2012年01月14日17:22 事故調査委員会中間報告書を読んで(3)ーー「原子炉パラメータの深読み(2号機)」の読み直し
ありゃ珍しい。(けなしてるんじゃないですけど)
いい内容ですね。
パラメータなどを自分もずっと集めてますけど、いい検証資料になりそうです。
2号機についてはずっと追いかけてきました。
ある意味相棒です^^;
さて、答え合わせしましょう。
********************
2011年12月24日
プルーム傾向を読み解く
①3/14/22:00頃発生プルーム 正門3.2mSv(22:23)
【発生原因:風向変化、ポンプ停止】
被害地:「栃木、茨城県境」/さいたま(3/15/9:00/1.3μ)/東京(3/15/9:30/0.5μ)/
多摩11:30も一応、その影響と考えています。
【減少原因:ポンプ復活】
悪質度:相当悪い(-4)
救い:素早く通過(さいたま)
14日の2号機データの推移(官邸データによる)
日付:時間:圧力容器:水位:格納容器
3/14:10:30/56.5気圧/3800/4.6気圧
3/14/12:30/61.9気圧/2950/4.65気圧
3/14/13:25/冷却機能喪失を発表(対政府)
3/14/16:34/海水注水開始
3/14/17:12/74気圧/不明/不明
3/14/18:06/逃し安全弁開放し、水位-1500からー1100に回復?
(意味不明、開放したら水位下がる、逃し弁は、圧力容器?格納容器?格納容器か?)
3/14/18:22/水位-3700(16分で-2600減った)、圧力容器自体の損傷の恐れ
3/14/19:03/6.3気圧/水位?/4気圧
3/14/22:40/4.3/-700/4.3気圧
22:50格納容器、圧力異常上昇
3/14/23:54/6.5/??/7.5
【推論】
1)2号機は恐らく突沸、により一気に水位を失った
2)全炉心が露出、溶解(高圧水及び蒸気の為、もともとの温度が高かった)
3)一部は底にたまり、崩壊燃料大量かつ空焚きになった為再臨界始まる。
■再臨界の証拠が21時の中性子線と見てよいかと思います。

************
・さてさて、一方の放射線量はこんな感じです
*******************
ここで再び引用しましょう。
3/12の朝4時過ぎに、
水源である復水貯蔵タンクの水位が低下していることに気付き、水源を、圧力抑制プール(S/C)に切り替えたそうです。S/Cを冷却するシステムが止まっていたため、水温が徐々に上昇しますが、その後、S/Cの水温と圧力を計測することなく、3/14の7時に146℃、12時30分に149.3℃になったとのこと。
S/Cの水温が上がると、RCIC系で原子炉から送られてくる水蒸気も十分には冷やされないので、冷却効率が低下し、原子炉の温度はあがり、水位は下がり、圧力が上がります。それが、「2.3/14正午から徐々に原子炉の水位が下がった」原因だったようです。
ーーーーーーーー
低下が顕著になった原子炉の水位の回復には、消防車による原子炉への注水が必要ですが、そのためには、原子炉の圧力を消防ポンプの吐出圧力以下にする必要があり、
大気への圧力解放(ベント)が必要です。
**********
■RCICの弱点は水冷なので、冷却水の温度が上がると、そこに熱的限界があるようですね・・・
空冷に出来ればいいのに。要するに温度が上がって、70気圧でそれでも沸騰の激化が始まります。まあ、こんな状態では水は入れれない訳で・・・逃し安全弁を開放しますが、気圧が下がって水が沸騰すると言う悪循環で18時代に16分で2600mmも水位が下がります。
****************
■さらにここで引用します。
16時34分頃、3号機の深読みの読み直しで紹介した、12Vバッテリーを10個つないだ電源で復旧させた制御盤で、SR弁の開操作を行ったが旨くいかず、試行錯誤を繰り返し、やっと19時3分になって0.63MPa gageにまで下がり、注水可能になった。=水がなくなった
ところが、19時20分頃、急遽調達していた千葉火力発電所および南横浜火力発電所の消防車がいずれも燃料切れで作動停止していたことが確認され、自衛消防隊が、タンクローリーから燃料を運搬し、
19時57分に、やっと、連続注水が開始された、とのこと、です。
「3.3/14の18時に、原子炉の圧力が突然下がった」と
「5.3/14日の22時に原子炉の水位の回復」
の裏では、現場での必死の作業がありました。
18時から 21時まで、原子炉の水位が、測定不能のレベルにまで低下したので、明らかに燃料棒が完全に露出しました。しかし、20時からの連続注水で速やかに水位が回復したことから、少なくとも原子炉の底部が溶けることがなったことが明確です。
****************
■
福島の悲劇の原因です。悔しいけれど。
ベント部隊が安全弁を開いてベントに成功したとき、
ポンプ車の燃料が何と切れていたのです。
私の4月6日の分析では
圧力容器に穴が開いたのは16日です。今回のこの方の読みは正しいでしょう。
4)海水大量投入するも、再臨界止まらず(冷えるのは上部のみ、燃料塊の内部で再臨界)
5)圧力容器の底に穴が開く【16日1:00頃】(水が落ちていくので、結果的にマイナス圧になる)
6)3時間後、3センチ圧の格納容器金属部分に穴が開く
これはJCO型臨界が14日の21時~16日の午前まで続いたことを示します。
(以降はメルトスルーしたので格納容器内で行われます)

2号機は露出燃料がどろどろの塊になって、再臨界を起こします。
*****************
ここで最後の引用をしましょう
消防車による連続注水開示後にも、原子炉の圧力が上がって、何回も注水ができなくなっています。そのたび毎に、減圧操作を行っています。
満足な注水ができずに、核燃料の高熱で原子炉と格納容器の壁が溶け、放射能が外部に漏れ出す最悪な事態に陥る可能性も考えた、所長は、待避用のバスの手配を指示し、準備したとのこと。
「4.3/14の深夜に原子炉の圧力が大きく振動」した時は、究極の緊張状態だったようです。3/15の1時以降は、原子炉圧力が0.6 MPa gage台で推移し、原子炉及び格納容器の破損には至りませんでした。
但し、3/15日の6時に、大きな衝撃音が聞こえ、S/C圧力が絶対圧でゼロになったことを聞き、2号機の格納容器で何らかの爆発が起きたと考え、7時頃には、必要な要員50名程度を残して、約650人が第2原発に待避した、とのこと。
ーーーーーーーー
報告書のp.232に、「結局、2号機については、S/CベントおよびD/Wベントの実施を試みたが、これらのベント機能が果たされることはなかったと考えられる」と書いてあります。しかし、実際に、ベントに依ると考えるしかない、原発正門の放射線量の急増が何回か記録に残っています。委員会の理解は間違っている、と考えます。
***********
委員会は何で間違えているんでしょう??
ベント系は宇都宮水戸を襲ったものですから、
(発表自体は)まあいいのではと思うのですが
CTBT核種に関連するからでしょうか???
浮かび上がってきたのは
1)ベント成功時、消防車燃料が切れると言う事故があった
2)メルトスルーは、日本を更なる悲劇から救った
そういう話でした。現実としてメルトスルーする16日午前中までが
一つの放射線のピークとなったからです。
3号機も注水不全のあと、濃いプルームが柏等を襲いますので
実はメルトスルーは日本国民にとってはいい事だったと言えると思います。
つまりは岩盤、海に汚染が移行しました。^^
漁師さんには申し訳ないのですが、
本当にこれはラッキーなことであったと言えるでしょう。
************
1)2011年04月06日 【検証】2号機で何が起きて、どんな事が最終的に起ったのか
■今回も使用するのは官邸のデータと報告書です。(PDF148P)
http://www.kantei.go.jp/saigai/201104051900genpatsu.pdf(リンク切れ)
非常に興味深い、記述やデータが書かれており、私達も若干の想像が可能と言える物です。
では下で、分析と共に記載していますが、先に検証の結果から得られた【推論】を記載します。
【推論】
1)2号機は恐らく突沸、により一気に水位を失った
2)全炉心が露出、溶解(高圧水及び蒸気の為、もともとの温度が高かった)
3)一部は底にたまり、崩壊燃料大量かつ空焚きになった為再臨界始まる。
4)海水大量投入するも、再臨界止まらず(冷えるのは上部のみ、燃料塊の内部で再臨界)
5)圧力容器の底に穴が開く【16日1:00頃】(水が落ちていくので、結果的にマイナス圧になる)
6)3時間後、3センチ圧の格納容器金属部分に穴が開く
(メルトダウン、チャイナシンドローム発生)
7)コンクリート部分で核燃料受止める(厚が200+100センチ)
8)サプレッションルーム破壊時の亀裂や、或いは電気ケーブル/配管、ラック用のトレンチなどを経て
漏出、地震による亀裂から浸透、砕石を経て海に流入
9)汚染水は、再臨界の燃料の上に、原子炉の水が落下し流れたもの。と推定される
2)2011年05月18日 14日における2号機の激動
過去のエントリーよりデータを引っ張ります。
【読売14日報道に重要証拠?】3月15日の関東を襲った主成分【謎々は続く】
参考:
■14日の2号機データの推移(官邸データによる)
日付:時間:圧力容器:水位:格納容器
3/14:10:30/56.5気圧/3800/4.6気圧
3/14/12:30/61.9気圧/2950/4.65気圧
3/14/13:25/冷却機能喪失を発表(対政府)
3/14/16:34/海水注水開始
3/14/17:12/74気圧/不明/不明
3/14/18:06/逃し安全弁開放し、水位-1500からー1100に回復?
(意味不明、開放したら水位下がる、逃し弁は、圧力容器?格納容器?格納容器か?)
3/14/18:22/水位-3700(16分で-2600減った)、圧力容器自体の損傷の恐れ
3/14/19:03/6.3気圧/水位?/4気圧
3/14/22:40/4.3/-700/4.3気圧
22:50格納容器、圧力異常上昇
3/14/23:54/6.5/??/7.5