折角なので、豪州でのパルサー 「SSS」 の様子を見て観よう。
豪州では510以来 「SSS」 というグレードが、日産のMクラス・スポーツモデルに使われていた。
710ヴァイオレットは、日本でも 「SSS」 が使われており、違和感が無いが、その次のモデルである PA10 でも 「SSS」 が使われていた。
意外な事実なんだが、日産はPA10 でのラリーの活躍を利用して、豪州以外でも PA10 に 「SSS」 を使っていた事は、意外に知られていない事実だ。
仏蘭西でのPA10のカタログ。こちらではヴァイオレットで「SSS」が存在していた。
さてさて、PA10 以降、豪州に於いて 「SSS」 を付けるに相応しいモデルとして、若々しくスポーティなモデルとして 「PALSER」 を選んだ。その最初が N13 系 で、
PULSER VECTOR SSS として売り出されていた
日本では、そうスポーティなイメージはなかったが、手ごろなサイズでスポーティと言う事で、これもそこそこ売れたモデルであった。事実、豪州のサイトを今でも巡ってみると、N13を結構イジッたモデルを見ることが出来るのだ。
マフラーを替えたり、幅広扁平タイアを履かせたり・・・古今東西、クルマ弄りはどこも同じだ。
そして本格的に豪州での 「PULSER SSS」 のイメージを確固としたのが、「GTI-R」 というモデルが存在し、実際にも WRC に ワークス で参戦していた N14 だ。
この頃の日産車の美点である剛性感の高さと、ユーティリティの高さも人気に拍車をかけた。
この N14 に於いて、完全に 「SSS」 は、日本での 「SSS」 とは違った、彼らの彼らの為のイメージリーダーとして大いに存在感を高めた。
N14 PULSER も、豪州で未だに人気が高く、結構決まったクルマを見ることが出来る。
迫力 !豪州のパルサー(N14)にセンスを見た
⇒ https://minkara.carview.co.jp/userid/124785/blog/127248/
そして、次世代の N15 にも、もはや形だけになってしまったが 「SSS」 は引き継がれ、
N15では、もはや日本と同じように 「SSS」 はイメージだけのモデルになってしまった。
N15 の後は、2008年に セダン G10(シルフィ) と ハッチバック N16アルメーラ を豪州では、パルサーとして売り 「SSS」 は途絶えてしまった。
日本人には、どうみても「シルフィ」(笑)
さらに、2005年末か2006年初頭だったと思うが ティーダ がリリースされて、豪州での PULSER の脈略も尽きてしまったという次第だ。
そして、スポーティモデルが大好きで、MT必須の豪州のユーザーの声に押される形で、今回、PLUSER それも 「SSS」 が復活するというのだから、実に日本とは違った風土やクルマへの考え方を見ることが出来て非常に興味深いモノだ。
先日のブログでも書いたが、
今の日産は、数が出て儲けが出るのなら、一端否定したブランドやグレードだって、ゾンビの様に蘇るという姿勢が、パルサーSSSの豪州の復活で明確になたと思う。
裏を返せば、ミニヴァンやAT、CVT しか売れない、今の日本の市場を顧みれば、Mクラスセダン、MT、ブルーバード の復活なんて、更々、
今の日産 にはあり得ないという、かつてからの日産ファンにとっては悲しい現実を突き付けられた・・という事でもあるだろう。
歴史観を大事にします、オールドファンも大事にします・・というポーズをとっている日産だが、儲けの無い数の出ない仕事は
御免被る
という姿勢は、本当に腹立たしいモノだ。
せめて、豪州のパルサーはライトスティアリングなんで、エミッションの問題は有ろうが、おこぼれで数が出なくとも、日本の市場に打って(売って)くれたら、少しでも見直すのだが、絶望的だろう。
何度も言うが、
「歴史観の無い会社は存在意義が無い」
僕は、その言葉を、性根無の 雷诺汽車 の僕の連中に言ってやりたいものである。
Posted at 2012/10/21 13:01:57 | |
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