【追記】ちなみに次回予告は、
「異常台風としての洞爺丸台風」です。
洞爺丸台風の「一生」を探るとその異常性が際立ちます。【追記終】
気付くと…コメントしか返答してないです。
最近ズボらでごめんなさい^^;
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■洞爺丸台風は本当に面白い…。
いや、怪しい笑いが止まりません。
この芸術的な妖しさこそが、
洞爺丸台風の魅力であり、魔力であり
洞爺丸を沈めた「本当の正体」です。
「天気図」と呼ばれる艦長の
「裏の裏の裏をかく」この要素が
出航できない青函連絡船の船長を
「危険な賭け」に駆り出させました。
■そういう意味では、呼び水を頂いた
猛走峠さんには本当に感謝で、
PDCA、PDAC………
どーでもいいや、と酔っ払ったのがうまく作用したのかどうか。
(あのエントリーは微妙に際どい事を書いてる?様な…)
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■もちろん先のエントリーの連絡船の大きさも関係するのですが
■洞爺丸台風の場合には偶然がいくつも重なったために起きた
「複合災害」です。
多分もう二度と起きないと思います
■その秘密は、弘(2型)さんのコメント
「
110kmと言う速度が異常ですよね」
ここにあります。
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■何故110キロまで加速したのか?
(普通60~70kmぐらいが限界)
それは高気圧が台風を取り囲んで
ただ1点を除いて、
「偏西風の出口が無くなった」
ことが要因です。
■台風17号の時を思い出して下さい。
2012年09月28日
【秋台風の不思議】秋が導く台風の道【気象の不思議なメカニズム】
はるか南方から、エネルギーの巨大な流路が出現し、
台風が加速しましたよね?
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■では、
洞爺丸台風の場合どうだったのか??
何故台風は加速出来たのか?
たった1枚の天気図はこれだけの事を物語っています。
台風17号(今年)と同じ
偏西風の大蛇行があった訳です
掃除機のパイプの様に加速した訳です。
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■洞爺丸台風の実際の経路を見てみましょう
天気図の通り台風は行動しています。
■一方今回の台風17号は?
ほうらそっくり
。9/27前後ですよね。
やっぱり洞爺丸台風はCO2のせいだよね?(ウソ)
古舘に報告だ!!!
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■次に台風の進路と風速の関係。
台風は反時計回りです。スピードが上がると
地上から見ると、進行方向によって
風の強さが変わります。
■洞爺丸艦長は、北西で風が弱まったと言う事は
今回の台風17号の様な針路をとった、
という判断をしてしまいます。
微妙に15時以降東に進路をとった、と判断した訳です。
(誤差の範囲内です)。
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■しかし
実際に通過したのは
…疑似眼でした…。
■その南西域には
「超暴風域」を伴った疑似眼です
出口が狭くなった事で
風力発電で話題の、
風のレンズ「集風」が発生しました。
(参考:
九州台集風レンズの論文)
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■ここにもう一つのからくりがあります。
恐らく
午後4時の気象通報で、
船長は天気図を書いた筈です。
その折の気圧は、午後0時のデータとなります。
NHKのラジオ第2放送では1日3回、6時、12時、18時(日本時間。以下、全て24時間表記)の天気を放送する
NHKラジオ第2放送で放送されている。
9:10 - 9:30(6時発表分)
16:00 - 16:20(12時発表分)
22:00 - 22:20(18時発表分)
その時には
新潟沖にいたデータでの判断です。
私達は後追いだから、経路を知ってます。
でも、普通に自然に偏西風の影響を考えると、常識的にはこうなる筈です。
【追記いわゆる台風の代表経路】
【追記終】
■
今みたいに「雨雲レーダーや衛星写真」が
インターネットで見れる訳はないのです。
2012年10月22日
洞爺丸台風におけるベクトル変化と閉そく低気圧
>洞爺丸船長は、上記の台風の急速北上と突然の減速とを理解できなかったことに加えて、 午後5時過ぎに現れた函館市近傍の無風晴天と気圧の変動状態から、 台風の目が通過したと考えた。実際、目的地の青森の天候も比較的穏やかであった。 しかし、函館港の中では南南西の10m/s程の弱い風であったが、 防波堤の出側では、20m/sを超える突風が吹いていた。 船長は、台風の目が東側に去ったのだから、今度は風向きが陸から吹く風に変わり、 また風も弱まり航海に支障がなくなるはずである、という判断のもとに、 午後6時39分に1,220人の乗客、111人の乗組員、41人の公務職員、計1,331名を乗せて、 桟橋を出航した。
この表現に
恐ろしい誤解が隠されています。
唯一の異常は、
南南西の風です
時速110kmが、台風の吹き戻しを相殺した、という
誤解が艦長の判断を狂わせます。
実際に迫っていたのは「超暴風域」でした。
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■しかも…
閉塞低気圧化に伴う
台風の再発達が始まっていて
速度は大きく低下していました…
偏西風の蛇行によって
進路は西に大きくそれていました。
進路が曲がったのは最新の情報がない
13時から15時の間です。
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■さあ、
悪魔の条件が固まりました…
疑似眼の通過(風向きの変化)
微妙な針路の変更
集風効果による、「超暴風域」の形成
■そして函館は唯一南西には何も
遮るものがないのです。
■風の特異点が、いきなり、洞爺丸を襲います。
円弧状の暴風が吹き荒れます。
■しかし12時以降の詳細気象情報は、午後9時の気象通報まで入りません。
かくなる上は停船して様子を見るべきでしょう。
ところが、台風は減速して再発達中です。
ここは猛走峠さんも指摘した点ですが、
洞爺丸を過信していたなら
実は湾内に停泊せずに、青森を目指した筈です。
そうすれば沈没しない可能性があった。
洞爺丸船長は、
洞爺丸を過信すべきでした
過信せずに、台風の通過を見込んで、
待機したのが命取りでした…
■
台風は船長の経験と、慎重と、技量を
「全て」逆手にとって、洞爺丸を沈めてしまった訳です。
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■結局は大川小の津波と同じで
2012年09月23日
【10m津波から5分】津波警報的無理ゲー【気象庁の責任】
そこにあったのは人知を超える事態と
偶然*偶然の恐ろしさです。
当時の情報量や気象技術を考えれば
洞爺丸船長の判断は、至極真っ当であり、
注目はされたものの
そのメカニズムの解明には、50年近くの歳月を要し
洞爺丸船長は「己を過信した馬鹿船長」
とみなされている事実があると言えると思います。
■山を通じて、気象を知っていて、
気象図を書いた経験があり、
そういう条件があるから
私は幸いに理解ができます。
ですが理解できない人の方が多い訳で、
洞爺丸船長は、
台風の眼を勘違いした馬鹿ヤローにされてしまいました。
馬鹿野郎は実際には船長を馬鹿にしている私達
と言う訳です。
■
その不自然さを、見事に見抜いた猛走峠さんは
正直凄いなと思うのでした。
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気象を科学しよう | 日記
Posted at
2012/10/23 19:45:44