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2009年04月03日 イイね!

【技術】サージング、断熱性能曲線、サージライン

過去のブログエントリ「【ECU】中回転域のブーストアップ 」でタービンのサージングについて触れた。


以下、再度、書籍「ハイパーレブ vol.118 スバル・レガシィ No.7」からの引用


レガシィのEJ20に使われているタービンはレスポンス重視で、小さめのタービンサイズになっている。さらにATの場合はATの特性に合わせるためMT車よりもEXハウジングのサイズが小さくなっているのだ。そのため、ブーストの立ち上がりのいい従来のEVCでは、特に低中回転域ではブーストを上げて余計にタービンを回すと、タービンの許容回転数を超えてしまい、過給してくれないサージ領域に入ってしまう。これでは最終的には速くなっても、その過渡領域・・・・せっかくのスムーズな加速が失われることになる。


さて、サージング。

以下、例によってエンジン研究者の島筒先生に御教授頂いた内容を引用。



サージングとは、コンプレサー内における流速が計算上音速を超えてしまうことです。そうなると、コンプレッサー内部は激しい圧力変動と衝撃波の嵐のような状態になりますので、過給圧が上がらないのは当然ですが、最悪壊れてしまいます。
サージング発生は、過給圧と流量で決まります。低流量では比較的高圧までサージしませんが、高流量では比較的低圧でもサージは発生します。メーカーに問い合わせると、サージラインが記入された性能曲線(通常は縦軸が過給圧、横軸が流量)は手に入ると思いますので、サージラインを超えないようにすると大丈夫です。
ただ多くの乗用車は、サージ限界の前にエンジンの限界やタービンの限界がきてしまいますので、仮にウエイストゲート無しであれば、サージ限界に達する前に他の何処かが壊れると思います。



なるほど。
流速が音速を超えれば、確かに超絶なソニックウエーヴが発生しそうだ。


サージラインについては、

サージラインの記入されたグラフの名前は「断熱性能曲線」です。通常、縦軸が過給圧、横軸が流量になっていて等断熱性能線が記入されています。等断熱性能線の高流量側が切り落とされていて、別の線で結んであります。その線がサージラインです。

と教えて頂いた。

島筒先生、いつもありがとうございます。




BL・BPレガシィの2.0GTのタービンには

・MT:三菱重工業(以下MHIと)製
・AT:IHI製

が使われている。

MHIにレガシィのツインスクロールタービンの断熱性能曲線及びサージラインについて問い合わせをしたところ、対応は丁寧だったが、


私どもが富士重工業様の依頼により供給している部品の性能に関するお問合せで
ありますので、誠に申し訳ありませんが、貴殿への開示はできかねます。

ご理解の程よろしくお願いいたします。



という御回答を頂いた。
残念だが、サプライヤーとしては正しい回答だと思う。


ので、2009.03.31にスバルカスタマーセンターに同様の問い合わせをした。

スバルカスタマーセンターでは、ECUのECOモードの不審な挙動について、まっとうに御回答頂けなかった実績がある(顧客満足度は下がりっぱなしだ)ので、今回もあまり期待はできないが、じっくりと回答を待つことにしよう。



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Posted at 2009/04/03 12:20:52 | コメント(2) | トラックバック(3) | 技術論 | 日記
2009年01月03日 イイね!

【検証】吸気温度 エアクリ 純正交換タイプと毒キノコ

純正交換タイプのエアクリと、毒キノコ(HKSレーシングサクション)の吸気温度のログを比較した。

毒キノコにはまだ遮熱対策は施していない。



純正交換タイプ:外気温度 約10[℃]
毒キノコ:外気温度 約8[℃]

グラフは走行後、停止(=アイドリング)の状態。

走行時の吸気温度が

純正交換タイプ:外気温度 + 8[℃]
毒キノコ:外気温度 + 6[℃]

となっているため、走行中の吸気温度は、毒キノコの方がフレッシュエアをうまく取り込めている?


で、停車後は、グラフを見てのとおり、露骨に毒キノコの温度上昇が激しい。
真冬だからこの程度で済んでいるが、夏場はもっと極端かと思われる。

近日、遮熱BOXはDIYにて製作予定。



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Posted at 2009/01/03 22:23:32 | コメント(4) | トラックバック(1) | 技術論 | 日記
2008年09月20日 イイね!

[JIS版]大気圧とトルク・出力の関係を検証する

ブログ:「[改訂版]吸気温度とトルク・出力の関係を検証する
ブログ:「[SAE版]吸気温度とトルク・出力の関係を検証する
の続編。


今回は、吸気温度を固定し、大気圧のみに着目してやる。
吸気温度に較べて、クルマの性能で軽視されがちな大気圧・・・である。


エンジンダイナモで測定したトルク・出力は、測定条件大気圧をパラメータとして、基準大気圧でのトルク・出力に換算される。

基準大気圧は、100[kPa]=1.000[bar]。

これに対しての大気圧での換算・・・なのだが、換算はいわゆる大気圧でなく、「大気の乾燥空気分圧」で行われる。
大気圧は、「乾燥空気分圧」と「水蒸気分圧」の合計なのだ。

で、「大気の乾燥空気分圧」を求めるには、湿度がパラメータとなる非常にややこしい計算式が必要となるのだが、ここでは湿度=30[%]の条件下でのグラフを描いてみる。
ちなみに、湿度=30[%]のとき、大気圧100[kPa]時の乾燥空気分圧は99[kPa]である。
(以下、JIS規格に基づく)


例によって、JISではNA・ターボで計算式の乗数が変わらない(SAEではやはり違いをもたせている)。



【1】大気圧とトルク(倍数)


縦軸は「倍数」。「換算係数」と思って頂いてよい。
トルクおよび出力にこの倍数をかけてやった積が、大気圧に依存したトルク・出力の換算値となる。

当然「倍数」なので、高出力・高トルク車ほど吸気温度の影響を受け易いことがわかる。




【2】大気圧とトルク


私のB4のカタログ定格トルク、35[kg・m]に【1】の倍数をかけたグラフ。
大気圧0.01[bar](=10[hPa])で約0.4[kg・m]変化。





【3】大気圧と出力


私のB4のカタログ定格出力、280[ps]に【1】の倍数をかけたグラフ。
大気圧0.01[bar](=10[hPa])で3[ps]強の変化。



・・・・前述のように、元の出力×【1】なので、元のパワーに依存するワケだが、侮れない値だ。

ただ、結局、大気圧は人為的にどうすることもできないので、あまり重要視されないのだろう。



ブースト計の1.0[bar]だとか1.2[bar]だとかは、大気圧との「差圧」・・・つまり相対圧だが、サード・パーティーのブーストコントローラって、どう制御しているんだろう?
ブースト1.0[bar]でも、大気圧が1.0[bar]か1.01[bar]かで絶対圧は変わってくるワケで・・・・。


ちなみに、スバルの純正ECUでは、ブーストは絶対圧で管理されているので、まだ安心だ。

私は今までブースト圧のロギングは相対圧(Manifold Relative Pressure)で行ってきたが、以前、

「Absoluteでロギングした方がセッティングしやすい」

とアドバイスを頂いた。

それでも、「ブースト(相対圧)1.XX[bar]」というのがイメージしやすくて、相対圧でロギングしてきたが、今さらながらに絶対圧でロギングし、相対圧はExcelマクロなりで換算すべきだよなあ・・・と思う。

絶対圧を基準にブースト制御が行われているのなら、ロギングした相対圧は、大気圧に応じて変わるからだ。


ずっと大気圧をロギングするのもアホくさいので、ロギング開始・終了時の大気圧をチェックし、メモっとくのが得策か?




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Posted at 2008/09/20 22:16:20 | コメント(1) | トラックバック(0) | 技術論 | 日記
2008年09月17日 イイね!

[SAE版]吸気温度とトルク・出力の関係を検証する

ブログ「吸気温度とトルク・出力の関係を検証する(誤りアリ)
ブログ「[改訂版]吸気温度とトルク・出力の関係を検証する
の続き。


JISでは、火花点火機関(ガソリンエンジン、ガスエンジン)に関しては、吸気温度に対しての換算計算の乗数に違いを設定していないディーゼルエンジンでは露骨に異なる)。



これに対し、SAE(Society of Automotive Engineers)では、火花点火機関(ガソリンエンジン)でも、NA、ターボに明確な乗数の違いを与えている。

ターボ車の吸気の冷却方式によって乗数が変わるのだが、ここでは空冷式(インタークーラー)でのグラフを作図した。



【1】吸気温度とトルク(倍数)

縦軸は「倍数」。「換算係数」と思って頂いてよい。
トルクおよび出力にこの倍数をかけてやった積が、吸気温度に依存したトルク・出力の換算値となる。

ターボがNAよりも気温変化に大きく依存
することがわかる。

また、当然「倍数」なので、高出力・高トルク車ほど吸気温度の影響を受け易いことがわかる。



【2】吸気温度とトルク

私のB4のカタログ定格トルク、35[kg・m]に【1】の倍数をかけたグラフ。
ターボでは、約7[℃]で1[kg・m]変化している。
JISでは約15[℃]で1[kg・m]変化だったので、SAE換算の方が変化が激しいな(規格って一体・・・)。




【3】吸気温度と出力

私のB4のカタログ定格出力、280[ps]に【1】の倍数をかけたグラフ。
ターボ換算では、1[℃]につき1.1[ps]変化している。

よく「吸気温度を1[℃]下げると1馬力アップ!」みたいな文章を見かけるが、SAE規格を信じるなら、あながち嘘でもなさそうだ。

ただし、上述のように、1[℃]変化における変化出力値は、元となる出力に依存するので、「吸気温度を1[℃]下げると1馬力アップ!」がどのクルマにも同様に効果があるわけじゃないが、200[ps]クラスのターボカーなら効果がありそうだ。



かなり似たような計算式ながら、乗数が少し変われば値は大きく変わるわけで、JIS換算とは結構違いが表れた。

規格がこんなことで良いのか?・・・とも思えるが・・・・

ちなみにJISは1992年、SAEは1990年に改訂された資料より。



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Posted at 2008/09/17 23:06:16 | コメント(1) | トラックバック(1) | 技術論 | 日記
2008年09月17日 イイね!

[改訂版]吸気温度とトルク・出力の関係を検証する

2008.09.08のブログ「吸気温度とトルク・出力の関係を検証する」には根本的な間違いがあった。

改めて、JISの性能試験法則の資料を読み返していて、ターボ・NAで乗数を変えるのはディーゼルエンジンであり、火花点火機関(ガソリンエンジンやガスエンジンなど)では、乗数一定だった。


JISによるグラフは、ターボ・NA関係なく、正しくは以下のようになる。


【1】吸気温度とトルク(倍数)


縦軸は「倍数」。「換算係数」と思って頂いてよい。
トルクおよび出力にこの倍数をかけてやった積が、吸気温度に依存したトルク・出力の換算値となる。

また、当然「倍数」なので、高出力・高トルク車ほど吸気温度の影響を受け易いことがわかる。



【2】吸気温度とトルク


私のB4のカタログ定格トルク、35[kg・m]に【1】の倍数をかけたグラフ。
約15[℃]で1[kg・m]変化している。




【3】吸気温度と出力

私のB4のカタログ定格出力、280[ps]に【1】の倍数をかけたグラフ。
約1.5[℃]につき1[ps]変化している。




先日のブログ
は、JIS規格としては誤情報だった(申し訳ございません)が、世界規格であるSAE(Society of Automotive Engineers)では、火花点火機関(ガソリンエンジン)でも、NA、ターボに明確な乗数の違いを与えているので、
先日のグラフは、ディーゼルエンジンの特性であるとともに、SAE規格にやや近いと思って頂ける。


SAEに基づいた同様のグラフはコチラ




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Posted at 2008/09/17 22:30:40 | コメント(2) | トラックバック(2) | 技術論 | 日記

プロフィール

「HAOC 鈴鹿ツイン。
ベストは1枠目の1分11秒141。

自己ベストはコンマ3秒更新できたケド、絶好のコンディションにも関わらず、目標の1分10秒を叩き出せず残念感炸裂😩

3枠目、4枠目と走りのアジャストは進むのにタイムは11秒5、11秒8とズルズル下がった😓」
何シテル?   11/24 17:43
ビート(PP1)、アコード・ユーロR(CL7)、三菱アイに乗っています。 ビートでのサーキット走行(タイムアタック)とチューニングを続けています。 鈴鹿...
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