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mistbahnのブログ一覧

2012年04月03日 イイね!

【技術】FA20の吸気系とマーレ・フィルターシステムズ製サウンドクリエータ 考察

【技術】FA20の吸気系とマーレ・フィルターシステムズ製サウンドクリエータ 考察先日試乗したBRZで一番好印象だったのは重心の低さと前後重心バランスによるコーナリングの気持ちよさだが、「元音響屋」として、BRZ(と86)の売りのひとつであるMahle Filter Systems製の「サウンドクリエータ」について考察してみる。


正直、「サウンドクリエータ」って名前はどうしようもなくイケてないと思う。職種にしか聴こえない。
・・・が、本国のマーレで昔から使われているネーミングだとしたらどうしようもないんだろう(グローバルな感覚でもイケてるネーミングだとは思えないが・・・)。




■スバル BRZのFA20エンジンの吸気の流れ

●前方吸気

スバル BRZのFA20エンジンの吸気の流れ

EJ20やFB20は後方吸気(エアクリBOXから吸気管をバルクヘッド方向に取り回し、インテークマニホールドの奥からの吸気)だが、FAは前方吸気。
配管距離が短く、太く、直線的。

圧損が少ないのは美点だが、低速トルクを犠牲にしてでも高回転域を重視した・・・ということだろうか?(個人的には大いにアリ)
MFiによると、前方吸気レイアウトはフロントミッドシップ寄りのエンジン配置にも貢献しているとのこと。これも美点やな。

スロットルチャンバーが見当たらないのは、スロットル閉→開時のレスポンスが、この短い配管距離だと問題にならないということだろうか?




●レゾネータ

エアクリにはレゾネータが接続されている。(※このあたりはEJ20なんかと同じ。ただし、EJ20ではレゾネータはエアクリBOXの下に位置するのでFA20のように目視できない)

マーレのサウンドクリエータを使ってまで吸気音を強調しようとしているが、逆に消音を目的としたレゾネータ(=ヘルムホルツ共鳴器により特定周波数域の音のエネルギーを減らす)を取り付けているということは、サウンドのキャラクター作りとして強調したい周波数帯と、消したい周波数帯があるということか。
あるいは、脈動効果・共鳴過給を考えてのものだろうか?

どなたかBRZ購入されたらレゾネータの共鳴周波数を調べてください↓。
参考: レガシィB4時代にEJ20Yのレゾネータを外して共鳴周波数を調べてみたときのブログエントリ

※レゾネータによる脈動効果・共鳴過給についてのメーカからの技術的コメントがある場合も結構多いが、有識者から「消音目的のみで、脈動効果はタテマエ」という見解も聞いたことがある。

※ただし、私のかつて乗っていたB4ではレゾネータ撤去で、共鳴周波数に該当する回転数でノッキングが増えたように思えた。
参考ブログエントリ「【ECU】考察:レゾネータとノッキングの関係 」
実際の因果関係は定かではないが・・・。



●Mahle Filter Systems サウンド・クリエータ

エアクリ通過後、マーレ・フィルターシステムズの「サウンドクリエータ」へと分岐。
吸気音強調のため・・・というのはスポーツカーとして域な機能だと思うが、インマニへの吸気系路からこれだけ長い分岐があることのネガは何かないのだろうか?

もちろん、分岐位置(メインの吸気管における「腹」や「節」)は考えているんだろうから、吸気管長と分岐位置を測ってみると面白いかも。


サウンドクリエータから奥に吸気が通過するワケではない。
サウンドクリエータ内には「ダンパー」(ベローズ状のダイアフラム)が間仕切りとして存在し、これが共鳴し、吸気音を拡声して車室内に送り届ける仕組み。


※無断転載申し訳ございません

参考:特許「内燃機関の吸気装置」


↓マーレ・フィルター・システムズのサウンドクリエータ。

マーレ・フィルター・システムズのサウンドクリエータ

予備知識がなければ、パッと見、ブローオフバルブにも見えるな。FA20は今のところNAなので誤解する人もいないと思うが。


ピックアップやマイクロフォンで拾ってるワケではなく、機械的であることが評価されているが、やはり細い配管を通った吸気音を、「共鳴」(=特定の周波数域が強調)させているため、個人的にはやや人工的な音に聞こえた。(不快ではないが)
B4、ビートとバルクヘッドの吸音材を全て撤去したクルマに乗っている私だが、それらの条件で聞こえるサウンドとはやっぱり異なるのだ。
電気的にフィルタリングされた音ではなく、機械的にフィルタリングされた音も、やっぱり「フィルタリングされた音」として認識できるんだなあ・・・と。人間ってスゴいな。

車室内へエンジン音の供給箇所がバルクヘッド全体ではなく、サウンドクリエータの出力側ダクトが接続されたポートのみ(・・・と思う)なのも、不自然な理由か。

音楽でのサウンドメーキング(グライコ、パライコ操作)で連想すると、300~600Hzあたりを抽出したバンドパスフィルタのような感じだろうか?
ローとハイはカットされている感じ。

個人的には1~2kHzあたりをもう少し聞こえるようにして欲しいが、メカニカルノイズが強すぎると、否定的な人が多くなりそうだ。
(3.5kHzあたりが一番耳につくので、そのあたりはあまり強調すべきではないと思うが・・・)



最近発刊されたMFi特別編集「スバルのテクノロジー」(スバヲタな皆さんは必読)にもこの「サウンドクリエータ」について少し詳しく載ってた。



MFiによると、どうも300~400Hzあたりを強調して「拡がり感」を与えている模様(私の感覚と少し異なる。悔しい)。

で、「4次、6次の成分を持ち上げてやるとマルチシリンダー的なニュアンス」となるそうな。

「4次、6次の成分を持ち上げる」って言っても、サウンドクリエータが共鳴によって音作りをする機構である以上、特定の回転数帯の4次・6次にしか効いてこない。
上述の「300~400Hz」の間をとって350Hzをサウンドクリエータの共鳴周波数を仮定すると、

350[Hz] ÷ 4[次] × 60[Hz→rpm換算] = 5250[rpm]
350[Hz] ÷ 6[次] × 60[Hz→rpm換算] = 3500[rpm]

となり、3500[rpm]では回転6次が強調され、5250[rpm]では回転4次が強調される・・・ということになる。

レゾネータの共鳴周波数を150[Hz]あたりにしてやると4500[rpm]周辺で回転2次成分を減らすでき、回転2次を減らし、4次・6次成分を強調することで、多気筒っぽくする・・・という思想なのかも。



ただ、MFiには「300~400Hz」「4次・6次」と書かれているものの、私のBRZ試乗における音の印象は、多気筒エンジンの音ではなく、紛れも無く直4の音。(あくまで個人的な印象だが)
あちこちに転がってるコンパクトカーの安っぽい雑味の直4の音じゃなく、ホンダやかつてのBMWの直4の方向性にある「パンチの効いた直4の音」(もうひとつパンチ不足なので「適度にパンチの効いた直4の音」か)。

・・・で、先日のBRZ評に書いたように、それはスポーツエンジンとしての「雰囲気」を生み出すと同時に、せっかくの水平対向の美点・テイストを損なう結果となっていないか?・・・という疑問。





これだけ一つのテーマについて掘り下げて考察・感想を書くことができるのは、私にとっては試乗できたからに他ならない。個人的にはやっぱり「体感・感覚として理解する」ということが非常に重要。私にとっては試乗はとても重要なのだ。
レクサスLFA×ヤマハの可変エグゾースト・システムにも興味があるケド、試乗できないので書くことができない(笑)



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Posted at 2012/04/03 21:31:40 | コメント(5) | トラックバック(1) | 技術論 | クルマ
2011年10月02日 イイね!

【B4】【PP1】【ECU】レガシィB4(BL5A)のノックセンサNTK KNE26を検証

【B4】【PP1】【ECU】レガシィB4(BL5A)のノックセンサNTK KNE26を検証レガシィB4(BL5A)のEJ20Yからサルベージしたノックセンサ、NTK KNE26(←どこぞのグループ名みたいやな)がどんなもんか検証した。

↓シングルエンドなので、KNE26のコネクタには1線しかない。


個人的には生理的に受け付けない。
実際、シングルエンドを使ったアプリケーションってノイズで悩むこと多いし・・・。





KNE26はシングルエンドなので、NI製のシングル用のADコンバータに接続した。

コモン側はエンジンにつなぐものだと思うが、KNE26単体に対してハンマリングしてみたかったので、KNE26のエンジン接合面にビニテで貼り付けた。
ビニテの弊害も少し気になったが、まあ、大雑把に確認したいだけなので。



KNE26のエンジン接合面→COM端子だけだと、60Hz(AC電源ノイズ)をたくさん拾った。

アースの取り方をどうしようか考えたが、とりあえずコモンをmistbahnの体に落とすのがてっとり早かったので、クリップで手のひらをツマんだ。
結構痛かった。
時間が経つと少し気分が悪くなる。


KNE単体で、エンジン接合面側を、レンチで叩いてやった。

ノックセンサはピーク検知用なので、今回はRMS平均など使わずピークホールドで評価してみた。



図はNI Signal Expressを使っての周波数のズームスペクトル。
3kHz付近が固有振動数っぽい。



5kHzまでをズームして、再度ハンマリングしてみた。



2.9kHzあたりが固有振動数らしい。

KOTECのサイト
http://www.kotec.info/ja_support6.html

によると、

ノッキング周波数 ≒ 570000 ÷ ピストン直径mm

とのことで、ビートのボア 66mmで計算すると、E07Aのノッキング周波数は 8.636kHz あたり・・・という計算結果となる。

KNE26の共振周波数が 8.6kHz から外れているので、8.6kHz周辺の正統な計測・解析ができる・・・・とも解釈できるが、きちんとハイパスフィルタをかけないと、ノッキングと無関係な3kHz周辺の振動をモロに拾う・・・とも言える。




KNE26を何か別の物体に取り付けてのハンマリングテストをしてみたかったので、近くに転がってたレンチに取り付けてみた。



本当はもっと大きめの鉄板なんかに取り付けたかったのだが、KNE26をワークに取り付けるにはM8の長いボルトが必要なのだが、手元には首下35mmのボルトしかなかったので。

この状態で、レンチを別のレンチで叩いてみた。



工具をハンマリングしてのデータ。



Qのやたらと鋭いピークが2kHz強の位置に確認された。

KNE26単体の特性とは大きく異なるので、過速度ピックアップとしては機能しているらしい。



5kHzまでに周波数スペクトルをズームして再度、加振。



この2.2kHzあたりの周波数が工具の固有振動数と考えられる。



会社にある、別のちゃんとした過速度ピックアップと、同じワークに取り付けて比較評価とかもしてみたいのだが、いろいろ面倒なので、KNE26の評価はとりあえずここまでで。


加振時のピークが250mV程度なので、本当はやっぱりアンプがあった方が良いのかな。

※今回のブログエントリはカテゴリ分けに困った。



●ビート(PP1) ECU関連目次はこちら
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Posted at 2011/10/02 19:39:32 | コメント(10) | トラックバック(1) | 技術論 | クルマ
2011年06月25日 イイね!

【技術】【307SW】二次エア供給システム

【技術】【307SW】二次エア供給システム購入4日目で発生したプジョー307SWのANTIPOLLUTION FAULTエラー

先日は、海外ソースをいろいろ調べて、「EGRの戻り配管のススなどによる詰まり」と断定した・・・・・・

・・・・・のだが、マグナムさんによるエンジン・オーバーホール調査により、EGR配管(排気→吸気)は詰まっておらず、詰まっておらず、詰まっていたのは排気管へ2次エア配管だと判明した。(ありがとうございます)





EGRばかり疑っていたときは「EGRのリターンにエアポンプなんて使わないと思うんだケド・・・」と、「???」状態だったエアポンプだが、二次エア供給用と聞いて納得。






二次エア供給システム・・・・・

二次エア供給システムは排ガス浄化のための手法のひとつ。


メーカによっていろんな解説があるが、要約すると・・・・

燃調リッチ → 燃焼ガス中の酸素不足 → 未燃焼のCOおよびHC → エキゾーストポートから排出される高温ガスに、エアポンプで圧縮した空気(二次空気)を吹き込むことにより、未燃焼のCOおよびHCを最燃焼させる・・・・

・HC(未燃焼ガス)+O2(二次空気) →H2O(水蒸気)+CO2(二酸化炭素)

・CO(未燃焼ガス)+O2(二次空気) →CO2(二酸化炭素)

ということ。

EGRはNOxの抑制を目的とし、二次エア供給はHCとCOの低減を目的としたもの。


ホンダでは、二次エア供給を、コールドスタート時の触媒の早期活性化に活用している模様。
ホンダのソース1(お客様相談センター「は」行)
ホンダのソース2(S2000 先進の低排出ガス化の実現)


プジョーがEW10/Dにおける二次エア制御をどうしているのかは不明。
そもそもがリーンバーンなエンジンなので、リッチ寄りになるのはコールドスタート時と・・・・・ほかには??




↑のように何故、排気バルブの直近に二次エア供給ポートがあるかというと、ガス温度が十分に高い場所でないと、未燃焼ガスに対して十分な酸化効果が得られないため。






ちなみに、この二次エア供給システム・・・・

WRCやイニDのランエボで話題になったミスファイアリングシステム」(アンチラグシステム)と思想は異なるが、仕組みは一緒だ!!!

燃え残りHCやCOにO2を与えて二次燃焼をさせることでタービンを回し続けることを目的としたグループA車両やWRカー(プジョー307WRC含む?)。

それに対し、同じく、燃え残りHCやCOにO2を与えて二次燃焼をさせることで、単純にHCやCOを低減させたいEW10/D。





ミスファイアリングシステムと一緒の仕組みだから、二次エア配管のポート清掃をして戻ってくる307SWが、須藤京一のランエボのように「パンパン」と二次燃焼の音がするか?・・・というと、そうでもないよう設計されているらしい。
ただ、マフラーやセンターパイプとか、排気系を交換(チューンナップ)して排気効率を良くすると、排ガスが薄くなり、アフターファイヤーが発生しやすくなてパンパン言うらしい。

排気効率が良くなると、排ガスって薄くなるの???

排気効率が上がる → 排気流量増 → 同じ二次エア供給量だと二次エア供給不足で排ガスは薄くはならない

・・・と思うのだが、私が何か勘違いしてる気がする。







ANTIPOLLUTION ERRORには諸説あったが、傷口は浅いのか?
二次エア配管が詰まっても、シリンダ内燃焼においてノッキングマージンが削られたり・・・というワケではない。
どっかで読んだソースで、「エラーは点灯しますが、走行に支障はございません」とプジョージャポンが回答をしたというのを見たが、確かに走行への支障は小さいのかも。大気は汚染されるケド。


・・・・・いや、でも、まてよ。
結局、二次エアの詰まりの検知を、O2センサが「燃調リッチ」として検知しているということは、それにより燃調(燃料噴射量)の瞬時補正や学習補正が入ってしまう可能性があり・・・

リーンバーンが更にリーンに → ノッキング多発+NOx増

・・・という悲惨な状況に陥ったりも考えられるのだろうか???


DENSO+スバルのECUみたいに、A/F Learning(燃調の学習補正量)も、回転数や吸気量に応じて個別値がマッピングされているなら、二次エアが使われる領域(アイドリング付近?)のみで、問題が起き、他の領域では問題が生じないかもしれない・・・・が、307 PetrolのECUの中身については今のところ不明。







うーむ。EW10/D、深いゾ。

直噴、リーンバーン、EGR、二次エア供給システム・・・・
EW10/D、かなり「当時の」テクノロジーのテンコ盛り。本当に意欲的なエンジンだったんだな。
なんか307SWにだんだん情が移ってきた。

「過ぎ去った未来のエンジン」で、実際にあまり成功しなかったようだが(現にたったの5万kmでポート詰まりを起こしている)、失敗作でも開発者の思いの詰まったエンジンって夢があるじゃないか。




もし、ECUをイジり倒すことができるなら、

・過給器を追加して、イマドキの直噴過給に

・過給器を追加して、二次エア過給を、ミスファイアリングシステム(アンチラグシステム)として活用!

・EGRクーラをつけるか、いっそEGRはやめるか・・・

などなど、いろいろと面白いのかもしれない。




(参考文献)
二輪車の排出ガス低減技術
カリーナ資料室
ホンダのソース1(お客様相談センター「は」行)
ホンダのソース2(S2000 先進の低排出ガス化の実現)




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Posted at 2011/06/25 06:27:25 | コメント(7) | トラックバック(1) | 技術論 | クルマ
2011年02月06日 イイね!

【技術】シンクロメッシュ考

【技術】シンクロメッシュ考先日ブログアップした「【書籍】Motor Fan illustrated vol.52 ~MT/DCT完全理解~」にシンクロメッシュ機構についての詳細解説があった。

その中に

"大昔のMTはシンクロメッシュを持たないものや、能力的に余裕のないものが多かった。そこで、変速操作中にニュートラル位置で一度クラッチをつなぎ、エンジン側からの鑑賞でシャフト回転を調整してから再度クラッチをつなぎ、エンジン側からの干渉でシャフト回転を調整してから再度クラッチを切って変速段を選択する「ダブルクラッチ」操作が有効だとされていたが、現在ではまったく無意味である。
同様に、クラッチを切らずに変速する行為も、回転同期に時間がかかるばかりで無意味だ。"


とある。


本当に無意味なのだろうか?
これはMFiに対しての問題提起(難癖)ではなく、素朴な疑問だ。
自分の運転操作への疑問を含む。



私は、昔(18~19年前)から、ダブルクラッチを使ってる。
数年前からシフトアップ時もダブルクラッチを使うようになった。

皆様にアドバイスを頂いてからは、変速前ギア→ニュートラル は、アクセル操作と連動してのノークラッチでのシフト操作を多用するようになった。

最近は、シフトアップ時の 変速前ギア→ニュートラル はノークラッチ。
ニュートラル→変速後ギアはクラッチ切断。
シフトダウン時はベーシックにダブルクラッチ。
ヒール・アンド・トウ時のダブルクラッチ。

もう10数年もやってると、別に複雑なことをやってる意識はなく、ダブルクラッチせずに変速する方が難しい・・・・というか、かなり考えながら無理しての操作となる。




個人的には、今ドキのクルマのシンクロの容量が高いと言っても、それでもダブルクラッチがシンクロに優しくないワケがない・・・と思ってたんだケド、MFiには全否定されてしまった。



さて、私のB4は、1年半ほど前からシンクロ(3速。4速と共用?)がヘタっている。
フル加速時、2速レブ付近から、十分に回転落ちを待たずに3速に入れると「ジャリッ」と言う。
ミッション・オーバーホールをしたいが、騙し騙し使っている。


今、私のB4の走行距離は9万km超えだが、シンクロがダメになりだしたのは7万kmぐらい。

その理由は?


a) 単純に運転が下手。回転合わせがマズ過ぎた。

b) 純正フライホイールの回転慣性があまりに大きく、回転落ちが遅いため、シンクロに負担がかかり続けた。

c) MFiに書いてあることとは裏腹に、そんなに容量のあるシンクロじゃない。(※スバルの5MTはヤワだと昔から言われており、GCなんかではそれが理由で6MT換装している人も多い)

d) ミッションオイルの管理がズサンだった。

e) そもそも、ミッションをいたわるためにしてきた操作(ダブルクラッチなど)が、私の勘違いで、ミッションに悪影響を及ぼしていた。

f) MFiに書いてあることは一般論で、大パワー、大トルク車には当てはまらない。



・・・・いろいろ考えられるんだケド、メカのことはともかく、自分の運転操作方法自体ってどうなんだろうね??

REV SPEEDなんかでもシフト特集では、レーシングドライバーの皆さんも揃って「ダブルクラッチは使わない」と公言してるし。

有識者の皆さんの忌憚ないコメントを頂きたく。



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Posted at 2011/02/06 23:33:34 | コメント(3) | トラックバック(0) | 技術論 | 日記
2010年11月05日 イイね!

スバルの水平対向エンジン 最近の動向

スバルの水平対向エンジンの最近の動向の覚書。

■EL15



水平対向4気筒NA
1498[cc]
ボア×ストローク: 77.7×79[mm]
DOHC
圧縮比: 10:1
81[kW]/6400[rpm]
144[Nm]/3200[rpm]

初めてのロングストローク仕様のボクサー。
個人的には旧モデル(EJ15)の方がフィーリングが良かった。

EJ15(GG2F)試乗記
EL15(GH2)試乗記

EL15が好きになれないので、同じくロングストロークのFB20(最新型)には期待半分、不安半分・・・



■EJ20


※写真はJUNのブースで展示されていたカットモデルなので、ノーマルEJ20ではない

(以下、EJ207=GRBインプレッサ)
水平対向4気筒ターボ
1994[cc]
ボア×ストローク: 92.0×75.0[mm]
DOHC
圧縮比: 8.0:1
227[kW]/6400[rpm]
422[Nm]/4400[rpm]

他社のいろんなエンジンと見比べてみると、EJ20は極端にオーバースクエア。


私のBL5レガシィのEJ20Yは、上記EJ207とはいろいろ仕様が異なる。
圧縮比は9.5で、タービンはTD04(小さい)。
レスポンス・燃費には優れる理屈(あくまで理屈)だが、残念ながらブーストアップはちょびっとしかできない。
レガシィ購入前、購入当初はインプレッサと同じエンジンだと思っていたので、今となっては残念な事実(がんばって圧縮比落としてタービン変えれば良いのだけど)。



これが、フォレスターやエクシーガのターボ仕様EJ205になると、圧縮比9.0。
8.0と9.5の間・・・・で、私には狙っているところが良くわからない、中途半端な仕様に思えるのだが・・・・。



EJ20は仕向け地別の仕様を含めると200種類ぐらいのバリエーションがあるそうだ。

汎用エンジンの組立ラインの設備の仕事を担当したことがあるんだけど、汎用エンジンは世界各国の発電機メーカや農機メーカなどにOEMされるので、同じシリンダブロックでも、納品先別で、ヘッド違い、オイルパン違い、フライホイール違いなどで200種類ぐらいがラインを流れてた。

でもEJ20はロビンと違って汎用エンジンじゃないので、そんなにバリエーションを増やすのは効率悪→コスト高に繋がりそうに思えるのだが・・・・?




■EJ25

(以下、EJ255=BM・BRレガシィ)
水平対向4気筒ターボ
2457[cc]
ボア×ストローク: 99.5×79.0[mm]
DOHC
圧縮比: 9.5:1
210[kW]/6000[rpm]
350[Nm]/2000~5600[rpm]

EJ25にもいろいろあるけど、BM・BR用の仕様。

EJ25はSOHCだとi-AVLS(可変バルブリフト)だけど、DOHCだと吸排気のデュアルAVCS。
DOHCだとi-AVLS採用に何か問題があるのか、それとも、i-AVLSはやっぱり良いものじゃなかったのか・・・その背景は不明。

タンブルジェネレーテッドバルブ付。
スバルの最近のモデルにはTGVが付き物だけど、みんカラの周囲のユーザには不評。
渦流発生によるメリットよりも、吸気抵抗になるデメリットがパワー系ユーザには不評なのが一点。
発展途上の機構で、トラブルが多そうなのがもう一点。

EJ20以上にオーバースクエア。

圧縮比9.5は、BL・BPレガシィのEJ20Yと同じ思想。

5円弧コンプレッサー(タービンの吸入流露の流速を高めるための流路=スクロールで干渉が発生しないよう、断面形状を独特なおむすび型(五円弧)に改良したもの)らしい。
最近のタービンのトレンドらしい。

EJ25 DOHC 試乗記(BPHアウトバック)
EJ25 DOHC 試乗記 (BR9レガシィ)

↑残念ながらSOHCのEJ25の試乗経験がない。
BPHとBR9で微妙に感想が違うのは、乗り手の問題か、制御の味付けの問題か?




■EZ36

(以下、EJ255=BRFアウトバック)
水平対向6気筒NA
3629[cc]
ボア×ストローク: 92.0×91.0[mm]
DOHC
圧縮比: 10.5:1
191[kW]/6500[rpm]
335[Nm]/4400[rpm]

EZ30の後継。3000→3600[cc]へ。
mistbahnには未体験の6気筒NA。

EZ36はスクエアなのね。
EZ36にはAVCSに加えて、バルブリフト機構も備えているらしい。
かなり最近のモデルでフラッグシップであるEZ36にバルブリフトが付いているってことは、i-AVLSはダメな仕様ではなく、高価な仕様ってことなのかな?
(何故かEZ36では「i-AVLS」って名称が使われていないようだ。北米では「AVLS」とは呼んでいるみたいだけど。・・・ってことは、EZ36の可変バルブリフトは「i-AVLS」とはまた別物??)

EZ30は「極悪燃費だけどフィーリングは極上」と良く聞くんだけど、実際に体感してみたいなあ・・・・。
EZ36のアウトバックの試乗車がないか、今度聞いてみよう。



■EE20



水平対向4気筒ディーゼルターボ!
1998[cc]
ボア×ストローク: 86.0×86.0[mm]
DOHC
圧縮比: 16.3:1
110[kW]/6500[rpm]
350[Nm]/1800~2400[rpm]



ボア・ストロークはスクエア。

カウンターウエイト最小限のクランク、コモンレール、エンジンの短いL寸・・・など、新技術がテンコ盛り。

現物は展示会などで何回も見てるけど、車載状態は見たことがない。
一度運転してみたいなあ・・・。

新型ガソリンエンジンのFBには、当然EE20からのフィードバックを長いこと期待していたワケだけど、思ってたよりちょっと残念な・・・・・。



■FB20



(以下、フォレスター用)
水平対向4気筒NA
1995[cc]
ボア×ストローク: 84.0×90.0[mm]
DOHC
圧縮比: 10.5:1
109[kW]/6000[rpm]
196[Nm]/4200[rpm]

20年続いたEJ20の後継、「第三世代ボクサー」として登場。

富士重工業のリリースしている内容はブログエントリ 「スバルの新世代ボクサーエンジン」に詳述。

極端にオーバースクエアだったEJ20だったのが、遂にスクエアどころかアンダースクエアとなったのが特徴。
燃費こそが最重要である現代事情を考慮した仕様で、スバル存続のためには歓迎すべき新エンジンだが・・・・。




こんだけ世間がロングストローク偏重になると、過度にオーバースクエアなEJ20にロマンを感じてしまう。

EJ20はそこまで強烈な高回転型エンジンだとは思わない。
同じ4気筒なら、水平対向であるが故に、確かに振動・雑味は少なく、評価すべきポイントなんだけど、個人的には「味のないエンジン」だとも思う。(もっとも、ロータリー、直6、ボクサー・・・・と、キレイに回るエンジンとはそういうもので、吸気とか排気とかのチューニングで味付けしていくもんなんだろうけど)

でも、そんなEJ20が、世代交代を得て、逆に魅力的に思えてきてしまっている。
自分は若い頃から「アンチ懐古趣味」な人間だったんだけど、年食って、振り返ることが多くなったから、というのもあるのかも。



まあ、ボア・ストロークの件を置いておくと、FB20は新型なのでやっぱり改良されているポイントがたくさんある。

問題の多いTGVも更に改良されたらしい。
ピストン冠面の形状も今どきの凹型に。
AVCSも進角・遅角の両方向に制御可能となったそうな。


私は昔から「何故EJは直噴化しないのか??」と訴えてきたが、FB20もポート噴射だった。スバル曰く
「まだまだポート噴射で改善できる余地があると判断した。将来的なステップとしては、もちろん直噴化も視野に入れてはいるが、コスト面なども含めた総合的な検討の結果、今回はポート噴射とした」
とのこと。(※一般的な直噴化できない言い訳は「【技術】日本で直噴化が進まない理由? 」参照)



先日、スバルのディーラーさんで、EJ20(NA)を積んだフォレスターと、FB20を積んだフォレスターを並べて、アイドリング状態としてもらった。

パッと見はわかんないんだけど、並べて見ると、例えば吸気管のレゾネータの位置や形状とか、ベルトの取り回しとか、補機類を含めていろいろ違って面白い。

アイドリング時の振動は、ロコツにFB20が小さかった。
振動の要因には、エンジンそのもの以外にも、マウントだとかオイルだとか各回転部品の動バランスだとか、いろんなパラメータがあると思うけど、加速度センサなんて使わなくても手で触るだけで十分にわかるほどの差があった。



FBはこれからどうなっていくのかな?
ターボ仕様も、最高回転数を抑え、低回転重視、低速トルク重視の一途をたどりそうで・・・・・・・
それは正しいと思うんだけど、趣味性の高いエンジンではなくなるんだろうなあ。
ヲタ層に支えられてがちなスバルブランドだと思うので、ちょっと心配。




参考文献: Motor Fan illustrated vol.48 エンジンPart1 Japanese ENGINE~
参考文献: Motor Fan illustrated vol.49 エンジンPart2 European ENGINE1~



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Posted at 2010/11/05 00:42:40 | コメント(5) | トラックバック(1) | 技術論 | 日記

プロフィール

「HAOC 鈴鹿ツイン。
ベストは1枠目の1分11秒141。

自己ベストはコンマ3秒更新できたケド、絶好のコンディションにも関わらず、目標の1分10秒を叩き出せず残念感炸裂😩

3枠目、4枠目と走りのアジャストは進むのにタイムは11秒5、11秒8とズルズル下がった😓」
何シテル?   11/24 17:43
ビート(PP1)、アコード・ユーロR(CL7)、三菱アイに乗っています。 ビートでのサーキット走行(タイムアタック)とチューニングを続けています。 鈴鹿...
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