かばい立てをする気はないけど
・・・「想定」した瞬間から「想定外」は生まれてしまう。
「想定」は経験に基づいてしまうので、「想定外」は初めての事象。
例えば、雪道のトンネルを出ると、
対向車が目の前でスピンしてガードレールに突っ込んでいた。
自分は現実に経験がある。
経験をしたから想定内になった。
安物ABSが作動し、景色がコマ送りになる。
そう、未経験の事象を、いくら想定しても
実際に遭遇した時は想定外になってしまう。
***********************
誰かが、想定するだけでは駄目なのだ。
上層部が想定するだけでも駄目なのだ。
想定を疑似体験して、やっと少しはましになる。
それでも現実が起こった瞬間想定外と脳は言うだろう。
前のエントリーで、私は現場人災ではなくシステムエラーだと説いた。
そう、システムエラーなのだ。
東京電力の内部には
せいぜい10mの津波を想定した人が「いた」だけで
世の中にだって、津波による
原発の二次冷却系の全損を想定した人は、更に少なかった。(山さん、院長他)
全停時に、ICとRCICだけで、
メルトダウンを防ぐのも想定外だったはずだ。
しかし、実際にはそんなものだけで、
ミスはあったにしろ
メルトダウンを許したものの
「炉本体」の爆発を防ぎ、
大半の放射性物質を
地面と海に流し込むことに成功している。
【同時に難題でもあるわけですが】
空中は致し方ないが
放射線は空中放出量の
2割程度しか、
日本に沈着しなかった。
これは、この世の誰もが予想しない想定外だった。
原発がどうのこうのは脇においておいて、
その事だけは、大いに評価したい、と思っています。
2011年08月27日
セシウムの汚染量について
********************************
想定外の想定外の想定外が起きたのが今回の震災といえる。
私はこれで「想定」の幅が広がったから、
原発は対応できる、なんて思っている。
違う意見の方も当然いるはず、
更なる「想定外」があるんじゃないか?
その万が一の万が一の時に対応が出来ないんじゃないか
こういう意見の方も当然いるはず。
人間に全てを「想定」する事なんてできないし、
「想定」をぶつけ合ったとしても、
更なる「想定外」が生まれるだろう。
だが、「想定」をぶつけ合わなかった、
東電や原子力村の「想定」は
実にあっさりと砕け散った。
原発を続けるにしろ、やめるにしろ、
「想定」をぶつけ合わなかったことの
愚策だけは語り継ぐべきだと感じています。
「想定」をぶつけ合うこと、それは同意見の人を見つけて
傷をなめあったり、妄想の世界に入っていくより
ずっと大事なことだと思います。
私が震災から学んだことは、
「想定」をぶつけ合うことの大切さでした。
Posted at 2011/09/13 20:08:21 | |
トラックバック(0) |
想定外 | 日記