輝くスポットライト、真新しいクルマの前には人人の人だかり。。。
そんな中、「シルフィ」はたくさんのクルマの並ぶブースの裏手にひっそりと展示されていた。。
一応、カットモデルまで置いて、少しはやる気らしいものを見せてくれてたが、ほぼ同じ頃にリリースされる「ウイングロード」とは、えらく扱いが違っていた。。。
まぁ気を取り直して、じっくりと、新しい「シルフィ」を観察してみよう。
まずは、カットモデルが内装が見やすい様に斜めに展示されているので、これまたシャーシの裏側がネジの一本まで見渡せる状態であった。
我々が一番気になるのは、一体どのプラットホームを使っているのか・・・一番に目に入ったにはマフラー。。。
やっぱり「マーチ」だ・・ここでいきなり「B」プラである事が判明。
厳しい評価で有名な
「M氏」 曰く、「これじゃ被りモンのマーチじゃねか・・」と。。。
たしかに、その上のプラットホームを期待していた我々にとって、予想していたとはいえ、正直落胆の色は隠せなかったのである。。
気を取り直して、カットモデルや、そうでない展示車を舐める様に見てみたが・・・しかし、あれだけGT-Rだ、フォーリアだと熱気ムンムンの日産ブースにあって、ここは別世界!
床に張り付いて見ようが、後ろに下がって眺めようが、人がめったに来ないので、実にゆっくりと見れる。。
まったく寂しいモンだ・・・・・(閑話休題)
さて、実物のエクステリアを見て、事前の画像と比べて、正直に言って印象はかなり違ってきた。
具体的には、非常にデザインされているのだ。
アリオンなどに見られる様な、ど単調なサイドパネルの面とは違って、今度のシルフィは、微妙なラインと面でパネルが出来ており、それが見る角度と照明の当たり加減で随分と表情を変えて見せてくれる。。
特にテールランプから伸びるキャラクラーラインが、前方に行くに従って徐々にフェードアウトしながらフロントフェンダーのホイール・アーチに収束して行く処理は、なかなか斬新だ。
リヤのトランク部の処理は、最近欧州から波及した、ショルダーのラインにトランクリットが乗っかった様な処理でなく、ルーフのラインと滑らかに繋がっている処理で、唐突感が無くてセクシーだ。。
ティアナと似てると言われながら、Cピラーの面とサイドのパナルの面と、トランクの面が滑らかに繋がっているので、その部分においては、ティアナと趣きを異にしている。
さらにひとつ間違えればボッテリ感に繋がりそうなその所を、例のキャラクターラインが、Cピラーの根元から微妙に弧を描いてテールランプに繋がる事によって、ボッテリ感を緩和されていると思うのだ。
それでもかなり、ヒップアップには変わりないので、トランクの容量はかなり大きいと思われる。
そうそうカットモデルのリヤパーセルを見てもリヤ・シート後端からリヤガラスまでの長さが異様に長い事からもそれは伺えると言えよう・・・
「M氏」 もコメントしていたが、そのリヤパーセル上に「スピーカー」の存在は無かった。。。フロント及びリヤドアのみにスピーカーが置かれ、どうもこの辺に微妙なコストカッターを感じられずにはいられなかった。。
フロントの処理は、ヘッドランプの面とフェンダーの峰との整合性を取る為に、一部がバンパーに食い込むような形になっている。。
そこをもう少しうまく処理すれば、もっとフロントにシャープな印象が出て、もっと締まった感じになっただろう・・というイメージは変わらなかった。。
リヤやサイドの処理が絶妙なだけに残念な気がしてならなかった。。
最近、随分改善されてきた、日産のリヤ・モニター用のカメラの処理も、よりコンパクトになって、目立たないように設置されていた。
これまでは、「オラがクルマさ、カメラがついとるでよ・・」的に、これ見よがしにどうだ!とデカデカと付いていたのが、ぱっと見た目には分からないくらいまでになっていた。。
内装は、これまでの「シルフィ」を知る者にとって、ずいぶんと変わったと思わせる点であった。
とにかくリヤの足元は劇的に広くなっている。。というか今が狭すぎるのだ。
遠目だが、シートのステッチの感じやパーテーションのスキマなどは、やっとライヴァルメーカーに追いついた感じがした。
これなら「細部まで手抜き」なんてもう言われないだろう。。
まぁ、実車を見て、あれやこれや思うところはたくさんあったが、クルマとしての実力はかなり高いと思う、それは走りとかと言った点でなく、質感とか居住性といった、現在のシルフィが抱える問題点を、ことごとく潰し改善していると思われたからに他ならない。。。
しかし、「セダン不遇時代」とはいえ、シルフィの存在感は日産にとってなんなんだろうか?
今のラインナップを見て、ティーダとプリメーラの間の車種が日産には無い事が、どうも私は気になっているのだが、どうも当の日産は痛くも痒くも無いらしい・・・
そこまで、5ナンバー枠一杯のセダンという需要は無いのだろうか?
今回のシルフィを見て、その完成度が高い故に気になったのだが。。。
いくら造りが良くても、造り手の熱意が伝わって来なければ、売れるものも売れないと思うのだが・・・