8月9日、満を持してと言うか若干の遅れがあったようだが、ホンダの N-WGN が 二代目へとモデルチェンジした。
N-WGN は、僕の記憶が正しければ 2011年 N-BOX、2012年 N-ONE に続くN兄弟の三男だったと思うが、1993年に発売された初代 ワゴンR を源流とする、スライドしないドアの軽ハイトワゴンのホンダ版と言えよう。
二代目と相成った N-WGN は、最近の国産車に多い、基本的なディテールではなく、捻くれた面構成と、それを補う複数の邪魔なプレスラインに頼り切ったデザインではなく、久々にしっかりと吟味された面と最小限の理由付けできるプラスラインで、実に清々しいエクステリアで登場した。
まぁ、いくら清々しいエクステリアデザインと言っても、それが売れるか売れないかは別なんだが、僕的に言うと久々にクルマらしいデザインのクルマが登場したと感じている。
さて、再度デザインを眺めてみると、
久々にクルマ本来のカタチで勝負しようというデザインのクルマが N-WGN だ。
パッと見て、無駄な面の「捻り」や、余分な「線」が少ない。さらに、過剰なメッキ加飾がないのも実に清いモンだ。
デザイン的には、ボンネット、ルーフからピラー、サイドとデザインの役割がキッチリできている。Aピラーからの流れもショルダーで断ち切ることなく、サイドの面と呼応する部分までスッと伸びている。
Cピラーもルーフからホイールハウスの面が変わる部分までズンっと面が伸びている。Cピラーの面におかしな捻りや線が無いので、クルマがどっしり構えている様に見える。
本来なら空力とかを考えると、Cピラーとサイドの面に段差なんて付けたくないのが本音だろうけど、サイドはサイド、CピラーはCピラーとデザインの独自性を守るために段差があるのは、軽自動車なら比較的速度の高い走行が少ないだろうと判断した結果か。
ワゴンRも初代の清い無駄のないデザイン、ある意味武骨だったのが、今では 面 も 切り返しも ぐちゃぐちゃで、これでもかというメッキの加飾が煩わしい。いいクルマなんだけどねぇ。
サイドの面も、軽自動車の限られた幅の中でAピラーとCピラーの内側で独自の面構成を構成して、微妙にRがつけられているので、ショルダーからサイドシルにかけて微妙な陰影が浮き出て安っぽさを感じさせない。
国産車のデザインをダメダメにしたのはトヨタ。とにかく他と差をつけようと面を捻る煽る、それにプレスラインを入れるからクルマ全体を見るとまとまりがない。酷い。
面の異常な「捻じれ」や「捻り」といった惨憺たるデザインの多いトヨタでも、ある意味合いで N-WGN に近いのが、今のクラウンだ。
重圧 クラウン・コンセプト。セダンらしさのグローバル化
→ https://minkara.carview.co.jp/userid/124785/blog/40692964/
こっち方は、たっぷりとした面積と容積があるので、あのトヨタらしからぬ、実にクリーンなデザインを展開している。
裏を返すと、大きさも容積もガチガチに縛られている軽自動車で、それに近い処理をしている N-WGN 、ホンダの力量はなかなかとも言えるだろう。
さてさて、N-WGN の中で、僕的に気になるのが Aピラー根元の処理だ。実は十年以上前から声を上げていたのだが、
継目 気にしすぎ !? Aピラーの継ぎ目気になりませんか?
→ https://minkara.carview.co.jp/userid/124785/blog/1349779/
確かに衝突時の歩行者の安全性や、クラッシャブルゾーンの確保のために致し方無いのかもしれないが、Aピラーのパーテーションラインの位置が気になって仕方無いのだ。
僕的には、こんな感じでパーテーションラインがあればベストなんだが、
ボンネットのパーテーションラインがAピラーのラインまで延びれば・・・
まぁ、これじゃぁボンネットの開閉がとなるので現実的には、
(AUDI辺りじゃあ、こんな形状でも開くけど、コストで軽だと・・・閑話休題)
ボンネット上にパーテーションラインがあれば、サイドの面構成もスッキリでは!?
ボンネットの上面にパーテーションラインがあれば、ずいぶんスッキリとするのだがねぇ。
ボンネット上にパーテーションラインがあれば、クルマの雰囲気もエラク変わるのが分かるだろう。
線一本でクルマの雰囲気が変わる、本当にクルマのデザインは難しいのだが、だからと言ってトヨタの様に、個性を無理に出すために面や線をいじり倒すのはどうかと思うのだ。
その観点からも、N-WGN のデザインは、そうしたダメダメな最近の国産車デザインのアンチテーゼと思う次第なのである。
N-WGN Nシリーズ ワゴンR デザイン
Posted at 2019/10/26 00:33:14 | |
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