
■格納容器の
機能喪失までの話は
前回のエントリーで
説明しました。
■今回はその機能喪失に伴う
放射性物質の流出について
お話します。
本来であればサプレッションチェンバーのデータが揃っていればいいのですが、
爆発の影響下、途中ないところが見受けられます。
■しかし、
格納容器のドライウェルの放射線量は非常に分かりやすく
基本的に、2号機の圧力容器の破壊が速やかであった為
また、サプレッションチェンバーの破損と言う形で
機能喪失を迎えたために、非常に分かりやすい綺麗なグラフとなっています。
■東電のオペレータも、基本的には容器の破壊
とガスの流出なら、容器の保護、即ちガスの流出を指示します。
その意味で、圧力容器における突沸時も、速やかに
何らかのガスの流出があったと考える方が自然です。
その考えは私の場合プルームの発生時間の推測と結びついています。
(↑リンク予定)
■いずれにしても、圧力容器突沸を14日18時と、14日23時頃の2回繰り返し
14日18時については、3時間も続いたとされていますから、
この間に燃料はほぼ全てが溶融し、溶融する事で、熱量は更に上がっていた
と考える方が自然でしょう。
恐らく燃料の一部はガス化していたものと想像されます。
■2号機ではいわゆる、純粋なメルトダウンが起きたと言えます。
2号機にとって幸運だったかはわかりませんが、一度水位が回復したことによって
水溶性の放射性物質(代表はセシウム137)が水に溶け込み、
プルームの主原因となったと言う事です。
■燃料が一気に溶融し、そして一度ある程度は水に溶けこみ、
そして再度全量に近い量の沸騰が起きる、
ある意味冷却としては悪くないともいえますが、
相当の熱エネルギーが水蒸気となって開放され、
そのエネルギーは、ドライベントを持ってしても防ぐ事ができず
サプレッションチェンバーを破壊します。
■その後も放射線量は上がり続け
グラフでは140シーベルト/hに短時間で達しました。
水蒸気として建屋外に放出している間も
上がり続けていたと思います。
ですからモニタリングでも正門で
15日9時の12ミリシーベルト
と言う数字が観測されています。
15日24時以降、より一層燃料の破損と溶融が続いたのだと思われます。
■言い方を変えれば、崩壊熱の先取り、とも言えるでしょう。
■水蒸気として定常的に放出されながら
徐々にその濃度を高めていきました。
2号機の放射性プルームに対して、
関東地方が幸運だったのは
放射性物質の外部流出のピーク時に
この強烈な放射性物質が
福島県方面へのプルームに
変化していたと言う事なのだと思います。
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シリーズ2号機 | 日記
Posted at
2011/05/18 19:42:34