このエントリーは、「チェルノブイリと比べた」話なので
いわばスーパーカーと比べた話みたいなものです。
「チェルノブイリ」と比べて凄くいいと言われても
ちっとも喜べる話じゃない、と言う冷徹な事実をご理解くださいね。
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■自分はどちらかといえば、危険を呼びかけている方だと思います。
ですから、危険の中で、どうやって身を守るかを説いている、
仏教で言えば「小乗仏教」でしょうか、
国をこうすべきだ、どうやって全体をという
「大乗仏教」的な話とはちょっと趣が違います。
何故なら・・・半分くらいは手遅れかもしれませんけど
やっぱり日にちがないからです。
体の中に、ちょっとずつセシウム族は溜まっていきます。
法律があってようと間違っていようと
私たちは法治主義のもと法律や基準値の中で生きています。
チェルノブイリとの比較は、
チェルノブイリよりははるかにましと言う意味であると共に
今までの過ごし方によっては
危険がそれなりに身近に迫っている、と言う話でもあります。
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■今日はミンスクの話を取り上げます。
恐らく首都圏は危険だと主張する人達は
このあたりのデータを基に「人が住めない」「子供を隔離する」
と主張するでしょう。
(個人的には隔離することによって
思想教育を施したいと言う切なる願いがあったりして、
などと思っています、民主ジャポニカとか名乗ったりして)
■
ナロジチの一例は、決して法律通りに、
チェルノブイリ近辺は守られていたわけでも、
食料の規制が完璧だったわけでもない
と言う一例のいい喩えになりました。
ソ連や中国に憧れてしまう人達は、
きっと法令を定め、
目的に向かって一心不乱に戦った姿を想像し
「日本は駄目だ、日本は駄目だ」
と言いますが、DNAなんでしょうか?
それとも遺伝子の組換えでも起きている?
私の言う、「ソ連以下」は最低だと言う意味なのですが、
日本は「ソ連様の下」と言う意味合いで、
あのソ連を持上げ気味の人がいるのがむしろ凄いです。
■今一度冷静に比較して、福島第一の位置づけを
比して行かなければいけないのですが、
まったく直ちに問題ない
チェルノブイリを越えて日本は終わった。
この両派を早く、データを持って駆逐しない限りは
解決への道のりは開けないままでしょう。
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■
ミンスク市で子供の病気が増加
と言うページがあります。
データに難癖をつけるつもりは今回ないのですが、
そもそも、ミンスク(ベラルーシの首都)はどのような位置づけなのでしょうか?
京大の
今中先生のページが一番詳しいでしょう。
3年たって明らかになった・・・セシウム137
また、
こちらのサイト(相馬で生きるって決めたから)にも地図が載っていました。
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対する日本の汚染地図は、1年物のセシウム134,137の合算です。
ちなみにチェルノブイリの色つきは、日本の場合薄い青の範囲の汚染となります
37k以上

とは言え、政府の信用度を考えると合算値でセシウム137は十分だと思います。
3年でどちらにしろ、約半分に減りますので(セシウム134は半減期2年+雨)
要するに、どんなに疑いの目で見ても
今の汚染の半分で、
やっとチェルノブイリの「3年後の地図」に対峙できる
と言う現状があるのです。
■実際ミンスクの汚染レベルがどうのこうのと言う部分もありますが
汚染地図を見比べると、はるかに広大な面積が、チェルノブイリの場合は汚染された
そのことが明らかでしょう。
耕地地の汚染具合がまったく持って違う=
日本とベラルーシでは汚染食品の総量が違う
このことは明らかです。
■一部避難地域かつ、自給自足のナロジチ地区ですらその

その体内には
「たったの」2万ベクレル弱

被害は、ちょっと散々な物で、全滅しているわけじゃありません。

たかが「
数十倍のリスクアップ」です
(もちろん皮肉込みですけど)
■何よりも避難とかいったところで、
あのチェルノブイリのあからさまな危険地域に
被害が出続けているのに人が住み続けている!!
と言う事が
移住政策の難しさを何よりも語っています。
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■言いたいのは汚染食品が流通すれば、
汚染地域だろうが非汚染地域だろうが関係なく被害は出る、と言うことであって
じゃあ、「東日本から人々が住めなくしよう」
「その土地は朝鮮や中国の人に差し上げよう」
そんな浅はかな考えでは一向に被害は防げないと言うことです。
■食品流通をしっかりと抑えて、bqを管理する、
出来るだけ早くセシウムの供給源を抑えて
水系をきれいにし
田畑の凝縮を最低限に抑える
■除染と言っても
「除染」ではなく「閉じ込める」
ただそれだけのことしか出来ないのです。
それが出来なければ、セシウムの循環の中で
人の体にセシウムは溜まります。
■八つ場ダムも、完成すれば、
水系汚染を防ぐ沈降設備として役に立つでしょうが
遅すぎです。止めてしまいましたからね。
今のタイミングで着工再開を決めましたが
関東に対する水系汚染を少しでも減らす狙いでしょう
本当に民主党は疫病神みたいですよね・・・
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ミンスクにおいて、こどもの疾病がどのようになっていくのか。2008年の報告です。より引用部をさらに引用
2008年4月20日(日)23:26発表
チェルノブイリ – 17年後
「汚染されていない」地域において明らかな疾病の増加
1997年から2001/2002年にかけて、ミンスク市のある病院が異なる家庭環境の子ども達を対象に定期的な健康調査をおこなった。長くミンスク市に住んでいる家庭の子ども(ミンスクグループ)と、チェルノブイリ事故後にミンスク市に移住させられた家庭の子ども(移住グループ)を比較した。
いずれのグループでも、疾病の増加は愕然とするほど明白である。移住グループの子ども達における影響は、より深刻である。
このことは以下のデータが裏付けるものである。
腫瘍の頻度 (0〜14歳までの10万人の子どもを調査)
1997 1998 1999 2000 2001
ミンスクグループ 299.4 298 427 503 496.7
移住グループ 1068.8 1004.7 1015 903 1106
気管支喘息の頻度 (0〜14歳までの10万人の子どもを調査)
1997 1998 1999 2000 2001
ミンスクグループ 675 790 909 1000 1118
移住グループ 1058 979 1176 1006 2000
慢性疾患を患う子どもの数(%)
1997 1998 1999 2000 2001
ミンスクグループ 15.5% 16.7% 21.0% 22.2% 23.6%
移住グループ 29.0% 33.2% 40.1% 43.7% 50.5%
身体障害児および身体障害の前段階の子どもの数(%)
1997 1998 1999 2000 2001
ミンスクグループ 0.9% 1.2% 1.1% 1.16% 1.3%
移住グループ 1.3% 1.4% 2.4% 2.7% 3.0%
完全に健康な子どもの数(%)
1997 1998 1999 2000 2001
ミンスクグループ 6.4% 4.5% 3.8% 3.5% 3.7%
移住グループ 3% 3% 2% 0.9% 0.3%
以上のデータについて、移住グループの子ども達の非常に多くがミンスク市で生まれているにも関わらず、ミンスクグループの子どもよりも病気になる頻度が高いのは何故かという疑問が沸く。
これは、年齢の高い子ども達は幼少期に原発の近くに住んでいたため、また、年齢の低い子ども達は成人したチェルノブイリ被害者の子ども達であるためと考えられる。
また、移住グループの子ども達は学校の長い休みの間、汚染された地域に住み続けている祖父母や親戚の家で過ごすことが多く、経済的困窮から汚染地域の食品を大量にミンスク市へ持ち帰っていることも原因と見なすことができる。
しかし、ミンスク市その他の「汚染されていない」地域出身の家庭の子どもたちの健康状態が継続的に悪化しているのは何故だろうか。1986年の事故当時に、ミンスク市とその周辺は放射性降下物の影響をそれほど受けなかったとされているが、それは間違いなのだろうか。
ミンスク市およびその周辺で売られている食品は、当局が主張しているように安全ではないのだろうか。
以下の調査結果は、両方のグループの子ども達を合わせた数字である。子ども達の健康状態が悪いことを上記データに加えて証明するものである。
様々な疾患の増加(%)
1997 2001
骨および筋肉の病気 1.3% 2.9%
心臓疾患 13 % 22 %
眼の異常 17 % 24 %
腫瘍 4.9% 10 %
内分泌障害 6.4% 8.7%
悪性腫瘍および脳腫瘍の頻度 (10万人の子どもを調査)
1997 1998 1999 2000 2001
悪性腫瘍 57 73 77 104 121
脳腫瘍 15 20 25.8 46 56
奇形および先天性の心臓疾患 (10万人の子どもを調査)
1997 1998 1999 2000 2001
奇形 1191 1366 1374 1683 1906
心臓の欠陥 706 895 950 1287 1504
2001年にこの病院で生まれた856人の新生児のうち、完全に健康だったのはたった3人だけだった。
甲状腺疾患(甲状腺炎)および甲状腺にしこり (1000人の子どもを調査)
1997 1998 1999 2000 2001
甲状腺炎 0.48 0.5 3.4 6.76 29.4
甲状腺しこり 0.96 1.8 3.4 4.0 25.9
これらの驚愕的な数字は首都ミンスク市で得られたものである。この事実を報道するベラルーシの新聞、ラジオ、テレビはない。ベラルーシ政府は、チェルノブイリ事故の影響は克服したとしている。4月にミンスク市でこの問題の管轄機関を訪れた「チェルノブイリの子どもたち」に対し、当局はそれを何度も強調した。最新の調査状況に関する情報は公表を差し止められている。
もう一度強調するが、ミンスク市は汚染されていないと見なされている地域である。モギリョフ州やゴメリ州などの放射性降下物に重度に汚染された地域で比較調査をすれば、どれほどの結果が出るであろうか。
エーファ•バルケ
(翻訳 Eisberg)