方向性は異なるが、それにしたって直4自体の振動問題は過給圧や圧縮比とはまた別の問題だろう。

ウチの307SWのEW10/Dはトルクのない、GDI時代のダメ直噴だが、直4にしては素晴らしく振動の少ないエンジンなので、「PSAごときが作った」「307SWごとき」の直4に、「バイエルンのエンジン工場」が作った「高級車5シリーズ」の直6エンジンが振動面で負けているのがとても残念というかダメだと思う。

そのPSAも今やBMW製の直4ダウンサイジング過給を搭載して「BMW製のエンジンだから信頼性抜群です!」ってプライドのない営業してるので(アホめ)、なんか混沌とした残念な情勢だなあ・・・と思う。


BMWって、バルブトロニックとか、ダブルVANOSとか、直噴とか、ターボとか、ヘッド周りや補機類には力入れてて、実際に圧倒的にテクノロジーでリードしてるんだケド、直4そのもの(=腰下というべきか)の素性にはあんまし頑張ってないのかな?
→ スミマセン。直4ではなく直6でした。だとすると、こんだけ雑味=振動があるのは、論外なのだが・・・・?


そういえばE90の320iの直4NAなんかも雑味だらけの非力なエンジンだった。
E30 M3の直4NA(S14)は神エンジンのひとつだが、「雑味」って感じじゃなく「パンチ!」って感じの振動だし、超絶レスポンスだケド、「振動の少ないエンジン」ではないしなあ。

そう考えてみると、生まれてこのかた、「雑味のないBMW製 直4エンジン」って体感したことない。→ 今回の528iは直4ではなく直6でしたが、「雑味のないBMW製直4を体験したことない」のは事実。
直4での雑味のなさでは今乗ってるプジョー307SWのEW10/Dがもっとも雑味がない。
EW10/Dが良いエンジンだとは決して思わないケド、これは評価できるなあ。。。

高性能と振動の絶妙なバランスはやっぱりホンダのK20Aだと思うので、やっぱり直4の技術はホンダが世界最強なのかな?
・・・もっともK20Aももはや過去の遺物なので、ホンダの評価も難しいのだが・・・


「ロングストロークだと振動面で不利なのかな?」とも考えたが(EJ20はオーバースクエア、K20Aはスクエアなので)、EW10/Dはロングストロークだしなあ・・・。


個人的な結論。
「BMWは直4エンジン腰下の技術は他に劣る」
※BMWの「非スポーツ直4エンジン」をお使いの皆様ゴメンナサイ。。。

→ 現在もあんまし思ってることは変わりませんが、今回の528iが直4ではなかったので、とりあえず今回の結論づけはタイミング的に間違っているので取り消します。




ただし、繰り返しとなるが速いのは速い。とくにスタートダッシュ。低速からのレスポンスは鋭い。
モードをSとかS+?にしなくてもベタ踏みすれば結構なレスポンスで回転上昇し、きっちり7000rpmまで引っ張ってくれる。

オルガンペダル形式のアクセルペダルのストローク量が少ないから余計にそう思う部分もあると思う。
本当にストローク範囲が狭く、遊びのないペダルなので、パーシャルがない。
微妙なコントロールがしづらい。とても危ない。





↑吸気系の周辺。手前のはEGRクーラーかな?オルタネータはDENSOだった。


→ 「実は今回の528iが直4ダウンサイジング直噴過給ではなく、マイチェン前の直6NAだった」・・・とわかり、余計に混乱。
直6は「理論上」二次振動がゼロになるので、直4と較べて遥かに振動=雑味が少なくなる。
つまり、プジョー 307SWのEW10/D(=直4)よりも振動=雑味の多い、この528iのN52B30A
(=直6)は本当に「論外」・・・ということになる。

もちろん国産のRBなんかにしてもそうなのだが、過去に運転してみたり、助手席に乗ったりしたことのあるBMWの直6はどれも、エンジンの存在感がなくなるほどキレイに振動なく回っていた。
では、何故、このN52B30Aはダメなのか?

「それじゃ『試乗記』にならねーだろ!」
とツッコミが入りそうだが、個人的にはこの「レンタカー」のメンテナンスに問題があるのではないかと思う。
エンジンオイルをずっと換えない。ATFをずっと換えない。・・・・これだけでもエンジンのフィーリングはかなり悪化する。雑味も増える。

「レンタカー」なので、これまでにこのクルマを貸した人の扱いが非常に悪かったのかもしれない(でも、だとしても、クオリティ管理はその後のレンタカー業者に依存するのだが・・・)





●ドライブトレイン

8速AT(ティプトロ)。

トルコン臭いワケではないが、DCTのようなカッチリ感もなく、まあ、良くできた、それなりに精度の良さそうなトルコンATという印象かなあ。
軽く回る印象はある。
ただし、トルコンATでは今まで乗った中では987ケイマンSのティプトロと、CUアコードのフィーリングが良かった。

8速ATなので、「アイシンAW?」と思ったが、どうもやっぱりZFらしい。



●ボディとか足回りとか



Audiといい、VWといい、メルセデスといい、ここ10年間、どんどん剛性感強調よりも軽快・シャープ・緻密なフィーリングにシフトしていってる・・・とは過去のドイツ車の試乗記でも毎回書いてきたが、その中で、硬くなに「剛性感!!!」を譲らなかったのはポルシェとBMWだと思っている。

ところが、この528iに関しては、特にBMW特有の「これみよがしな剛性感」がない!
フツーのクルマだ!
Audi系のシャープさ、緻密さを強調したワケでもなく、単になんか中庸なテイストになってるではないか・・・。

また、BMW特有の「FRアピールを強調したリアのトラクション」があるワケでもない。
もちろんシッカリと剛性感はあるし、リアのトラクションもあるのだが、過剰な演出がない。

なんてこったい!!!!


基本的に直線路での試乗だったので、コーナリング性能とかはわからないが、やはり車重(1770[kg]。重い!)による横Gは強い。



ステアリング操作→ノーズの動きに対して、リアが応答遅れ・・・というよりは、リアが抵抗するようなフィーリングを若干感じた。
オデッセイのようなロングホイールベース車の「ケツが遅れてついてくる」という感じではなく、「リアがフロントを無視する」感じ?
それでオーバーやアンダーが出るというワケでもないし、どちらかというと「リアのトラクションが勝ち過ぎていて、リアが粘っちゃってる」というべきだろうか?
何回か信号で曲がったりレーンチェンジした程度なので、もっと乗り込むとそんなに対して気になる問題じゃないのかもしれないし、高速コーナーなんかでは良い味付けなのかもしれない。




●総評


全体的に、意外と普通のクルマだな・・・という感想。

ちょっと加速が鋭いだけで、乗っていて高級車としてのステータスも感じなかったし、高級車に見合ったクオリティの高さも感じなかった。
近年のメルセデスのような「完成度高すぎて逆に無味無臭」というのともまた違って、単にそこまでクオリティが高いとも思えなかったし、低いとも思えなかった。

「BMWのバッジが付いた、大きい普通のクルマ」

エンジンの振動以外は、そこまで酷評するほど酷いワケではなく、最低限のクオリティは流石に確保されているのだが、個人的にはこれが715万円もするとは思い難く、200万円ぐらいの印象だった。譲歩して240万円。
(まあ、「バルブトロニック Inside」っていうだけで+50万円ぐらいの価値はあると思うが)



試乗記関連目次はこちら
Posted at 2012/10/19 23:53:26 | コメント(7) | トラックバック(1) | 試乗記 | クルマ
2012年09月21日 イイね!

【試乗】Lexus GS450h (GWS191) ※三度目長文レビュー

【試乗】Lexus GS450h (GWS191) ※三度目長文レビュー過去(2007年)に2度レビューを掲載している社長車のレクサス GS450h。

ブログエントリ「2007.05.09 【試乗】Lexus GS450h
ブログエントリ「2007.09.11 【試乗】Lexus GS450h再び

先日(・・・といってももう一ヶ月近く前だが)お借りして、大阪←→神戸間の往復したので、5年ぶりにレビューしてみる。

5年も経てば私の評価基準も、ブログの表現手法も変わるワケで、過去の試乗車を再レビューするのも面白いかな・・・・と。

ただただ、忙しすぎて(この一ヶ月、全くの不休で、帰宅もほとんど0時前後)、少しずつ本ブログエントリを書いていたのだが、なかなかアップに至らなかった。
書けてない読書感想文も貯まりに貯まっている。。。

過労気味で、筋トレ・有酸素運動する体力がないので、その時間を使ってちょっとずつ本ブログエントリ書いてみた。



■Lexus GS450h (GWS191)

レクサス GS450h (GWS191) 全体像


●エクステリア

レクサス GS450h (GWS191) サイドビュー

数年前から、Audi A5スポーツバックとか、Jaguar XFとか、Aston Martin ラピードとか、メルセデス CLSとか、「ファストバック」とまでは呼べないかもしれないが、Cピラーをかなり寝かせてクーペルックにした高級セダン、増えたね。(ポルシェ パナメーラはちょっと違う気がする。ブサイクやし)

ファストバック調のサルーンとしては、Lexus GS(GWS191)はハシリの方だと思う。
※高級セダンじゃないケド、初代アクセラセダンなんかも似たようなCピラーの処理。人気なかったケド(個人的には結構好きだった)


この先代レクサスGSのデザインは、出た当時、

「JAGUARがもっと元気で、懐古趣味じゃなかったら、きっとこういうデザインテイストのクルマをリリースするんだろうなあ・・・」

と思っていたら、その後のXFやXJが似た系統で出てきた。

レクサス GS450h (GWS191) リアビュー

ボリューム感のあるデザインだし、実際デカいんだけど、「デブ」「鈍重」というネガティブな印象よりも「良い意味のボリューム感」「パワフル」「安定感」といたポジティブ印象の方が勝ってるデザインだと思う。

自分向けなクルマじゃないケド、このデザインは好き。


●ブレーキ冷却ダクト

レクサス GS450h (GWS191) フロントバンパーのブレーキ冷却用ダクト

レクサスGS450hには最初からブレーキの冷却ダクトが存在する。
バンパーに吸込穴があり・・・

レクサス GS450h (GWS191) 車体下部。ブレーキ冷却ダクトの通り道。

↑は冷却ダクト・インサイドな比較的フラットなフロア。

レクサス GS450h (GWS191)フロントタイヤハウスのブレーキ冷却ダクト

・・・で、タイヤハウスに出口側のダクト穴が存在する。

レガシィB4(BL5A)に乗っていたときは、岡山国際サーキットでフロントブレーキの熱問題にとにかく悩まされて、クーリング・ダクト施工をしてもらっていたので、何年も前から、GSのこの「ノーマル状態」からのブレーキ・クーリング・ダクトは興味があり、「良くできてるなあ・・・」と感心していた。

GS450hはハイブリッドなので、ブレーキングはモータによる回生ブレーキによる制動も伴うので、ブレーキキャリパ・ディスク・パッドへの負担は少ないように思うのだが、1890[kg]もある車体だと流石にブレーキ熱も半端ないのかな?


●パワートレイン、ドライブトレイン、タイヤ

レクサス GS450h (GWS191) エンジンルーム

エンジンルームはカバーだらけでほとんど何も見えない。
エンジンフード(ボンネット)があるので、「二重梱包」状態で、過剰包装な日本の箱菓子などを連想する。

エンジン諸元
 エンジン型式: 2GR-FSE
 最高出力: 296[ps](218[kW])/6400[rpm]
 最大トルク: 37.5[kg・m](368[N・m])/4800[rpm]
 種類: V6DOHC+モーター
 総排気量: 3456cc
 ボアXストローク: 94.0mm×83.0mm
 圧縮比: 11.8
 過給機: なし

モータ諸元
 モーター型式: 1KM
 モーター最高出力: 200[ps](147[kW])@何rpm以上?
 モーター最大トルク: 28.0[kg・m](275[N・m])@~rpmまで?

あんまし調べてもいないのだが、電動機の諸元がイマイチ良くわからない。(上記モータ諸元もソースはイイカゲン)
最高出力と最大トルクから、基底回転数を逆算すると、基底回転数は5122[rpm]となり、

 定トルク: 275[Nm]@~5108[rpm]
 定出力: 147[kW]@5108[rpm]~

となるのかな?(そもそも、定トルクモータ?)



産業用のインバータなんかだと「過負荷」という概念があって、60秒間は定格の150%トルク、3秒間は定格の200%トルクを捻出できたりするのだが、このクルマの電動機+インバータには「過負荷」という仕様はあるんだろうか?
あるいは、過負荷を含めた最大トルクが275[Nm]なのかな?

「定格トルク」ではなく「最大トルク」という表現なので、過負荷を含めても275[Nm]がMAXトルクと考えるべきなんだろうな・・・多分。(何秒持つんだろ??)



上記計算が適用されると仮定すると、電動機はほぼ0rpm~5108[rpm]までMAXトルク275[Nm]を発揮するワケで・・・

更に、エンジンのMAXトルク368[Nm](・・・はそんなに低い回転数からは捻出できないが)を加算すると、643[Nm]となるワケで・・・

(単純な足し算じゃないと思うし、効率もあると思うが・・・
ハイブリッドの総和としての諸元ってあんまし公開されてないもんなんやね。)

運転していても、とにかくスタートダッシュがスゴい。
まさにロケットスタート!

高速の料金所(※運悪くETCカードを挿してなかった)からの0→80km/h加速は一瞬!
ちょっとしたドラッグレース気分を味わえる。



リアにシッカリとトラクションがかかる足回りで、FRなのもあり、とにかくこのロケットスタートは本当に痛快。
私は軽量化を行なってパワー・ウエイト・レシオを向上させるのが好きだが、重いものをデカいトルクで強引に加速するのも、それはそれでロマンがあるな。


そもそも、トルクがデカいと言っても、このハイブリッドの電動機はイナーシャがデカいハズなので(見た目的に)、レスポンスを確保するにはトルクで強引にカバーしているハズ。



レクサス GS450h (GWS191) メータ

何故か、ググってみても市販ハイブリッド車のことを「KERS」と呼んでいる人を見かけないのだが、「KERS(Kinetic Energy-Recovery System)」は「運動エネルギー回生システム」。
減速時のエネルギーを回生して、再利用しているので、このハイブリッドは「KERS」と呼んで全く問題ないハズ。

特に、プリウスやインサイトCR-Zが、回生したエネルギーで電動機駆動に充てて、エンジンの燃料消費を抑えることに専念しているのに対し、GS450hでは、運転している感じだと、回生したエネルギーを思いっきり加速にも充てているように思う。
これを「KERS」と言わずになんと言う?

CR-Zもこういう思想で制御されていたらもっとウケていたハズ。
たぶん制御だけの問題だと思うので、サードパーティー製のECUやPCUでなんとかなるのかな?(あるいはもうなっている??)




エンジンのボアXストローク比: 94.0mm×83.0mmが、意外とオーバースクエアなのに好感がもてるな♪
低回転域のトルクはモータでシッカリ稼げるので、エンジンは高回転重視に割り切れたってことなのかな?
でも、運転していて、上に伸びる感じは全くなく、どちらかというと頭打ち感が強い(タコメータがないので回転数はワカランのだが・・・)。結局、エンジンの仕様だけでなく、高回転域はモータとかが足かせになっているのかな?

・・・そもそもCVT(※ベルトやチェーンじゃない。「エレクトロマチック」?wiki引用で日本語で説明すると「エンジンの動力増幅を、一般的な機械式減速機構と発電機とモーターの電気制御によって行っている。変速は1組の遊星歯車のみによって実現される。」)なので、その制御による頭打ち感なのかもしれないが。


高級車かつV6にしては、高負荷時のエンジン音は結構、雑味が多い。加速はスゴいんだケド、音だけ聞いていると、ちょっと苦しそう。



ちなみに、フルモデルチェンジ後の現行のGS450hは、一件似たような諸元に見えるエンジン部が、アトキンソンサイクルになって、かなり抜本的に進化している・・・・とMFiで読んだ。
エコ方向に振ってるから、加速のフィーリングとかはどうなのかな?


レクサス GS450h (GWS191) BS TURANZA(ランフラットタイヤ)

BS TURANZA。

信号右左折時に、アクセルをドンと踏んでみると、タイヤもしっかりグリップしてるんだケド、曲がりながらもググイッとトラクションがかかって加速していく感じは、どうもリアにLSDが入ってるような感じ。

ググっても良くGS450hのリアデフの仕様が全くワカランのだが(レクサスとか好きな人や乗ってる人にメカヲタはほとんど存在しないので)、トルセンあたりが入ってるんだろうか?


●操作系、設定

レクサス GS450h (GWS191) 操作スイッチ類

操作スイッチ類は良くわからない。


ダンパーはSPORT設定で乗ってみた。
乗り心地は悪くないが、クラウンみたいにフワフワせず、ドッシリしている。
が、車重が重いので、ロールやピッチングはデカい。デカいケドゆっくり目。
車重に対してやや低めのバネレートで、ダンパーの減衰は高めということなのかな?
昔運転させて頂いたときと較べて、若干ダンパーがヘタリ気味な気も少ししたが??


HybridはPWR設定で。


TRCは、最初は怖いのでONのままで。
おそるおそるOFFにしてみたケド、違いはワカランかった。
・・・というか、TRC OFFにしても、気づくとONに戻ってる。
で、OFFにできないときがある。


DABCは何かわからないので、借りたときのOFF設定のままで乗ってみた。


レクサス GS450h (GWS191) 電動チルト・テレスコ ステアリング

ステアリングのチルト・テレスコも電動。
重くなるわなあ・・・・。
ここまで徹底してると感心するケド。

レクサス GS450h (GWS191) シートポジション・プリセット

シートポジションもステアリング位置も全て電動なので、プリセット呼び出しができる。
偉い人のクルマをお借りして、ポジションをいろいろ弄るのに、遠慮しなくても良いのはステキな仕様だ。




●総評

クルマの良し悪しとか、好みとか、高級車だからとか、そういうアレコレよりも、普段あんまし縁のないテクノロジーが詰まっていることに今回は妙に楽しめた。




●試乗記関連目次はこちら
●自動車技術関連関連目次はこちら
Posted at 2012/09/21 17:34:32 | コメント(5) | トラックバック(3) | 試乗記 | クルマ
2012年06月11日 イイね!

【試乗】Honda Fit RS 5MT (GE8)

【試乗】Honda Fit RS 5MT (GE8) 先日の、とても印象に残り、感銘を受けたDC5インテグラ・タイプR試乗の直後に、DC5のオーナーの奥様用のフィット RSも運転させて頂いた。

奥様は別にスポーツカー派というワケではないらしいが、MT派らしく、ホンダでMTをラインナップしている車種の選択肢が少ないのでRSに落ち着いたらしい。美談だ。美談過ぎる。

※奥様ご出張中のところ、勝手にスミマセン+ありがとうございましたm(u_u)m


ここんとこバタバタ忙しく、試乗から10日間以上が経ってしまったので、記憶をたどっての短評としたい。
2代目Fitは、ベースグレードのGE6を以前に試乗・レビューしている(あんまし好印象ではなかった)ので、共通点は省略する方向で。


■【試乗】Honda Fit RS 5MT (GE8)



駆動方式:FF
トランスミッション:5MT
車両重量:1050[kg]


●エクステリア

2代目フィットのデザインもだいぶ見慣れたが、初代フィット(GD系)が、私にとっては、とても完成されたステキなデザインだと思えるので、どうしてもそれとの対比で残念感が拭えない。
GE6の試乗から2年半が経つが、印象が変わらないので、エクステリアは個人的に決定的に

初代>二代目

なのだろう。(オーナーさん、ゴメンナサイ)





●インテリア

GE6評参照。
今回はDC5の試乗後で、深夜だったし、暗かったし、あんましじっくり見てない。



●HMI~操作してみて

まず座ってみて強く感じたのが、DC5試乗直後ということもあり、着座位置がとにかく高く感じた。
高すぎた。見下ろす感じ。
着座位置とステアリングホイール、着座位置とペダルとの位置関係は苦手なレイアウトだが、クルマのジャンル的に仕方ないのだろう。

私はB4の頃から低着座位置信奉者だったが、地面スレスレのビートに乗るようになってからはその傾向が顕著過ぎて、まともな評価ができなくなっている。
ただ、そういう評価基準でも、先日のDC5とかBRZは違和感なく、気持ちのよいシートポジションだった。ビバ、スポーツカー!




DC5試乗の後では、ステアリング・インフォメーションが軽すぎる印象を受けた。

実際に車体も軽く、本当に良く曲がる、正に「軽快!」「キビキビ!」「くるくる!」。

その動きはGE6(フィットのベースグレード「G」)とは全く異なるもので、本当にステキだと思う。
・・・が、ステアリング・ホイールの「軽すぎる」感が、クルマの軽快さだけではなく、たぶんパワステによるアシストが多すぎるのではないか・・・という違和感も感じた。
ややアシスト過多?(アルファロメオのような不自然な演出ではないが)

もっとも、この出張時にレンタカーしていたライフのパワステが本当に酷かったので、それと較べると遥かにナチュラル。
DC5試乗の後だったので、特にダイレクト感に欠ける印象を受けたのだろう。

ビートは重ステでも気持よく成り立ってるんだし、軽量でキビキビ走るクルマのパワステ・アシストはもっと控えめでも良いのではなかろうか?




5MTはスコスコ、良く繋がって、良い感じだった。
オーナーさん曰く、この後で登場した6MTの方が面白いらしいが。

ただ、着座位置が高いので、「かなり低い位置にあるシフトノブに手を伸ばす」という感覚が強く、最初はちょっと違和感を感じた。




ペダルレイアウトも適切で、ヒール・アンド・トゥや左足ブレーキもしやすかったような気がするが(ウロ覚え)・・・・

ステアリング同様、DC5試乗の後だと、各ペダルのタッチが無駄に軽かった。
だからといって、日産のセダンなんかにありがちな、「踏んでるんだか踏んでないんだかわからない」というようなふわふわしたインフォメーション希薄なものではなく、きちんと芯もインフォメーションもあるのだが、如何せんペダルのバネ反力が軽すぎてダイレクト感に欠けた。

ひょっとするとそういうのもフィットRSの「軽快感」アピールの一環なのかもしれないのだが・・・・
フィットRSを好んで乗る人はこういうテイストが好きなんだろうか?
RSだと女子よりも男子が多そうなイメージがあるのだが・・・・。



●エンジン~ドライブトレイン

ホンダ・フィットRS L15A

エンジン型式: L15A
種類 水冷直列4気筒横置き SOHC
排気量: 1496[cc]
圧縮比: 10.4
ボア×ストローク: 73.0×89.4
最高出力: 88[kW](120[ps])/6600[rpm]
最大トルク: 145[N・m](14.8[kg・m])/4800[rpm]

とても良く回る気持ちの良いエンジンで、GE6のL13Aエンジンのネガティブな印象を完全に払拭してくれた。

線は細いケド、芯のあるフィーリング。
下のトルクよりも、レスポンスが良く、上に伸びる感じ。
典型的な昔からのホンダの4気筒NAのフィーリング。


意外なことに、圧縮比、最近のNAのクセに低いのネ。(理由??)

そして、更に意外なことに、ロングストロークなのね。
このロングストロークっぷりでも、こういうフィーリングを出せてしまうのはホンダならではだと思うが・・・・そのマジックの理由は何なんだろう?
バルブタイミングなのか、フライホイールのイナーシャなのか、そのほかのトラポロ系の積み重ねなのか??

フリードとか他車種でもL15Aを積んでる車種はあるみたいだケド、またテイストは変えてあるのかなあ?


CR-ZのIMA(ハイブリッド)の1.5Lエンジン部は「LEA-MF6」という型式だが、ボア×ストロークも圧縮比も出力もトルクも、このRSのL15Aと全く同じ諸元。
LEA-MF6のエンジン部はL15Aと推測できるが、個人的にはCR-Zのエンジンのフィーリングは悪かった。
直4の悪い意味での雑さ、上まで回すと苦しそうな感じ・・・・・、など、スポーツカーのパワートレインとしてはネガティブな印象
だった。
やはり、IMAのモータ部が、低速トルクを補う役目は果たしつつも、大きな慣性を与えているため高回転時は負荷となっている・・・・ということなんだろうか?


うん、CR-Zと比較すると、L15Aの本質が見えてくる気がする。
軽快なエンジンだが、トルク不足。
フィットRSでは軽いフライホイールと、軽い車体により、スポーツ・フィーリングとなるが、IMAやCR-Zの車重(1180[kg])には負けてしまう。

素人なりにはそんな印象。(ホンダさん、大外ししてたらゴメンナサイ)



●総評

主にHMIが個人的にストライクではなかったが、とにかく軽快でキビキビ走るのと、エンジンのフィーリングが良いのが好印象だった。

先日のジムカーナの練習会でもフィットは何台か出走してたケド、確かにフィットRSでのジムカーナは楽しいかもね。
重心の高さが私には怖いケド。。。


オーナー様、奥様、ありがとうございましたm(u_u)m




試乗記関連目次はこちら
Posted at 2012/06/11 23:34:03 | コメント(3) | トラックバック(0) | 試乗記 | クルマ
2012年06月01日 イイね!

【試乗】Honda Integra Type R (DC5)

【試乗】Honda Integra Type R (DC5)火曜の晩から栃木に出張して、先程大阪に帰ってきた。
新幹線ではだいたいPC触ってるのだが、今回の帰りの新幹線では何故か酷く乗り物酔いした。


今回の出張では、ライフを移動手段としてレンタルし、栃木に住んでいるの大学時代の友人にDC5インテグラ・タイプRとGE8フィットRSを試乗させて頂いた。
一晩で3台のレビューはハードなので、まずは目玉のDC5から。

私の中でインテグラは、マイケル・J・フォックスのCM「カッコインテグラ」でおなじみの2代目で時間が止まってしまっていた。
中学生だった私には、初のVTEC搭載車である2代目のデビューがかなりセンセーショナルだったのだ(ホンダ第2期F1最強時代だったし)。

23年が経過し、インテグラが絶版されてしまった現在になって、ようやく自分の中でのインテグラ像、インテグラ時間が進んだ感じ。
DC5インテR、2L・NA・FFのスポーツカーとしてはひとつの究極系、完成形だと思った。



■Honda Integra Type R (DC5)

インテグラ タイプR(DC5)

2006年、最終型。走行距離5万km程度。
全くのノーマル車両。
タイヤがBSプレイズに換わっているぐらい。

私はチューンドカーが大好きだが、DC5は絶版スポーツで、程度の良いドノーマル車に乗る機会なんて滅多になさそうなので非常に貴重な体験。
貴重な体験をさせて頂き、誠にありがとうございましたm(u_u)m


●エクステリア

特別に秀でたデザインだとも思わないのだが、昔からのホンダのスポーツカーらしいデザインが個人的には愛おしい。



特にお尻が大好き。


走りがとても良かったので、たぶん今後は今までよりも更にカッコ良く見えるんだろう。
(※私には、乗ってみてダメだったクルマは乗ってみる前と較べてカッコ悪く見えてくるし、乗ってみてイケてたクルマはその後カッコ良く見える)



●インテリア



タイプRらしいインパネまわり。
クルマのコンセプトやエクステリアにはマッチしていると思う。




純正レカロの座り心地は本当に良い。いかにもレカロな座り心地。
フルバケに慣れてると、セミバケはいかにも「重そう」に感じるのが難点だが(実際に重いし)。

着座位置はそれなりに低いのではなかろうか?
普段乗ってるビートがあまりに着座位置が低いので、最近、スポーツテイストのクルマに乗ると着座位置の高さがやたら気になるが、DC5では全く気にならなかった。




ペダルレイアウトは良い感じ。

今回の試乗時の靴は残念ながらPUMAのフューチャーキャットやスピードキャットといったドライビングシューズではなく、出張時の足裏の疲れ対策でランニングシューズ(PUMA FAAS)を履いていたため、ソールがソフトで厚めだったが、この靴でもヒール・アンド・トウはしやすかった。

ただし、個人的にはフットレストはもう少し手前であると良いなと思った。クラッチペダルに対しかなり奥の方に位置するため、左足ブレーキ時はフットレストからクラッチペダルを「またぐ」動作が必要となり好ましくない。



●エンジン~ドライブトレイン



エンジン型式: K20A
排気量: 1998[cc]
圧縮比: 11.5
ボア×ストローク: 86×86[mm]
最高出力: 162[kW](220[ps])/8000[rpm]
最大トルク: 206[N・m](21.0[kg・m])/6000[rpm]
6MT
※各スペックは以前試乗したCL7アコード・ユーロRと全く同じ


K20Aのレスポンスが良すぎて、ブリッピングが毎回オーバーシュート気味になってしまった。
シフトアップ時の針落ちもかなり速いので、速いシフトチェンジを要求される。
純正でもフライホイールはかなり軽い?(特に発進時はシビアなコントロールを要求されたりしなかったが・・・)


同じK20Aだが、CL7アコード・ユーロRよりも、低中回転域が更にトルクフルに感じた。
何の違いなんだろう?
ファイナルギアとか変速比とかかな?と思って見較べたが、最終減速比は同一の4.764で、1~3速までは変速比も同じだ。
ROM?バルブオーバーラップが大きい感じ?
個体差?
車重がアコードよりかなり軽いので、そこでエンジンがトルクフルに思えてるだけなのかな?
う~ん。。。


音源となるエンジン音はキメ細かい。
そして排気音は太い。
直4は直4の音なのだが、安っぽい雑味でもなければ、パンチの効いたアタック音でもなく、キメ細かい。割と澄んだ音だ。

CL7アコード・ユーロRのレビューでも「躾の良い」と表現したが、超絶レスポンスながら粗い感じはない。
・・・だからと言って、997カレラのフラット6や、E92 M3のV8ほどの高精度感はないが、価格もクラスも全然違うし、直4でこのクオリティはスゴいと思う。

車室内への排気音の飛び込みはノーマルマフラーでもデカい。このあたりはCL7アコード・ユーロRとはさすがに異なる。
社外品にしたら、低速トルクが細るかもしれないが、どんなサウンドになるんだろう・・・とワクワクしてしまう。

6000[rpm]付近から上・・・・・VTECがハイカム側に切り替わるだけでなく排気系も切り替わるらしいのだが・・・・のスイッチの入り方はやっぱりスゴい。
「高トルク」ではなく「高出力」という表現がしっくりくるこのフィーリングはやっぱりNAならではなのだろう。
とにかく切れ味の鋭さが特徴。「疾い」。
昔ながらのホンダのスポーツ・エンジンのテイストでウレシクなる。

やはり、K20Aは世界最高の2L 4気筒NAエンジンなんだ・・・とつくづく思った。
K20A、ラブ♪


・・・・それにしても、私のプジョーの307SWのEW10/Dだって同じ2Lの4気筒NAエンジンなのだが、なんてプアなエンジンなんだろう。
回らないのに燃費悪いし。
(ただし、4気筒の雑味・振動は極めて少ないのは評価できるが・・・)





6MTは、ものスゴくキレイにスコスコとシフトチェンジが決まり、このクルマのコンディションの良さを実感した。





●ボディ、足回り

車両重量: 1190[kg]


EF世代のシビックやCR-Xのイメージを引きずっているので、

「きっと、とても軽快だケド、剛性がなくペラペラな感じなのかな」

という軽い先入観をもっていたのだが、乗ってみたら全然違った。

軽快だケド、シッカリとした剛性感がある。
剛性感=重厚感ではなく、軽快感と両立できている剛性感。
ドーンとした剛性感ではなく、骨格が目で見えるような感じ。
これはものスゴく好み。

コーナリングはとてもシャープで狙いどうりのところに行く。
K20Aと同様に「切れ味鋭い」というのが表現としてとても適切に思える。

・・・が、一度、コーナリング途中で、6000rpmぐらいからアクセルペダルを踏み足したら、パワーがあり過ぎて、フロントがパワースライドして一瞬アンダーを誘発してドキッとした。
これはタイヤがプレイズでグリップ不足だったからかも。

足は適度に硬いが、ハーシュネスは皆無。
ブレーキング・加速時のピッチング時、旋回時のロール量は小さく感じるが、実際にはストロークしてないワケではなく、減衰高めで妥当なスピードでストロークしているのかもしれない。
FFだが、常時リアにもシッカリしたトラクションを感じる。リアのスプリングが柔らかめで伸び側の減衰高めなのかなあ?(大ハズししてるかもしらんが)
サーキットではツラいかもしれないが、ストリート用としてはノーマル足で非の打ち所がないほど完成されているなあ・・・という印象。



純正タイヤではない、BSプレイズは、私のビート購入時についてきた銘柄で、

・ブロック剛性・サイドウォール剛性の低さ
・コンパウンドでのグリップではなくパターンでのグリップ
・熱ダレ速い

・・・などネガティブな印象しかなかったが、DC5ではそんなにネガティブに思えなかった。
サスペンションは意外にもプレイズとバランスが取れてるな、と思った。

オーナーさんにその点訊いてみたところ、「現在はプレイズに複数種類あってスポーツ寄りのものを履かせている」とのこと。
なるほど、調べてみると、

・軽・コンパクト用
・ミニバン用
・セダン・スポーティー用

がある

BS曰く「セダン・スポーティー用」はコーナリングに優れるそうな。



●総合

前述したように、2L NAクラスのFFスポーツカーとしてはひとつの完成形、究極形だと思った。
そして、往年のホンダファンが期待するようなホンダらしさ全開だった。

今までそんなに意識したことなかったが(FFやし)、このクルマがすっかり好きになった。

試乗中は、良く似た年代の同じエンジンを積むCL7アコード・ユーロRとは結構違うんだな・・・と感じたが、一日経って振り返ってみると、やっぱり「違うケド同じ」(良い意味で)だと思う。

997カレラほどのインパクト・クオリティはなかったが、価格やクラス的にその比較は酷だろう。
・・・ということで、割と近いクラスの他のスポーツカーと比較してみよう。




■他の2000ccNA相当のスポーツクーペとの比較

スバルBRZ vs DC5



BRZの低重心感とフロントミッドシップ感、FRであることは非常にポイントが高い。
DC5のシャシーも非のつけどころがないぐらい完成度が高い(=100点)と思うが、それを基準にするならBRZは120点以上なのかも。
ただし軽快感・シャープさはDC5に軍配。

エンジンは K20A >>>>> FA20。
FA20はK20Aのように軽く上まで回らないし、かと言って、低中速のトルク感、ピークパワー感もK20Aの方が上だった。
DC5は「速ぇぇぇ!!!!」と怖いぐらいだったが、BRZは遅い。

ただし、BRZを低重心たらしめているのはFA20ゆえなので、評価の難しいところ。

FA20はK20Aより12年遅れで登場した「スポーツ」エンジンで、同じ86×86のスクエアなので、もうちょっと頑張って欲しいところ。
K20A開発時期とはエミッション、燃費などの要求が厳しくなっているので、単純に高出力型NA・・・というワケにはいかなかったのかもしれないが、それでも・・・。

旧EJ20のNA仕様はFA20よりも「水平対向ならでは」のフィーリングでとてもキレイに回るが、K20Aと較べるとパワー不足が著しい。


●ホンダS2000(AP2) vs DC5



AP2に試乗したのが6年も前のことなので、もはやうろ覚えだが・・・

AP2の方が血沸き肉踊る感じ?
軽く高回転まで回るのはDC5の方かなあ。

足回りはAP2がゴツゴツ、DC5はストリートでもバランスの取れた足という印象。

どちらも好きだケド、FRという点で自分にはAP2。
非日常感はS2000の方が強い。(2座オープンなのもその理由)


●マツダ・ロードスター(NCEC) vs DC5



エンジンは K20A >>>>>>>> LF-VE。
同じ2L NAだが、ロードスターは非力。良く回るが、線も細く、速いクルマじゃない。
K20Aとは比較にならないが、同じマツダ内では、同一エンジンでもロードスター用はチューニングが異なるらしく、他車種と較べて精度が高い印象だった。

NCECも軽快で良く動くが、パワー不足だからか切れ味鋭いというイメージではない。

NCECが好ましいのは、オープンであること、FRであることかなあ。


ホンダCR-Z vs DC5



CR-ZのIMA(ハイブリッド)のエンジン部に、4発の悪い意味での雑味が多く、また、気持よく回らない。イクことができない。

CR-Zの場合は剛性感=重厚感で、初代TTクーペや、BMWミニのようなテイスト。
これはこれで良く出来てると思うが、軽快感には欠け、昔ながらのホンダっぽさはない。
あと、腰高感が強い。

CR-Zはスポーツカーというよりスペシャリティーカーなんだろう。(・・・であれば、もっとスタイリングを頑張って欲しい)


プジョーRCZ vs DC5



RCZは1.6Lターボなので、2L NAじゃないが・・・。

エンジンは K20A >>>>>>> RCZのエンジン。

RCZは速いクルマじゃなかったなあ・・・。バランスの取れた良いクルマだったケド。
そもそもスポーツカーじゃなかった。スペシャリティーカー。対象としている客層が全く異なる。





・・・本当に良い体験をさせて頂き、ありがとうございました。
インテRもK20Aも絶滅種となってしまったので、大事に乗り続けられることを期待しています。



試乗記関連目次はこちら
Posted at 2012/06/01 00:40:55 | コメント(2) | トラックバック(0) | 試乗記 | クルマ

プロフィール

「HAOC 鈴鹿ツイン。
ベストは1枠目の1分11秒141。

自己ベストはコンマ3秒更新できたケド、絶好のコンディションにも関わらず、目標の1分10秒を叩き出せず残念感炸裂😩

3枠目、4枠目と走りのアジャストは進むのにタイムは11秒5、11秒8とズルズル下がった😓」
何シテル?   11/24 17:43
ビート(PP1)、アコード・ユーロR(CL7)、三菱アイに乗っています。 ビートでのサーキット走行(タイムアタック)とチューニングを続けています。 鈴鹿...
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ホンダ アコード ユーロR ホンダ アコード ユーロR
過去に何回かサーキットで撮影して「カッコイイ!」と思っていたCL7を譲って頂いた。 ア ...
ホンダ シビックタイプR ホンダ シビックタイプR
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