AUTOMOBILE COUNCIL 2021 で再会した懐かしいクルマ達の第3弾。
今回も、三重県の「 ヴィンテージ 宮田自動車」さんの展示車両より貴重なクルマたちの秘密の内側を覗いてみたいと思うのだ。
さて、僕はどうも トヨタ のクルマとは相性が悪く、正直嫌いなんだが、そのトヨタの中で幾つか、これはどうみても認めざる得ないと思う車種が存在する。
そのうちの一台が、今回紹介する トヨタ2000GT だ。
1965年、東京モーターショウのトヨタブースに、それまでの国産車とは全く異なる美しいエクステリアのツゥーシータ・クウペがスポットライトを浴びていた、そのクルマこそが トヨタ2000GT だ。
それまでのズングリムックリの国産車にあって、トヨタ2000GTのデザインは「異次元」の姿形だった。
雑誌の写真や、映像を見ると、意外に大きさを感じるのだが、実物を見ればわかるが驚くほどコンパクトなサイズで 5ナンバー 枠にキチリと収まっている。
パッと見た目ではサイズ感が分からないが、なんと 5ナンバー サイズに収まっている。
ディメンジョンは、全長4,175mm ✕ 全幅1,600mm ✕ 全高1,160mm である。このサイズは現代で言えば、
先代のロードスターのディメンジョンは 全長4,000mm ✕ 全幅1,720mm ✕ 全高1,250mm だ。トヨタ2000GT より車高が高いのは驚きだ!!
先代のロードスターに近いモノだ。幅は現代の「衝突安全の為」という大義名分でロドが広いのは分かるが、しかし、車高がロードスターより低いとは驚きだ。
リヤサイドのホップアップデザインとコーダトロンカスタイルにデザインに隙は無い。
リヤに回ると、この時代のスポーツカーのアイコンでもあるリヤホイール部分がホップアップするコークボトリュウラインとコーダトロンカスタイルが妙だ。
トヨタ2000GTと言えば、もう15年も前になるが、ボディサイドに刻まれた四角い切れ込みの中身はなんだ!?と言うのをプログでUPしたが、
切欠 トヨタ2000GTのフェンダーの切欠きってなんだ!?
→ https://minkara.carview.co.jp/userid/124785/blog/285773/
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ボンネットフッド上のスリットの入った切れ込みについては、そうだ!ブログにして無かったが、さて、現代の方々には、そこがどうなっているかご存知かな?
ちなみに初代Zこと、S30の場合は、
上蓋 S30Zボンネットの切り欠きの正体は!?(切り欠きシリーズ!?)
→ https://minkara.carview.co.jp/userid/124785/blog/288499/
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国内仕様の場合、パッセンジャサイドが「バッテリー」で、ドライヴァーサイドが「ウインドゥウォッシャー」であったが、トヨタ2000GTの場合は、
ちなみにエンヂンルームの眺めは、
ヘッドの大きなツゥインキャムエンヂンに、X型フレームにフロント・ダブリュゥ・ウィッシュボーンのおかげでエンヂンルームはキチキチの状態だ。
元々、低いボンネットフッドに、フロント・ダブリュウ・ウィッシボーン、おまけに X型フレームのおかげでエンヂンルームは殆ど余裕が無いのだが、その切り欠け部分は、実はなんにも無く、スリットの見えるように本当に「息抜き」の為であった。
トヨタ2000GT ボンネットの切欠きは本当に息抜きの切欠きだった。
トヨタ2000GTは、ほぼ1年と言う短い開発期間で製作されたために、ガラスのように精細で手の込んだ造りであるのだが、開発期間が短った故に、意外な弱点が散見される。
例えばだ、ヤマハのピアノを始めとする木材加工の技術を応用した、インパネはウッドパネルで、これが全く本物の「木」で出来ているのだが、前期型は「ウォールナット」製で1枚板と言う贅沢な造りだったが、室内ならいざ知らず、温度変化と湿度の変化が大きなクルマの車内だと経年劣化で割れてしまったり、
一枚 板 トヨタ2000GTの密かな悩み・・・
→ https://minkara.carview.co.jp/userid/124785/blog/2029625/
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以前他のブログで指摘があったが、ボディ開口部用の「ヒンジ」が剥き出しになって居たり、リヤハッチなんて、三本大先生が見たら怒り心頭になるだろう、ツッカエ棒だったりする。
エッと思われるかもしれないが、あの2000GTだって、リヤハッチを開けるとダンパーが無いから「つっかえ棒」がいるのだ!!
これはひとえに、開発期間が短かったので、「木を見て森を見ず」ではなく、「森を見て木を見ず」で、如何に全体のデザインで勝負しようという思想の表れであると僕は思っている。
それと対照的なのは、日産、フェアレディ S30 で、低価格でありながら、細部まで拘り、ヒンジを隠し、リヤハッチも開閉が楽で、つっかえ棒の必要ない、ガスダンパーを見つけて来て採用したりしている。
どちらがどうとは言えないが、ヒンジが見えたから、つっかえ棒があっても、トヨタ2000GTのエクステリアの評価は変わらない所から、トヨタの取捨選択は間違っていなかったのだろう。
今作れと言っても、到底作る事なんて不可能なクルマ、それが トヨタ2000GT だ。
四輪に憧れていたヤマハの思惑と、本格的なスポーツカーを作りたかったトヨタの「夢」が、たまたま、日産との縁が切れて途方に暮れていたヤマハをトヨタが声をかけ、四輪車とはを知らなかったヤマハが、じゃあやってみましょうというノリで、2000GTの開発に参画したが、四輪車の製造の経験があれば断っていただろう トヨタ2000GTの生産を、四輪車の生産のノウハウと経験が無かった故に製造まで請け負ったが、こりゃ大変と泣きながらガムシャラに作り続けた ヤマハ の苦労はいかばかりだったのだろうか。
そんな先人の苦労を知らず、切欠きはなんて平和な事を論じられることの有難さをヒシヒシと感じている次第なのである。
Posted at 2021/05/30 04:46:32 | |
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