今や「絶滅」してしまった 「格納式ヘッドライト」 。
一時は猫も杓子ものように多くの車種に採用されていたが、HIDいやいや日産党は「キセノン」や、さらに進化して「LED」 の登場により小型化が進みデザインの自由度が増したことによって、その脈略が絶たれてしまった形になってしまっている。
日本では、小癪なトヨタのカローラⅡ の様に、単純に流行に後れるなという安直なリトラクタブルヘッドライトもあったが、多くは、空気抵抗を減らしたい、そのためにノーズを低くしたいという性能の追及がリトラクタブルだった。
まぁ、国産車で最初のリトラクタブルヘッドライトを採用した トヨタ2000GT は、低いノーズが災いして、法規に定められたヘッドライトの最低地上高が確保できず結果としてというパターンもあったが(閑話休題)
ヘッドランプの高さの規格に合わせるためリトラクタブル化した TOYOTA200GT
この格納式ヘッドランプの元祖は、やはり自動車王国の亜米利加であった。1936年に発売された cord 810/812 (コード)が最初で、
日本では「クジラ」とも言われた「棺桶」ノーズとフロント周りをシンプルかつスムーズに見せるため「格納式ヘッドライト」が編み出された。
実は「棺桶」と呼ばれたノーズ処理を際立たせフロント周りをスムーズに見せるために編み出されたのが「格納式ヘッドライト」であった。
コードのヘッドライトは、車内から「手動」で、
メカ好きのヤンキーだからバキュームか電気式と思ったら「手動」!始めて見た時は驚いたねぇ。
キコキコ(冗談)出てくるのには驚いたもんだ。あれだけ機械仕掛けが大好きなヤンキーが「手」でと初めて見た時は親近感さえ湧いてしまった。(閑話休題)
手動式とはいえ、ボディメイキングは流石としか言いようがない。流麗で美しく、精度が高いのが見て取れるだろう。
しかし「手動」とはいえ、そのボディメイキングの精度の高さは、1936年とは思えないレヴェルの高さを見せつけられるモンだ。メルチェデスが世界で初めてクルマを作ったのなんだの言っても、量産とそれに伴う生産技術の高さは、この頃の亜米利加の独壇場だという事を思い知らさえれるモノだ。
1936年の日本の製造技術、デザイン力の最たるものとしては、このトヨタABRがよい例だろう。デザインも精度のレヴェルもこれで精いっぱいだった。
動力装置も、4.7LのV8アルミのシリンダーヘッド、スーパーチャージド170馬力。
これでFWDで、ミッションは4MTなのだが、これがなんと、直接ギヤチェンジするのではなく、電気式という凝った造りになっている。
さらに驚くべきは、エンヂンとミッションのレイアウトを工夫して、前後輪の重量配分を、ほぼ 50:50 に設計されている。まさに亜米利加の工業力の高さを思い知らされるクルマであった。
Posted at 2019/05/19 10:20:58 | |
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