1993年、第三十回東京モータショウの日産ブースに時ならぬ人だかりが出来ていた。そのクルマが翌年「ラシーン」としてリリースされるとは思いもよらなかった。
そのシンプルで、道具感溢れるデザインは、加飾気味になっていた国産車に有って逆に新鮮さを醸し出し、日本のみならず世界的にも話題を呼んだ。
なんたって、東京モーターショウの為に来日していた ジョルジェット・ジュジャーロ がラシーンの前から動かなくなってしまった事からも窺い知ることができるだろう。
ドラえもんを使ったCMは日産が最初だったのだ!
1994年、ついにラシーンは発売されて大いに人気を博する事になった。
そんなラシーンの成功を、二番煎じを得意技とするトヨタが見逃す筈はなかった!
1998年、五代目のスターレットのファイブドアをベースに、それらしいカラーリングと、ボディ下半分をクラッディングして、ボリュウミィに見せてラシーンより、より一層それらしく見せてリリースした。
その名は
スターレット・リミックス
カラーリングは「ホワイト」、「ブラック」、「レッド」、「オレンヂ」の四色が用意された。
外観のそれらしさとは反して内装は、それほど・・・なのだが、
ホワイトメータに、カラードシート・・・と特別感は無いのだが、ヒーターのツマミは、何とスケルトン!
この時代、流行っていた「ホワイトメータ」が目立つ程度で、後は目にまぶしいカラードシートくらいなんだが、よ~くインパネに目を凝らして見ると・・・・
エアーコンディショナーのツマミが黄色い。
そうなんです、なんと、このツマミは色がヴィヴィットだけでは無く、なんとスケルトン構造となっているのです。
しかし、ライヴァルが売れるとなると、手持ちのクルマで速攻、対抗馬を作ってしまうトヨタの節操の無さ・・・・いや適応力の高さは恐るべしである。
しかし、ラシーンもモデル末期だったが、スターレットの脈絡もヴィッツの登場で風前の灯だったのだ。
海を越えて、未だに人気の高いラシーン。
そのラシーンの対抗馬として登場した、スターレット・リミックス。
元々の思想のベースが無いが故に、そしてモデル末期で、格安グレードしか売れなかった状況にあって売れないのは・・・
いくら何が何でも売ってしまうトヨタに有っても、こればかりはの良例だろう。
Posted at 2015/03/29 20:39:03 | |
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