■インスリンとカリウムは実は密接な関連をなしています。
インスリンによるカリウムの取り込み機序について教えてください。
・インスリンは細胞膜にあるインスリン受容体に結合する。
・インスリン受容体は、インスリンが結合するとチロシンキナーゼとして活性化し、細胞質内のIRS-1がリン酸化される。
・IRS-1→PI3キナーゼ→PKBと信号が伝達され、細胞質のGLUT-4(GLUcose Transporter-4)が細胞表面へトランスロケーションする。
・GLUT-4はグルコースをカリウムとともに血中から細胞内へ取り込む。
■ここでセシウムとカリウムのおさらいをしておきますと
能動輸送の際で75%のセシウムは通れない
カリウムチャネルの透過率はさらに低く15%(85%カット)
■そして細胞外にセシウムがたまって悪さをする
(遅延性カリウム電流の延長効果)
ただし、それらは内向きカリウムチャネルのある細胞に限られる。
(骨格筋、心筋、上皮細胞、神経細胞等)
■話を戻しましょう、
もともとインスリンが出ない=糖尿病は
インスリンが出ないことによって、高カリウム血症が起きて
昏倒したり、だるくなったりと言うことで怖いのですが、
エネルギーを使う細胞を中心に飛び回っています。
そう、脳細胞にもです。
と言う訳ではありません
■ところが脳細胞に何でもかんでも入ってくるのは
脳細胞にとって非常に迷惑です。
そのためにウイルスソフトのような膜があり
そういった膜も含めた関門を血液脳関門と読んでいます。
髄膜やくも膜も、そういった役割をなしており
図胃液と言う液体の中に浮かんでいるのが我等が脳みそと言うことに成ります。
■
血液脳関門 blood-brain barrier,BBB
概念 :H2O,CO2,O2などは血流から容易に脳に進入するが、他の物質は進入しにくいという中枢神経系の性質をいう。
なおアミノ酸やグルコースは血液脳関門に存在する輸送担体によって輸送されるので、これらは水溶性であるにもか かわらず、容易に血液脳関門を通過する。
構造
脳の毛細血管内皮細胞には細胞間に tight junction が存在し、物質の移動を防いでいる。
また関門の構成は脳毛細血管の内皮細胞には神経細胞は栄養を得るために直接接続せず、もっぱら星状細胞の星細胞突起 が血管内皮の基底膜に巻き付き、これを介して神経細胞へ栄養を供給している。
脳毛細血管の内皮細胞
毛細血管の基底膜
星状細胞の終足
ちなみにその辺りはRIGHTならぬタイトジャンクションと言われる緻密なつくりで
余計なものが脳細胞をいためないように、人の体は防衛関門を張っています。
といっても必要なものは通したいです。
カリウムは必須元素なので通ります。しかし膜やタイトジャンクションを通して
脳は異物が入ってくるのを緻密にふさいでいる訳です。
Posted at 2011/11/20 09:45:46 | |
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脳の防衛機構 | 日記