もう昨日の午後から、多数のクルマ関係のまとめサイトや、いや、それどころか普通紙までもが取り上げて盛り上がっている、
伊藤かずえ さんのシーマ のレストアの話題。
長らく
CARTUNE で、その日々の様子を微笑ましく拝見していたのだが、よいよと言うか、ついに、日産が重い重い、さらに重い腰を上げて、走行距離 266,000Km 超 エンヂン一度載せ替え、ボンネット父親と自家塗装 したY31シーマの レストア を行う事になった。
もう何年も前から、伊藤さん本人も、全塗装したい、できれば レストア したい・・・と言っていたのだが、その願いが、まさかメーカーが(といってもキッカケは社内の有志一同なんだが) 本格的なレストアに手を上げるとは夢にも思っていなかった。
実は最近、そんなY31シーマの維持に一途な 伊藤さん を見かねて、「伊藤かずえ さんのシーマをレストアしよう」なんていうクラウドファンディングを立ち上げようという動きが水面下でも起きていたのだが、今回の日産の英断で、一気に、それが賞賛の嵐となってネットの世界を駆け巡ったという次第なのだ。
y31シーマ いよいよレストア❗️
→ https://cartune.me/notes/5QqsXc6Ajt
以前にも、僕は 伊藤さんのシーマについてブログしたが、
琴瑟 初代シーマがやって来た。
→ https://minkara.carview.co.jp/userid/124785/blog/44564050/
伊藤さんは根っからのクルマ好きというタイプではない、常にピカピカに磨き上げるというふうでもなく、社外パーツなどをどんどん買ってというタイプでもなく、極々、毎日、買い物に、仕事に、スポーツジムに、またある時は実家への帰省・・と シーマ を普段の自分の手足の様に自然に使いこなしている。
タイヤが減れば交換して、シートが破れてしまうと、使わなくなったジーンズを被せて、ボンネットの塗装がヤレて来ると、親父さんと二人でカンスプレーで自家塗装してしまう・・・といった具合に、クルマとの時間を大事にしながら、自分で考えれるメンテを施すと言った具合に、まったく、Y31を意地で維持するという悲壮感が全くないのだ。
だから、日ごろから家族で洗車などをしているが、近くで見ると、塗装も結構やれているし、まぁ奇跡的に Y31病と言われる、内装の「溶解」もなく日々淡々とシーマとの時間を紡いでいるが、さすがに日々忍び寄る、経年劣化の波には抗えず、かといって、自分ができる範疇を超えてしまった シーマ に、何とかしたいという気持ちから、ここ数年の「全塗装したい」、できれば「レストア」という言葉に繋がっていたと僕は思うのだ。
クルマは間違いなく、高価値消費財に違いない、しかし、その中にあっても、クルマに対して大事にしよう、長く乗ろうという思いの人もいる訳で、その願いを、有名人だろうが、伊藤かずえだからだろうが、メーカー自身が重い腰を上げてチャレンジしようとする姿勢は大いに評価したいモノだ。
数が出ないし、儲からない仕事だろうけど、ユーザーが使い込んだクルマを受け入れ、レストレーションするという行為は、一見メーカーにとって利益が無いように見えるが、そこから得る有形無形の財産は大きいと思うのだ。
BMW などは、メーカー主体で自社の過去の作品を蘇らせる
BMW Classic Center を持っていて、責任をもってレストレーションを行っている。
何度も言って恐縮だが、クルマを文化として捉え、そして古いモノにも価値を見出して維持されるような国、そしてメーカーになって欲しいと、この件がきっかけになればと願って止まないのだ。
Posted at 2021/03/18 14:42:36 | |
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