■従来より放射能プルームカテゴリーでは
その範囲が直線的で、不思議な存在であるという事に触れてきた。
■武田教授のHP中で、
火山の噴煙に非常に似ている、という下りがあった。
そもそも気象庁?はSPEEDIでは汚染をほぼ言い当てた。
そのことを考えれば、何らかの測定手法があるはずというのが今回のテーマである。
http://takedanet.com/2011/03/post_7f3d.html
今回の噴煙の写真では新年だけと、うっすらと櫻島も記載がある。
予測でも似たような予測が為されていた。
武田教授の文章より引用
噴火の煙は「四方八方」に行くのではなく、風に流されて一方向に進む.このことが放射線でも重要だ。放射線物質はこの煙と同じように動く.
引用終
■よく考えると、かつての海戦の記録において、戦艦からたなびく煙も、また拡散が遅いものである。
今一度、噴煙の動きについて、おさらいをしていきたい。
■資料を探っていくともっとも分かりやすいのは、日本地質学会のHPであった。
http://www.geosociety.jp/hazard/content0039.html
■不思議と火山と原子炉は似ているようだ。
高温、高圧の環境下である事、
多分に水分を含むこと、
原発事故では凝結核となる微粒子が大量に存在する事
等など共通点がある。敢えて言えば、爆発力が格段に違うとも言える。
そういう意味では新燃岳ではなく、煙たなびく桜島こそ近いのかもしれない。
■ここで、地質学会HPの本文を抜粋する。
火山内部では,マグマが減圧した時に溶け込んでいた火山ガスが急膨張する.この急膨張によってマグマは粉々に破砕され,噴煙として火口から爆発的に噴出する(図3).加速された噴煙は火口で音速を超えて衝撃波を発生させることもある[脚注4].火口直上ではその慣性で上昇するが,火口での初期運動量だけで重力に打ち勝って上がれる高さは限られる(例えば,秒速100mで噴出したとしても放物運動で上がれる高さはたかだか500m).噴煙はその上昇中に周囲の大気を取り込んで,取り込んだ空気を火山灰の熱で膨張させる.それによって噴煙は浮力を獲得し,上空数km~数十kmまで上昇することができる.すなわち,噴煙上昇とはマグマの熱エネルギーを位置エネルギーに変換する現象と言い換えることができる.
■実に示唆に富んでおり、要するに噴煙上昇とは熱エネルギーを位置エネルギーに変換する現象という事に変わりはない。続けて引用文を抜粋する。
浮力を得た噴煙は上昇を続けるが,空気は上空にいくほど薄くなるため,ある高度で空気と膨張した噴煙の密度が釣り合うことになる.噴煙はその高度(密度中立高度)よりも上昇することはできず,水平方向に拡大する.正確には,噴煙が密度中立高度に達した時点では,噴煙はまだ上向きの余分な運度量を持っているため,密度中立高度よりも上に慣性で上昇する.噴煙は最高到達高度に達すると,上向きの運動量を失い密度中立高度に流れ下る.その形が「傘型噴煙」と呼ばれる由縁である(図4).
図5:噴煙柱・傘型噴煙の3次元シミュレーション.噴出物の濃度が1%の等値面を表 している.数値計算はSuzuki and Koyaguchi (2009)[8]を用いた.
■更に噴煙の傘型噴煙のモデルを引用する。
■一方、原発爆発の噴煙は・・・重たいのと、上昇力には欠けます。
阿武隈山地や、福島盆地で多く引っかかった所を見ますと、
プルーム理論で落書きを書きましたが、拡散はしづらいのですが
高濃度のプルームになればなるほど、風船のようにふわふわと、
低高度を飛行するというのは間違いがないと思われます。
■一つ心配している事があります。
もし現在の1号機のような、再臨界がらみのプルームが、例え水素爆発であっても
生じる事があれば、崩壊熱を膨大に持っているため、水平移動力については
熱エネルギーを位置エネルギーに変換するに比例するかと思います。
初回(3/
1615)において、福島盆地まで、プルームが腕を伸ばせたのは、
ひとえに高濃度の放射性物質を多量に含む、熱を持っていたからだと想像されます。
【追記】福島盆地へのプルームは現在のところ1,3号機の爆発ではなく
2号機のドライベント(前日にほぼ全量の冷却水全沸、及び燃料露出を起こしている)
が最有力犯です【追記終】
■3号機の爆発
Posted at 2011/04/15 18:29:47 | |
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