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mistbahnのブログ一覧

2008年09月08日 イイね!

吸気温度とトルク・出力の関係を検証する(誤りアリ)

【2008.09.17追記】:以下、換算計算、間違ってます。
過給有・無にディーゼルエンジンの乗数を使ってます。
ガソリンエンジン用の改訂版を後日ブログに掲載しました





季節の変わり目なので、日、時刻によって、かなりエンジンの調子が変わる今日この頃。

今までのクルマでは、そこまでシビアにそういう環境変化について気になったりしなかったのだが、B4ではやたらと気になる。
かなり気持ち良いときと、とことんダメなとき。
いろいろと努力の甲斐あって、今夏は昨夏よりもちょっとマシだったが、敏感であることには変わりない。


B4が、環境条件によりシビアにエンジン・フィールが変わる件について、

 (a) B4が高性能車だから?
 (b) B4が低クオリティなスバル車だから?

という二択をボンヤリと考えたりしてたのだが、真面目に検証してみた。



エンジンダイナモ(エンジンのテストベンチね)では、計測したトルク・出力に対して、環境条件をパラメータとした補正をかけるのが一般的だ。
SAE(Society of Automotive Engineers)、JISなどが、エンジンの種類(ガソリンなのかディーゼルなのか、NAなのかターボなのか、空冷なのか水冷なのか・・・・)に応じた換算計算式を規格化している。

各規格で、微妙に計算結果は異なるものの、基本的な考え方は同じで、

 ・吸気温度
 ・大気圧

がパラメータである。


つまり、測定したトルク・出力に対し、試験条件の気温、大気圧を元に、基準温度25[℃]・基準大気圧99[kPa]相当の値に換算してやることで、環境条件による測定結果のバラつきを補正してやるワケだ。



SAEもJISも規格なので、ここで計算式を書くことに問題はないハズだが、JISの規格書のPDFはダウンロードが有料なので(無料にしろヨ!)、ここでは計算式の記述は行わない。



JISのガソリンエンジン車の換算計算の逆数を取れば、大気圧、吸気温度に依って、エンジンのトルク・出力がどのように変化するかを計算することが可能だ。

今回は、話をシンプルにするために、大気圧は無視し、吸気温度のみをパラメータとして抽出した計算式を用いた。

で、グラフ化してみた。
NA(自然吸気)、ターボ(過給器)それぞれについてグラフを描いてみた。



【1】吸気温度とトルク(倍数)


縦軸は「倍数」。「換算係数」と思って頂いてよい。
トルクおよび出力にこの倍数をかけてやった積が、吸気温度に依存したトルク・出力の換算値となる。

ターボがNAよりも過激に気温変化に依存することがわかる。

また、当然「倍数」なので、高出力・高トルク車ほど吸気温度の影響を受け易いことがわかる。




【2】吸気温度とトルク


私のB4のカタログ定格トルク、35[kg・m]に【1】の倍数をかけたグラフ。
ターボでは、約5[℃]で1[kg・m]変化している。




【3】吸気温度と出力


私のB4のカタログ定格出力、280[ps]に【1】の倍数をかけたグラフ。
ターボ換算では、1[℃]につき1.33[ps]変化している。

よく「吸気温度を1[℃]下げると1馬力アップ!」みたいな文章を見かけるが、JIS規格を信じるなら、あながち嘘でもなさそうだ。

ただし、上述のように、1[℃]変化における変化出力値は、元となる出力に依存するので、「吸気温度を1[℃]下げると1馬力アップ!」がどのクルマにも同様に効果があるわけじゃないが、200[ps]クラスのターボカーなら効果がありそうだ。




・・・・と、いうことで、B4が、環境条件によりシビアにエンジン・フィールが変わる件について、

 (a) B4が高性能車だから?
 (b) B4が低クオリティなスバル車だから?

のどちらか、といえば、

 (a) B4が高性能車だから
 (1) ターボ車だから
 (2) インタークーラがイケてないから

という結論に達した。



インタークーラを冷却性能の高いものに交換すれば吸気温度を抑え、上記のグラフのように出力・トルク向上が見込める上、ノッキング・マージンを稼ぐことができ、点火時期を進角することが可能となるため、インタークーラの重要度は極めて高いと改めて実感。





【2008.09.17追記】:冒頭の追記のように、換算計算、間違ってます。
過給アリ・無にディーゼルエンジンの乗数を使ってます。
280[ps]、35[kg・m]のディーゼルエンジンに関しては上記のような特性だと思ってください。
ちなみに、JISでなくSAE規定のガソリンエンジンの換算には上記グラフも近いです。

JIS規格に基づいたガソリンエンジンの改訂版グラフはコチラ
SAE規格に基づいたガソリンエンジンのグラフはコチラ




●自動車技術関連関連目次はこちら
●レガシィB4(BL5A)のECUチューン関連目次はこちら
●レガシィB4(BL5A) 関連目次はこちら
Posted at 2008/09/08 18:36:27 | コメント(7) | トラックバック(3) | 技術論 | 日記
2008年09月01日 イイね!

アーシング考

アーシングに依る効果はプラシーボか?オカルトか?
何年も前から議論されているテーマだ。

そもそもオーディオマニアな私(最近は全然だが)にとっては、アーシングという発想自体はごくごく自然なモノだ。

オーディオでは、アースの取り方が音質に大きな影響を与える。
機器間のアース電位を均一にするために、機器の筐体間をアース線で繋ぐことも多い。

コンセントの2極も、挿入方向で露骨に音が変わる。
私は挿入方向それぞれで筐体が帯びている電位を測定し、コンセントにもプラグ側にも印を付けて管理している。

「アーシングは、取付け位置によっては逆効果」というのも、ロジックな話で、アースループの問題や、ノイズ源となりそうなオルタネータなどへのアーシングが裏目に出る可能性は十分に考えられる。
オーディオでも、アースは必ずしも正と出ず、浮かした方が良い結果を得られる場合も多く、このあたりはプロでも両方比較して判断する。



数年前に、知人に「アーシングを考えてて・・・」という話をしたところ、

「オーディオの微弱電流なら効果あるかもしれないけど、プラグ点火の大電圧には意味ないでしょ」

と言われた。
そのときは、それもそうかもなあ・・・・と思った。



NGKの開発者の人にもヒアリングしてみたが

「効果なんてないんじゃない?メーカが施工しているアース線を良いものに交換するならひょっとすると・・・・だけど」

という回答だった。



うーむ。。。





現職では、計測に絡む仕事をしているので、センサ、計測機器を良く使う。
で、やはりノイズとアースの問題にはよく悩まされる。

「点火の安定」なんかに影響があるかは定かではないが、クルマには様々なセンサが使われている。

エアフロセンサ、A/Fセンサ、O2センサ、ブースト圧センサ、ノックセンサ、水温センサ・・・・・・
ノイズに強そうなセンサとしては回転センサあたりか。

また、制御系の信号線も基本的に微弱電圧だ。
プラグ点火自体は大電圧でも、その指令信号は微弱だ。


なので、アーシングの問題は実は結構、重要なんじゃないかと思っていた。



でも今まで放ったらかしだったのだが、ちょっと前にzoral氏(最近、更に過激な無茶で苦労されてますな)の薦めを頂いたこともあり、アーシングに初トライしてみた。

続きは、次のブログにて



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Posted at 2008/09/01 23:00:29 | コメント(4) | トラックバック(1) | 技術論 | 日記
2008年07月15日 イイね!

続:エアフロクリーン

2007.12.14のブログ「エアフロクリーン」で、呉工業さんから

===============================================================

弊社で調査したところレガシィ(BL5A)はホットフィルム式でした。
なお、ホットフィルム式のエアフロセンサーには、『エアフロクリーン』は
使用できません。


===============================================================

とご回答頂いたことを書いた。


しかし、最近yukiguniさんに、

「BP/BLはホットフィルムではなくホットワイヤー式です。
ホットフィルムはたしかBE/BHのE型までがそうだったように記憶してます。」


と教えて頂いたので、再度、呉工業さんに問い合わせてみた。


結構時間がかかったが、以下、ご回答頂きました。

===============================================================

富士重工に確認しましたところ、レガシィはBP、BL型になってから、ホットワイヤー方式になったとの事です。従いまして、ホットワイヤー方式のBP、BL型は『エアフロクリーン』を使うことができます。

===============================================================

呉工業さん、ご回答ありがとうございます+もっとシッカリしてください。

近日、早速エアフロクリーンを買ってメンテしてみよう。
空燃比が大きく変わるかもネ。


yukiguniさん、ありがとうございます。



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Posted at 2008/07/15 18:33:36 | コメント(5) | トラックバック(1) | 技術論 | 日記
2008年07月11日 イイね!

【ECU】考察:レゾネータとノッキングの関係

以前、取り外したレゾネータの共鳴周波数を計算したことをブログで紹介した


共鳴周波数f:107.2[Hz](=6432[rpm])

回転2次に着目すると3216[rpm]に相当。



私のB4では、3000[rpm]台にて、低負荷(0.20~0.88[r/rev])などでも割とノック検知(Feedback Knock Correction、Fine Learning Knock Correctionにてロギング)する。

で、長きに渡って、少しずつ対策した結果、3000回転台は、燃調リッチ、点火時期も他の領域よりもリタードさせている。


●Primary Open Loop Fueling B(燃調)

3200~4000[rpm]は低負荷域から、他の回転数レンジよりもかなりリッチとなっている。


●Base Timing B(点火時期)

3200~4000[rpm]は低負荷域から、他の回転数レンジよりも遅角ぎみとなっている。
特に3600[rpm]付近。


●Timing Advance B (Maximum)(これも点火時期)

同様に、3200~3600[rpm]は他の回転数レンジよりも遅角ぎみ。



レゾネータを外す前は、ノッキングはIAMでしかロギングしていなかったので、残念ながら違いを検証するには、再度レゾネータを取り付けるほかなく、それをするつもりはない。


3600[rpm]付近を中心に、Feedback Knock Correction、Fine Learning Knock Correctionが低負荷域(0.88[g/rev]以下)から頻発し、ノーマルECUよりもこの領域は点火タイミングリタードせざるを得なかったわけだが、レゾネータ外しとの関連性を以前から密かに疑っていた。


上記の共鳴周波数にバッティングする3216[rpm]時の回転2次成分だが、レゾネータの管の部分をどこまでがヘルムホルツ共鳴器の管か?・・・により誤差が出るので、3200[rpm]ドンピシャでなく、「3000[rpm]台」という括りで考える。


レゾネータを外してから、3000回転台の音はかなり大きくなった。
よく言われるような「シュコーッ」という吸気音が大きくなったわけではなく、排気音に似たグオーンという吸気音が3000[rpm]台で大きくなり、それはそれで迫力が出て嬉しかったものだ。

で、レゾネータが吸収していた3000回転台の回転2次成分に相当する100[Hz]台の音響エネルギーが、実は騒音の問題だけでなく、吸気管内の脈動などに大きな影響を及ぼしていると考えてみると、3000[rpm]台でノッキングが多いことが、レゾネータを外したことと無関係ではないのではないか?という疑いが生じる。


実はずっと気になっていたことだが・・・・
レゾネータを戻してみる気にはなれないので、今後もずっと気になったままなのだが・・・・。





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Posted at 2008/07/11 21:23:14 | コメント(8) | トラックバック(0) | 技術論 | 日記
2008年06月22日 イイね!

M DCT

時事ネタをブログで語るのは好きではないのだが(笑)、BMW E92 M3クーペを試乗したので、先日のブログ「PDK」に引き続き、DCTネタを。


2008年6月16日(月)のcarviewのニュースより

BMWジャパンは、BMW『M3』のセダンとクーペに、新世代のトランスミッション「Mダブル・クラッチ・トランスミッション」(M DCT Drivelogic)を搭載して16日から販売開始した。



来週にはDCTのM3の試乗車が入ってくると営業さんがおっしゃってた。


ブログ「PDK」でも書いたが、デュアルクラッチにとる「途切れのないトルク伝達」の実現が、二つのクラッチを半クラにしてクロスフェードさせている、としたら、E92・E90 M3にはDCTは不要だったのではないか????
と昨日の試乗を終えて強く思う。

BMW E92 M3クーペの試乗で体感した、ニュートラル時の強烈な針落ちのスピードと、空ぶかし時の強烈なエンジンレスポンスがあれば、デュアル・クラッチにせずとも電光石火のシフトチェンジは可能なのでは???と思う。

BMWのシングル・クラッチの2ペダルMT「SMG」は運転したことがないので、評価できないが、私はE92 M3クーペの試乗で、少なくともM3のV8エンジンにはDCTではなくシングルクラッチの2ペダルMTで十分に思えた。

ブログ「PDK」での仮説のように、DCTが半クラのクロスフェードを使っているなら、クラッチの消耗も気になるし、何よりDCTにすると重い。




ところで、BMWはDCTに変な名前をつけずに、ニッサンGT-R同様、素直に「DCT」としてきたのが好ましい。正確には「M-DCT」だが。
ただ、「DCT」を「Dual Clutch Transmission」とせずに「Double Clutch Transmission」としているのが、個人的には好ましくない。

過去のブログ「人とくるまのテクノロジー展2008 その6(Schaeffler Group)」でも書いたが、「ダブルクラッチ」は日本だけでなく、英語圏でも機構ではなくシフトチェンジ時の運転技巧を表すようなので。



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Posted at 2008/06/22 08:11:06 | コメント(0) | トラックバック(0) | 技術論 | 日記

プロフィール

「HAOC 鈴鹿ツイン。
ベストは1枠目の1分11秒141。

自己ベストはコンマ3秒更新できたケド、絶好のコンディションにも関わらず、目標の1分10秒を叩き出せず残念感炸裂😩

3枠目、4枠目と走りのアジャストは進むのにタイムは11秒5、11秒8とズルズル下がった😓」
何シテル?   11/24 17:43
ビート(PP1)、アコード・ユーロR(CL7)、三菱アイに乗っています。 ビートでのサーキット走行(タイムアタック)とチューニングを続けています。 鈴鹿...
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