■ええと、ウラン238の危険を考えるならば・・・
3号機の爆発は即発臨界である必要も、核爆発である必要もありません。
もっと恐ろしい爆発の可能性すらあります。
■先のエントリーで、ウラン238の危険性に始めて触れました。
世にあるウランの殆どはウラン238です。
基本的に「殆ど」燃えません。
■核分裂をするウランは基本的にはウラン235。
そしてウラン235の分裂を通じて出た中性子を減速材として受止める事で
ウラン238は彼らは何と悪玉「プルトニウム」に進化します。
更に高速増殖炉にかけますと、プルトニウムの核分裂で中性子が出て、
燃料棒のウラン238から
より多くのプルトニウムが出来るわけです。
■これが夢の高速増殖炉。
でも核兵器が下火になると、単なるテロ誘発装置のような物です。
■かつて「ナイトスクープ」で実験された、1粒グリコの実験
一粒300mで300mずつ食べて42.195kmを目指したが、
確か口の中で巨大化して、差し歯か何かを破壊したはず。
結局マラソンは走れませんでした(笑)
高速増殖炉とはそんなものです。
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■さて、イラクや、ユーゴでその恐ろしさを見せた「劣化ウラン弾」
確か、核兵器の解体に伴い、再処理の工程でできた六フッ化ウラン
(確か緑くなかったかな?UF6とかいうやつのはず。追記、白い)
を転用した物です。重たいので貫通力が強く、「おまけ」として核被害が付いてきます。
■UF6は置いておきましょう。ウラン238もなかなか厄介な物です。
先だって、雑に引用した物のまとめをしましょう。
1)1943年に予見:
「(ウランから放射された)ベータ線は,汚染された水、食糧、空気により消化器官に入り込む.空気から吸引されたものは鼻や咽喉頭、気管支の粘膜などに付着し、次に飲み込まれる。その効果は気管支におけるのと同様な局所的な炎症である。胃、盲腸、直腸では,摂取されたものが,どこよりも長期にわたって残留する.このため消化器系統の臓器が最も深刻な影響を受ける。放射線被爆による一般的症状を示すことなく、消化器官に致死性の潰瘍、穿孔が発生することも考えられる」
※ちなみにベータ線はアルファ線の間違いです。
①(中略)劣化ウランの放射能はその60%程度です.=劣化ウランの1.5倍程度
②(中略)劣化ウランの場合はほとんどがアルファ線による内部被曝です.ただし,記載された症状は完全に一致しています.このことからアルファ線にもベータ線やγ線と同様の効果があることが推測されます.(プルトニウム恐怖説の主要要因です)
2)燃えたウラン238は,微粒子状の八酸化三ウラン(U3O8)になります.この微粒子は大気中のチリなどに付着して、広範な放射能汚染を引き起こすことになります.
このウラン238をふくむチリは,呼吸器,消化器,皮膚からとりこまれます.これらの9割は腎臓から尿に排泄されますが,残りは体内に沈着します.
またウランは化学的毒性も強く,吸引すると鉛中毒と似た症状を起こすと言われています.
■
実はウラン238の健康被害はあんまり分かってません。
分かっているのは「
ウラン鉱山では健康被害が多い」ということ
そして、チェルノブイリでは運転中の核燃料が溶融して水蒸気爆発をしたので、
ウラン238も同様に撒き散らされたであろうと言う事。
(IAEAは、放射能による健康被害を過少認定したに過ぎない)
■捕捉しましょう。
ウランはどうも化学毒性が強いようなのです・・・
本当に劣化ウラン弾は健康被害を引き起こしたか?もご参照下さい。
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■心配しているのは
あの膨大なチェルノブイリの健康被害は、放射性物質のみならず、
ウラン238のダーティーボムによる物もあったとしたら・・・
福島第一3号機の爆発はチェルノブイリに匹敵する健康被害の可能性を秘めると言う事です。
■使用済み燃料は、格納容器に入っていません。
つまり、ガンダーソン博士の言うことが確実ならば、水素爆発を機に即発臨界が起きた。
ううん、別の可能性でいい。
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私が唱える危険性はこれ。
■水素爆発で起きた高温で、
3号機燃料プール
(仮に上部が露出していたとします)
における使用済み核燃料の一部が、
水素爆発の熱で一気に溶融します。
溶解の途中で即発臨界の可能性は有っても無くても、溶融したのです。
(使用済み燃料メルトダウン)
ジルコニウムは更に溶けて、水素を発生し、
そして溶融した燃料は、残った水、
即ち水面にむけて落下します。
さて、何が起きるでしょう。
■答え、プールにおける水蒸気爆発
■結果、ダーティーボム(燃料プール)
■撒き散らされる物:ウラン238
■放射能の値:最大400ミリシーベルト
(瓦礫はもっと高い)
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で、何が言いたいのかって??
■3号機では使用済燃料による爆発だから、
チェルノブイリ級の放射線汚染は起きない。
■放射線量はチェルノブイリよりはるかに低い・・・
が撒き散らされる物は同じウラン238になる。
■アルファ線はガイガーカウンターで出ない。(少しでも距離が離れると減衰してしまう)
■14日以降17日の
ハイパーレスキューまでは
3号機のプールはほったらかし。
その間、ウラン238を含む、
ガスやらチリやらは放出されていた。
■15日の「放射線急上昇」は
2号機で良いし、
ガイガーカウンターは2号機の物。
でもその時3号機由来の
ウラン238の死の灰や死の埃も
2号機のプルームと一緒に来たんじゃないの?
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■つまり敵は放射性物質の、ヨウ素やセシウムだけではない可能性が強いと言う事です。
しかし、放射性プルームの通過点が、
セシウムやヨウ素同様、ウラン微粒子も含んでいたと考えるのは当然です
そうすると危険な日取りは14日から20日前後となります。
でも希望はあります。
だって、関東に15日以外に強烈な
放射能が来ていないということは
ウラン微粒子も、あまり飛んでこなかったと言う事だから。
あとは放射能が上がったのは、
21日とかではなかったでしょうか?
■やれやれ、今度は注水記録を見なければなりませんね。
いずれにしても、放射線が多く降り注いだ地は
それだけウラン微粒子も降ったと考えるのが当然で
福島は多分3重苦なんでしょう。
■また、茨城やいわき、等も放射線以上に汚染されていることが予想されます。
それこそウラン検出器など無いのですから、
後は時間がたってその影響が有るか無いかを待つだけとなるのでしょうね。
■ただ一言言えます。
その痕跡だって、SPEEDIとWSPEEDIで読めると言うか予想できるはずです。
なぜなら、風向きや、拡散が読めるからです。
それを隠蔽した政府の罪はいつか明らかになるのでしょうね・・・