■チェルノブイリ原発事故
実は未だにこれらはよく分かっていません。
何せ、黒鉛炉が運転中に、爆発して飛び散ってしまったからです。
■無事に運転を終えて、余熱で燃料が溶けた福島とは
悪質度は格段に違うのです。
■とは言え、放出量は福島の方が潜在的に大きいです。
都合がいい事に、所員の必死の努力によって、燃料に水をかけ続けられた為
大部分は水に溶け込んでいます。
■チェルノブイリでは甲状腺がん以外の、放射線と疾病の相関が否定されました。
否定というよりは「実証されなかった」のです。
ただ、暮らしている人々の平均寿命、発癌率、疾患率は、
影響の無い地域と大きな差がありました。
■つまりとんでもない毒が飛んだ事はわかったのですが
何が毒かよく分からなかった・・・のです。
■だから、福島ではとりあえず子供たちを全数調査して
統計的に振るいにかけます。
これは予防医学ではなく、科学調査です。
罪深いのは今回は逃げれたということです。
そこを逃がさなかった事を私もそうですが、例えば武田教授は怒っているわけです。
■チェルノブイリのポイントは以下の点です。
・健康が害されたが、何が原因か突き止められていない。
・何かを内部被曝して健康が害されている。(ヨウ素を除く)
・分からないので食物への制限は厳しい
結局、訳がわかんないのです。
原子炉が直接オープンしたことはあとにも先にも
チェルノブイリのこの一度だけ。
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ハーイ>ヽ| l l│
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福島で起きた、もくもくやかんとは違うのです。
■何度も言うように、今回の福島の事故は格納容器外殻が実によく作用しています。
一言で言えば、汚染は上ではなく下に行ったのです。
ですので、粒子の種類も違えば、量も違います。
「水蒸気」がその成分のメインであった事は、肺からの内部被曝に関しては
恐らくよい方向に働くとは思います。
■注水が止まった20日前後と
3号機の爆発のあった14日
このときが「ドライな汚染」のピークの訳です。
■チェルノブイリの害を詳細に知るためには、3号機爆発直後のプルームが
関東に到来していれば恐らくよく分かったでしょう。
あれが一番チェルノブイリに似た条件でしたから。(プールの爆発)
実際には10数時間もたった14日深夜に
ようやくそのプルームは関東に狙いを定めました。
■ですから、このような数々の幸運に恵まれた福島の実害は
チェルノブイリの足元に及ばない・・・かもしれません。
セシウムはあくまで、数ある放射性物質のひとつに過ぎないからです。
しかし、実害が少なかったとしても、それはあくまで「セシウム」族の
「発癌」の話にしか過ぎません。
「セシウム」が力を持つとする奇形については、
人で実験するわけに行かないですので。
■私の勘でしかないのですが^^;
セシウムは、生化学的な悪さを、結構するようなイメージがあります。
カリウムの代わりに細胞に入ってとどまるイメージがあります。
(子供の心臓などもゴメリ大で指摘がありましたね)。
人の体の免疫が丸裸なら、すぐ害が出ていいのですが
予備防衛機能が充実していれば撃退してしまうのでタチが悪いのです。
何もそういう防衛機能がない人達を優生学に基づいて淘汰する必要は無いでしょう。
本来は必要ない機能なのですから。
■こういう話が出来るのも、情況が落ち着いてきたからです。
核種的には、そして、発電所の防衛という意味では、
どうやら最悪の中の最善であったかも知れません。
私はかつてやんぢさんの質問に対して、
爆発が一番危なかったのは3月下旬だったと言いました
その考えは間違っていなかったと思います。
■日本の原発は格納容器と外殻が非常にしっかりしているので
初動をきちんとすれば、
恐らく逃げる時間は「それなりに」あります。
念を入れて一時避難を行ったが、何事も無く戻りました、といった様な
津波と同じ考えでもいいのではないでしょうか?
■中国や韓国の原子力発電の危険性を訴えるのも
いずれ同じような事態が両国で起きないとも限らないからです。
(もちろん日本だけ原発をなくしても意味が無いとも言いたい)
そろそろそういった国で何か起きた場合に、
「想定外」にだけはならない様、準備をする必要は有るでしょう。
■幸い?にして原発の安全神話は崩れました。
ようやく原発の本来の安全性の一部が見えています。
原発容認論者としていえば、安全の確率への道筋が見えたとなりますし
危険論者の方にはプラントとしての安全性が不十分だ、となるでしょう。
どんな立場にしろ、原発の正しい危険性の一端を見つつ
判断を下すのは史上初めてのことでしょう。
■また、たまにモルモットかよと突っ込みを入れますが
避難無く被曝をしてしまった以上、
被害を減らすためにはモルモット調査という
バーターが必要ではあります。
要するに・・・騒いで何か好転する時期は過ぎつつあります。
■全ての対策がチェルノブイリ並みである事が必要とは思いませんが
今回はちょっと杜撰すぎ、でしょう。
たまたま必要十分に落ち着く可能性は無いではないですが
放射能障害が出ないとはとても言い切れませんし、
今度同じ感覚で対処したら、それこそ日本には人が住めなくなります。
■そういった事故が起きると見ているか、
起き辛いと見ているかも・・原発に対する反対度合いに現れていると思います。
■原発はギズモだと思って何十匹も可愛がっていたら、
「グレムリン」でした。
映画だと、最後にギズモのフリをしたグレムリンが「にやっ」として終わるかもしれませんが
ここからは「ギャンブル」の世界です。
例え電力業界の献金があったとしても、バランスの取れた判断を下して頂きたい物ですね。
■
私たちにとっては当たり前に「危ない」とされてきたチェルノブイリが
学問上は「特段危なくない」と判断されていて、
それに基づいて政府やIAEAの指針が下されています、
もしかすると、そのギャップも
今後解決していくべき問題の一つとなるのかもしれませんね。