
■核燃料サイクルは今まで紹介したように、「夢のシステム」です。
ところが、幾つか誤算が起きました。
■
高速増殖炉が危険すぎる。
(これはもう、説明不要でしょう?液体ナトリウム危ない・・・)
■
燃料の再処理が凄く難しい
■「劣化ウラン」=UF6と言うゴミが大量に湧く
この
↑3つの問題が私たちを苦しめる事になってしまいます。
今回は再処理とUF6について触れていきます。
■結局、核燃料サイクルの六ヶ所では何をしようとしているのでしょうか?

結局は燃料棒から、ウランとプルトニウムとそれ以外を取り出す、と言うのがポイントです。
一般のいらない物は、ガラスで固化して、ドラム缶に入れて、
ほぼ永遠に入れておくことになります。
■パイロットプラントのあった人形峠のHPをお邪魔しましょう。
結局はウラン濃縮ではUF6が重要です。
その為に再処理では燃料棒をぶった切って(この辺の細かい所は良く知らないのですが)
結局、
UF6を作っていきます。

その後は、
遠心分離機にかけたりして、
比重でウラン238と、235とプルトニウム239等を分けていくわけです。
ちなみに遠心分離のノウハウが、核爆弾においても重要で、それゆえに
ウラン濃縮という技術は、軍事的な意味合いも本来は持ちます。
平和利用で喜んでやっているのは日本くらいです。
■ここで、
劣化ウラン=UF6について触れておきます。
私はこれが直接燃料棒に入っているような間違いを書いてしまったことがありますが、
入っていたら大変、すぐ気化しちゃいます。
六フッ化ウラン(WIKI)
を見ますと
六フッ化ウラン(ろくフッかウラン)は、化学式 UF6 で示される化合物。
常温では固体だが約 56.5 ℃ で昇華して気体になる。
空気中の少量の水分と反応してフッ化水素 (HF) を放出する。
で U238 F6 がいわゆる「劣化ウラン」と言うわけです。
なのれ、U238は広義の「劣化ウラン」ですが
UF6=劣化ウランと考えると、燃料棒が飛び散ってもUF6は飛び散らない、と言う訳です。
■ところが・・
・フッ化水素=フッ酸、これが厄介。
手に触れると骨まで腐る、と言われる猛毒物質。
要するに乾かしとかないと、毒ガス出すよ、と言うとっても怖い物体です。
と言うわけで
劣化ウランは「ゴミ」でして、
関西電力→無償供与。「いらね、アメリカさんあげる」
六ヶ所→「・・・どうするよ、貯めとくか」
アメリカ→「弾につめて棄てちゃえ」(劣化ウラン弾)
こんな感じなわけです。
報道も中途半端なので、よく考えずにいましたが、劣化ウラン弾
はフッ酸+ウラン238ですから、まあ、健康にいい訳はありません。
とは言っても、その
六ヶ所が動かない・・・
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■ 夢のシステムが
今こんな感じで、どうしようもなくなっているわけです。
原発事故(使用済燃料の爆発)
もんじゅ(高速増殖炉:超危険)
使用済核燃料(処理できずに溜まりまくり)
再処理(六ヶ所動かない)
アレバ(ボッタクリ)
劣化ウラン弾(ゴミ)
こうして一本の糸でつながってしまうわけです。
■そして、もんじゅが駄目そうなので、MOXを導入した矢先に
こんな事故が起きてしまったんですよね。
では次で締めましょう。
Posted at 2011/05/29 19:06:49 | |
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原子力の闇、再処理 | 日記